【就活資格】就活でCADのスキルは評価される?
2024/9/1更新
はじめに
建築系、土木系の学部で学ぶ就活生には馴染みのあるCAD。
CADを扱う仕事に就きたいと考える就活生の中には、以下のような悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか?
- CADを扱う仕事や業界は?
- 新卒の就活でCADのスキルや資格は役に立つの?
- CAD資格って色々あるけど就活生ならどれを取得すればいいの?
この記事を読めば、こういった悩みや疑問はすべて解決できます!
- CADを扱う仕事や業界の情報。
- 新卒で就活する時のCAD資格の価値や、おすすめの資格。
CADを使う仕事に就きたい就活生は必見の内容です!
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CADとは?
はじめにCADとはどのようなものなのか、3つの観点から見ていきましょう。
- CADは設計図の作成ツール
- 2次元CAD・3次元CAD
- 代表的なCADソフト
①CADは設計図の作成ツール
CADとは、”Computer Aided Design(=コンピュータ支援設計)”の頭文字を取った言葉です。
一般的にCADは設計図の作成ツール(ソフト)のことを指します。
従来は手書きで設計図を作成していたところを、CADソフトを使うことで効率化することができ、現在では幅広い業界でCADが使用されています。
②2次元CAD・3次元CAD
CADには大きく分けて2次元CADと3次元CADの2種類があります。
2次元CAD(2DCAD)は、その名のとおり2次元で設計図を作成するものであり、正面図、平面図、側面図から物体の構造を表します。
従来のように紙に手書きするのと同じ感覚で作成でき、3次元CADよりもスキルが習得しやすいです。
3次元CAD(3DCAD)は、物体をあらゆる角度から認識できるよう立体的に設計図を作成するものです。
その複雑さから、2次元CADよりも習得は難しいと言われています。
③代表的なCADソフト
CADソフトには有料のものから無料のものまで様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。
代表的なCADソフトは以下のとおりです。
- AutoCAD
- Fusion 360
- Revit
- Vectorworks など。
建築に特化したソフト、インテリアに特化したソフト、精密機器に特化したソフトなど多種多様です。
CADを扱う仕事は?
ここでは新卒の就活でCADを扱う仕事をしたいと考えている方に向けて、代表的な職種を2つ解説します。
- CADオペレーターとは
- CADエンジニアとは
それぞれ見ていきましょう。
①CADオペレーターとは
CADを扱う仕事(職種)として最も一般的なのが、CADオペレーターです。
CADオペレーターが担う主な役割は、簡易的あるいは下書きの設計図をCADソフトで正確な図面にトレースすること。
基本的には設計図の大本を作るわけではありません。
設計自体を担当するのは後述するCADエンジニアの役割になります。
CADソフトの使い方がわかっていれば、ある程度の仕事はできるため、アルバイトやパートとしてCADオペレーターを務めている人も少なくありません。
また、CADエンジニアと違って実務経験無しでも採用されやすい傾向にあります。
新卒で就活する際にCADを扱う仕事をしたい場合は、まずはCADオペレーターを目指してみるのも良いかもしれませんね。
CADオペレーターとして実務経験を積んでいき、CADエンジニア等へステップアップする人も少なくありません。
②CADエンジニアとは
続いて紹介する仕事(職種)は、CADエンジニアです。
CADエンジニアは簡単に言えば、「物体の構造を考案、設計する役割」を担っています。
具体的には、建築、土木、インテリア、機械など様々な物の形(内部、外部どちらも)を考案するとともに、それを他者と共有できるように設計図に落とし込みます。
完全な設計図を作成する人もいますが、多くの場合は設計図の基(下書き)を作成するに留め、正確な図面はCADオペレーターに作成してもらうことが多いです。
CADオペレーターはCADの使用スキルさえあればある程度務まりますが、CADエンジニアはそうはいきません。
CADソフトを使いこなせるのは当然のこととして、なにより必要とされるのは、設計に関する広範な知識です。
安全安心なものづくりには、物体の構造や動きなどをあらゆる観点から見ていくことが欠かせません。
物理学や工学などを始めとした様々な分野の知識が必要となるわけです。
したがってCADエンジニアへの就職は、基本的には実務経験が無い場合は難しいと言えます。
とはいえ、新卒の就活生を長期育成を前提に募集している場合もあるため、就活情報サイト等で求人情報はしっかりとチェックしておきましょう。
CADオペレーター・エンジニアに向いている人の特徴
ここではCADオペレーター・エンジニアに向いている人の特徴を紹介します。
CADを扱う仕事をしたいと考えている就活生の皆さんは、自分の性格と合致しているかチェックしてみてください。
CADオペレーター・エンジニアに向いている人の特徴は以下の2つです。
- 正確さが求められる作業が得意な人
- ものづくりが好きな人
①正確さが求められる作業が得意な人
1つ目に、正確さが求められる作業が得意な人はCADオペレーター・エンジニアに向いています。
どんなジャンルのものづくりであっても、最も重要なことは安全性であり、安全性を担保するには正確さが不可欠だからです。
CADオペレーターを例に挙げれば、設計図のトレースには一切の誤差が許されません。
わずかな誤差であっても最終的な仕上がりに多大な悪影響をもたらしてしまうからです。
特に建築、土木、精密機械などのジャンルにおいては、極々小さなミスやズレであっても、利用者の命を脅かす結果を招く可能性が生じます。
CADオペレーター・エンジニアとして働く上では、正確な作業が得意なことが必須条件となるでしょう。
普段からそのような作業が得意な就活生はこの仕事に向いていると言えます。
②ものづくりが好きな人
2つ目に、純粋にものづくりが好きな人もCADオペレーター・エンジニアに向いています。
クリエイティブな仕事をしたい人と言い換えても良いでしょう。
ものづくりが好きで、自分の発想を形にしてみたいという就活生は、CADエンジニアになることができれば、日々大きなやりがいを感じながら働くことができますね。
自分が設計に関わった物が世に出て、誰かの喜びや利便性に繋がる。
ものづくりが好きな就活生にとって、CADオペレーター・エンジニアは理想的な職種の一つと言えるかもしれません。
CADを扱う業界は?
CADは幅広い業界で使用されています。
- 建築・土木業界
- インテリア業界
- 福祉業界
- 自動車・航空業界
- 家電・精密機器業界 など。
したがってCADの高い使用スキルがあれば、様々な業界で重宝されると言えますね。
ただし就活で内定を獲得するためには、志望業界の一貫性が重要な要素となります。
エントリーシートや面接の際はこの点に注意してください。
新卒の就活でCAD資格やスキルは役に立つの?
CADを扱う仕事に就きたい就活生や学生は、CADの使用スキルはもちろんのこと、CAD資格を持っておくことをおすすめします。
CADを使える就活生は少なくありませんが、資格まで取得している学生は多くないため、他の就活生に差をつけることができるからです。
CADをどの程度扱えるのかを証明することができますし、難易度の高いCAD資格は就活市場で強いカードの1枚となるでしょう。
CADを使う仕事をしたいのであれば、ぜひ資格取得を目指してみてください。
CADに関する資格には様々な種類があります。
どの資格を取得するのかの指標としては、志望業界で頻繁に使用されているCADソフトに関する資格を取るのが良いでしょう。
建築業界を志望しているならば建築系CADソフトの資格。
インテリア業界を志望しているならばインテリアに特化したCADソフトの資格。
業界で使用頻度の高いCADソフトの資格を持っていれば、即戦力として認識してもらえる可能性も高まりますよ。
就活で差を付ける!代表的なCAD資格・取得難易度
ここでは代表的なCAD資格と、その取得難易度について解説します。
自分に合った資格を取得することで、他の就活生に差を付けましょう!
以下5つの資格を紹介します。
- CAD利用技術者試験
- 建築CAD検定試験
- オートデスク認定資格プログラム
- Vectorworks操作技能認定試験
- 技能検定(機械・プラント製図)
①CAD利用技術者試験
CAD資格の中で最も有名なのは、一般社団法人コンピュータ教育振興協会が運営する「CAD利用技術者試験」です。
CAD利用技術者試験は、「2次元CAD利用技術者試験」と「3次元CAD利用技術者試験」の2つに分かれています。
- 「基礎、2級、1級」が設けられており、基礎と2級は受験資格の規定無し。
- 基礎:これからCADを本格的に学ぶことを目的とした、3ヶ月程度の就学者を想定。
- 2級:CADシステムを利用した設計・製図などの業務に従事することを目指す方、もしくは従事して間もない方を想定。
- 基礎合格率:82.07%(2021年実績)
- 2級合格率:52.28%(2021年実績)
- 2級、準1級、1級が設けられており、2級は受験資格の規定無し。
- 2級:3次元CADシステムを利用した機械系・製造系のモデリング・設計・製図などの業務に従事することを目指す方、および3次元CADシステムの周辺業務に従事している方を想定。
- 2級合格率:44.68%(2021年実績)
CAD利用技術者試験は、特定の分野に特化した試験ではなく、CADに関する汎用的な知識が問われる試験です。
受験資格の規定が無いものを受けてみましょう。
②建築CAD検定試験
建築CAD検定試験は、一般社団法人建築CAD連盟が主催しており、その名のとおり建築に特化したCAD試験です。
4級、3級、2級、準1級がありますが、4級は高校による団体受験のみとなっているため、就活生の皆さんにとっては実質3級からのスタートとなります。
合格率は以下のとおりです。
- 3級:61.5%
- 2級:60.3%
- 準1級:14.1%
建築業界を志望している就活生におすすめのCAD資格です。
③オートデスク認定資格プログラム
オートデスク認定資格プログラムは、CADソフトの代表格である「AutoCAD」の開発企業であるAUTODESKが主催しています。
世界規模で高いシェアを誇るCADソフトの使用スキルを測る資格ですので、取得しておけば海外でもスキルを証明することができます。
合格率は残念ながら非公表です。
合格基準は正答率70%となっています。
初級者向けに「オートデスク認定ユーザー」という認定資格もありますので、こちらから挑戦するのもありでしょう。
④Vectorworks操作技能認定試験
続いて紹介するのは、Vectorworks操作技能認定試験です。
インテリア設計に使用されるCADソフト「Vectorworks」の使用スキルを測る試験であり、Vectorworksの販売元であるエーアンドケー株式会社が執り行っています。 合格率は非公表。
全体の7割以上正解することが合格基準となっています。
インテリア業界を目指している就活生は取得しておきたいCAD資格ですね。
⑤技能検定(機械・プラント製図)
最後に紹介するのは、厚生労働省が実施している「技能検定(機械・プラント製図)」です。
CAD関連の資格としては唯一の国家資格となっており、合格者は「機械・プラント製図技能士」を名乗ることができるようになります。
3級、2級、1級が設けられており、3級には受験資格の規定はありません。
3級の合格率は47.2%(2019年実績)と少し難しい試験になっていますが、国家資格であるがゆえに信頼度は高いです。
ぜひ取得を目指してみてください。
CAD資格を取得するための勉強法
上記で紹介した代表的なCAD資格を知って興味を持った学生向けに、CAD資格を取得するための勉強法について紹介します。
- スクールに通う
- 独学
①スクールに通う
いわゆる大学受験でいう「予備校」のような形で、専門的な知識を持っている講師から教えてもらって合格を目指します。
資格取得の支援実績やノウハウを持っているため、必要な情報を効率的に把握し、勉強することができるでしょう。
一方でスクールによって多くの費用がかかり、かつ通いで授業を受ける場合は、一定以上のまとまった時間を確保する必要があるため、スクールに通う場合は「必ず合格する」覚悟が必要と言えるでしょう。
- 日建学院
- Winスクール
- ヒューマンアカデミー
- KENスクール
- 諒設計アーキテクトラーニング
- BIZROAD
- AVIVA(アビバ)
- ソフトキャンパス
- E&Gアカデミー
- E-Groove(イー・グルーブ)
②独学
スクールに通うデメリットとして紹介した「多くの費用がかかる」「まとまった時間の確保が必要」を避けたい学生は、独学がおすすめ。
最近ではYoutubeで資格取得のノウハウを発信している方がいて、かつ無料版のCADソフトを自身でも扱うなど「実践」を通して知識を深めるなど、スクールのように費用や時間に縛られない学習が可能です。
- キャド研
- アヴニールCADシステムズ
- 3D CADのブログ
よくある質問
よくある質問をまとめました。
- Q.CAD資格は取得しても意味ないって本当?
- Q.CADの職業訓練は就活生でも受けられるの?
Q.CAD資格は取得しても意味ないって本当?
A.実務には役立たないことも少なくありませんが、就活でCAD資格は武器の一つになります。
Q.CADの職業訓練は就活生でも受けられるの?
A.残念ながらCADに限らず職業訓練は就活生は受けることができません。
さいごに
今回はCADについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
記事の内容を簡単にまとめます。
- CADとは設計図の作成ツールのことを指し、大きく分けて2次元CADと3次元CADの2種類がある。
- CADを扱う主な仕事(職種)は、CADオペレーターとCADエンジニア。
- CADオペレーターが担う主な役割は、簡易的あるいは下書きの設計図をCADソフトで正確な図面にトレースすること。
- CADエンジニアが担う主な役割は、物体の構造を考案、設計すること。
- 実務経験無しでCADエンジニアになるのは難しく、CADオペレーターからステップアップする事例が多い。
- CADは建築・土木業界、インテリア業界など幅広い業界で使用されている。
- 志望業界に関連するCAD資格を取得しておくことで、他の就活生に差を付けることができる。
CADを扱う仕事をしてみたい就活生の皆さんは、この記事の内容を参考にしてぜひ就職活動を成功させてくださいね。
なおCADを扱う業界・企業については下記でも紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください!