評価されるボランティア経験のアピール方法と例文を解説!
2024年8月29日更新
はじめに
「就活のためにボランティアはやったほうがいいの?」
「面接でボランティアをアピールするのはアリ?」
「ボランティアをアピールするとしたら、どのようにすればいいの?」
このような疑問にすべてお答えします。
まず結論として、ボランティアをやってるからといって、それがそのまま就活でプラス評価になるとは限りません。
問題はその中身です。
本記事ではボランティアが就活に有利にはたらくとは限らない理由やボランティアを通じて人事が何を評価しているのかを解説していきます。
- ボランティア経験は就活で有利?
- ボランティア経験で評価される人物像
- ボランティア経験を魅力的に伝えるための「型」と「例文」
- ボランティア経験をアピールする際の注意事項
10分くらいですべての疑問が解決しますので、最後までジックリとお読みくださいね。
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就活でボランティアの経験は有利になるの?
冒頭でも述べましたが、ボランティアをやってるからといって即座に高評価になることはありません。
たとえば、自己PRやガクチカと同じように 「世界一周旅行を単独でやりました」と言われても、題材はスゴイとは思いますが、人事の関心は次の視点に向かいます。
具体的には下記の通りです。
- 何を学び
- どんな考え方やスキルが身に付き
- それが会社にどんな利益をもたらすのか
これらをを言語化してアピールできてこそ、人事の心に刺さります。
逆にここをキッチリ説明できないと、「単独で世界一周旅行」というスゴイ題材でも単に「学んだことはあまりないです」とか、「案外、楽勝でした」といわれても響きませんよね。
これと同じで「ボランティアをしてました」というだけでは絶対に評価されません。
要は原体験から得た知見やスキルが企業側にあなたを採用するメリットや理由(以下、ベネフィット)があるのかどうかという観点で評価されます。
そういう意味ではボランティアも部活やサークル、アルバイトといった題材と同レベルの扱いになります。
よく就活に有利になるからボランティアを始めるといった邪な心をもった学生を散見しますが、これは逆効果になるのでやめたほうがいいです。
なぜなら、ボランティアに参加する「志」や「価値」がもともとズレているので、面接で人事から深堀り質問されたときに説明に苦慮して薄っぺらな動機を見透かされます。
情熱や志向のないボランティア活動は、就活に関しては時間と労力のムダになりますのでおすすめしません。
就活生必見!ボランティア活動を通じて人事が知りたいこと
エントリーシートや面接で人事はボランティアを行ったあなたの何を知りたいのかをまずは10秒ほど考えてみてください。
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人事がボランティアのエピソードを通じて知りたいことは大きく3つです。
- ボランティアを始めたきっかけ
- 経験の中で感じたこと、学んだこと、反省点
- 経験で得たものがどう仕事につながるのか?
少し解説を加えると、何事も「動機」が大切です。
「なぜ、そのボランティアを始めようと思ったのか?」、そのきっかけをまず人事は知りたいのです。
なぜきっかけを知りたいのかというと、そこに本人の価値や志向がうかがい知れるからです。
そこがクリアになると、次のステップはそのボランティア活動を通じて、苦労したことや学んだこと、成長したことから、形成されたマインドやスキルがどんなものかをチェックしています。
そして、最終ステップとして、そのマインドやスキルが会社の価値観や求める仕事に役立つかといった連動性を見極めています。
ボランティアの評価ポイント
人事がボランティア活動を通じて知りたいことは部活やサークル、アルバイトなどとそこまで変わらないと理解できたと思いますが、実は評価ポイントには少しズレがあります。
それはボランティアが持つ性質の特殊性から派生する評価ポイントともいえますが、その辺りをここからは解説していきます。
ボランティアの持つ特殊性から通常とはウエイトが異なる評価ポイントは大きく3つあります。
- 人柄
- 自発性・行動力
- 社交性
1つずつ深堀り解説していきます。
人柄
基本的にボランティアは自発的に行う慈善活動です。
企業は誰もが進んでやりたがらないボランティアをなぜあなたが自発的に誰かのためにやろうとしたのか、その理由から垣間見れる「人柄」に注目しています。
それは使命感だったり、周囲への思いやりだったりとさまざまでしょうが、ボランティアはそのような人柄がにじみ出やすい活動なので、始めたきっかけをあなたの性格と紐付けて語ることで、企業からの評価の対象となります。
自発性・行動力
ボランティアは単位を稼ぐための大学の講義やゼミ、生活費を稼ぐためのアルバイトとは異なり、自らの意志にもとづき無償で行う活動です。
もちろん、参加する前にその団体の方針やポリシーを調べたうえで、自分の思想やスタンスに近い団体やイベントを選択するはずです。
そのように自分自身が調査し、納得したうえで主体的に活動に参加するという自発性と行動力は仕事においても不可欠な要素なので、採用の際にも評価ポイントになりやすいです。
社交性
ボランティア特有の最後の評価ポイントは「社交性」です。
ボランティアの種類は、町おこしや学童の教育支援、発展途上国での環境保護支援などさまざまで、多くの活動が人との交流のうえで成り立つものです。
そのため、団体やイベントのなかで人間関係を築ける社交性・コミュニケーション能力を評価される可能性も高いでしょう。
アルバイトは少し交流相手の年齢層がボランティアに近いですが、部活やサークルなどは歳の差が2〜3年程度離れた集団のなかでの交流です。
一方で、会社は20代から60代まで幅広い年齢層が連携や協力を行いながら1つの組織として動いています。
そういった意味ではボランティアの団体は色んな年齢層の人と接して協働する場面が多く、年齢構成が似通った会社組織で仕事をする形態と近いので、その集団の中で学生がどのように考え、動くのか適応面で大いに参考になるわけです。
選考でボランティアを魅力的にアピールする「型」と「例文」
ここまで学生のボランティア活動を通じて人事が知りたいことや評価ポイントについて解説してきました。
次にボランティアを題材としてアピールするなら、親和性の高い「自己PR」や「ガクチカ」で使うのが吉です。
「でも、ボランティアはどのようにアピールしたらいいですか?」
と困っている学生もいると思いますので、ここからは自己PRとガクチカの「型」と「例文」を交えて実践レベルで使えるように解説していきますね。
選考でボランティアを魅力的にアピールする「型」
すべてこの型どおりでなくても構いませんが、この文章構成の流れを基本として押さえておいてください。
【ボランティアの型】
①結論
↓
②問題意識・行動のきっかけ
↓
③エピソード(課題形成→課題解決)
↓
④結果(定量効果、定性効果)
↓
⑤学んだこと
↓
⑥ベネフィット(その会社が採用するメリット・理由)
この型だけを見てもピンと来ないと思うので、例文を見ることによってイメージを膨らませてください。
選考でボランティアを魅力的にアピールする「例文」
【自己PRの例文】
【結論】
私の強みは全世代の層に働きかけて、円滑に物事を良い方向に解決する力です。
【問題意識・行動のきっかけ】
この力は町おこしの一環として学祭実行委員会が新たに参画した地域のイベントで大いに発揮されました。
具体的には毎年開催される地域の「納涼祭」が過疎化と高齢化により、年を追うごとに特に若い層を中心に客足も遠のき廃れる一方でした。
このままでは祭りの存続自体が危ぶまれるという強い危機感を持った私は、学祭実行員会が祭りに加勢できないかを説得したところ、委員全員の賛同を経て組織としてイベントに参画する運びとなりました。
その後、納涼祭主催の自治会長に直接イベントに参加する趣旨を丁寧に説明し、快諾を得ました。
【エピソード(課題形成→課題解決)】
祭では毎年飲食店による出店イベントを開催していましたが、若い層を呼び戻すためにタイやベトナム、韓国などの海外留学生の力を借りて自国の料理をふるまうブースを新たに出店しました。
【定量効果】
結果として、その企画により若い客層の取り込みに成功し、集客率は例年の5倍に伸びました。
【定性効果】
「納涼祭」に活気が戻り、自治会長からも「君たちのおかげで、20年前の血気盛んだったころの記憶が蘇ったよ。ありがとう。」とお礼の言葉までいただくことができました。
【学んだこと】
私はこの経験を通じて、既存のものを尊重しつつ、時代の流れに対応していく「温故知新」の大切さを学びました。
【ベネフィット】
貴社では従来の社風や歴史に敬意を払いつつ、時流に即した企画と融合させることにより、他社にはない商品とサービスでお客様に感謝されながら、競合他社を上回る利益を生み出していきたいと考えています。
このエピソードをそのままガクチカに焼き直した文章が下記のとおりです。
【ガクチカの例文】
【結論】
私が学生時代に最も力を入れたことは、毎年開催される地域の「納涼祭」に学祭実行委員会の力を新たに投入し、イベントの活性化と地域交流をはかったことです。
【問題意識→行動のきっかけ】
私が住んでいる地域では過疎化と高齢化が同時に進行し、さびれた納涼祭により特に若者を中心に客足も遠のく一方でした。
このままでは私の生まれ育った町がますます沈滞化するという危機感を抱いたため、大学生の若い力を活用して祭を活性化できないかという問題意識を抱きました。
【エピソード(課題形成→課題解決)】
私は学祭実行委員会でこの問題を提起し、委員の賛同を経た上で、「納涼祭」主催の自治会長と膝を突き合わせ、学祭実行委員会としてイベントに参画したい旨を丁寧に説明したところ快諾を得ました。
毎年地元の飲食店による出店イベントを開催していますが、若い客層を誘導するためにまずは出店の通りを興味をそそる「腹ペコ横丁」と改称し、従来の出店に加え、海外留学生の力を借りて、タイやベトナム、韓国などの自国の料理をふるまうブースを新たに出店しました。
【定量効果】
その企画により若い客層の取り込みに成功し、集客率は例年の5倍に伸びました。
【定性効果】
結果として「納涼祭」は活気を取り戻し、自治会長からも「君たちのおかげで、20年前の血気盛んだったころの記憶が蘇ったよ。ありがとう。」とお礼の言葉までいただくことができました。
【学んだこと】
私はこの経験を通じて既存のものを尊重しつつ、時代の流れに対応していく「温故知新」の大切さを学びました。
【ベネフィット】
貴社では従来の社風や歴史に敬意を払いつつ、時流に即した企画と融合させることにより、他社にはない商品とサービスでお客様に感謝されながら、競合他社を上回る利益を生み出していきたいと考えています。
このように型に沿って文章を作成していけば、人事が知りたいことをカバーする文章が自動的にできあがります。
すべてがすべてこの型どおりでなくて結構ですが、流れと論点をおさえておけば困ることはなくなるはずです。
就活でボランティアをアピールする際の注意点3つ
先ほどはボランティア活動をアピールするための文章構造と参考になる例文を紹介しました。
上記の内容を参考にしつつ、作成時には押さえておきたい注意事項も3点あるため、下記で解説します。
- 団体の理念や思想に執着しない
- 就活の軸や将来の目標との一貫性を
- ボランティアとビジネスの機能の違いを認識する
団体の理念や思想に執着しない
ボランティア団体には優れた理念や思想を持つ団体も多く、その活動がすばらしいものであれば、人に伝えたいという気持ちが出てくるでしょう。
しかし、その気持ちが前面に出過ぎて、企業側から「じゃ、その団体に入ったら…」とか「ウチの価値観に合わないねぇ。入ったら混乱を招くかも」といった悪い心証を与える場合があります。
志望企業の経営理念とボランティア団体の理念が一致している場合は問題ないですが、不一致の場合は摩擦や抵抗感が生じますので、その場合は「その団体の理念」と「企業側の理念」を融合した考え方をあなた自身の言葉として伝える柔軟性が必要ですね。
就活の軸や将来の目標との一貫性を
就活のアピール材料としてボランティア活動を取り上げるのであれば、あなたの就活の軸につながるものや将来の目標や理想像と関連性がある題材を選びましょう。
それらとまったく関係のない活動を伝えるだけでは、キャリアパスの一貫性が確保できません。
たとえ、企業の業務内容と乖離のあるボランティアだとしても「活動を通じて学んだ経験を●●の業務に活かしたい」などと企業側のベネフィットに寄せるだけでも好印象に反転します。
ボランティアとビジネスの機能の違いを認識する
ボランティアで得た慈善や奉仕の気持ちを活かしてかんばりたいという気持ちはとても崇高なものですが、企業が求めているものは少しニュアンスが異なります。
ご存じのとおり、ボランティアは慈善にもとづき誰かのために無償で活動することが前提です。
一方で、企業の仕事も誰かのために、世の中のためにという点では一致していますが、根底にあるのは利益を上げるという営利目的です。
ボランティアは非営利活動、仕事は営利活動と分ければ、仮に同じ取り組みだとしても目指すべきゴールはそれぞれ異なります。
ただ「社会に貢献したい」と述べるだけでは、「仕事とボランティアの区別がついていない」とか、「それならボランティア団体に就職すれば…」と判断されるため、必ずビジネス的な視野を含めて伝えなければいけません。
そういった意味でボランティアとビジネスの機能の違いを認識したうえで自分をアピールすることが大切になってきます。
さいごに
以上、本記事ではボランティア経験のアピール方法や例文などを紹介しました。
本記事の内容を簡単にまとめます。
- ボランティア経験が特別視されるわけではなく、あくまでサークル活動やアルバイトと同様の扱いとして考えるべき
- ボランティア活動では「人柄」「自発性・行動力」「社交性」の3点が評価される
- 就活でボランティア経験を魅力的に伝えるためには「型」が重要
- 就活でボランティア経験をアピールする際は「組織の思想・理念に執着しない」「就活軸と一貫性を持たせる」「ビジネスとの違いを理解する」ことに注意する必要がある
いずれにしてもあなたのボランティアの経験を通じて得た見識やスキルがどのように企業側の求める未来や得たい結果に直結するのかをアピールできるかがポイントになります。
そのために企業側の求めるベネフィットを必ずリサーチしたうえで本記事の型に沿って魅力的なアピール文を作成してみてくださいね。
なおボランティア経験はガクチカ・自己PRで特に用いることができるエピソードですが、ガクチカ・自己PRのコツについては下記記事でも紹介しているため、気になる方は目を通してみてください!
本記事があなたの就活のお役に立てば幸いです。