教育業界とは?課題や今後の見通し、就活の選考対策を解説!
2024/8/23更新
はじめに
教育業界と言えば学校や塾の先生をイメージする学生も多いかもしれません。
また「少子化が進んで市場規模が小さくなり、将来性が不安」と感じる方もいるでしょう。
しかし、今教育業界で日々新しいビジネスが生み出され、今後さらなる成長が見込まれる業界としても注目を集めています。
教育業界を目指す学生は、この業界の特徴とそれに特化した志望動機を作り込む必要があります。
そこで本記事では、教育業界の現状や将来性、就活を制する選考必勝法をご紹介します。
以下のようなお悩みを持つ学生は必見なので、ぜひ最後までご覧ください。
- 教育業界の今後が不安…
- 具体的にどんな仕事をするの?
- 教育業界に特化した選考対策がしたい!
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教育業界とは?サービス内容と市場規模
教育業界と聞くと、「学習塾」や「英会話教室」などを思い浮かべると思いますが、それだけではないんです。
ここでは教育業界の「あらまし」と「市場規模」について解説していきます。
教育業界とは
まず教育業界は大きく、以下の3つに分類できます。
- 幼稚園〜大学(大学院)までの教育機関
- 子供向け学習支援サービス
- 大人向け学習支援サービス(含む、企業研修・カルチャーセンター)
本記事では就活に関わる「子供向け学習支援サービス」と「大人向け学習支援サービス」に特化して解説していきます。
2つの主なサービス内容は以下のとおりです。
- 学習塾(補修/総合/進学・予備校)
- 教育サービス(非学習塾)
- 通信教育/出版
- 英語/英会話などの語学
- 通信教育/出版
- 英語/英会話などの語学
- カルチャーセンター
- 企業研修
教育産業の市場規模
教育産業の市場規模はどうかというと、矢野経済研究所の調査によれば、2020年度は2兆6,997億円、2021年度は2兆8,333億円が見込まれています。
コロナ禍により教育産業も2020年度はマイナス成長でしたが、教育サービスのオンライン化・リモート化の推進により2021年度は回復基調にあります。
具体的には対面型・集合型の教育サービスが縮小傾向に転じる一方、非対面型・非集合型の教育サービス市場(通信教育市場、eラーニング市場、学習参考書・問題集市場)は、コロナ禍での在宅学習の需要が拡大し、プラスの影響を受ける結果となっています。
教育産業の年収・ホワイト度ランキングが知りたい方は、以下の記事も合わせてチェックしておきましょう。
教育業界が抱える3つの課題
それでは教育業界の課題をみていきましょう。
課題は大きく以下の3つです。
- 少子化に伴う教育市場の縮小
- 制度変更に対応する人材不足
- デジタル化対応の遅れ
①人口減少に伴う教育市場の縮小
人口推計で公表されているとおり、日本はこれから確実に人口が減っていきます。
とりわけ、未婚化や晩婚化、子育ての経済的負担感の増大、出生や子育てに関する価値観の変化により少子化が進みますので、教育の主力産業である子供向け教育サービス市場は縮小傾向になります。
また、予備校では少子化に加え大学の数が増えたことで浪人生が減少し、生徒数が減るという現象が起きています。
また社会人についても人口が減ってきますので、社会人向け教育サービス市場のパイも小さくなっていきます。
したがって、教育産業は安定した生徒数の確保、収益性の維持・向上が今後の課題で、吸収合併や業務提携などによってサービス・地域領域の拡大、対象年齢の拡大、新サービスの開発等を進め、ターゲット層の拡大や顧客サービス提供期間の長期化をはかる必要に迫られます。
②制度変更に対応する人材不足
小学校では新たに「英語」や「プログラミング」が必須科目として導入されたり、約10年ごとに見直される「学習指導要領の改訂」や「大学入試改革」で教育現場は目まぐるしく変化しています。
また、社会人向けもグローバル化やデジタル化の進展に伴い、語学やプログラミング、キャリアアップや資格取得を目的としたニーズが増加しています。
一方で、このような制度変更や環境変化に対応できる講師陣が不足しています。
したがって、教育業界では戦力となる優秀な人材確保が喫緊の課題です。
③デジタル化対応の遅れ
コロナ禍が契機となり、多くの教育サービスにおいてオンライン化・リモート化が進み、在宅でも教育サービスを受けられる環境が整備されるため、利用者・受講者に対する利便性が高まっていくとともに、教育サービス事業者間の競合関係がエリアの枠を超えて強まっていきます。
ただ、オンライン授業の需要は高まっているものの、予算の都合からデジタル化に踏み切れない企業も出てきています。
したがって、今後も教育業界のデジタル化は進展するため、対応できない企業は早晩淘汰されることが予想できます。
教育業界の将来性と今後の動向
それでは、教育業界に将来性があるのかどうか今後の動向についてもチェックしておきましょう。
新学習指導要領の改訂
新学習指導要領の改訂により、教育内容や方法に変化が予想されます。
特に、思考力や判断力、表現力を重視した教育が強化され、教員にはこれらを育むための指導力が求められるでしょう。
これにより、教育現場では授業内容の見直しや新たな教材の導入が進むことが予想されます。
ICT教育の推進
ICT(情報通信技術)の導入が進み、オンライン授業やデジタル教材が広く普及しています。
教員はICTスキルを磨く必要があり、生徒の学習スタイルも多様化に対応しなくてはいけません。
ICT教育の推進は、教育の効率化や個別学習の充実に寄与すると期待されています。
社会人を対象にした英語教室の需要増加
グローバル化の進展に伴い、社会人向け英語教室の需要が増加しています。
ビジネスにおける英語力の必要性が高まっているため、働きながら外国語を学ぶ人が増えているのが特徴です。
こういった最近の流れにより、柔軟な学習プログラムやオンラインコースが拡充され、教育市場の一部として成長が期待されます。
リスキリングの流行
リスキリング(新しいスキルの習得)が重要視される中、教育機関では新たなスキルや知識を提供するプログラムが増加しています。
特にデジタル技術やAIに関連する分野での学び直しが注目されており、これに対応した教育サービスの需要が高まっています。
教育業界の仕事内容
教育業界の仕事は大きく分けると5つです。
なかには複数の仕事を兼務する場合があったり、呼称が違ったりするケースもありますので注意してください。
①講師
生徒に学習指導する仕事です。ただ教えるだけでなく、指導の準備をしたり、進路相談など生徒の質問に答える仕事も含まれます。
②マネージャー、塾長、教室長
講師の採用からシフト調整、イベントの企画〜実行、売上管理、保護者対応など教室運営の全てを担う職種です。
③広報
生徒獲得のための広報宣伝活動を行う仕事です。
広報を担当すると集客のためにSNSで発信したり、自社のWEBサイトに記事を投稿したり文章を書く仕事を担うこともあります。
④教材開発
学習塾がメインとなる職種ですが、対象となる試験問題の研究を行い、授業で使用する試験やテキストなど教材の編集・作成などを行います。
現在はICT技術やタブレット・スマホの活用により、どこでもいつでも映像教材が受講できる「eラーニング」の教材開発が増加してきています。
⑤事務スタッフ
入塾・入学の手続きや生徒の管理、講師のサポートなどを行う仕事です。
教育業界の平均年収
「教育業界の課題や仕事内容はわかりました。次に教育業界って、いったいどのくらい給料をもらえるんですか?」
国税庁が公表している「令和2年分 民間給与実態統計調査〜学術研究、専門技術サービス業、教育・学習支援業」のデータによれば、年収は業種全体よりも高めで、勤続年数はやや短いことがわかります。
尚、年収については男女間で250万円弱の乖離があります。
年収(万円) | 平均年齢 | 平均勤続年齢 | |
全体平均 | 503(433) | 46.6(46.8) | 11.1(12.4) |
男性平均 | 617(532) | 48.2(46.8) | 12.7(13.9) |
女性平均 | 370(292) | 44.8(46.7) | 9.3(10.1) |
※( )内の数値は業種全体の数値
また20代・30代の若年層に絞って見てみると、教育・学校業界の平均年収は下記のとおりです。
平均年収 | 男性平均 | 女性平均 | |
20代 | 343 | 369 | 332 |
30代 | 442 | 486 | 417 |
尚、本データでは20代〜30代の平均年収は370万円となっていて、ゲーム業界(452万円)より82万円少なく、病院(362万円)よりも8万円多い結果となっています。
【例文あり】教育業界で内定獲得するための志望動機のポイント
志望動機は、教育業界の求める人物像を意識しながら作ることが肝要です。
- 人とかかわるのが好き
- 成長を見守ることに生きがいを感じる
- 人に教えるのが好き
そのうえで刺さる志望動機を作成するためには3つのステップを踏んでいく必要がありますので、次のチャプターで解説していきます。
1. 刺さる志望動機のポイント
教育業界の志望動機のポイントは、他の業界と同様に
【ステップ1】なぜ教育業界なのか?
【ステップ2】その中でも、なぜその会社なのか?
【ステップ3】入社後の活躍イメージ
の3つのステップを踏んでいく必要があります。
まず他の業界ではなく、なぜ教育業界なのかを明快に伝える必要があり、教育業界ならではの特性を踏まえて原体験やエピソードを交えて説得力を高めていきます。
その関門をクリアすると、次は「教育業界の中でも、なぜその会社なのか?」を理由付けしなければなりません。
教育業界といっても無数の会社がありますので、その会社じゃなければダメな理由をその会社の経営方針や事業特性、サービス内容などから差別化されたその会社独自のウリを引用し、「なので、御社を志望するんです」と伝えていきます。
たいがいの就活生は第2の関門をクリアーして終わりですが、それだと画竜点睛を欠きます。
刺さる志望動機に仕上げるためにはもう一押しする必要があって、最後に「あなたを雇うメリット」をアピールしてクロージングしていきます。
ここでは、あなたが入社した後に活躍しているイメージや活躍できる理由を述べて「あなたをぜひ採用したい」と思わせるエンディングで締めくくることが重要です。
とはいっても、例文がないとイメージが湧きませんよね。
次のチャプターで例文を交えながら解説していきます。
2.例文
それでは3ステップを踏み越えていく例文をみていきましょう。
【例 文】
【ステップ1】
私は子供たちの「学ぶ力」を育て、「学ぶことの楽しさ」を伝道していきたいと考え、御社を志望しました。
私自身、大学時代の3年間で塾の講師業を体験し、私が教えた子供たちがグングンと成長していく姿を体験し、素直に嬉しいという感情を堪能しました。
なかには授業についてこれない生徒もいましたが、その生徒に合った教え方や学習方法をトライ&エラーで編み出し、最後には「先生のおかげで勉強が楽しくなった」と言われた時には感無量でした。
そのような少しのきっかけで子供たちが変わる姿を見た瞬間に、学ぶことが好きになるきっかけづくりを私自身がサポートすることにより、その子の人生を豊かなものにしたいと心の底から感じました。
【ステップ2】
御社は学生向けの指導に強みがあり、小中高それぞれの年代で高い実績をおさめられています。特に個別指導が充実しており、生徒の理解度に合わせて授業プランを柔軟に変更している点に共感しました。
【ステップ3】
御社のそのような教育ノウハウを体得した後に、時代のニーズにアンテナを張りながら最新の教育技法を取り入れつつ、生徒ひとりひとりに真正面から向き合い、生徒の理解度を把握した上で最適な授業プランを提供していきたいと考えています。
まずステップ1で自らの塾講師の体験を踏まえ、教育業界を志望する理由を熱く語っています。
ステップ2で自らの体験で得た指導法とその会社の教育ノウハウが合致しており、その会社じゃなければならない理由を伝えて、説得力を高めています。
そして、最後に実際に本人が活躍しているイメージを相手に想起させて、相手側が採用するメリットをさりげなくアピールしています。
この例文の良さをわかってもらうためにNG例もみてもらいましょう。
【NG例】
私は大学時代に家庭教師のアルバイトで主に小学生の受験対策を行っていました。
家庭教師をする中で気づいたことは、同じ学年であっても個人によって勉強の理解度が異なることです。
私は3人の小学生を担当しましたが、個々に得意分野・苦手分野があり、同じ内容でも理解するスピードに差がありました。
この経験から同じやり方では学習効果が得られないと感じ、理解度に応じて教え方を変えることの重要性を学びました。
アルバイトで培った知識やスキルを活かし、御社でも活躍したいと考えています。
まず冒頭でダラダラと自分の経験を話すばかりで、1ミリも志望理由の結論が出てこないのでストレスが溜まります。
教育に対する熱い気持ちは伝わってきますし、「なぜ教育業界なのか?」についての理由はギリギリ推論で理解できますが、「その中でも、なぜその会社なのか?」については一向に理由が出てこないので説得力がありません。
自身の体験から志望動機を語ることは信憑性を増すために大切ですが、経験を伝えるだけだと自慢話のように聞こえて、「他の会社でもいいのでは?」といった解釈になりますので注意が必要です。
教育業界に向いている人の特徴
教育業界に向いている人の特徴を解説するので、自分にマッチした業界かどうか知るための参考にしてみてください。
コミュニケーション能力が高い
教育現場では、生徒や保護者、同僚との円滑なコミュニケーションが重要です。
特に教師は意図を的確に伝える力や、相手の意見を理解し共感する能力が求められます。
コミュニケーション能力があれば生徒が抱える問題や悩みを理解し、適切なアドバイスを提供できるでしょう。
忍耐力がある
教育とは、長期的な視点で生徒の成長を見守る仕事でもあります。
結果がすぐに出ない場合も多く、その中で根気強く指導を続ける忍耐力が必要でしょう。
時には思うようにいかない状況でも冷静さを保ち、生徒に対して粘り強く対応できる人が向いています。
柔軟な思考ができる
教育現場は常に変化し続けており、状況に応じて柔軟に対応しなくてはいけません。
生徒の個々のニーズや学習スタイルに合わせた指導法を工夫することや、教育方針や制度の変化に対応できる柔軟な思考力が重要です。
好奇心旺盛で学び続ける姿勢がある
生徒だけでなく教育者自身も常に学び続ける姿勢が大切です。
教育関連の新たな知識や技術を取り入れることはもちろん、自らも生徒と共に学ぶ意欲があることで、教育の質をさらに向上させることができます。
リーダーシップが発揮できる
教育現場では生徒を導くためのリーダーシップ性が重要です。
クラスや学年をまとめて目標に向かって生徒をサポートするスキルがあれば、生徒も安心して学びに集中できるようになるでしょう。
教育業界の就活に関するよくある質問
最後に、教育業界の就活に関するよくある質問をまとめたので、ぜひ参考にしてください。
就活の軸はどう答えればウケがいい?
教育業界においては「人の成長に直接関われる仕事」という軸がスタンダードです。
また「教育格差をなくしたい」「社会人の教育に関わりたい」といった軸も面接官の印象に残りやすいでしょう。
教育実習と就活は両立できるの?
結論として、大企業での就職活動と教育実習の両立は難しいですが、中小企業なら早期に内定が得られるため可能です。
教育実習は平日に最大1か月、場合によっては土日も拘束されるため、実習中の活動はほぼ不可能です。
また、面接で教育免許の話題が出ると「なぜ教員にならないのか」と問われるため、その対策が必要です。
教員採用試験と就職活動の両立は難しく、どちらかに専念することをおすすめします。
まとめ
教育業界は少子化に伴う市場規模の縮小や人材不足といった課題があるものの、それらの課題を改善すべく現在多くの施策も試行されています。
そのため、今後も大きな成長が見込まれる業界として学生からも人気がある業界です。
教育業界は学校の先生だけでなく、広報や教材開発などさまざまな仕事があります。
自己分析などを通じて、自分にマッチした仕事を見つけてみてくださいね。
今回紹介した教育業界に向けた志望動機作成のポイントも参考にして、ライバルと差別化した魅力的なエントリーシートを作りましょう。
本記事が、教育業界を志望している就活生の参考になれば幸甚です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。