【例文付き】就活で評価される趣味の答え方とは…?

【例文付き】就活で評価される趣味の答え方とは…?

2022年2月1日更新

はじめに

履歴書の趣味欄を前にして、

 

「たいして自慢できる趣味もないしなぁ」

「さすがにゲームと書いたらマズいだろ…」

「まあ趣味ってこともないけど、映画鑑賞って書いとくかぁ」

 

と適当に趣味欄を埋めてしまい、後になって面接で突っ込まれ後悔しても時すでに遅しです。

 

最近では、企業側のエントリーシート(ES)に「最近観た映画」という欄がダイレクトに設けられたりして、人事はこの質問で学生の何を知りたがっているのか謎ですよね。

 

また、「好きな映画の理由」を聞かれた場合にどのように答えれば評価されるのかも気になるところですよね。

 

 

本記事では、好きな映画を聞いてくる人事の質問意図応答の仕方を型や例文を交えて解説していきます。

趣味などサブ的な質問で手痛い失点を食らうのは勿体ないので、定番の質問以上に準備しておくことが大切です。

 

最後までお読みいただけると加点される秘訣がわかりますので、ぜひ参考にしてみてください。

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1.「好きな映画」を聞く人事の質問意図

履歴書やESの趣味欄に「映画鑑賞」と書くと、

 

「好きな映画は何ですか?」

「その映画が好きな理由は?」

「その映画で印象に残っているシーンは?」

「どういったところに感銘を受けました?」

 

と、ほぼ100%の確率で人事がこのように畳みかけてきます。

 

また、趣味欄に映画鑑賞と記載していなくても、「休日は何をしていますか?」と聞かれて、苦し紛れに「映画鑑賞です」と答えた場合も飛び火して同様の質問がなされます。

 

なぜ人事は映画に関して、このように質問してくるのか?

 

質問するには質問するだけの理由があります。それは大きく3つです。

 

1.個性を把握するため

2.学生をリラックスさせるため

3.言語能力を測りたいため

 

以下で1つずつ深堀り解説していきますね。

 

 

1-1.個性を把握するため

映画に関する質問の目的の1つは、本人の個性を把握しやすいからです。

 

「どんな映画が好きですか?」という質問に対して、一番最初に挙げる映画のジャンルは当然好きな映画だし、好んで観るジャンルです。

アクションが好きなのであれば活発で賑やかなことが好きな素性だと見てとれますし、サスペンスを挙げるのであれば、分析して推理していく行為が好きだとわかりますね。

 

ただし、ジャンルや映画タイトルから伺える個性はあくまでも推測なので、「好きな理由」を質問することで、さらにその人の個性に踏み込んでいくことが可能となります。

 

ちなみに面接で定番の質問「あなたの長所は?」「どんな性格ですか?」などとヒネリのない聞き方をする企業が中にはあります。

 

しかし、そんなストレートに聞かれても、面接官受けする無難な「積極性」とか「協調性」を準備している志望者がほとんどなので、本当の個性かどうか疑問だというのが実態です。

 

その点、「映画ネタ」だとついつい正直に答えてしまう傾向があります。

 

このように映画の嗜好により、その学生の本当の個性を引き出すことができるのです。

自己PRや志望動機、ガクチカなどは志望者が十分な準備をしてきますし、マニュアルや情報が行き届いているがゆえに画一的な受け答えになりがちで、個性がつかみにくいのが正直なところです。

そういう意味で、ちょっと切り口を変えて個性を引き出すときに使い勝手のいい質問なのです。

 

 

1-2.学生をリラックスさせるため

映画に関する質問は、定番の固い質問が一通り終わったあとにたいがい投げかけられます。

 

いきなり面接の冒頭から

 

「あなたの趣味は映画鑑賞のようですね。好きな映画が何ですか?」

 

と聞かれることはまずありません。

これはなぜか?

 

学生側も面接冒頭はかなり固くなっているので、力が抜ける質問をすることにより場を和ませて緊張をほぐすためです。

趣味は本人が好きなことだし、アドリブでベラベラと話しやすいのでホンネを引き出しやすい種類の質問だといえます。

 

一方で、学生は趣味を話すときには饒舌になり、ついつい脇が開いて失言することもあるので、サブ的な質問であっても致命傷にならないように注意が必要です。

 

 

1-3.言語化能力を測りたい

最後に約2時間の映画をコンパクトにまとめて相手に伝える力もこの質問で試されています。

要点を把握して、それを言語化し理路整然と語る口頭表現力はビジネスマンとしての基礎力にも通じます。

ビジネススキルでいうところの「コミュニケーション能力」や「プレゼン能力」が把握できる質問ということですね。

 

また、趣味の質問に対して用意周到に準備してくる学生は少ないので、どれぐらい咄嗟にアドリブで対応できるか、実際のビジネスシーンでもよくある状況に対してどのようにふるまえるかを確かめる打ってつけの質問なのです。

2.「好きな映画は?」と聞かれた場合の応答の型と例文

ここからは映画に関する質問で加点されるためのポイントを「型」や「例文」を織り交ぜながら解説していきます。

 

 

2-1.応答のポイント

「好きな映画を聞かれた場合、素直に好きな映画を答えてもいいんですか?」

 

プライベートな友達との会話であれば正直に答えても結構ですが、就活の場合は少し異なります。

たとえ趣味の質問だとしても、最後は必ず自己PRにつなげなければいけないからです。

履歴書やES、面接の質問はすべてアピールするための設問だと捉えて、「どのような自分を見せたいのか?」「どのような自分を演出すれば評価されるのか?」を意識しながら、セルフプロデュースしていくことが肝心です。

 

そのためには自分視点ではなく、その真逆の相手視点でアピールの仕方を考えなければいけません

 

たとえば、競争優位性が業績に直結するような業界のベンチャー企業であって個人にも自律心とスキルが求められるような会社の面接で、ファミリー映画を挙げて

 

「この映画のようにみなさんとまったりと仲良く助け合いながら仕事をしたいと考えています」

 

と答えられたら、人事はどういう反応を示すでしょうか?

 

「そんな悠長に構えて仕事をしている暇はないよ」

「教えている間なんてないよ。自分で勉強して…」

「よその会社のほうが向いてるんじゃない?」

 

と捉えられるかもしれません。

 

別にこの答えが悪いワケではなく、会社によっては重視される考え方かもしれませんが、その会社が求めている人物像やその会社の経営理念、行動指針から逆算してアピールすることをこの質問に限らず常日頃から意識しておかなければなりません。

 

趣味のようなサブ的な質問であっても、選考ではその受け答え次第で合否を決定づけてしまう可能性もあります。

「趣味だから適当に答えとけばいいじゃん」とか、「好きな映画なんだから素直に答えたらいいじゃん」という考え方はご法度です。

 

なので、自己PRにつながるような着地を心がけてください。

 

 

2-2.応答の型

ここからは、好きな映画やその理由を問われた場合の評価される応答の『型』について解説していきます。

 

評価される『型』は下記のとおりです。

 

①映画名→ ➁あらすじ→ ➂好きな(印象に残った)理由→ ➃自己PR(感動したこと、学んだこと、これから活かせること)

 

解説を加えると、まず端的に映画名を伝えます。

「好きな映画は?」と聞かれたので、「~(映画名)です」と呼応させていきます。

 

次に面接官がその映画を知っていればいいですが、知っていない場合もありますので、共通的な予備知識を持ってもらうために簡単なあらすじを紹介します。

 

この時に注意しなければいけないのは、面接官はあなたの好きな映画の解説を聞きたいわけではありません。あなたの好きな映画を通じてあなたの人となりを知りたいわけです。

ついつい自分が好きな映画なので饒舌になってアレコレ延々と解説すると、場の空気が読めない子だと心証を損ねますので、あらすじがある程度わかるレベルで簡潔に説明してください。

 

その次に好きな(印象に残った)理由を解説します。

実はここが重要なパートになります。

 

なぜなら、最後のあなたの自己PR につなげるための前振りになりますので、自己PRから逆算した理を設定する必要があるからです

そして、最後の締めとして感動したことや学んだこと、今後に活かせることを添えてクロージングしていきます。

 

ここでの自己PRポイントは「さりげなくです。

あまりにも自己PRっぽくアピールすると、デパートで売り込まれる感覚に近く気分がよくありませんので、面接官が自ら理解して自己説得するようなインダイレクトなフレーズにすると効果的です。

 

以上、表でまとめると以下のとおりです。

 

 ①映画名:私の好きな映画は●●です。

 ➁あらすじ:この映画は~という物語です。

 ➂理由:私がこの映画を好きな理由は□□だからです。

 ➃自己PR:この映画を通じて××ということを考えさせられました。

       仕事では△△で活かしたい。

 

これだけではまだイメージしづらいと思いますので、次のチャプターで例文を交えながら説明していきます。

 

 

2-3.例文

それでは例文をみていきましょう。

 

以下のような質問を面接官から投げかけられた場合の回答例です。

 

質問:「あなたが最近みた映画で印象に残った映画と、その理由について教えてください。」

 

 はい、最近みた映画で印象に残った映画は「タイタニック」です。

 前半パートではその日暮らしの若い画家ジャックと上流階級の若い娘ローズが

 豪華客船タイタニックで偶然出会い、身分の差を越え、周りから邪魔されながらも

 恋に落ちるシーンを観ながら思わず応援してしまいましたが、

 私が最も印象に残ったシーンは映画の後半で沈まない船と称されていた

 タイタニックが氷山に激突し、瞬く間に海に引き込まれ沈没し、

 多数の死者を出した点です。

 

 あのシーンを見て「なぜ沈まない船が沈んだのか?」、

 「被害を最小限にとどめる方法はなかったのか?」などの問題意識が芽生えました。

 まず、なぜ船が沈んだかですが、当時の技術としては最高の素材や設計で

 造船されていたと思いますので物理的なことを抜きにすると、やはり2度の

 氷山の警告を無視して減速せずに航海したことが原因だと考えています。

 

 しかも、乗客分の救命ボートが用意されておらず、救難信号の発信が遅かったり、

 近くにいたカルフォニア号が無線を切っていたことなど様々な要素が重なり合い、

 あのような大惨事を招いたと思います。

 事故は予期せぬ理由が錯綜して起きるものですが、人間の心理が最大の原因だと

 考えていて、この場合は「沈まない船」という慢心がかなりあった

 と推察しています。

 

 「沈まないから氷山があっても大丈夫だろう」

 「沈まないから救命ボートは少しでいいだろう」

 「沈まないから救難信号はまだ出さなくてもいいか」

 といった人間の傲りが根底にあったと理解しています。

 

 この大惨事の教訓として、

 ・力を過信して警告に耳を傾けないと大失敗を起こす。

 

 ・「もしも」のことを考えて十分に安全対策を立て、事故が起きても被害を

  最小にすることが重要である。

 ・準備が充分でないと、最悪の状況を招きかねない。

 といったことを学びました。

 

 この教訓はビジネスのリスク管理にも通ずると思いますし、

 責任が大きくなるほど被害も甚大になりますので、初心を忘れずに

 この教訓を活かしながら業務を全うしなければと考えさせられました。

 

【ポイント解説】

・まず映画名を端的に伝えたあとに、今回の型を少しアレンジしていますが「あらすじ」と「印象に残った点(理由)」をミックスして1文で伝えています。

 

・その次に「なぜ、タイタニックが沈んだのか?」「被害を最小限にとどめる方法はなかったのか?」という問題意識を伝えています。実は最後のクロージングの「リスク管理」から逆算して、この話題を取り上げています。

 

・タイタニックが沈没した真因を人間の慢心と主張したうえで、この失敗の教訓をビジネスに活かせることを伝えるにより、実は「自分はこの会社に入ったらこんなマインドで仕事をする人間ですよ」とさりげなく遠回しに自己PRとして相手側に刷り込んでいます。

3.例文を時短で作成する裏ワザ

今回の例文は20分程度で作成していますが、実は型がわかっていても言語化するのに時間がかかります。

なかには1時間も2時間も延々と「ああでもない、こうでもない」と頭を悩ませる学生を散見します。

 

たとえ、自分の好きな映画であっても、脳の中でストーリーを思い出しながら、アレやコレや考えたとしても考えがまとまらずに脱線してしまうケースもあります。

 

なので、今回筆者がどのような方法を使って完成までの時間を短縮したのか、あなたが回答を考えるうえでヒントになると思いますので最後に紹介しますね。

 

 

言語化に時間がかかるパートは、「あらすじ」と「印象に残った理由」だと思います。

「あらすじ」なんかも「どんな映画だったかなぁ?」と考えながら、いい具合に文字に落とし込むまでに時間がかかります。

 

その場合はネットで「映画名 あらすじ」と調べれば、簡単に出てきますね。

これをベースに自分で就活用にアレンジすれば手間がかからないわけです。

 

次に「印象に残った理由」ですが、筆者の場合は「映画名 レビュー」「映画名 感想」などで検索して参考にしました。

 

しかしながら、出てきた内容をそのまま就活では使えませんので、ネットから材料を拾ってきてつなぎ合わせて言語化する感覚が必要です。

 

要は、最後の自己PRの落としどころを決めたうえで逆算して、ネットで集めた素材から抽出して理由付けすることがポイントになります。

 

 

就活は、時間との勝負でもあります。

インターンシップ、業界分析、会社分析、自己分析、適性能力テスト対策、ESの作成など考えるだけでもやることが一杯あります。

 

自分の頭の中だけで汗をかくことも大切ですが、他人の意見やネットの情報を活用しながら最小限の時間で最大限の効果を生み出したいですね。

おわりに

趣味欄で「映画鑑賞」とか「ドライブ」「読書」などを記載してくる学生が結構多いため、「映画鑑賞」をチョイスすると実は引きがかなり弱いです。

 

したがって、弱い引きにフックをかけるためには、その受け答えで加点するしか方法がありません。

今回解説した型を使えば、柔道の「有効」や「技あり」といった加点要素になります。

 

逆に、話にまとまりがなかったり論理が支離滅裂だと「教育的指導」で減点されます。

場合によっては、このようなサブ的な質問が致命傷となり、不合格に直結する要因になったりもします。

 

緊張した面接場面で急に質問を投げかけられると、自分の趣味であっても案外、すんなりと答えられないものです。

本記事の内容を参考に自分なりの回答を準備したうえで、面接に臨みましょう!

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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