【企業分析】三菱商事の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2025年10月30日更新
はじめに
三菱商事株式会社は東京都千代田区に本社を置く総合商社業界のトップ企業です。 エネルギーから食料・生活関連まで8つの事業グループを展開し、世界約90カ国に拠点を持つグローバル企業として事業を展開しています。 今回はそんな三菱商事の企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。
この記事では三菱商事への就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。 ぜひ最後までご覧ください。
- 三菱商事の仕事内容が気になる
- 三菱商事の就職難易度を知りたい
- 三菱商事の選考対策として何をすれば良いかわからない
また、総合商社以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、三菱商事の就職難易度は、非常に高い難易度と考えています。 総合商社業界のトップ企業として極めて高い競争率を誇り、選考では高い学力とグローバルな視野が求められます。
また、採用大学も旧帝大・早慶上智を中心とした上位校出身者が多数を占めるため、学歴面での競争も激しいのが現状です。 選考対策として、独特なものが「グローバル研修生制度への理解」と「三綱領の理念への共感」になります。 特にグローバル研修生制度(若手社員を海外に派遣し、ビジネススクールでの学習や語学研修、世界各国でのトレーニングを通じて国際的な視野を養う制度)に関しては他の企業でメジャーなものではないので、事前準備を進めたうえで説明会に参加するようにしましょう。
また職種としては、総合職となっており、業務内容としては主に各事業グループでの事業投資・トレーディング・事業経営に従事することになります。 配属される事業グループによって扱う商材は異なりますが、エネルギー・金属・食料など多岐にわたります。
次の章から各内容や、その他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。
三菱商事について

会社概要
三菱商事株式会社は、グローバルに事業を展開する総合商社として、天然ガスから食料まで幅広い分野で事業を行っている企業です。 三菱商事グループは、世界約90カ国に拠点を持ち、約1,300社の連結子会社を通じて多様な事業を展開しています。
総合商社として、トレーディング、事業投資、事業経営の3つの機能を柱に、「三綱領」の精神のもと、経済価値・社会価値・環境価値の同時実現を追求しています。
基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | 三菱商事株式会社 |
| 本社所在地 | 東京都千代田区丸の内2-3-1 |
| 設立 | 1954年7月1日 |
| 資本金 | 2,044億円(2024年3月31日現在) |
| 従業員数 | 連結約80,000名、単体約5,600名 |
| 連結子会社 | 約1,300社 |
各事業グループの解説
三菱商事の主な事業グループは以下の通りです。
| 事業グループ | 活動内容 |
|---|---|
| 地球環境エネルギー | 天然ガス・LNG、石油、LPGなどの安定供給。水素・アンモニアやバイオマス燃料、CCUS(CO₂回収・貯留)など脱炭素関連の次世代エネルギー事業 |
| マテリアルソリューション | ケミカル、繊維、セメント・コンクリート、資源薬品などマテリアル分野を統合的に取引・開発し、安定収益化を目指す |
| 金属資源 | 石炭や銅を中心とした鉱山開発・投資を保有し、鉄鋼・電気自動車向け素材を調達・供給 |
| 社会インフラ | 都市開発・不動産(商業施設、データセンター)、航空・宇宙・船舶、産業機械・社会インフラ事業 |
| モビリティ | 自動車・自動車部品・航空機リースなど。主に東南アジアでの製造・販売・金融事業を展開し、CASE対応の次世代モビリティを推進 |
| 食品産業 | コーヒー・カカオ・ナッツ等の安定調達、飼料・穀物の海外調達、生鮮水産物から畜産肉・農産物まで一貫した食料供給網を構築 |
| S.L.C.(生活産業) | 流通・小売(コンビニ、スーパー、決済・ポイント事業等)、アパレル、家電・住宅インフラなど生活関連事業を展開 |
| 電力ソリューション | 再生可能エネルギーの発電・売電事業から需給調整・送配電、電力小売までのバリューチェーンを構築 |
これらの事業により、同社はグローバルネットワークを活用した総合力の発揮を目指しています。
普段イメージする商社ビジネスとは違い、事業投資や事業経営など幅広く事業を展開していました。 また地球環境エネルギーグループなどのメイン事業セグメントは、三菱商事の多角的な事業戦略と市場への適応能力を示しており、エネルギーから通信サービス、食料事業、さらには海外市場への進出に至るまで、幅広い分野にわたる事業を展開しています。
以下参照ページを紹介するのでぜひ確認してみてください。
各事業別の売上規模
三菱商事の2024年3月期の連結売上高は約18.62兆円、親会社帰属当期利益は約9,507億円でした。 この売上は8つの事業グループからの収益によって構成されています。
- 地球環境エネルギー:最大の収益源
- 金属資源:安定した収益基盤
- 食品産業:成長分野として注目 ・ 社会インフラ:都市開発・不動産が好調
- 売上高:19.57兆円 → 18.62兆円
- 親会社帰属当期利益:9,640億円 → 9,507億円
- EPS(基本):2,207円 → 2,355円
- ROE:11.3% → 10.3%
直近決算では売上高がやや減少したものの、営業利益や税前利益は増加し、資産売却益や持分法利益が寄与したことが背景です。
三菱商事で働いている社員は?
平均勤続年数は?
三菱商事の平均勤続年数は18.4年です。 総合商社の平均勤続年数は15-20年程度であることから、業界平均と同水準の安定した職場といえるでしょう。
平均年収は?
2024年3月期の三菱商事の平均年収は、約1,559万円でした。 全国平均の年収が458万円であることを考えると、全国平均よりも大幅に高い水準となっています。 また、同じ「総合商社」の上場企業平均年収と比較しても最高水準です。
平均残業時間は?
三菱商事の従業員の平均残業時間は、2024年度実績で月間31.0時間です(本社及び国内支社勤務の従業員、管理職及び顧問・嘱託社員を除く)。 総合商社業界全体では月平均30-40時間程度とされており、業界平均と同水準といえます。 ただし、海外駐在や大型案件の担当時期には、より長時間の勤務となる場合もあります。
平均ボーナス額は?
インターネット上の情報だけでは正確な数値は分かりませんでした。 しかし、三菱商事の平均年収から、三菱商事の平均ボーナス額は300万円程度と推測できます。 理由は、高年収企業では賞与の割合が年収の20-25%程度を占めることが多いからです。 あくまで参考程度にしておいてください。
また、三菱商事は年に2回(6月・12月)ボーナスが支給されます。
どんな文化なの?
三菱商事は、その独自の社風として「三綱領」を掲げています。 総合商社の業務を主軸に据えつつも、トレーディングから事業投資、事業経営に至るまで、多岐にわたるキャリアパスを実現できます。
三菱商事は、個人の成長を会社の発展と捉え、グローバルな視野で事業を創造し、成長の機会を無限に広げることを奨励しています。 ここでは、自分自身がプロフェッショナルとなり、世界を舞台に成長を遂げることができる環境が整っているので、高い志を持って仕事を進めたい人には向いています。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
競争が激しい総合商社業界の中での三菱商事の立ち位置をご紹介します。 売上高を参照し他社と比較してみても、三菱商事は業界トップの企業だということがわかります。
理由として以下の要因があると考えています。
- グローバルネットワークの活用
- 多角的な事業ポートフォリオ
- 長期的な事業投資戦略
グローバルネットワークの活用
三菱商事は世界約90カ国に拠点を持ち、グローバルなビジネスネットワークを構築しています。 これにより、市場の変化に柔軟に対応し、新たなビジネス機会を創出しています。
多角的な事業ポートフォリオ
三菱商事はエネルギーから食料まで8つの事業グループを展開し、リスク分散と安定収益を実現しています。 これにより、特定市場の変動リスクを軽減し、持続的な成長を可能にしています。
長期的な事業投資戦略
三菱商事は短期的な利益追求ではなく、長期的な価値創造を重視した事業投資を行っています。 これにより、将来性のある分野での競争優位性を確立し、継続的な成長を実現しています。
以上の要素により三菱商事は総合商社業界の中でもトップの売上高を維持していると考えられます。
参考までに競合3社の情報もまとめてみたので、ご紹介します。
| 会社名 | 売上高(2024年) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度※ | 社風 |
|---|---|---|---|---|
| 三菱商事 | 18.62兆円 | 2,090万円 | 70 | 三綱領に基づく堅実な社風 |
| 伊藤忠商事 | 14.72兆円 | 1,753万円 | 69 | 朝型勤務を重視する社風 |
| 住友商事 | 7.29兆円 | 1,758万円 | 67 | チームワークを重視する社風 |
| 丸紅 | 8.9兆円 | 1,654万円 | 66 | 挑戦を奨励する社風 |
※就職偏差値・難易度は就活情報サイトや学生間で使用される非公式な指標であり、特定機関が発表した公式データではありません。参考程度にご覧ください。
三菱商事の新卒募集要項について
以下に三菱商事の新卒募集要項についてまとめました。 総合商社業界でもトップクラスの初任給と福利厚生が整っている点は非常に魅力的です。 また賞与に関しても年2回の支給制度となっています。
研修制度も新人に対するオンボーディングは勿論のこと、グローバル研修生制度や年次毎に設けられたカリキュラムがあり、かなり充実していると言えます。 転勤については、新卒に関していえば国内外問わず転勤の可能性があるため、グローバルな働き方を希望する方には適しています。 ただし海外駐在の期間や場所については、事業の都合により決定されるので、気になる方は面接や説明会などの際に確認をしましょう。
| 各項目 | 詳細 |
|---|---|
| 職種 |
|
| 給与(2024年4月入社 初任給実績) |
|
| 賞与 | 年2回(6月、12月)業績に応じて支給 |
| 研修制度 | 新入社員研修(4月~6月)、グローバル研修生制度、リーダーシップ研修、専門スキル研修、語学研修など |
| 福利厚生 | 各種保険完備(雇用・労災・健康・厚生年金)、社宅制度、カフェテリアプラン、従業員持株会制度、慶弔見舞金各種支給、産休育休制度など |
求める人材

三菱商事では求める人材として下記のものを公表しています。総合商社の特性を踏まえ、他のグループ会社でも共通になっている可能性が高いです。
- 社会課題解決への高い志
- 時代変化に対応できる構想力
- 実行力
- 高い倫理観
社会課題解決への高い志
グローバルな視点で社会課題を捉え、解決に向けた強い意志と行動力を持つ人材を求めています。
時代変化に対応できる構想力
変化の激しい経営環境において、将来を見据えた戦略的思考と構想力を発揮できる人材を重視しています。
実行力
構想を現実に変える実行力と、最後までやり抜く責任感を持つ人材を評価しています。
高い倫理観
三綱領の精神に基づき、常に正しい判断ができる高い倫理観を持つ人材を求めています。
以上の4つは三菱商事の採用メッセージの「三菱商事グループの総合力を発揮し、持続的成長を実現する」につながっていきます。 エントリーシートや面接中にこれらの意識を持っている人材かどうかを見られるので、ぜひ意識して選考に臨むといいでしょう。
新卒採用のフロー
三菱商事の選考は、下記の通りの選考フローとなっています。 面接では志望動機などのスタンダードな質問の他、グローバルな視野や構想力をチェックする質問も多いのが特徴です。
選考対策として、入社意欲や将来のキャリアビジョンが明確であるかどうかが重視されます。 今後のキャリアを形成していく上で必須事項なので、明確にしておきましょう。
①新卒エントリー
三菱商事公式サイトの新卒エントリーボタンより必要事項を入力し登録を行います。 エントリーシートでは志望動機や自己PR、学生時代に力を入れたことなどの一般的な質問について回答し、Web上で入力し送信して終了です。
②エントリーシート・筆記試験
三菱商事への理解を深めるとともに、選考参加を希望される方はエントリーシートを提出し、筆記試験を受験します。 エントリーシートでは基本的な質問項目として以下が含まれます。
- 志望動機
- 学生時代に力を入れたこと
- 自己PR
- 将来のキャリアビジョン
- 三菱商事で実現したいこと
といったように、基本的なことを聞かれるようです。 筆記試験は総合適性検査と英語試験が実施されます。
③グループディスカッション
三菱商事では協調性とリーダーシップを重視するため、グループディスカッションが実施されます。 6-8名程度のグループで、ビジネス課題や社会問題について60分程度で討議を行います。
以下に口コミで確認できた内容を紹介します。
- 新興国市場への進出戦略
- 脱炭素社会実現に向けた商社の役割
- デジタル化が商社ビジネスに与える影響
- 食料安全保障への対応策
④複数回面接(3-4回)
三菱商事では、学生一人ひとりを深く知るため、複数回の面接を実施します。 面接では志望動機や学生時代の経験に加え、グローバルな視野や将来のキャリアビジョンについて深く確認がされます。
- 自己紹介、志望動機
- 学生時代に力を入れたこと
- 三菱商事への志望理由
- より詳細な志望動機
- 将来のキャリアビジョン
- 海外勤務への意欲
- 事業に関する質問
- 困難な状況での対応方法
- リーダーシップ経験
- 三菱商事で実現したいこと
- 社会課題解決への取り組み
- 入社後の抱負
以下に口コミにあった質問事項を紹介します。
- なぜ総合商社を志望するのか
- 三菱商事を選ぶ理由
- 学生時代の困難をどう乗り越えたか
- 10年後のキャリアビジョン
- 海外勤務への意欲
- 最近関心のあるニュース
- ストレス耐性について
- チームワークで大切にしていること
最終になるにつれて質問が深掘りされたり、実務に適性があるのかを確かめるような質問が多くなされていることが分かります。 自分が実際に総合商社で働いている姿を想定したり、実際にOB・OG訪問を行うなどしてイメージを付けられるようにしましょう。
以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
⑤内定
複数回の面接を突破して内定が決まります。
採用大学
三菱商事の採用大学の実績を以下に掲載しますが、最難関大学から標準的なレベルの大学まで幅広く採用されており、多様な学生層からの就活生を積極的に採用しています。
| <大学院> 東京大学大学院、京都大学大学院、一橋大学大学院、東京工業大学大学院、大阪大学大学院、慶應義塾大学大学院、早稲田大学大学院 <大学> 東京大学、京都大学、一橋大学、東京工業大学、大阪大学、名古屋大学、東北大学、九州大学、北海道大学、神戸大学、慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、国際基督教大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学 <海外大学> ハーバード大学、スタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス |
上記には偏差値が高い大学も採用大学にありますが、三菱商事は多様な学生層からの就活生を積極的に採用しています。 よって学歴が原因で不採用になることは考えにくいですが、高いレベルでの競争となることは確実です。 しっかりとエントリーシートや面接対策をして、内定を獲得できるようにしましょう。
採用大学のランクに関しては以下の記事を参考にしてください。
就職偏差値・難易度
それでは、ここまでの内容を踏まえて、三菱商事の就職偏差値・難易度を見てみましょう。 結論としては、偏差値・難易度は非常に高いレベルといえるでしょう。その理由として以下の3点が挙げられます。
- エントリー数に対する採用人数の少なさ(競争倍率約140倍)
- 採用大学を見る範囲では上位校出身者が多数を占める
- 求められる能力水準が非常に高い(学力・語学力・人物面)
よって、基本的な選考対策である「学生時代に力を入れたこと」や「志望動機」に加え、グローバルな視野や構想力といった高次元の能力をしっかりと対策していれば、内定獲得の可能性はあります。 しっかりと対策を行い内定を獲得してください!
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
さいごに
三菱商事は、総合商社業界のトップ企業として、グローバルなビジネスフィールドで事業投資・トレーディング・事業経営を主事業としており、世界を舞台にした「総合力」の発揮を目指しています。
三菱商事は総合商社業界の中でもトップレベルの企業なので、企業研究を行っているか否かで就活での結果は変わってきます。 しかし高い能力を求める企業ではありますが、多様な学生層からの採用実績もあるので、全員に等しくチャンスがあります。対策をしっかり行って選考に臨んでください。
ぜひこの記事を参考にして励んでくださいね。




