東京外国語大学の学生が選ぶ就職先は?就活の実態と傾向を徹底解説
2025年7月31日更新
はじめに
東京外国語大学(東京外大)は、多様な言語と文化を深く学び、国際社会で活躍できる人材を育成する国立大学です。学生は高い語学力と異文化理解力に加え、地域研究や国際関係、歴史、社会学など多岐にわたる専門知識を身につけます。卒業後の進路は多様ですが、共通して見られるのは「グローバルな視点」と「コミュニケーション能力」を活かしたキャリア選択です。
たとえば、2024年度の言語文化学部のデータではアクセンチュア(Accenture)、防衛省、日本航空、JTB、双日といったコンサルティング、官公庁、航空、旅行、商社など国際的な事業展開を行う企業や公的機関に多くの東京外大生が内定しています。これらの就職先に共通するのは、高度な語学力、異文化理解力、多様な背景を持つ人々との協働を重視する職務であり、まさに東京外大生の強みが活かせるフィールドといえます。
本記事では、東京外国語大学の主な就職先や業界ごとの傾向、学部ごとの進路の違い、さらには卒業後のキャリアパスまでを詳述します。就職活動を控える東京外大生や受験生、その保護者にとって、実用的な進路選択の参考となる内容をお届けします。
東京外国語大学の就職先ランキングTOP5
東京外国語大学の卒業生が選ぶ人気の就職先には、グローバル展開する大手企業、国際機関、そして日本の安全保障や国際協力に貢献する公的機関が名を連ねています。
ここでは、2024年度の言語文化学部のデータ(ベネッセ マナビジョンより)を参考に、特に多くの卒業生が進んでいる就職先5つを紹介します。
第5位:双日株式会社
出典:双日株式会社
双日は、グローバルに多角的な事業を展開する大手総合商社です。資源、化学、機械、食料など幅広い分野でビジネスを行い、世界中の企業や人々をつないでいます。東京外大生は、その語学力と異文化理解力を活かし、海外事業や国際取引の最前線で活躍しています。
主な特長
- グローバルビジネス: 世界各地に拠点を持ち、多様な国・地域とビジネスを行うため、国際的な視野と語学力を存分に活かせます。
- 幅広い事業領域: エネルギー、金属、化学、食料、医療など多岐にわたる分野で、事業開発や投資、貿易に携われます。
- ダイナミックな仕事: 大規模なプロジェクトを動かし、国内外のさまざまなステークホルダーと交渉する中でビジネスパーソンとしての成長を実感できます。
社風・働き方
- チャレンジ精神: 新しいビジネスや未開の市場に挑戦する意欲が重視されます。
- チームワーク: 大規模プロジェクトはチームで推進するため、高い協調性とコミュニケーション能力が求められます。
- 語学力や異文化理解力を活かしてグローバルに活躍したい
- 多様な業界やビジネスに触れてみたい
- スケールの大きな仕事に挑戦し、大きな達成感を味わいたい
- 若いうちから裁量を持って働きたい
第4位:株式会社JTB
出典:株式会社JTB
JTBは日本を代表する旅行会社であり、国内外の旅行サービス提供からMICE(会議、研修旅行、国際会議、イベント)事業、地域創生事業まで幅広く手掛けています。東京外大生は、コミュニケーション能力と語学力を活かしてインバウンド・アウトバウンド双方の旅行企画、国際会議の運営、地域活性化プロジェクトなどに貢献しています。
主な特長
- 観光・交流事業のリーダー: 日本の観光産業を牽引し、人々の移動や交流を通じて社会に貢献します。
- 多様な事業展開: 個人旅行から法人向け、地域創生まで、幅広い分野で企画力や提案力を発揮できます。
- 顧客との接点: 顧客のニーズを深く理解し、最高の旅行体験を提供するために、高いホスピタリティとコミュニケーション能力が求められます。
社風・働き方
- ホスピタリティ精神: 顧客への細やかな配慮と、感動を提供するサービス精神が重視されます。
- チームでの創造: 顧客のニーズに応えるため、社内外の多様なパートナーと協力して企画を練り上げます。
- 旅行や観光を通じて人々に感動を与えたい
- 語学力や異文化理解力を活かして、海外との交流を促進したい
- 企画力やコミュニケーション能力を活かしたい
- 地域活性化やイベント運営に興味がある
第3位:日本航空株式会社(JAL)
出典:日本航空株式会社
日本航空(JAL)は、日本の航空業界を代表する大手航空会社です。国内外の旅客・貨物輸送を担い、日本の玄関口として重要な役割を果たしています。東京外大生は高い語学力とホスピタリティ精神を活かし、客室乗務員、地上職、企画職などさまざまな職種で活躍しています。
主な特長
- 空の安全とサービス: 最高の安全基準と質の高いサービスを提供し、顧客に快適な空の旅を提供します。
- グローバルな環境: 世界中の人々との接点が多く、多様な文化に触れる機会が豊富です。
- 日本の顔: 日本を代表する航空会社として、国際的な場で日本のホスピタリティを発信できます。
社風・働き方
- プロフェッショナル: 安全運航とサービス品質に対する高いプロ意識が求められます。
- チームワーク: 多くの部署や職種が連携して運航を支えるため、強固なチームワークが不可欠です。
- 航空業界で働きたい、飛行機が好き
- 語学力やコミュニケーション能力を活かして人々と接したい
- ホスピタリティ精神を発揮して質の高いサービスを提供したい
- グローバルな環境で活躍したい
第2位:防衛省(自衛隊等含む)
出典:防衛省・自衛隊
防衛省は、日本の平和と独立を守るための防衛活動を担う国の機関です。自衛隊員としての採用だけでなく文官(事務官)としても採用があり、国際情勢分析、政策立案、国際協力など多岐にわたる業務に携わります。東京外大生は高度な語学力や地域研究の知識を活かし、国際的な安全保障分野で重要な役割を果たしています。
主な特長
- 国家と国民の安全保障: 日本の平和と安全を守るという、公共性の高い仕事です。
- 国際的な役割: 国際協力活動や多国間協議など、グローバルな舞台での活躍の機会も豊富です。
- 高い専門性: 語学力、国際情勢分析能力、異文化理解力など、東京外大で培った専門知識を直接活かせます。
社風・働き方
- 規律と責任感: 公務員として高い規律と責任感が求められます。
- 使命感: 国や国民のために働くという強い使命感を持って業務に取り組みます。
- 国や社会のために働きたい、公共性の高い仕事に就きたい
- 国際情勢や安全保障に興味がある
- 語学力や異文化理解力を活かして国際的な分野で貢献したい
- 安定した公務員としてのキャリアを築きたい
第1位:アクセンチュア
出典:アクセンチュア
アクセンチュアは世界最大級の総合コンサルティングファームであり、戦略、業務、テクノロジー、デジタル、セキュリティ、サステナビリティといった多岐にわたる領域で企業や政府の変革を支援しています。東京外大生、特に語学力と論理的思考力に優れた学生に人気が高く、多様なバックグラウンドを持つ社員が活躍できる環境です。
主な特長
- 多様なキャリアパス: 戦略コンサルタント、業務改善コンサルタント、データサイエンティスト、エンジニアなど、職種の幅が広く、自分の強みや志向に合ったポジションを見つけやすいのが特長です。
- 社会変革への貢献: クライアント企業の変革を支援し、社会全体に大きなインパクトを与えるプロジェクトに携われます。
- 圧倒的な成長スピード: プロジェクトベースでの働き方により、短期間で多様な業界・テーマに触れ、急速なスキルアップが可能です。
社風・働き方
- 実力主義・成果主義: 年次に関係なく、個人の能力と成果が正当に評価される文化です。
- ダイバーシティとインクルージョン: 多様なバックグラウンドを持つ社員が活躍できる環境を重視し、柔軟な働き方を支援しています。
- コンサルタントとして社会や企業の課題解決に挑戦したい
- 多様なプロジェクトに携わって視野を広げたい
- 若手のうちから裁量を持って活躍し、圧倒的に成長したい
- グローバルな環境で働きたい
就活で成功したいなら、性格診断を受けてみよう
東京外大生に人気の企業を見てきましたが、「自分にはどんな働き方が向いているのだろう?」と悩む方も多いはず。自分に合った就職先を見つけるには、まず自分を客観的に理解することが重要です。
就活ハンドブックが提供している性格診断では、あなたの価値観、性格特性、仕事への志向性が分かります。チャレンジ精神が強いのか、安定志向なのか、個人で成果を出すタイプか、チームで力を発揮するタイプか。たった5分の診断で、明らかになります。
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学部別での進路傾向の違い
東京外国語大学は言語文化学部、国際社会学部、国際日本学部の3学部体制であり、それぞれの学部で学ぶ内容が異なるため、卒業後の進路にも特徴が見られます。
言語文化学部:国際的なビジネス、メディア、教育、官公庁
言語文化学部は、特定の言語と文化を深く掘り下げるとともに言語学や文化研究、通訳・翻訳などの専門性を高めます。卒業後は言語スキルと文化的知見を活かし、国際的なビジネス(商社、メーカー、IT、金融)、メディア(出版、放送)、教育(語学教育、研究)、そして官公庁(外務省、防衛省など)など多様な分野に進みます。
- 主な進路先: アクセンチュア、防衛省、日本航空、JTB、双日、日本製鉄、外務省、トヨタ自動車、東京都庁、サントリーホールディングス、楽天グループ、日本貿易振興機構(JETRO)、アビームコンサルティング、日本郵船、小松製作所、パーソルキャリア、森・濱田松本法律事務所、東京出入国在留管理局、ソニーグループ、三菱UFJ信託銀行など。
- 特徴的な動き: 外資系企業や総合商社、航空・旅行など、高い語学力と国際性が求められる分野への就職が活発です。近年はIT・コンサルティング業界への進出も顕著です。
- 価値観の傾向: 専門とする言語・文化への深い探求心を持ち、その知識を活かしてグローバルな舞台で活躍したいという意欲が強いです。
- 大学院進学: 言語文化研究科に進学し、研究者や高度な通訳・翻訳者を目指す学生もいます。
国際社会学部:官公庁、国際機関、金融、メーカー、コンサルティング
国際社会学部は特定の地域社会の歴史、政治、経済、社会などを複合的に学び、地球規模の課題を多角的に分析する力を養います。卒業後は官公庁(外務省、経済産業省など)、国際機関、金融機関、大手メーカー、総合商社、コンサルティングファームなど国際的な視野で社会に貢献する職種に進む傾向があります。
- 主な進路先: 外務省、双日、アビームコンサルティング、日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ、東芝、アクセンチュア、日本貿易振興機構(JETRO)、国際協力銀行(JBIC)、JICA(国際協力機構)、国連機関、大手都市銀行、総合商社、パナソニック、ソニー、トヨタ自動車など。
- 特徴的な動き: 外務省やJETRO、国際協力関連機関といった公的機関への就職が伝統的に強く、国際的な問題解決に貢献するキャリアを志向する学生が多いです。
- 価値観の傾向: グローバルな視点から社会課題を捉え、解決策を模索することに強い関心を持ち、国際社会の発展に寄与したいという使命感を持つ学生が多いです。
- 大学院進学: 国際社会研究科や、海外の大学院に進学し、国際関係論や開発学などの専門性を深める学生も少なくありません。
国際日本学部:国際ビジネス、教育、観光、メディア
国際日本学部は日本の文化、社会、言語を国際的な視点から研究し、日本と世界をつなぐ架け橋となる人材を育成します。卒業後は国際的なビジネス(外資系企業、メーカー、IT)、教育(日本語教育、研究)、観光業、メディア・出版など日本の魅力を国内外に発信する分野に進むことが多いです。
- 主な進路先: アクセンチュア、日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ、JTB、日本航空、楽天グループ、ソニー、パナソニック、教員(日本語教員など)、観光庁など。
- 特徴的な動き: 日本の文化やビジネスを海外に紹介するような職種や企業への就職が目立ちます。
- 価値観の傾向: 日本文化を世界に発信することに喜びを感じ、異文化間の相互理解促進に貢献したいという志向が強いです。
- 大学院進学: 国際日本学研究科や海外の大学院に進学し、日本研究や比較文化研究を深める学生もいます。
OB/OGインタビュー|卒業生の体験談
実際に東京外国語大学から有名企業に就職した先輩たちはどのような考えで企業を選び、どんな準備をして内定を勝ち取ったのでしょうか。今回は、住友商事グローバルメタルズ株式会社とJFEプロジェクトワン株式会社に就職したOB/OGの体験談を通じて、リアルな就活の現場と成功のヒントをお届けします。
住友商事グローバルメタルズ株式会社へ就職したOBからのアドバイス
「住友商事グローバルメタルズの選考では、私の国際的な視点と問題解決能力が特に問われました。国際社会学部で地域研究を通じて、その国の政治、経済、文化を多角的に分析する力を養いました。面接では、その知識を活かして、特定の国における金属資源ビジネスの可能性や課題について、自分なりの考察を論理的に説明しました。商社はグローバルなビジネスを展開するため、語学力はもちろんのこと、多様な背景を持つ人々との交渉力や、予期せぬ問題に対応する柔軟性も重要だと感じましたね。常に国際ニュースにアンテナを張り、自分の意見を持つことが大切です。」と述べています。
JFEプロジェクトワン株式会社へ就職したOGからのアドバイス
「JFEプロジェクトワンの面接では、私のコミュニケーション能力と異文化理解力が評価されたと感じています。私は言語文化学部で特定の言語と文化を深く学んだのですが、それが日本のものづくり企業が海外と連携する上でどう役立つかを具体的に話しました。たとえば、留学中に現地の人々と協力し、プロジェクトを成功させた経験や、文化の違いから生じた誤解をどのように解消したかといったエピソードを交え、自己PRを行いました。JFEグループは製造業ですが、海外との取引も多く、語学力だけでなく、相手の文化を尊重し、信頼関係を築く力が求められると感じました。自分の強みを相手の企業が求める人材像と結びつけて話すことが、内定につながったと思います。」と語っています。
東京外国語大学のキャリア支援体制ではどんな支援が受けられる?
東京外国語大学の「グローバル・キャリア・センター」では、学生一人ひとりのグローバルなキャリア形成をサポートするための手厚い支援が提供されています。
キャリアアドバイザーとの個別面談
専任のキャリアアドバイザーが常駐しており、学生のキャリア設計から業界・企業選び、選考対策まで多岐にわたる個別相談に対応しています。特に語学力や専門性を活かせる職種や業界について、学生の個性を踏まえた具体的なアドバイスを受けられます。対面だけでなく、オンライン(Zoom)での面談も可能です。
キャリア形成支援プログラム・ガイダンス
年間を通じて就職ガイダンス、業界研究セミナー、企業説明会、公務員・国際機関セミナーなどさまざまなキャリア形成支援プログラムが開催されています。特に、外務省やJICAといった国際的な機関のOB/OGによる講演会は、外大生ならではのキャリアパスを考える上で貴重な機会となっています。外交官等国家・地方公務員プログラムも提供されています。
インターンシップ情報の提供と支援
国内外のインターンシップ募集情報を積極的に提供しており、学生が実社会での経験を積む機会をサポートしています。海外インターンシップに関する情報も豊富で、グローバルな視野を広げるための実践的な経験を積めます。インターンシップ参加前の保険加入や参加届の提出についても案内があります。
OB・OG訪問支援・就職活動報告書
東京外語会(同窓会)と連携し、豊富なOB・OGネットワークを活用したキャリア相談員制度やOB・OG訪問の機会を提供しています。実際に志望する業界や企業で働く先輩たちの生の声を聞くことでよりリアルな仕事内容や企業文化を理解し、自身のキャリアプランを具体化できます。また、就職内定者によるキャリア支援「TUFS NEXT」や就職活動報告書「私の選択」(学内からのみ閲覧可能)を通じて、成功事例や体験談を参考にできます。
エントリーシート(ES)・履歴書添削・模擬面接
ESや履歴書の添削では、学生の経験や強みが最大限にアピールできるよう具体的な表現方法や構成について丁寧にフィードバックが行われます。模擬面接では本番さながらの状況設定で実践的な練習を行い、学生の回答内容、話し方、態度、非言語的コミュニケーションまで細かくフィードバックされ、個々の課題を明確に洗い出します。語学力を活かした面接対策も可能です。
入社後のキャリアパス
東京外国語大学を卒業した後のキャリアは、その高い語学力と異文化理解力を基盤として多様かつグローバルな広がりを見せます。
総合商社や大手メーカー、IT企業に進んだ卒業生は海外事業部門や国際営業、海外拠点での駐在などグローバルなビジネスの最前線で活躍するケースが多く見られます。入社後も語学力をさらに磨き、多様な国の文化やビジネス慣習を理解することで現地のパートナーや顧客との円滑な関係構築に貢献し、事業拡大の要となります。数年後にはマネージャーや海外事業責任者として、国際的なプロジェクトを牽引する存在になることも可能です。
コンサルティングファームに進んだ卒業生は論理的思考力とコミュニケーション能力を活かし、企業の海外展開支援や多国籍企業の経営課題解決に貢献します。語学力を武器に国内外の多様なメンバーと協働しながら短期間で幅広い業界の知見とビジネススキルを習得し、急速なキャリアアップを実現します。
外務省や国際協力機構(JICA)などの公的機関、国際機関に進んだ卒業生は外交官、国際協力専門家、あるいは国際公務員として日本の国際的なプレゼンス向上や世界の課題解決に直接貢献します。多言語での交渉力や地域研究で培った深い知識を活かし、国家間の連携強化や開発途上国支援などグローバルな舞台で重要な役割を担います。
メディアや教育、観光業界に進んだ卒業生は異文化理解力を活かして海外ニュースの取材・翻訳、国際交流イベントの企画、外国人観光客向けのサービス開発、あるいは日本語教師や語学教師として文化交流の促進や人材育成に貢献します。
いずれのキャリアパスにおいても、東京外大生は大学で培った「多様性を受け入れ、異なる文化背景を持つ人々と協働する力」と「課題を多角的に捉え、解決策を導き出す力」を武器に、社会のさまざまな分野でリーダーシップを発揮し、グローバル社会の発展に貢献しています。
満足のいく就活を円滑に進めるための3箇条
東京外国語大学の学生が納得のいくキャリア選択を実現するためには、自身の強みである語学力と異文化理解力を最大限に活かしつつ計画的に就職活動を進めることが重要です。限られた期間の中で最大限の成果を上げるためには、準備段階での取り組みが大きく影響します。本章では、円滑かつ納得のいく就活を実現するための基本指針を3つの観点から紹介します。
その1)自身の「語学力×専門性」を明確に言語化しよう
東京外大生の最大の強みは「特定の言語と文化に関する深い知識」と、それに裏打ちされた「異文化コミュニケーション能力」です。単に「英語が話せる」だけでなく、語学力と特定の地域・社会に関する専門知識(例:東南アジアの経済、中東の政治、ヨーロッパの歴史など)をどのようにビジネスや社会貢献に活かしたいのかを具体的に言語化することが重要です。
- 具体的なエピソードで裏付け: 留学経験、国際交流活動、ゼミでの研究テーマなど、自身の「語学力×専門性」が発揮された具体的なエピソードを準備しましょう。
- 志望企業・職種との結びつき: 志望する企業がグローバル展開しているなら、その国・地域の文化や商習慣に関する知識がどう役立つかを説明するなど、具体的な貢献イメージを示すことが説得力を高めます。
- 「なぜ外大でこの言語・地域を選んだのか」: この問いに対する明確な答えは、自身の深い興味と学習意欲を示す上で有効です。
「私は○○語を習得し、○○地域の文化や社会について深く学びました。この知識と経験を活かして、貴社の△△(事業・職務)において◇◇(具体的な貢献内容)を実現したいと考えています。」といった形で、自分の強みが企業でどう活かせるかを明確に伝えましょう。
その2)OB/OG訪問と海外インターンシップを積極的に活用しよう
東京外大の卒業生は多様な業界で活躍しており、そのネットワークは強力です。また、語学力を活かす上で、海外での実践経験は大きなアドバンテージになります。
- OB/OG訪問でリアルな情報を得る: 興味のある業界や企業で働く先輩に話を聞くことで、仕事のやりがい、求められるスキル、企業文化など、Webサイトだけでは得られないリアルな情報を収集できます。東京外語会によるキャリア相談員制度も、積極的に活用しましょう。
- 海外インターンシップで実践経験を積む: 短期・長期を問わず、海外でのインターンシップは、異文化環境でのビジネス経験や語学力の実践的な活用能力をアピールする絶好の機会です。グローバル企業や国際機関を目指す上で、具体的な経験は大きな強みとなります。
- 情報収集と人脈形成: OB/OG訪問やインターンシップは、企業や業界への理解を深めるだけでなく、将来のキャリアに繋がる人脈を形成する貴重な機会にもなります。
これらの経験を通じて自身の志望動機をより明確にし、面接で説得力のあるエピソードを語れるようになります。
その3)キャリア支援サービスを最大限に利用しよう
東京外国語大学のグローバル・キャリア・センターは、学生の国際的なキャリア形成に特化した手厚いサポートを提供しています。多忙な大学生活の中で効率的に就職活動を進めるためにも、これらのサービスを最大限に活用しましょう。
- 個別相談: キャリアアドバイザーとの個別面談を通じて、自身のキャリアプランや選考対策に関する具体的なアドバイスを受けられます。特に、グローバル企業や国際機関への就職に特化した相談が可能です。
- ES添削・模擬面接: 専門家によるきめ細かな添削とフィードバックで、選考通過率を高められます。特に、英語でのES添削や、英語面接の模擬練習も活用しましょう。
- 学内イベント・セミナー: 外務省やJICAといった国際機関、大手商社、グローバルIT企業など、外大生に人気の高い多様な企業・団体が登壇するセミナーに積極的に参加し、情報収集やネットワーキングの機会を増やしましょう。
- 就職活動報告書: 先輩たちのリアルな就活体験談や内定先の情報が詰まった報告書を参考にすることで、具体的な対策を立てられます(学内からのみ閲覧可能です)。
これらのサポートを通じて、皆さんの理想のキャリア実現を全力でバックアップしています。「何から始めていいかわからない」「もっと自分に合う企業を知りたい」と感じたら、まずはグローバル・キャリア・センターへお気軽にご相談ください。
まとめ|東京外大生の就職活動はここがポイント!
東京外国語大学の学生が納得のいくキャリア選択を実現するためには、強みである語学力、異文化理解力、多様な視点から物事を捉える力を最大限に活かすことが重要です。
以下のポイントを押さえることで、後悔のない進路選択につながるでしょう。
- 「語学力×専門性」の明確化: 習得した言語と専門分野の知識をどのように社会で活かしたいのかを具体的に言語化し、説得力のあるアピールに繋げる。
- 実践経験の重視: 海外インターンシップや国際交流活動など、実際の経験を通じて語学力と異文化理解力を実践レベルで高め、その経験を強みに変えてアピールする。
- 多様な業界・職種への視野: 語学力を活かせる場は多岐にわたるため、固定観念にとらわれず、さまざまな業界・職種に目を向け、自身の可能性を探求する。
- キャリア支援の積極的な活用: 大学のグローバル・キャリア・センターの個別相談やイベント、OB/OGネットワークを最大限に利用し、専門家のアドバイスを受けながら効率的に就職活動を進める。
これらの視点をもとに、将来を見据えた現実的かつ希望に満ちたキャリアを築いていくことが求められます。皆さんも、自分らしいキャリアの第一歩を踏み出すために、ぜひ行動に移していきましょう。