面接官に響く尊敬する日本人の答え方とは?評価される資質と例文集を紹介
2025/8/26更新
はじめに
就活の面接では「尊敬する日本人は誰ですか?」と尋ねられることがあります。
多くの学生がこの質問に戸惑うのは、人物名そのものではなく、回答を通して自分の価値観や考え方を見られているからです。
面接官が知りたいのは「誰を尊敬しているか」よりも「その人物から何を学び、自分にどう活かそうとしているのか」という点です。
本記事では、面接官に好印象を与える答え方のコツや評価される資質、避けるべきNG例、そして具体的な回答例文までをわかりやすく解説します。
- 企業がこの質問をする目的を知りたい人
- 面接対策を通じて就活を有利に進めたい人
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企業が「尊敬する人」を質問する理由
面接で「尊敬する人」を尋ねるのは、単なる雑談ではありません。そこには、採用側が確認したい明確な意図があります。
企業がこの質問をする代表的な理由は、次の2つです。
就活生の価値観を知るため
企業が新卒採用で最も重視するのは、学生のスキルよりも「価値観の一致」です。
たとえば、成果を最優先する文化の会社に「過程を重視する人」が入社すると、考え方のギャップが大きく、入社後に不満や早期離職につながりかねません。
逆に、社風や価値観が合致していれば、スムーズに組織に馴染み、長期的に活躍できる可能性が高まります。
面接官は「尊敬する日本人は誰ですか?」という質問を通して、就活生がどんな人物像に憧れ、どんな価値観を大切にしているのかを確認しているのです。
そのため、回答では「その人物のどんな価値観を尊敬しているのか」を具体的に伝えることが重要です。
論理的に説明できるか(提案力)を見極めるため
社会人として欠かせないスキルのひとつに「提案力」があります。
どんなに優れたアイデアや計画を持っていても、相手にわかりやすく伝えられなければ意味がありません。
面接官は「尊敬する人」というテーマを通して、就活生が自分の考えを論理的に整理し、筋道立てて説明できるかを確認しています。
たとえば「尊敬する人物は〇〇さんです。理由は△△だからです。具体的には□□の経験があり…」と構造的に話せれば、「説明力がある=提案力が期待できる」と評価されます。
逆に、理由が曖昧でまとまりのない答え方をすると「論理性に欠ける」と判断される恐れがあります。
面接で評価される「尊敬される資質」5選
面接で大切なのは「誰を尊敬しているか」ではなく「どんな資質を尊敬しているか」です。
人物名にとらわれず、資質を軸に答えることで説得力が増します。
ここでは特に評価されやすい5つの資質を紹介します。
挑戦心(例:大谷翔平、孫正義)
挑戦心は、就活の面接で最も高く評価される資質の一つです。
大谷翔平選手が二刀流という前例のない挑戦をやり遂げたように、新しいことに挑む姿勢は困難を突破する力の象徴です。
孫正義氏もまた、通信やインターネット事業にいち早く挑戦し続けてきた人物です。
面接で「尊敬する日本人」として挑戦心のある人物を挙げる際は、「なぜその挑戦に共感したのか」「自分も同じように挑戦を恐れず行動したい」と結びつけて伝えることを意識しましょう。
単なる憧れで終わらせず、自分の将来像まで語れると、面接官に強い印象を与えられます。
誠実さ(例:豊田章男、身近な恩師)
誠実さは信頼を築く土台となる資質です。
トヨタ自動車の豊田章男氏は、リコール問題や経営危機に直面した際も真摯に現実を受け止め、「いい車をつくる」という原点に立ち返り、組織を立て直しました。
こうした誠実な対応は、困難な状況でこそ求められる力です。
面接で「尊敬する日本人」として誠実さを持つ人物を挙げる場合は、「誠実な姿勢を通して信頼を得ている点を学びたい」と語ると、社会人として必要な信頼構築力をアピールできます。
また、身近な恩師や上司を例にしても十分効果的で、オリジナリティのある答え方につながります。
継続力(例:イチロー)
継続力は成果を出すために欠かせない力です。
イチロー選手は毎日のルーティンを徹底し、10年連続200安打という偉業を成し遂げました。
このような努力の積み重ねは、どの業界でも成果につながる普遍的な要素です。
面接で「尊敬する日本人」としてイチローを挙げる場合、単に「努力家だから」では不十分です。
「日々の小さな努力を積み重ねて大きな成果を出す姿に共感した」と伝えると効果的です。
そのうえで「自分も入社後は継続力を武器に成果を出したい」と将来像と結びつけることで、より説得力のある答えになります。
リーダーシップ(例:柳井正)
リーダーシップは、組織をまとめ、仲間を導いて成果を上げる力です。
ユニクロを展開する柳井正氏は、挑戦を恐れない姿勢と明確な方向性を示すリーダーシップで、企業を世界的ブランドへと成長させました。
面接でリーダーシップを尊敬する理由に挙げる場合は、「チームを成功に導く姿勢に共感した」「自分も入社後は周囲を巻き込み成果を上げたい」と語ると効果的です。
特に部活動やゼミでの経験と絡めると、面接官に「社会人になってもリーダーシップを発揮できそうだ」とイメージしてもらいやすくなります。
社会貢献への姿勢(例:松下幸之助)
社会貢献への姿勢は、多くの企業が理念として掲げる重要な価値観です。
松下幸之助氏は「共存共栄」を掲げ、企業の利益だけでなく社会全体の発展を目指しました。
面接で「尊敬する日本人」に松下幸之助を挙げる場合は、「企業は社会に必要とされてこそ存続できる」という考えに共感し、自分も社会に役立つ仕事をしていきたいと伝えると効果的です。
このように尊敬する人物を通じて「企業理念との親和性」を示せば、面接官にとって非常に評価しやすい答え方になります。
NG回答集|避けるべき3つの答え方
面接で「尊敬する日本人」を答える際には、避けたほうがよいパターンがあります。
ここで紹介するNG例を事前に理解しておけば、評価を下げるリスクを大きく減らせます。
- 「好きだから」だけで終わる回答
- 説明が長すぎるマイナー人物
- 理由が曖昧な回答
「好きだから」だけで終わる回答
「好きだから」「かっこいいから」といった感情だけの回答は、就活面接では浅い印象を与えてしまいます。
面接官が知りたいのは「その人物を通して、どんな価値観を持ち、どのように成長していきたいのか」です。
たとえば「野球が好きだからイチローを尊敬する」では不十分ですが、「イチローの継続力に共感し、自分も小さな努力を積み重ねて成果を出したい」と伝えれば、説得力が生まれます。
好印象を与えるためには、単なる「好き」で終わらせず、必ず理由と自己成長への結びつきを示しましょう。
説明が長すぎるマイナー人物
知名度の低い人物を選ぶと、説明に時間がかかり、面接官に十分伝わらない可能性があります。
たとえば特定の研究者や歴史的人物を挙げても、相手が背景を知らなければ理解されにくく、説得力が下がってしまいます。
もちろん、自分の経験と深く結びついている場合は有効ですが、就活面接は限られた時間で自己PRをする場です。
社会人なら誰もがイメージできる著名な人物を選んだ方が効果的に伝えられます。
どうしてもマイナーな人物を選びたい場合は、背景を端的に説明し、要点を絞って話す工夫が必要です。
理由が曖昧な回答
「すごいと思うから」「有名だから」といった曖昧な理由では、面接官に何も伝わりません。
論理的に説明できなければ「思考力が不足している」と判断される可能性もあります。
たとえば「孫正義を尊敬している。なぜならすごいから」では不十分です。
「困難な状況でも挑戦を続け、社会に大きな影響を与えた姿に共感している」といった具体的な根拠を示すことで、回答に説得力が加わります。
就活面接で尊敬する人物を答える際は、必ず「具体的な行動」や「学んだ点」を添えるようにしましょう。
実践テンプレート|すぐ使える答え方の型
面接で「尊敬する日本人」を聞かれたとき、準備不足だと答えが散漫になりがちです。
そんなときに役立つのが、誰にでも応用できる答え方の型です。
この流れを押さえておけば、就活の面接でも自信を持って答えられます。
- 結論:「私は○○さんを尊敬しています」
最初に人物名を明確に伝えることで、話の軸を作ります。 - 理由:「△△な姿勢から学びました」
尊敬している具体的な資質や価値観を簡潔に述べます。 - 自分の経験との結びつき:「◇◇の経験で意識しました」
自分の実体験と関連づけることで、説得力とオリジナリティが生まれます。 - 将来像:「入社後は□□のように成長したいです」
学んだ点をどのように活かすのかを示すことで、面接官に入社後の姿をイメージさせられます。
この4ステップを意識すれば、どの人物を選んでも筋道の通った答え方ができ、安心して面接に臨めます。
面接官に響く回答例文を解説
ここでは、実際の就活面接を想定した回答例を紹介します。
単に人物名を挙げるだけでなく、「どの資質を尊敬しているのか」「自分の成長とどう結びつけるのか」を盛り込むことで、説得力のある答えになります。
挑戦心を強調する回答例(大谷翔平)
私は、大谷翔平選手を尊敬しています。
前例のない二刀流という挑戦に取り組み、努力を積み重ねて成果を残している姿に大きな感銘を受けました。
私自身は計画を立てて行動することが得意ではありませんが、大谷選手が高校時代から人生計画表を作り、長期的な目標に基づいて努力していると知り、私も真似して計画を立てるようになりました。
入社後は、大谷選手のように挑戦を恐れず、目標を持って努力を継続し、成果を積み上げられる人材になりたいと考えています。
この答え方では「挑戦心」と「計画性」という資質を結びつけているため、面接官に「入社後も挑戦できる人材」という印象を与えられます。
社会貢献を重視する回答例(松下幸之助)
私は、パナソニック創業者の松下幸之助さんを尊敬しています。
松下さんは「共存共栄」という考え方を掲げ、企業の利益だけでなく社会全体の発展を目指しました。
その姿勢に共感し、私も学生時代に地域活動へ参加する中で「自分の行動が周囲にどう影響するか」を意識するようになりました。
御社の企業理念にも社会貢献の考えが含まれているため、入社後は松下さんの姿勢を見習い、御社と社会の双方に貢献できる人材になりたいと考えています。
この回答では、尊敬する人物の理念と企業理念を重ね合わせることで「価値観の一致」を効果的にアピールできています。
質問に回答する際の注意点
「尊敬する日本人」に関する質問に回答する際の注意点は以下の2つです。
- 尊敬する理由を説明する
- 将来どういった人物に成長したいか説明する
上記を忘れたまま説明してしまうと、説得力が欠けてしまいます。
さらに面接官は、尊敬する日本人よりも、説明している就活生の様子が重要です。
面接官に好印象を持ってもらうための参考にしてください。
尊敬する理由を説明する
注意点の1つ目は、尊敬する理由を説明することです。
理由がないと論理的な思考力がない人と判断されます。
論理的に自分の考えを説明できているかは、内定を獲得するうえで重要な要素の1つです。
理由説明を忘れないためにも、尊敬する日本人を面接官に伝えたらすぐに理由説明に移りましょう。
将来どういった人物に成長したいか説明する
注意点の2つ目は、将来どういった人物に成長したいか説明することです。
面接官は、入社後にどういった活躍をしてくれるのか想像しながら選考しています。
就活生は、自分が尊敬する人物に絡めて入社後になりたい姿も伝えることで、面接官に対して採用する価値があることをアピールできるでしょう。
例えば、挑戦し続ける大切さを学んだと仮定します。
「入社後は、〜のように失敗を恐れずチャレンジする人材になりたいです」と伝えることで面接官は入社後の姿が想像しやすくなるでしょう。
さいごに
企業が「尊敬する日本人は誰ですか?」と尋ねるのは、就活生の価値観と提案力を見極めるためです。
これは、企業と就活生の相性を確認する大切な要素といえます。
尊敬する人物がすぐに思いつかない場合は、次のような視点から逆算して探すと見つけやすくなります。
- 将来自分がなりたい姿
- 興味のある分野で影響を与えている人
- 企業が求める人材像に近い人物
ただし、面接では面接官がイメージしやすい人物を選ぶことがポイントです。
知名度が低い人物を挙げると説明に時間がかかり、伝わりにくくなる可能性があります。
面接での質問には必ず意図があります。
その意味を理解したうえで準備しておけば、自信を持って回答できるでしょう。
本記事を参考に、納得のいく就活を進めてください。