【例文あり】志望動機で「やりがいを感じる」とは?言い換え表現と使い方を解説
2025/8/26更新
はじめに
就職活動の面接やエントリーシート(ES)において、多くの学生が「やりがいを感じる」という表現を志望動機に盛り込んでいます。しかし、その使い方を誤ると、熱意を伝えるどころか企業側に違和感を与えてしまうことも少なくありません。
言葉選びは、限られた時間や文字数の中で自分を的確にアピールするための大切な要素です。自分では前向きに聞こえると思っていても、採用担当者にとっては抽象的で説得力に欠ける場合もあります。
本記事では、次のような方に向けて「やりがいを感じる」の適切な言い換えや活用方法を解説します。
- 志望動機の言葉選びに迷っている方
- 「やりがいを感じる」と伝えたときに企業へどう映るか知りたい方
- そもそも「やりがいを感じる」を使って良いのか判断できない方
- 「やりがいを感じる」を具体的に言い換えたい方
この記事を読み進めることで、単なる熱意の表現に留まらず、自分の価値観や強みを的確に伝えられる志望動機をつくるヒントを得られるはずです。
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志望動機で「やりがいを感じる」と使ってはダメ?
「やりがい」とは、仕事を通じて精神的な充実感や満足感を得られる状態を指します。大きな課題に取り組み、苦労を乗り越えた結果、周囲からの評価や新たな学びを得たときに感じるものです。
言い換えれば、自分の成長や社会への貢献を実感した瞬間に生まれる肯定感ともいえるでしょう。
そのため、仕事を選ぶうえで「やりがいを感じられるかどうか」を重視する人は少なくありません。一見すると前向きな価値観のように思えますが、志望動機の中で「やりがいを感じる」という言葉をそのまま用いるのは注意が必要です。
なぜなら、この表現は便利で使いやすい反面、あまりにも多くの就活生が使ってしまうため、内容が抽象的で薄く聞こえてしまうからです。
企業にとっては「具体的にどのような価値を感じ、どんな行動につなげられるのか」が知りたいのであり、単に「やりがいを感じたい」という姿勢だけでは差別化につながりません。
したがって、志望動機で「やりがい」を使う場合は、そのままではなく、自分がどんな経験にやりがいを見出し、どんな場面で力を発揮できるのかを 具体的に言い換えて表現することが不可欠です。
志望動機で「やりがいを感じる」を使った時の企業からの印象
多くの人が仕事に「やりがい」を求めています。
就活生の中にも「この会社ならやりがいを感じられそうだ」と考え、それをそのまま志望動機に盛り込むケースは少なくありません。
しかし、エントリーシートや面接で「御社の仕事にやりがいを感じるから志望しました」と伝えてしまうと、採用担当者には印象が残りにくく、数多くの応募者の中に埋もれてしまう恐れがあります。
企業側は、日々多くの学生の志望動機を目にしています。そのため「やりがい」という言葉はあまりに抽象的で、聞く人によって解釈が変わるため、プラスにもマイナスにも転じてしまう危うさを持っています。
さらに「やりがいのある仕事」という表現自体は世の中に数多く存在するため、「御社の仕事がやりがいのある仕事だから志望した」という理由は説得力に欠け、企業に響きにくいのです。
したがって、志望動機でやりがいを伝えたい場合は、「どのような業務で自分はやりがいを感じ、なぜその会社でそれを実現したいのか」を具体的に説明することが求められます。
単なるフレーズにとどまらず、自分の経験や価値観に基づいた言い換え表現を工夫することが大切です。
志望動機で「やりがいを感じる」を使うメリット・デメリット
志望動機で「やりがいを感じる」を使用するメリットとデメリットについて、それぞれ解説していきます。志望動機に活用するか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
志望動機で「やりがいを感じる」を使うメリット
「やりがい」という言葉は、使い方次第で選考を有利に進められる可能性があります。
面接やエントリーシート(ES)において最も重視すべきことは、他の応募者との差別化です。
採用担当者は、これまで数えきれないほどの自己PRや志望動機を目にしてきました。その中で、ありきたりな表現や似た内容の文章は記憶に残りにくく、他の就活生と埋もれてしまいます。実際、多くの学生は言葉選びに苦戦し、その結果、構成や内容が似通ってしまいがちです。
しかし、「やりがい」という言葉を単に使うのではなく、自分の経験や価値観に即して具体的に言い換えることで、独自性を示すことができます。
例えば、「成果が認められたときに達成感を得られる」「新しい課題を解決することで成長できる」といった具体的な表現にすることで、あなた自身の人柄や大切にしている価値観がより鮮明に伝わります。
このように、自分ならではのストーリーを交えて「やりがい」を表現すれば、単なる抽象的な言葉ではなく、企業に対して説得力のある志望動機となり、他の就活生との差別化につながるのです。
志望動機で「やりがいを感じる」を使うデメリット4選
「やりがいを感じる」という言葉は便利で使いやすい一方、志望動機の中で用いるといくつかのデメリットを生む可能性があります。
抽象的で説得力に欠ける
「やりがい」という言葉は非常に汎用性が高いため、多くの学生が無意識に使ってしまいます。
しかし、漠然とした表現に留まると採用担当者に具体的なイメージが伝わらず、「熱意が薄い」「内容が浅い」と受け取られる危険があります。
自分の強みや価値観が伝わらない
「やりがいがあるから志望した」とだけ述べても、企業は「どのような場面でその人が力を発揮できるのか」を理解できません。
自分がどんな経験からやりがいを感じたのか、どのような場面でやりがいを得やすいのかを具体的に示す必要があります。
例えばアルバイトや学生時代の活動など、実体験に基づいたエピソードを盛り込むことで、説得力が増します。
熱意が伝わりにくい
採用担当者は志望動機を通じて、応募者が企業にどれだけ本気で関心を持っているかを見ています。
にもかかわらず「やりがいのある仕事がしたい」という一文だけでは、企業研究が不十分に映り、熱意が伝わらない結果になりかねません。
具体性を欠くと評価が下がる
「やりがいがあるからです」で終わってしまうと、企業は「なぜ当社なのか」「どの業務に興味を持っているのか」が分からず、選考で不利に働くことがあります。
自己分析や企業研究を通じて、「どんな業務にやりがいを感じるのか」「そう感じるようになったきっかけは何か」を深掘りし、自分なりの表現に落とし込むことが重要です。
「やりがいを感じる」の言い換え表現
「やりがい」は便利な一語ですが、そのままでは抽象的になり、志望動機を薄く見せてしまいます。
使うなら、「何に対して」「どんな行動で」「どんな成果が出たとき」にやりがいを覚えるのか――まで具体化しましょう。
以下に類語と実務で使える言い換えを整理します。
- 満足感:不満がなく満ち足りている状態
- モチベーション:目標達成へ向かう意欲や原動力
- 充実感:必要十分に満たされている実感
- 充足感:充実して満ち足りている感情
言い換え(実務に使える表現+一言例)
人の役に立つ実感がある | 例:営業なら「顧客の課題が解決し感謝をいただけた瞬間にやりがいを覚える」 |
目標・KPIの達成に喜びを感じる | 例:企画なら「立案施策でCVが改善したときに達成感がある」 |
同じ目標へ協働する一体感を得られる | 例:開発なら「スクラムで機能を期日内にリリースしたときのチーム達成感」 |
新しい知識を吸収し成長を実感できる | 例:技術職なら「新技術のキャッチアップが製品品質の向上に直結したとき」 |
難易度の高い仕事に挑戦できる | 例:営業なら「大型案件の提案で前例のない条件交渉をまとめ上げたとき」 |
責任を持って最後までやり切れる | 例:企画なら「施策の設計、検証、改善を自走で回し切れた瞬間」 |
特定領域への情熱を発揮できる | 例:「データドリブンな意思決定に強い関心があり、その専門性を磨ける環境に惹かれる」 |
アイデアを形にし、ユーザー反応を得られる | 例:プロダクトなら「プロトタイプがユーザーテストで高評価を得たときの手応え」 |
成果が可視化され達成感を得られる | 例:広報なら「掲載獲得で想定以上のPV・問い合わせが生まれたとき」 |
社会・生活を支える実感がある | 例:インフラ系なら「安定稼働で多くの生活基盤を支えている手応え」 |
上記の言い換えは、必ず企業の事業・ミッション・職種KPIと結びつけて述べます(例:「御社の〇〇事業では△△のKPIが重視されるため、私の□□経験は〜に貢献できる」)。単なる自己満足に見える表現は避けましょう。
章末ミニチェック(要点)
- 「何に対して」「どんな行動で」「どんな成果で」まで具体化できているか
- 企業の事業・KPIと接続しているか
- 職種別の具体例(営業/企画/技術)を1つ以上入れたか
志望動機「やりがいを感じる」言い換え表現の3ステップ
志望動機づくりで大切なのは、構成と一貫性です。手順を明確にすると、あなたの性格や価値観と企業ニーズの適合度が伝わります。以下の3ステップで進めましょう。
ステップ1:自己分析・企業分析を徹底する
未就業の就活生にとって企業の「やりがい」特定は容易ではありません。まずは職種理解と企業理解を深めます。
- 公式サイト・SNS・採用ページを読み込む
- 店舗・イベント・製品/サービスを実際に体験する
- 社員インタビューや口コミサイトを複数比較する
- 良い点だけでなく、課題・働き方の現実にも目を向け、自分が許容できるかを確認する
この下調べが、後の言い換えの具体性を支えます。
ステップ2:その企業で「やりがい」を感じるポイントを見つける
分析を踏まえ、「どの業務・どの成果指標で手応えを得やすいか」を考えます。
例:顧客課題の解決、プロダクト改善、数字達成、ユーザー反応など。
ワークライフバランスや価値観(家族・趣味)も動機になり得ますが、必ず職務内容・事業ミッションと接続して語るのがコツです。
ステップ3:過去の実体験と「求める人材像」を一致させる
アルバイト・部活・ゼミ等でやりがいを感じた場面を特定し、企業の「求める人物像」(挑戦/協調/自走など)に合わせて言い換えます。
探し方の例:「チームで達成したこと」「誰かの役に立ったこと」「改善案が採用されたこと」。
まとめ方テンプレ
- 経験(S/T)→ 行動(A)→ 成果(R)→ 御社での活かし方(KPIや役割に接続)
採用ページの人物要件を引用しながら、表現を調整すると説得力が増します。
章末ミニチェック(要点)
- 企業・職種KPIと自分のやりがいが結び付いているか
- 体験談をSTARで整理できているか
- 強み・価値観が「求める人材像」に合致しているか
- 仕事外の価値観を述べる場合も、職務への貢献に接続できているか
志望動機で使う「やりがいを感じる」のコツ・使い方
「やりがいを感じる」という表現は、そのままでは抽象的ですが、工夫次第で効果的な志望動機に変えることができます。ここでは3つのコツを紹介します。
他の就活生との差別化を図る
採用担当者は、毎日数多くの志望動機を目にしています。その中で埋もれないためには「差別化」が不可欠です。特別な経験がないと感じていても、文章構成や伝え方次第で印象は大きく変わります。
重要なのは「誰も経験していない珍しい出来事」ではなく、平凡な経験でも具体的に語り、企業の特性と結びつけることです。例えば、アルバイトでの接客経験を「顧客の声を分析し改善策を実行した体験」として語れば、十分に差別化になります。
PREP法を意識する
PREP法とは「Point(結論)→Reason(理由)→Example(具体例)→Point(再結論)」の構成を指します。この流れを意識することで、文章は論理的で読みやすくなります。実際、文章構成の巧拙は就活生の論理力や思考力の評価につながることもあります。
例えば、
- 結論:「私は成果を通じてやりがいを得られる仕事を志望します」
- 理由:「結果が可視化されると、自身の成長を実感できるからです」
- 具体例:「アルバイトで売上を分析し改善策を実行した際、前年比120%を達成し、大きな達成感を得ました」
- 再結論:「御社の〇〇業務でも成果に直結する環境でやりがいを感じられると考えます」
この構成を守れば、採用担当者に伝わりやすく、志望動機として説得力を持たせることができます。
「やりがい」を自分の言葉に変える
単に「やりがいを感じる」ではなく、「顧客の課題を解決したとき達成感を覚える」「新しい知識を吸収し成長できるときに充実感を得る」など、自分自身の経験や価値観をベースに表現しましょう。
これにより、文章が具体性を増し、採用担当者にあなたの個性や価値観が伝わります。
章末ミニチェック(要点)
- 差別化は「経験の珍しさ」ではなく「伝え方と具体性」で勝負しているか?
- PREP法で構成を整理できているか?
- 「やりがい」を自分の言葉に置き換えているか?
志望動機で使う「やりがいを感じる」の例文を紹介
志望動機を書く際は、自分にとってのやりがいを冒頭で明確に示し、結論ファースト・一貫性のある流れを意識することが大切です。ここでは例文を2つ紹介します。
例文①:計画性を強みにした志望動機
私は、物事を計画的に進めることで達成感を得やすい性格です。
学生時代は学業を最優先にしつつ、時間の使い方を工夫してサークル活動とアルバイトを両立してきました。
当初はアルバイトに時間を取られ、サークル活動が疎かになる時期もありました。そこで、短時間勤務が可能な家庭教師の仕事へ切り替え、学業や試験準備に支障を出さずに活動できる環境を整えました。その結果、単位を落とさずに収入を確保し、仲間と過ごす時間も増やすことができました。
この経験から、計画的に行動し成果を積み重ねることが私にとってのやりがいだと実感しました。御社に入社後も、この強みを活かして業務を効率的に進め、生産性向上に貢献していきたいと考えています。
例文②:感謝を軸にした志望動機
私が仕事で最もやりがいを感じるのは、人から感謝されたときです。感謝の言葉をいただくと「もっと頑張ろう」という前向きな気持ちになります。
学生時代は、学業の傍らコールセンターでアルバイトをしていました。業務では製品に関する問い合わせ対応だけでなく、不満や苦情を持つお客様への応対も行いました。当初は難易度の高い対応に苦手意識がありましたが、傾聴や誠意ある対応を続けた結果、エスカレーションをせずに解決できるケースが増えていきました。
最も印象に残っているのは、苦手意識を持っていたお客様から「ありがとう」と直接言っていただいた経験です。このとき、自分の対応が人の役に立ち、信頼を得られたことが大きなやりがいにつながりました。
御社の業務でも、お客様や取引先との意見調整や関係構築が欠かせません。私は培ったコミュニケーション力を活かし、円滑な協働を通じて成果に貢献できると考えています。
例文③:営業職における「成果と信頼」に基づく志望動機
私が仕事にやりがいを感じるのは、自らの努力が数字という形で成果に表れ、同時にお客様から信頼を得られた瞬間です。
学生時代には、学園祭の協賛企業を獲得する営業活動を担当しました。最初は断られることも多く、自信をなくす時期もありましたが、先方のニーズを徹底的に調べ、提案内容を改善することで契約につながる経験を重ねました。
結果として前年を上回る協賛金を集めることができ、達成感と同時に「あなたに任せてよかった」と言っていただけたことが大きなやりがいになりました。
御社の営業職においても、数字の成果を追求するだけでなく、顧客との長期的な信頼関係を築き、双方にとって価値ある結果を生み出していきたいと考えています。
例文④:企画職における「アイデアを形にする」志望動機
私にとってやりがいを感じる瞬間は、自分の考えたアイデアが形になり、人に喜んでもらえたときです。
ゼミ活動では地域活性化のためのプロジェクトを企画し、地元の商店街と連携したイベントを実施しました。集客の課題を解決するため、SNSプロモーションを提案・実行したところ、前年よりも多くの来場者が訪れ、参加店舗からも「売上が伸びた」と感謝の声をいただきました。
このとき、自分の発想が現実の成果につながることに大きなやりがいを覚えました。
御社の企画職でも、既存の枠にとらわれないアイデアを提案し、チームを巻き込みながら実現していくことで、新しい価値を創造していきたいと考えています。
例文⑤:技術職における「課題解決」に基づく志望動機
私が仕事で最もやりがいを感じるのは、困難な課題を解決できた瞬間です。
大学ではロボット制御に関する研究に取り組み、当初はセンサー精度の低さから安定した動作ができませんでした。しかし試行錯誤を重ね、センサー配置やプログラムの改良を行うことで課題を克服し、学会発表まで至る成果を出すことができました。
この経験を通じて、難題に直面しても諦めず改善策を探り、成果につなげる過程そのものが大きなやりがいになると実感しました。御社の技術職においても、最新技術を吸収しながら課題解決に挑戦し、製品やサービスの品質向上に貢献していきたいと考えています。
章末ミニチェック(要点)
- 結論ファーストで自分のやりがいを冒頭に提示できているか
- 過去の体験→学び→企業での活かし方の流れになっているか
- 具体的なエピソードを通じて、採用担当者が人物像を描けるか
まとめ
今回は、志望動機で「やりがいを感じる」と表現する際の注意点や言い換え方法について解説しました。
「やりがい」という言葉は便利な一方で、抽象的に使うと説得力を欠き、場合によっては悪印象につながる恐れもあります。
一方で、自分の価値観や経験を踏まえて具体的に言い換えれば、採用担当者の印象に残りやすく、評価につながる強力な志望動機となります。
大切なのは、ありきたりなフレーズに頼らず、自分の体験をもとに差別化を図ることです。
さらに企業の理念や事業内容と接続することで、熱意と適性を的確にアピールできます。
本記事で紹介した「言い換えリスト」や「3ステップの組み立て方」を活用し、自分だけの言葉で志望動機を作り上げてください。
そうすることで、他の就活生と一歩差をつけ、志望企業の選考を突破できる可能性が高まるでしょう。