【企業分析】コベルコシステムの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2024/7/23更新
はじめに
コベルコシステム株式会社(以下、コベルコシステム)は、兵庫県神戸市及び東京都品川区に本社のあるITシステムコンサルティング・インテグレーション・アウトソーシング事業者です。
本記事では、以下のような対象者へ書かれています。
- コベルコシステムの企業情報概要や事業内容、競合を知りたい
- コベルコシステムの就職難易度や新卒採用フローを確認したい
ぜひ、最後までご覧ください。
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この記事の結論
この記事の結論から言うと、コベルコシステムの就職難易度は【比較的容易】としています。
親会社となる神戸製鋼所は有名な会社ですが、コベルコシステム自体はBtoBの企業ですので一般知名度は高くなく、競争率は限定されており、学歴フィルターもないと考えられています。
コベルコシステムは「メーカー系」のシステムインテグレーターですが、資本関係に日本IBMもいることで「ユーザー系」のシステムインテグレーターとしての顔を持ち、大規模な案件に関与できる可能性が高い業態と言えます。
次の章から、会社についての紹介や新卒就職活動に役立つ情報を紹介します。
コベルコシステムについて
出典元:
インフラ構築からSAP・基幹システム導入までITソリューション&サービスナラコベルコシステム
会社概要
コベルコシステムは、1983年に株式会社神戸製鋼所の100%出資により設立された会社です。
「コベルコ」とは「KOBE STELL」と、英語で有限会社を意味する「Limited COmpany」を合わせた「KOBELCO」という造語であり、神戸製鋼所を親会社にもつグループ企業に「コベルコ」という名称が使われている場合があります。
なお、神戸製鋼所は子会社及び関連会社が約240社近くあり、コベルコシステムはその中の一社です。
神戸製鋼所のIT部門から独立し「神鋼コンピュータシステム」から始まり、1987年に「コベルコシステム」の名称となりました。
その後、いくつかのグループ会社の統合合併を繰り返していますが、コベルコシステムとして現在まで続いてます。
また、2002年には日本IBMが資本参加しており、神戸製鋼所と日本IBMが主要株主です。
ITインテグレーターは会社の成り立ちから「メーカー系」「ユーザー系」「独立系」といった分類ができ、それぞれに強みがあります。
<ITインテグレーター分類>
メーカー系 | 製造業のIT部門が源流 | 日立、富士通、NECなど |
ユーザー系 | 金融業や商社などのIT部門が源流 | NTT、野村総研、伊藤忠など |
独立系 | IT専業で設立 | 大塚商会、TIS、CTCなど |
コベルコシステムは神戸製鋼所を源流とする「メーカー系」と、日本IBMをバックグラウンドにもつ「ユーザー系」という2つの系統をもつことが特徴的で、大規模なシステム開発のノウハウがあることや様々な業態へ幅広い知見を持つという面で強みが発揮されます。
各事業セグメントの解説
コベルコシステムの主な事業セグメントは以下の通りです。
事業部門 | 活動内容 |
コンサルティング | ITによる戦略策定、業務改革を行うコンサルティング業務 |
システムインテグレーション | パッケージソリューション、カスタム開発 |
アウトソーシング | 顧客業務の運用・管理、及び改善 |
インテグレーションの実績としては、SAP S/4 HANA(ERPパッケージ:企業全体の経営資源をリアルタイムで把握し効率化を図るエンタープライズシステム)、mcframe(製造業向けERP:原価管理、生産管理、販売管理など)、TXOne Networks(産業用制御機器ライフサイクル管理、セキュリティ検査、エンドポイント保護)などを主力として、企業の基幹業務のDX化、運用業務の改善とアウトソーシング、神戸製鋼所をグループに持つことによる製造業に強みを持つシステム開発などが挙げられています。
メーカー系かつユーザー系のシステムインテグレーターではありますが、キヤノン、日本HP、KDDIなど他分野のビジネスパートナーとしても幅広く提携しており、豊富な業務経験が出来る一方で、常に高い技術力や知識、提案力が顧客からは求められるといえるでしょう。
コベルコシステムで働いている社員は?(2024年現在)
コベルコシステムの従業員数は2024年現在1,841名です。
ちなみに親会社となる神戸製鋼所の連結従業員数は38,050名となります。
平均勤続年数は?
コベルコシステムの平均勤続年数は、13.2年です。
比較として、類似の事業分野を持つメーカー系SIerを調べてみます。
勤続年数や平均年齢は概ね競合と同等と言えそうです。
コベルコシステム | 従業員数1,841名、平均勤続年数13.2年、平均年齢41.7歳 |
日立ソリューションズ | 従業員数4,955名、平均勤続年数19.9年、平均年齢43.9歳 |
日鉄ソリューションズ | 従業員数2,817名、平均勤続年数13.0年、平均年齢39.8歳 |
三菱総合研究所(MRI) | 従業員数1,150名、平均勤続年数13.1年、平均年齢41.7歳 |
平均年収は?
コベルコシステムの平均年収は約620万円といわれています。
平均年収としては、東証上場企業の平均は523万円と言われているので、上場企業の平均よりも高い年収を得ているといえます。
メーカー系SIerは規模の大きな案件が多く、平均年収は他のSIerと比べても高めといえます。
部長クラスでは年収1,000万円超となるといえるでしょう。
一方で、初任給ベースでは他業種と同等か、むしろ低くなってしまう場合がありますが、初年度の賞与支給条件や年俸制によるものもありそうです。
コベルコシステム | 平均年収620万円、年収幅250~1,300万円 |
日立ソリューションズ | 平均年収800万円、年収幅250~1,300万円 |
日鉄ソリューションズ | 平均年収679万円、年収幅250~1,200万円 |
三菱総合研究所(MRI) | 平均年収850万円、年収幅400~1,600万円 |
平均残業時間は?
残業時間をわざわざ公表しない企業が一般的な中、IT業界は過去に慢性的な残業が起こっていたこともあり、現在はしっかりと残業管理しながら会社の採用ページなどでも積極的に実績を公開している会社が増えており、コベルコシステムはそういった施策ができている会社の一つです。
残業時間自体は多くの会社で減っていきますが、業務量が減っているわけではないので、決められた時間で成果を出さなければならないという難しさが求められていると考えておきましょう。
コベルコシステム | 16.5時間/月(会社公表値、2023年) |
日立ソリューションズ | 約20~30時間。残業抑制施策継続中。 |
日鉄ソリューションズ | 部署・業務により大きく異なる、残業が多いという口コミあり。 |
三菱総合研究所(MRI) | 40時間程度。部署によってはさらに多い場合も。 |
平均ボーナス額は?
コベルコシステムの賞与は年2回(6月・12月)となっており、業績や査定によって年間3カ月~5か月分と差が出るようです。
多くの場合、入社初年度は(前年査定に基づくため)受け取れる額が少ないことで年収がかなり低くなりますが、2年目からは賞与額が大きく上がることで年収が大幅に増えるケースが多いといえます。
携わる業務成果も様々あるため、2年でも非常に高く評価されることで非常に高額の賞与がもらえる反面、査定や業績がすぐれないと賞与の減額幅も大きくなることがあり、良くも悪くも実力主義が賞与に現れるといってよいでしょう。
コベルコシステム | 年2回支給(6月・12月)。3~5カ月程度、業績と査定により可変。 |
日立ソリューションズ | 年2回支給(6月・12月)。2年目までは額固定。約3カ月分。 |
日鉄ソリューションズ | 年2回支給(6月・12月)。約6か月分。 |
三菱総合研究所(MRI) | 年2回支給(6月・12月)。約5カ月分。 |
どんな文化なの?
コベルコシステムの転職市場における口コミを調べると「上司が話しやすい雰囲気である」「若い人に積極的にチャンスを与えている」といった評価を受けています。
会社自体は業界の中でも歴史があり、平均年齢も若いわけではない中、若い人に任せようとする社風があることは企業が今後も成長し続ける上でとても良い風土と考えられるでしょう。
また、リモートワークもかなり進んでおり、ほとんど出社せずリモートで仕事ができている人もかなり多いようです。
一方で、技術的な追及はもちろん、実際のプロジェクト運営では規模の大きくなることが多いため、協力会社や業務量の折衝といったプロジェクト管理がより重要となってくるケースがあり、これは本業のコンサルティングやシステム開発の技術とはまた異なる能力となることに難しさにもあるようです。
有給休暇や男性の育児休暇が非常に取りやすいと評価されている反面、休みを取るためには計画立てた業務調整をしないと仕事に穴が開いてしまう状況となるため、働き盛りの若手エースや中堅になると数多くの案件を抱えているような人では、その調整自体が難しいといった口コミもありました。
ここまでに比較してきたメーカー系SIerで、あらためて売上高・平均年収・社風と、就職難易度についてまとめてみます。
会社名 | 売上高 (2023年) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
コベルコシステム | 492億円 | 620万円 | 55(Aランク) | 若手にチャンス豊富 |
日立ソリューションズ | 1,847億円 | 800万円 | 58(Aランク) | 失敗恐れず、満足度高い |
日鉄ソリューションズ | 915億円 | 679万円 | 59(Aランク) | 堅実、穏やか、論理的 |
三菱総合研究所(MRI) | 725億円 | 850万円 | 55(Aランク) | フットワーク軽く、連帯感 |
コベルコシステムの新卒募集要項について
この章では、新卒採用の募集要項や過去の募集における内定までのプロセスについて説明となります。
新卒採用に関する手続きが大きく変わる可能性のない業種・企業と言えますが、最新の募集要項については必ず公開されている情報を確認するようにしてください。
各項目 | 詳細 |
職種 | システムエンジニア、システム営業、経営スタッフ |
給与 | ◆大学院了 260,000円 ◆大学卒 250,000円 ◆高等専門学校卒 230,000円 ※東京は上記に加えて地域手当20,000円 |
賞与 | 年2回(夏・冬) |
教育制度 | 新入社員早期育成プログラム、階層別プログラム、プロフェッショナル育成プログラム、専門技術プログラム、ビジネスユニット別プログラムなど |
福利厚生 | 社会保険完備、退職金制度、財形制度、資格取得支援制度、短時間勤務制度、社員会、独身寮、保養所 |
諸手当 | 住宅手当、時間外手当、地域手当、通勤費、他 |
求める人材
コベルコシステムの新卒採用ページでは、以下の「求める人物像」として紹介しています。
【求める人物像】
1.社会人・企業人として、社会や会社のルールを遵守し、お客様に対しても常に責任をもって誠実に対応できる人材
2.人と協働し、他も活かし、組織・チームの目標達成のために、組織・チームの能力の最大化と最大限発揮に貢献できる人材
3.ITのプロフェッショナルとして、つねにみずからの専門性を磨き、高めるとともに、時代の環境の変化に、柔軟に自分で考えて働くことのできる人材
また、採用ページでは、入社後にITスキルや業務知識を習得できるため、選考過程では人物特性を重視しているとしています。
採用要件としてあげているのは「知的探求心」「人と協力する」「物事を前に推し進める」の3点のバランスを示しています。
実際にコベルコシステムへの採用プロセスに入る場合は、是非上記のことを加味したエントリーシート作成・自己分析を行ってみましょう。
内向きの個性である、知りたい・学びたい・成長したいという部分と、外向きの個性である人と協力する、目標に向かってやり遂げようとするという部分の両立が求められており、自分の長所やこれまでの経験とリンクさせ、どのようにアピールできるかをしっかりと考えていく必要がありそうです。
なお、既にITスキルと語学力は、必須要件ではないですが、これらに長けていると採用に有意としているので、それらを持っている人は合わせてしっかりアピールしていきましょう。
新卒採用のフロー
コベルコシステムの新卒採用フローは以下の通りとなります。
なお、このフローは2025年新卒(2024年の活動)の場合のため、今後採用方式が代わる可能性もあるため、最新の募集要項を必ず確認しましょう。
①採用ページへの登録、会社説明会への参加
コベルコシステムの採用ページから入社予定年度(翌年または翌翌年)のエントリーページで登録を行います。
登録内容は基本的な連絡先と大学情報のみとなり、それほど時間はかからないので早い段階で登録をしておきましょう。
今後の採用に関する情報等はこのサイトやメールによる案内が行われます。
採用プロセスへ応募するには、Webで実施される会社説明会の参加が必要です。
会社説明会は毎年4月~7月の間で月1回実施されます。
実施時期の早い・遅いによる選考の難易度の違いはありませんが、後半時期だと場合によっては計画の採用人数に達するなどで説明会や選考が行われなくなる可能性もありますので、入社希望の場合は早めに参加しておくとよいでしょう。
②適性検査受験・エントリーシート提出
会社説明会を受けてからまもなく、web適性検査とエントリーシートの提出が行われます。
web適性検査は一般的なSPIの問題となっているようです。
SPIについては他の企業でも多く採用されているので、事前に問題集を1冊一通り解いておき、回答のコツを覚えておくとよいでしょう。
苦手な分野がある場合は、繰り返し練習をして、web適性試験による足切りに合わないように準備をしておいてください。
エントリーシートは、人となりや学生時代の取り組みなどを中心とした一般的な内容となり、長文を書かせたりあまり聞かれないような質問をされたりすることはなさそうです。
エントリーシートに記載された内容に基づいて面接でもやり取りが行われますが、エントリーシートの記述内容も書類選考の一つとなりますのでしっかりと自己分析や業界研究を整えたうえで提出するようにしましょう。
③一次面接:グループ面接
一次面接はグループ面接となります。
ディスカッション形式ではなく、質問に対する一問一答について逐次参加者が答えていくという形式です。
グループ面接では、原則としては個人面接と同じイメージで、聞かれたことに対して自分の回答を行えばOKです。
他の回答者の流れを踏まえて回答する人もいますが、質問者から明確に聞かれない限り、無理に他の人の発言を取り込まないほうが良いです。
他の回答者に対して「より良い」回答をした場合、捉えようによってはその回答者に失礼に当たる場合が多いですし、他の回答者が「より良いと思った」という発言をしても、あなた自身にプラスになる要素はあまりありません(グループディスカッションの場合は別)。
一方で、自分と同じような業種を選んだ人がどのような発言をするかは非常に参考になりますので、他の人がどのような回答をするかは興味を持って聞いておくとよいでしょう。
④二次面接・最終面接:個人面接
二次面接・最終面接は個人面接となります。
現在は最終面接含め、すべてweb上で実施されるようです。
個人面接ではエントリーシートで書かれた内容の他、「なぜコベルコシステムを志望したか?」「何故この業界を志望しているか?」といった基本的な志望動機の回答を求められることが多いとされています。
同等規模の競合が多い業界ですので、そのなかでもなぜコベルコシステムに興味を持ったかについてはしっかりと企業研究をしましょう。
実は、BtoB企業の採用側にとっては、純粋に学生がなぜ・どういった経路で自分たち会社を知り新卒採用を受けようと思ったかは、貴重な戦略情報でもありますので、率直な感想も伝えると印象もよいといえるでしょう。
⑤内定
複数回の面接を突破して内定が決まります。
採用大学
コベルコシステムでは、毎年50名程度ほどの採用枠があり、関西圏の大学を中心に、全国各地の大学から採用実績があります。
学歴フィルターはないと考えてよいでしょう。
募集要項では文系含めた全ての大学から応募が可能で学部・専攻による条件はありません。
<大学(大学院含む)> 関西学院大学、大阪大学、大阪公立大学、学習院大学、京都産業大学、京都大学、近畿大学、青山学院大学、愛媛大学、中央大学、上智大学、早稲田大学、他 |
就職偏差値・難易度
コベルコシステムの就活偏差値は、以下のような理由から比較的容易と判断されます。
- 新卒募集人数が多く、応募者数の母数的な地域の方よりはあるが大学そのもののフィルターは存在しないと考えられる
- 事業が一般向けではないBtoB事業で、関西圏では「神戸製鋼所」自体は有名なものの、コベルコシステム自体の全国的な知名度は限定的なので、応募者の競争は比較的少なめ
まとめ
コベルコシステムの会社情報や採用プロセスについてご紹介しました。
神戸製鋼所のグループ会社であり「メーカー系SIer」の強みを持ちながら日本IBMのノウハウをもつ「ユーザー系SIer」という持ち味もあり、就職後は比較的大きな案件へ関与する可能性も高いといえます。
採用フローも一般的な内容となっていますが、競合が数多く存在する業態ですので、「なぜコベルコシステムを選んだか?」という志望動機については、業界分析や企業分析の中からしっかりと深めていくとよいでしょう。
本記事を通して、よりよい就職活動となることを願っております。