経理の志望動機はどう書けばいいのか?成功を導くポイントと例文を紹介!
2024/7/23更新
はじめに
履歴書やエントリーシート提出などで必ず聞かれる項目の一つが「志望動機」です。
志望動機の意味について、どう捉えて取り組んでいるでしょうか。
企業が採用選考する際、なぜ志望動機にこだわるのかを、しっかり捉えて臨む必要性があります。
志望する職種にもよりけりですが、これから経理関連の職種を希望する場合は、企業理念や事業展開の詳細はもとより、財務などの企業の実態も気になるはずです。
経理だけが特別扱いということではありません。
ESや履歴書での志望動機の欄にて、曖昧で漠然とした回答や、的外れなことを書いてしまえば、内定獲得に大きなダメージを与えかねません。
経理としての就活の志望動機を書く意識を持つことが大切です。
本記事では、就活生の志望動機の書き方をベースにしながら、経理を志望する場合の効果的な書き方を解説していきます。
例文もいくつか紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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この記事の結論
実務未経験の新卒で経理を目指すことは、難しいという考えが一般的です。
むしろ専門学校などで経理に特化した勉強をしてきた人や、すでに実務経験がある人のほうが有利と考えられます。
ただし、必ずしも不可能とは限りません。
できる範囲からでもいいので、早めに就活準備に取りかかることです。
まずは、一般的な企業での経理業務のあり方を確認し、自分の適性とマッチするかどうかを判断するようにしましょう。
場合によっては、卒業までの期間中に、取りやすい経理の資格の勉強に着手して取得しておくと、より可能性が高まります。
大切なのは、なぜ経理の業務にこだわり、その企業の経理業務でなくてはならない理由を明確にすることです。
その詳細をわかりやすく説明できるように準備しておきましょう。
経理の主な仕事を把握する
大小問わずあらゆる企業にて、経理に該当するポジションの仕事は必ず存在します。
企業運営に関して重要な業務をおこなっていることは言うまでもありません。
しかし、一般的に細かな業務内容など、「経理」の実情を把握している人は少ないようです。
ここでは、経理についての業務を深堀りしていきましょう。
経理事務と経理職に区分される
募集要項などを見ると「経理事務」と「経理職」とに分かれて表記されるケースがあります。
各企業によってあり方はバラバラですが、厳密にはお互い異なった業務をするものです。
経理事務と経理職では、以下のような違いがあります。
- 経理事務とは、経理処理や記帳などの事務作業が中心
- 経理職とは、会計業務全般に関する業務が中心
経理職は、その企業の会計業務全般を把握し、収支管理・スタッフの指導・会計処理の検討・税理士や会計士との打ち合わせなどがあり、金銭の流れなどを幅広く認識するための知識が必要です。
一方で、経理事務は、経理の業務の中でも事務作業に特化し、データ入力・伝票起票・帳簿の記入などの細かい業務をおこないます。
企業によっては対応する範囲が異なることがあるので、志望先を選ぶ際には名称だけで判断せず、募集内容を細部まで確認するよう心がけてください。
即戦力か将来性かで判断しておく
上述したように、経理事務か経理職かによって、業務の枝葉の広がりが変わっていきます。
例えば、あくまでも実践的な現場で経理業務をし続けていきたいのなら、即戦力としての経理事務の力を養う必要があります。
しかし、それは最初だけであり、会計士や税理士とも同じレベルで仕事をしていきたいビジョンがあるのなら、経理職としての深い知識を得ていく努力がいるでしょう。
今の自分のスキルを考慮しどんな未来にしたいのかを決定することで、志望動機にも違いがでてきます。
経理に向いている人材の条件とは
経理の仕事は、数字を通じながら企業の状態を知り、適切な経営に向けた基礎データを提案するためにあります。
また、国や行政など含めた外部へ、財政状態を報告するための重要な情報源を管理する仕事です。
決算、給与計算、備品の購入といった企業の資金の流れを管理するため、専門的な知識やスキルを要します。
経理に就くにはどのような人物が理想なのかを、ここでは解説していきましょう。
資格のスキルを意識するほうが有利
まずは経理の資格やスキルを意識している人は有利に働くでしょう。
経理の志望で必ずしも必要とまではいえませんし、即戦力になるとは限りません。
しかし勘定科目、貸借対照表といった専門用語に興味があり勉強していれば、自然と知識として役立ちます。
とくに経理の初心者であれば簿記3級のテキストから始めて、実務でも生かせるレベルになれば理想的です。
PCの扱いが得意な人
経理職および経理事務のどちらも、PCの基本的な扱いができて得意な方がよいでしょう。
エクセル、ワードなどのPCスキルは必須となるからです。
集計や書類作成などをソフトを通じて完成させることになりますが、経理に特化している会計ソフトの使用が予想できます。
会計ソフトはメーカーによって特徴や仕様が異なり、企業がどれを導入しているかも異なるのが現状です。
細かいことは企業内で勤務しながら慣れていくことになりますが、そのためにもPCの基本的動作やタイピングの速さ・正確さを備えておくほうがよいでしょう。
事務能力そのものが優れている人
経理の知識や経験とは関係なく事務能力のある人は向いています。
事務処理のコツを覚えるのが早く、基本的なPCスキルが備わっていれば間違いなく経理の仕事に就いてやっていける条件を備えているでしょう。
ただし、お金に関わる業務として高い専門性が求められます。
自身でも経理に関する勉強を意識しながら進めていく姿勢が大切です。
コミュニケーションスキルがある人
経理の仕事は、コミュニケーション能力が高い人にも向いています。
実務では、ただ黙々と机にしがみついて自分の仕事だけこなせばいいわけではありません。
公正な立場として、他の部署や外部ステークホルダーとやり取りを頻繁にしています。
経理報告の依頼を受けたら、データをただ渡せば済むわけではなく、データの意味や重要性を噛み砕いて説明することや、質問や要望にも対応する能力が要るからです。
不明瞭なものが生じたら、必要な情報を集めて明確に伝える場面も考えられるでしょう。
そのためにも、適切な対応をこなせるコミュニケーション能力が問われてきます。
経理の志望動機を書く場合のポイント
経理を目指して就活する際の志望動機の書き方は、以下の4つのポイントを押さえながら進めてみることです。
- 自己分析による志望動機の深掘り
- 経理の仕事を選んだ理由の伝え方
- その企業を選んだ理由の伝え方
- 自分の将来像・キャリアパス
経理に限ってはいませんが、どのような職種でも必ず聞かれる内容なので、これら3点は、しっかりと明示できるように工夫しておきましょう。
では、さらに細かく解説していきます。
自己分析による志望動機の深掘り
志望動機を作成する基本として、自分自身の率直な考え方を取りまとめておく必要があります。
漠然としたイメージのままで、エントリーシートや履歴書を記入して提出しても、採用担当者の心をつかむことはできません。
自分が何を信条にしどう生きていきたいのかを分析して、経理の立場でやりたいことは何か伝えられるようにします。
これは経理という職種に限ったことではなく、営業でも企画でも、製造スタッフを志望する場合でも同じことです。
自分という人間がどのような人物なのかを、客観的に捉えて第三者に伝えられるようにしておきましょう。
経理の仕事を選んだ理由の伝え方
最初に考えておきたいことは、経理を志望する理由です。
例えば、転職者の場合なら、過去に経理業務の経験があり生かしたいといった理由が成立しますが、新卒の就活生でなぜ経理業務なのかを整理しておく必要があるでしょう。
今までの半生や興味を洗い出して、経理業務との関連性を明確にする作業です。
さらには、経理の専門性を求めている意志や、数字を扱う魅力などもエピソードで示せるように、伝え方の工夫をしてみましょう。
その企業を選んだ理由の伝え方
応募する企業を選んだ理由も明確に示せるようにしておきましょう。
特徴や強み、その会社で働く興味や適性についてアピールします。
その企業も、就活生がなぜ自社を選んでいるのかを知りたがるのは当然です。
個人差もあるはずなので、その企業での経理業務に興味を持った経緯を、しっかりと練り上げて伝えるようにしましょう。
そのために、事業内容、経営理念やビジョン、経理部門の特色や取り組みなどを企業研究しておくことです。
ビジョンや価値観に共感してくれて、一緒に自社をもり立ててくれる人材を求めています。
どの程度まで熱意を伝えられそうかなど、企業研究しながら自分の口で正直に話せるレベルに仕上げておく必要があります。
自分の将来像・キャリアパス
応募先企業でのキャリアをいかに築いて、どのような目標を掲げながら歩みたいのかを考えておきましょう。
将来像を具体的に描けば、成長意欲を相手に示すことができるからです。
ポイントとしては、企業が目指している方向性と一致しているかどうかに関わると考えておきましょう。
自分のキャリアパスのために、その企業の方針や目標が最適であることを具体的に伝えられるように、あらかじめ準備しておいてください。
経理の志望動機での注意点
経理の仕事に対する一般的印象は、誰でもできそうな事務作業といった誤解が目立ちます。
しかし、実務としての経理はそんな甘いものではありません。
また、残業が少ないなどの待遇面だけを動機に志望するのも、NGと見なされるでしょう。
経理業務を志望するにあたっての注意点は、以下の3つです。
- 簡単な事務作業だと捉えない
- 受け身な姿勢で志望しない
- 福利厚生や賃金体系にこだわらない
では、これら3点を詳しく解説していきましょう。
簡単な事務作業だと捉えない
ありがちな考え方として、経理が簡単な事務作業だからと考えて志望する場合です。
実際、経理はただの数字入力の作業ではありません。
会計学などに則り概要を理解し、経済的な理由で企業へ貢献する重要な役割があります。
本来であれば、経理の専門性などを理解しているのが望ましいくらいです。
財務分析などに代表される、企業の成長に関わる仕事として受け止め、どのような意欲を伝えられるかが問われます。
受け身な姿勢で志望しない
単なる受け身な発想で志望してはなりません。
経理職は、各スタッフおよび他部署とのやりとりが頻繁に発生する業務です。
経理でもコミュニケーション能力が問われます。
仮に、「黙々と自分の仕事に徹したい」「他者と関わるのが嫌だから」というネガティブな理由を志望動機に書くと、誤解を生じるでしょう。
企業側としても、そのような人材をあえて採用しません。
本当にコミュニケーションが苦手だとしても、志望動機にて伝えようとは考えないことです。
福利厚生や賃金体系にこだわらない
企業選びの基準として、福利厚生や賃金体系は重視する要素の1つです。
とはいっても、志望動機の題材として取り上げて書くことは、一般的にもNGとなるでしょう。
なによりも、企業へよい印象を与えません。
仮に、福利厚生や賃金体系に触れたいのであれば、「環境が充実して整っている」といった漠然とした表現を使うほうが無難です。
給与面に不服があるのなら、最初から志望しない選択をすべきでしょう。
なるべくなら、この部分にはこだわっていない姿勢を貫くことです。
経理への志望動機を書く場合の例文
ここでは、経理として志望動機を書く際の例文を紹介します。
今後、履歴書やエントリーシートを記載する機会がある場合の参考にしてみてください。
【例文1】アルバイト経験から経理を目指す
学生時代のアルバイトとして、とあるリサーチ会社にて営業補佐の業務を担当していました。そこでは、顧客管理のデータの取り扱い、エクセルを使用した業務管理、簡単な納品書・請求書などの入力をメインにおこなってきました。徐々に、企業の経営や経理などにも興味を抱くようになり、数字を取り扱う奥深さを体験している喜びを実感するようになったのです。実は現在、日商簿記3級の資格も取ろうと勉強中です。卒業までに合格できることが、当初の目的となっています。将来的にも、数字に強い人材となって、経営にも貢献できるようになれたらと考えて応募しました。
ポイント
たまたま始めた学生アルバイトの延長が、将来のキャリアパスにまで手を伸ばそうとしている例です。
最初は単なるバイト感覚だったとしても、当人の適性とマッチした場合は、それがやりがいとなるのは自然なことではないでしょうか。
この事例の当人は、アルバイトから自分の適性と伸ばせるスキルを見出しています。
やる気にも満ちていることが文章全体から見えてくることでしょう。
【例文2】インターンに参加して経理を志望する事例
大学2年の時に、あるベンチャー企業で募集をしていたインターンへ応募しました。採用されて以降、さまざまな仕事のサポートをすることになったのです。思い出せる範囲では、営業企画、SNSマーケティングなどですが、その中で何よりも興味を持ったのが、経理を通じてのデータ分析でした。たまたま参加した企業がベンチャーだったこともあり、人数の関係上でマルチタスクにも関わることができたのはとても大きかったと考えています。これから実践的に社会人となれば、きっとマニュアル通りにいかないこともあるだろうと予想はつくものです。そのような時でも、数字を生かしたデータ分析などが自分の職務として貢献できるのなら、これほどやりがいを感じることはないと判断したので応募に至りました。
ポイント
経理業務を実際におこなったわけではなく、インターンとして参加した企業で、さまざまな体験ができたことが大きかった事例です。
ものごとを冷静に判断するのに、データの分析が大切だと当人は気がつきました。
まずはインターンでの経験によって経理業務として勤務しながら、徐々に会社経営の枠の中で自分のスキルを発揮したいと考えている事例です。
【例文3】自分の長所をアピールした志望動機の例文ポイント
私には長所として几帳面さ・丁寧さがあります。その性格を生かして御社へ貢献したいと考えました。学生時代のクラブ活動はバスケット部に所属していましたが、クラブの執行部として経理を担当してきたことがきっかけです。部費や予算の管理について当初は面倒に思っていましたが、徐々に仕組みがわかりだし、こうやって社会が動いていくのかと、実践の中で理解を深めていきました。遠征試合へ出かけた際の領収書の仕分けや用途の記入なども、各部員へ徹底させたこともありました。誰がどのような目的を持って経費を使ったのかを、わかりやすく記入しながら管理するよう心がけたのです。バスケット自体も楽しくやれたのも事実ですが、なによりも部内外でのお金の流れについて、客観的に見れる面白さに興味を惹かれました。また、貴社の製品を愛用しております。デザインや機能性に優れ、選手目線での開発姿勢に深く共感しました。そこで、経理の仕事につけるのであれば、ぜひ御社で働きたいと考えた次第です。
ポイント
クラブ活動やサークル活動での経験からの理由もありつつ、文脈から伝わってくるのは、当人のきめ細かい性格です。
体育会系でありながらも、頭脳を主体とした行動経歴を語っていることは評価される点ではないでしょうか。
文武両道できる人材であることが伺えます。
まとめ
本来であれば、新卒の就活生から企業の経理部への所属を目指すには、狭い門をくぐらなければなりません。
一般的に経理の募集のほとんどは、経験者の採用枠となるからです。
実務経験を重視するイメージがあり、新卒からの経理を諦めてしまう人もいるでしょう。
しかし、新卒から経理に就くには、直接経理部門に配属される、または別の職種から経理部門へ異動するといった2つのルートがあります。
まずは、経理部門での募集をしている企業を調べ上げ、企業分析・業界研究をしながらチャレンジしてみることが望ましいでしょう。
また、経理や税に関する資格への着手を早めに準備しておくことが大切です。
日商簿記などからレベルに合わせて受験し取得する姿勢を見せることで、採用への可能性が広がるかもしれません。