【実物ES付き】自己分析のやり方|強みを言葉にする質問例と就活ノートの書き方
2026/09/22更新
33.8%は、厚生労働省が公表した新規大学卒就職者の就職後3年以内の離職率です。対象は2022年3月卒業者で、自己分析の実施状況や効果を示す数字ではありません。(参考:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」、2025年発表)
入社後の仕事まで考えて応募先を選びたいのに、ノートには「成長したい」「人の役に立ちたい」としか書けず、ESの作成が止まることがあります。診断結果で強みが見つかっても、面接で理由を聞かれると、具体的な場面が浮かばないという悩みもあります。
自己分析では、経験の大きさよりも、その場で選んだ行動と判断の理由を言葉にしてください。本記事では、自分史や他己分析の進め方を記入例で示し、就活ハンドブック内で公開している学生のES回答・面接での回答から、強みと志望動機につながる部分を読み取ります。初めて自己分析に取り組む新卒就活生も、下書きの根拠を補いたい就活生も、自分の経験を説明する文章へ進める内容です。
自己分析の目的と就活で使える到達点
自己分析では、過去に選んだ行動の理由をつかんで応募先選びやESの根拠にするため、活動の成果だけでなく、判断に迷った場面や、周囲の反応を受けて方法を変えた場面まで振り返ります。例えば、サークルの会議なら、意見の食い違いを解消した際のやり取りが手がかりです。同じ活動から何を読み取るかで、強みの説明は変わります。経験を思い出し、別の場面でも似た行動を取っていたか照らし合わせると、自分らしい工夫を説明できます。
自己理解と企業選びをつなぐ目的
「働きやすい会社がよい」という希望は、そのままでは企業研究の調べ方につながりません。質問できる先輩が近くにいる環境を求めるのか、自分で手順を工夫できる仕事を望むのかまで言葉にすると、説明会で聞く内容が具体的になります。学生時代に続けやすかった活動と、その理由を並べてください。担当範囲が明確だと動きやすかった経験なら、配属後の役割や仕事の任され方を調べる入口にできます。
仕事への希望には、好きな作業と避けたい負担の両方を残します。「接客が好き」と書いたら、初対面の相手との会話、商品を比べる手助け、売り場づくりのどこに楽しさがあったかを分ける方法です。こうして得た基準なら、社名や知名度だけに頼らず、仕事内容との接点を探せます。
自己分析をいったん終える基準
自己分析は、あらゆる性格を説明できるまで続ける作業ではありません。まずは応募予定の設問に対し、経験と判断の理由を添えて答えられる段階を目指します。長所の名前が決まっていても、実際に何をしたか語れなければ、振り返る余地が残っています。反対に、活動の目的、自分の担当、行動後の変化が話せるなら、その材料で下書きを作り、足りない部分だけ経験の記録へ戻る進め方ができます。
次の表は、作業を続けるか、ES作成へ進むかを判断する目安です。
| 手元の状態 | 次に進める作業 |
| 「協調性」などの言葉だけ | 協力した相手と具体的な場面の書き出し |
| 経験はあるが判断の理由が不明 | 当時の選択肢と選んだ理由の振り返り |
| 行動と理由を説明できる | 応募予定の設問に沿った下書き |
| 下書きの説明不足が判明 | 不足した事実だけの追加確認 |
強みを自己PRへ変える際の違いを知ると、経験のどこまで説明するか判断できます。
自己分析のやり方を選ぶ基準と準備
手法選びでは現在の悩みを基準にし、経験が浮かばない段階なら授業の資料や予定表から出来事を探し、活動は思い出せる段階なら判断の理由を掘り下げると、下書きに足りない材料を増やせます。例えば、活動は書けるのに強みを決められない場合は、友人に当時の行動を聞く他己分析が候補です。すべての方法を終える必要はありません。足りない情報に合う方法を選び、得られた材料をノートへ残してください。
悩み別の手法の選び方
自分史は経験を時間順に振り返る方法で、モチベーショングラフは意欲の変化とその原因を探す方法です。どちらも過去を振り返りますが、前者では選択の積み重ね、後者では気持ちが変化した場面に目を向けます。書き始める前に、「出来事を思い出したい」「続けられた理由を知りたい」と目的を決めてください。同じ授業や部活動を題材にしても、目的が決まっていれば、何を書き足すか判断できます。
次の表で悩みに近い項目を選び、取り組む方法を決めてください。
| 今の悩み | 合う手法 | 残す内容 |
| 経験が思い浮かばない | 自分史・質問への回答 | 活動名、担当、記憶に残る場面 |
| 意欲が続く条件が不明 | モチベーショングラフ | 意欲が変わった出来事と理由 |
| 関心が散らばっている | マインドマップ | 好きな作業につながる具体語 |
| 強みを決めつけてしまう | 他己分析・ジョハリの窓 | 周囲が見た行動と自分の認識 |
| 診断結果を説明できない | 結果と経験の照合 | 当てはまる場面、当てはまらない場面 |
| ESに使う材料が足りない | AIとの質問練習 | 答えに詰まった質問と追加した事実 |
記録を集める準備と質問の作り方
記憶だけで経験を探すと受賞や役職のある活動に偏りやすいため、授業のレポートや実験ノート、サークルの予定表、アルバイトの引き継ぎメモを見返し、日常の工夫まで振り返ってください。残っている資料が少ない場合も、当時の時間割から順にたどってください。「何を達成したか」だけでなく、「どこで困り、何を変えたか」と質問すれば、途中の試行錯誤まで書き出せます。
例えば、発表を終えた事実の横に、説明が伝わらず図を描き直した場面を書けば、相手の理解に合わせて表現を変えた行動が残るため、下書きで説明すべき工夫を具体的に示すことができます。修正前後の資料も残してください。
自己分析の内容をエントリーシートに活かす方法
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自分史・モチベーショングラフ・マインドマップの使い方
過去の経験から仕事との接点を探すには、活動名と成果だけではなく、準備や当日の対応で何に楽しさを感じたか、困った際にどんな方法を選んだかまで記録すると、判断の理由を説明できます。例えば、文化祭では、段取りを考えた時間と来場者へ説明した時間を分けて振り返ります。自分史で活動の経緯をつかみ、グラフで気持ちの変化を探し、マインドマップで関連する経験をつなぐ方法です。ノートの見た目より、行動を選んだ理由が読める状態を目指してください。
自分史でたどる経験と選択の理由
自分史には、学校生活の出来事を時間順に書くだけでなく、部活動へ入った理由と続けた理由、担当を選ぶ際に迷った別の役割などを添えると、経験の途中で生まれた関心まで残すことができます。活動中の工夫や、担当を引き受けた場面を追うと、途中から生まれた関心を見つけられます。幼少期の記憶が薄ければ、覚えている時期から始めてください。昔から同じ強みがあったと無理に結び付けず、考え方が変わった経緯も残せます。
次は、ゼミ活動を振り返るために作成した記入例です。
| 出来事 | そのときの選択 | 選んだ理由 | 今の行動とのつながり |
| 発表の担当決め | 説明資料の作成を担当 | 図で関係を示す作業が好きだったため | 複雑な話を図に置き換える工夫 |
| 発表練習で質問が集中 | 用語の説明を追加 | 聞き手と前提がそろっていなかったため | 相手の理解度を先に確かめる習慣 |
書いた後は、「当時は苦手だったが、取り組み方を変えた活動」にも目を向けます。得意・不得意を固定せず、工夫によって取り組みやすくなった条件を説明するためです。経験を時間順に並べる書式が必要な場合は、自分史の作成記事が参考になります。
モチベーショングラフで探す意欲の変化
モチベーショングラフは、横軸に時間、縦軸に当時の意欲を置き、印象に残る出来事を線でつなぐ図です。点の高さを他の学生と比べるためのものではなく、気持ちが変わった原因を振り返るために描きます。例えば、実験結果が出なかった時期でも、仮説を試している時間に面白さを感じていたなら、成果の有無と意欲は分けて記録してください。結果が出るまでの過程で、何に引かれていたか説明できます。
谷の部分には、失敗した事実だけでなく、役割が曖昧だった、相談先がなかったなど、そのときの環境も添え、次に意欲が戻った場面と比べると、負担を軽くした行動まで振り返ることができます。軸と出来事の置き方は、作成手順の記事が参考になります。
線を描いた後は、気持ちが上向いた理由を文章へ変えてください。「練習が楽しくなった」なら、後輩へ教え方を工夫して反応が返ってきた場面まで戻ります。グラフをESの材料へ変える際には、活用例と照らし合わせてください。
マインドマップでつなぐ関心と具体的な作業
マインドマップでは、紙の中央に活動名を書き、そこから連想する作業や感情を枝のようにつなげます。「好き」「得意」という大きな言葉だけで枝を終えると、仕事との接点は見えません。例えば、「料理」から「手順を考える」「材料を使い切る」「食べた相手の反応を見る」と広げてください。同じ趣味でも、段取り、工夫、相手との関わりのどこに関心があるかを、別の経験と照らし合わせられます。
別の枝で同じ作業が出てきたら、共通する行動を囲みます。料理と実験の両方に「条件を変えて試す」が出てきた場合、その行動を好む理由を次に書く方法です。似た言葉が並んだだけで強みと決めず、実際に試した方法まで戻ると、根拠のある自己PRへ近づけます。
他己分析・診断・AIで見つける別の見方
他己分析や診断は、自分にとって当たり前の行動を見落としている場合や、失敗した記憶に目が向いている場合に、周囲から見た場面や別の質問を通じて、経験の捉え方を広げるための補助です。例えば、「発言が少ない」と感じていても、友人は議論の食い違いを指摘した場面を覚えている場合があります。AIに追加質問を作らせる方法もありますが、経験の事実を知っているのは本人です。外から得た言葉には、根拠となる場面を添えてください。
他己分析とジョハリの窓による認識の比較
他己分析では、相手から「頼りになる」と評価された際に、その言葉だけを記録するのでなく、どの場面で、何をしたのが助けになったかを尋ねると、自己PRの根拠となる行動を把握できます。ジョハリの窓の考え方を借りると、自分と周囲の両方が知る特徴、周囲だけが気付いている特徴を分けて書けます。友人の評価をそのまま答えにする必要はありません。実験班の仲間やアルバイト先の同僚など、行動を見ていた相手の説明と記憶を照合できます。
相手の負担を抑えながら具体的な場面を聞く質問例です。
| 聞く相手 | 質問例 |
| ゼミの仲間 | 発表準備で助かった行動を、場面と一緒に教えてください。 |
| サークルの仲間 | 意見が分かれたとき、どんな役割を担っていたか教えてください。 |
| アルバイトの同僚 | 任せやすかった作業と、その理由を教えてください。 |
相手選びや聞き方に迷う場合は、他己分析の質問例から依頼文を作れます。
診断結果を経験で確かめる方法
診断で示された性格や適性は、その言葉に合う経験を探す入口にできます。「計画的」という結果が出たら、提出期限から作業を逆算した場面や、予定が崩れた際に調整した場面を振り返ります。当てはまらない結果が出たときも、自分を否定する必要はありません。授業と趣味では行動が違う場合があるため、どの場面を思い浮かべて回答したか書き添えると、結果を受け止めた理由まで説明できます。
例えば、慎重さが表れた経験なら、確認に時間を使い過ぎた場面と、確認によってミスを防いだ場面を並べます。強みと課題を同じ行動から捉える方法です。診断結果を自己PRや志望動機へつなげる際は、活用方法の記事を参照してください。
AIへの入力例と事実の照合
AIとの対話では、「協調性があると伝わる文章にして」と結論を先に渡すより、活動の事実を入力して説明が足りない部分を質問させると、強みを決める前に本人の担当や判断を確かめる作業ができます。先に活動の事実を入力し、当時の担当や判断の理由について追加質問を求めてください。入力していない成果や役職が回答へ混ざった場合は削除し、答えられない質問は記録や関係者への確認に戻すと、事実を保って下書きを直せます。
次は、経験を補作させずに質問を作るための入力例です。
授業の発表準備で、担当ごとの資料の用語をそろえました。この経験を自己PRへつなげるため、担当範囲、判断の理由、周囲とのやり取りについて追加質問をしてください。入力にない成果・数値・役職は加えず、不足している情報を質問で示してください。
実名や連絡先、未公開の研究資料は入力から外せます。最後に、AIが作った表現を読み上げ、普段の言葉で説明できない箇所を言い換えてください。
学生の実際の回答に学ぶ自己分析の着眼点
学生の実際の回答を読む際は、学業や製作など活動の名前を眺めるだけでなく、強みを支える行動と、その行動を選んだ理由に注目すると、自分の下書きで説明が足りない部分を見つけることができます。例えば、「課題解決力」という言葉を借りる前に、何を調べ、どう判断し、どのように動いたかに線を引いてください。掲載された回答は、各企業の評価基準や選考結果を示すものではありません。回答に明示された事実と、そこから学ぶ書き方を分けて読み取ってください。
キーエンスのES回答にある仮説と検証
キーエンスの学業に関する回答では、得意科目を示した後に、化学材料の実験で誤差要因を検討した過程が書かれています。成果だけではなく、文献値との差をどう捉えたかまで記述している点が参考になります。「分析が得意」と書くだけでは、実際の作業が伝わりません。装置条件や試料純度など、本人が検討した対象まで残すと、自己分析で見つけた強みを具体的な行動として説明できる構成です。
就活ハンドブック内で公開している選考経験者の情報によると、キーエンスのES回答には、検証の進め方について次の記述があります。
データは誤差要因を洗い出して整理し、文献値との差を装置条件・試料純度・界面活性剤濃度に仮説設定して、条件検討、再実験、考察を反復した。
この回答から学べるのは、原因の候補と実際に試した行動を結び付ける書き方です。例えば、授業のアンケート分析を題材にするなら、回答が偏った理由をどう調べ、集計方法をどう見直したかまで書き出せます。測定していない改善幅や、回答にない成果を付け加える必要はありません。
任天堂のES回答にある製作上の判断
任天堂のガクチカでは、製作活動の中で、運転する側の要求と設計を結び付けた経験が書かれています。自分の担当を示すだけでなく、市販品の利用と部品の自作をどう使い分けたかまで読み取れる回答です。自己分析では、「ものづくりが好き」という感想から、何を優先して設計したかへ進めてください。費用、使いやすさ、整備のしやすさなど、判断時に比べた条件を思い出すと、工夫の内容を説明できます。
就活ハンドブック内で公開している選考経験者の情報によると、任天堂のES回答では、部品選びの工夫が次のように書かれています。
市販のパーツを極力用いることで安価かつ整備性を高めることを心がけました。市販品として存在しないようなパーツについては設計し、自作しました。
技術的な活動の経験がなくても、例えば、文化祭の展示で購入する備品と自作する展示物を分けた理由を振り返れば、限られた予算や準備期間の中で、何を優先して選んだかを説明できます。この例を使って、本人が実際に担当した範囲と、仲間が担った範囲も書き分けてください。
味の素のES回答にある相手への働きかけ
味の素の回答は、ボランティア先で出会った相手との関わりを通じ、人の気持ちと行動の変化を述べた内容です。海外で活動した経験だけに注目すると、自分の経験との接点を見失います。読み取る場所は、相手の言葉を受け止め、働きかけ、その後の反応を知った流れです。自己分析のノートでも、「相手の立場を考えた」と評価だけを書くのではなく、何を聞き、どんな対応を選んだかまで残すと、行動を具体化できます。
就活ハンドブック内で公開している選考経験者の情報によると、味の素のES回答は、日本の料理を振る舞い、相手の夢を励ました経験を次の学びにつなげています。
思いに寄り添い、小さなきっかけを与えることの大切さを学んだ。
この回答の読み方を応用すると、アルバイトで困っている後輩に声を掛けた経験も振り返れます。教えた手順、質問しやすいように変えた伝え方、その後に見られた反応を思い出してください。相手の変化をすべて自分の働きかけの成果と決めつけず、見聞きした範囲で記述する姿勢も保てます。
富士通の面接回答にあるチーム内の役割
富士通の面接レポートには、学生時代に力を入れた活動としてサマーセミナーを挙げ、チームで成し遂げた点と、チームを牽引した点を強調して答えた記録があり、本人の役割に着目して読めます。自己分析へ生かす際は、活動全体の結果と、自分が担った行動を分けてください。リーダーという役職があったかだけでなく、意見を集めた、作業の遅れを共有したなど、チームに対して実際に働きかけた場面を探せます。
就活ハンドブック内で公開している選考経験者の情報によると、富士通の面接では、活動について次のように回答した記録があります。
サマーセミナーに参加した際の経験を答えました。チームで成し遂げた、チームを牽引したことを強調しました。
抜粋には、牽引した際の具体的な方法までは書かれていません。そこを補って学生の発言にすることはできないため、自分の準備では「意見が割れたときに何をしたか」と追加質問を置きます。活動の名称だけで終えている下書きなら、本人の担当が伝わる文を加えてください。
ニトリの面接回答にある働く目的
ニトリの面接レポートでは、働く目的と、その目的を同社でどう達成したいかという問いへの回答を読めます。学生は、生活環境の変化を経験した際の不自由さや、自宅へ戻ったときの安心感を、将来提供したい価値に結び付けています。ここから学べるのは、企業への関心を述べる前に、何を支えたいのかを経験から示す構成です。同じ経験を持つ必要はなく、自分が助けられた場面や不便を感じた場面から考え始められます。
就活ハンドブック内で公開している選考経験者の情報によると、ニトリの面接レポートには、働く目的に関して次の表現があります。
社会人として働くうえで、自分の夢や目標に向かって頑張るための基盤を提供したいです。
例えば、勉強に集中できる場所を探して苦労した経験なら、誰のどんな不便を減らしたいのかを言葉にしてください。ただし、原体験から事業への関心が生まれても、そのまま応募先固有の志望理由にはなりません。次に仕事内容を調べ、自分が取り組みたい対象との接点を確かめてください。
自己分析を自己PR・ガクチカ・志望動機につなげる書き方
自己分析のノートは、設問に合わせて必要な部分を選ぶと、ESの下書きになります。例えば、研究で条件を変えながら検証した経験なら、自己PRでは強み、ガクチカでは取り組みの過程、志望動機では仕事への関心と接点を中心に据えます。同じ経験を使う場合も、設問への答えとなる冒頭は書き分けてください。企業が指定した内容や字数に合わせて、実際の行動を残しながら文章を短くすると、根拠のある回答にできます。
設問ごとに変える冒頭と根拠の置き方
自己PRでは、自分の強みと、それが表れた場面を結び付けます。ガクチカでは、何に取り組み、なぜその行動を選んだかを伝える構成です。志望動機では、実現したい内容に加えて、応募先の事業や職種を選んだ理由まで伝えるため、ノートの内容をすべて移さずに、仕事への関心を裏付ける経験を選ぶと、設問に合う焦点で記述できます。まずは答えとなる文を作ってください。
次の表は、設問別に残す情報と書き出しの作成例です。
| 設問 | 書き出しの作成例 | 続けて示す根拠 |
| 自己PR | 相手の理解に合わせて説明方法を変える力があります。 | 説明を変えた場面、工夫、相手の反応 |
| ガクチカ | ゼミ発表で、専門の異なる学生にも伝わる資料づくりに取り組みました。 | 課題、担当、選んだ方法、変化 |
| 志望動機 | 使い手が迷わず利用できるサービスづくりに関わりたいです。 | 関心の原点、応募先の仕事との接点 |
自己PRとガクチカが同じ文章になる場合は、設問ごとの答え方を比べてください。
強みを示す冒頭が決まった段階では、経験を裏付けとして続ける書き方が役立ちます。
Will・Can・Mustと企業研究の接続
Willを取り組みたい内容、Canを経験から説明できる力、Mustを応募先の仕事で求められる役割として書き分ける際は、Mustを想像で埋めないよう、企業の職種紹介を根拠にしてください。募集要項や職種紹介に戻り、担当する相手、提供する商品やサービス、業務の流れを確かめてください。希望と経験だけではつながらなかった部分も、仕事の具体像が分かれば、何を学ぶ必要があるかまで言葉にできます。
例えば、「人を支えたい」という希望なら、直接相談に乗る仕事と、使いやすい製品を作る仕事では日々の作業が違います。学生時代に楽しさを感じた作業と照らし合わせると、志望理由へ入れる接点を絞れます。企業選びの基準が曖昧な段階では、就活の軸の作り方を参照できます。
自己分析の内容をエントリーシートに活かす方法
「エントリーシートに正解はあるのか」「書き方が良く分からない…」こんなことを考えたことはありませんか?
就活生にとって、エントリーシートは第一関門ともいえるものです。
今回は、選考を通過したエントリーシートを20社分用意しました。
各エントリーシートにはポイント付きで解説しています。
この機会にぜひチェックしてください。
自己分析で迷いやすい場面と修正方法
自己分析で「強みがない」と感じたときは、性格を結論付ける前に、例えば、作業を頼まれた理由や後輩へ教えた手順を思い出すと、材料が不足しているのか、言葉選びで迷っているのかを判断できます。企業の求める人物像に近づけようとして、経験を作り替える必要はありません。答えを立派に見せるより、説明できる事実の範囲で表現を直すと、追加質問にも対応しやすくなります。
経験や強みが思い浮かばない場合の探し方
特別な実績がないと感じる場合は、成果の大きさより、日常で繰り返していた工夫へ質問を変えてください。授業で分からない用語を調べ直した、引き継ぎのメモを読みやすくしたなど、周囲に見えにくい行動も振り返る対象です。「頑張った」という感想だけでは説明が広がりません。何に時間を使い、以前の方法からどこを変えたかを思い出すと、自己分析のノートに具体的な材料を加えられます。
数字で示せる成果がなくても、資料の違いや相手から受けた質問を記述できます。回数や成果の割合を記憶だけで作らず、残っている記録と照合してください。題材選びで止まる場合は、学生時代の経験を探す記事を読み、質問の切り口を増やしてください。
企業に合わせ過ぎた回答や矛盾の修正
応募先に合う経験を選ぶ際は、共同作業を単独の成果に書き換えたり、任されていない役職を付けたりすると、面接で担当を説明する際に矛盾が生じるため、実際の役割を保って書いてください。同じ学生にも、慎重に確認する場面と、早く試す場面の両方があります。どちらかを削って性格を統一する必要はありません。失敗した際の影響や締め切りなど、判断が変わった条件を添えると、行動の違いを説明できます。
例えば、実験では安全や測定条件を確かめ、発表資料ではまず試作して反応を聞くなら、判断の対象が違います。「慎重さ」と「行動力」が並んでいるだけで矛盾とは判断せず、何を確かめてから動いたかを書き足してください。
自己分析ノートの更新と面接前の仕上げ
面接前には、提出したESにある行動を追加質問で確かめ、例えば、「周囲を巻き込んだ」という文なら、誰へ何を伝え、反応を受けてどう動いたかを口頭で説明すると、ノートの不足を点検できます。答えに詰まった場所が、そのままノートに補う項目です。応募先が変わるたびに経歴を書き換える必要はありません。共通する事実を残しながら、設問に合わせて説明の順序を変えると、回答の一貫性を保てます。
面接で答えに詰まった箇所の更新手順
ノートには、出来事が起きた時期、当時の行動、今の解釈を分けて残します。面接練習で説明が足りないと分かったら、元の記録を消さずに、不足していた事実と追加した日付を書いてください。例えば、活動の成果は説明できても、別の方法を選ばなかった理由が言えなければ、当時の選択肢へ戻ります。事実が増えたのか、捉え方が変わったのかを分けると、ESと口頭の回答で食い違う部分を見つけられます。
追加質問から下書きを更新する流れです。
| 提出したESの確認 | ▶ | 追加質問への口頭回答 | ▶ | 不足した事実の追記 | ▶ | 説明の再練習 |

監修者からのアドバイス
三好 達也(キャリアアドバイザー)
掲載済みの監修コメントでは、ガクチカや志望動機を掘り下げ、答えが止まる部分を見つけて、早めにキャリアアドバイザーへ相談する準備を勧めています。上記の更新手順でも、答えられなかった質問をノートに残してください。面談でその質問を取り上げると、説明が足りない場面を具体的に補えます。
相談前に支援内容を知っておくと、自己分析や面接練習で依頼したい内容を具体化できます。
まとめ
自己分析は、過去の出来事から自分の行動と判断の理由を見つけ、応募先選びやES・面接の回答へつなげる作業です。自分史で経験をたどり、モチベーショングラフで気持ちが変わった原因を探し、他己分析で周囲が見ていた行動を補うと、強みを支える具体的な場面を言葉にできます。学生の回答にあった仮説の検証、部品選び、相手への働きかけも、自己分析では行動の理由を考える手がかりになります。例えば、ノートの「協調性」を、誰とどのように協力したか説明する文へ置き換えてください。自分が経験していない成果や役割を加える必要はありません。
まずは応募予定の設問を開き、答えを裏付ける経験を選んで下書きを作ります。説明できない部分だけ記録へ戻り、必要に応じてキャリアアドバイザーへ相談すると、次に直す箇所を絞れます。

この記事の監修者三好 勝利(キャリアアドバイザー)
新卒で小学校教員となり、学級担任や学年主任などを務め、1000人以上の生徒の指導に携わる。その後、大手教育企業でのコンサルティング営業を経て、現在は株式会社ナイモノのキャリアアドバイザーとして250名以上の学生の就職支援に従事。未経験IT、総合職、人材など幅広い業界への支援実績を持つ。面接対策や自己PRの指導に定評があり、面接官の経験を生かした的確なアドバイスが強み。学生一人一人に寄り添い、ラフな雰囲気で親身に相談に乗ることを心がけている。






