内定をもらった就職先を親に反対されたら?適切な対処法や上手な言い回しもご紹介!
2024/6/21更新
はじめに
大変な就職活動を乗り越え、見事内定を獲得した就活生の皆さんは、安心感でホッとしている人も多いのではないでしょうか。
しかし、志望していた企業から内定をもらったにも関わらず、「そんな企業はやめろ」と親から反対されているという方が近年増えているようです。
こうした問題は就活生だけでなく、企業側も問題視しており、「親ブロック」対策や「オヤカク」に力を入れているところも多くなっています。
「最初に内定をもらった企業だから、もう就活は終了でいいや」という想いならばともかく、希望の企業に内定をもらえたのであれば、残りの時間を自己成長や学業のために使いたいものです。
そこで本記事では、親に就職先を反対された際の対処法や、親に説明する際の上手な言い回しなどをご紹介します。
この記事は以下のようなことを知りたい就活生を対象にしています。
- 親に就職先を反対されて、困っている
- 就職先を反対された時の、適切な対処法を知りたい
- 親に上手に説明するには、どう言えばいいか知りたい
ぜひ最後までお読みいただき、参考にしていただけたら幸いです。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、内定先への入社を反対されたとしても、自分の意思をしっかりと持つことが大切です。
もし親の反対に流され、言われるがままの就職先を選んだ場合、仕事が辛くなった時に親のせいにしたり、精神的な負担が増えるかもしれません。
まずは親がどうして反対しているのか、理由を把握するのが第一歩です。
もし「会社の成長性や待遇が心配」などの理由であれば、場合によっては内定先の担当者に相談し、安心できるような資料などを揃えてもらうのもいいかもしれません。
また、近年は「オヤカク」(内定時に親にも承諾を取ること)を行う企業も増えているため、昔よりもそうした協力を求めやすくなっています。
次の章からは、親が就職先に反対してくる理由や、反対された時の対処法などについて、わかりやすく解説していきます。
親が就職先に反対してくる理由
「先進的なサービスを展開するベンチャー企業に魅力を感じたのに、内定後にその企業への就職を反対された」など、就職先のネームバリューや規模の大きさによって、親から就職先を反対されるケースは珍しくありません。
終身雇用制度が当たり前だった昔に比べ、近年は「職の流動化」も進み、あちこちに転職を繰り返しながらスキルを磨くことができる時代になりました。
しかし、そうした就活事情を知らないまま、「不安定な企業だから」などの理由で指摘されて反対されることがあります。
しかし、こうした指摘の裏には、「子どもがやっていけるか心配」という不安が含まれていることが多いといえます。
親が反対する理由を理解することで、その不安を払拭するような説明ができるようになるかもしれません。
就職先に反対してくる親が主に挙げる理由は、以下の3点です。
- 経営が安定している企業ではないから
- 企業の成長性が見込めないから
- 福利厚生や待遇が充実していないから
一つずつ解説していきます。
経営が安定している企業ではないから
2023年1月に株式会社マイナビが就活生の保護者に行ったアンケート調査によると、「子供が入社する企業についてどのような特徴があると良いか」という質問に対して、最も多い回答は「経営が安定している」でした。
割合は48.6%と、約半数の保護者が子どもの就職先に安定性を求めていることになります。
一方、二番目に多い回答は「子どもの希望や意思に沿っている」でしたが、こちらは22.7%に留まっています。
また、「子どもに働いてほしい企業名を1社挙げる」という項目では、2位の「トヨタ自動車」の約3倍の数の保護者が「公務員」と回答しています。
そのため、ネームバリューの低い中小企業や、変化の激しいベンチャー企業などに内定をもらった場合、それが子どもの希望の就職先であっても、「もっと安定した会社の方がいいのでは?」と反対してしまうようです。
企業の成長性が見込めないから
上記のアンケート調査によると、「子供が入社する企業についてどのような特徴があると良いか」に対して3番目に多かった回答が「企業の成長性が見込める」でした。
企業の成長性は、時代や情勢によっても大きく変化します。
特に、大手企業であってもコロナ禍などで事業縮小を余儀なくされたケースなどを見ると、「本当にその会社は今後伸びていくのか?」という疑問を持つ保護者も多いようです。
また、企業の成長性というのは、「売上が上がっている」だけで推しはかることはできません。
増益率(利益率)や、資本の増加率、従業員の増加率など、さまざまな観点が考慮された上で「成長性」が分かるのです。
そのため、こうした数値データを企業から提供してもらうことができれば、親の不安を払拭できる可能性があります。
ただし、今後別の分野に取って代わられそうなサービスや、将来性の低い事業内容の場合、こうしたデータでは納得してもらえない場合もあるため、その場合は「なぜその企業なのか」を伝える必要がありそうです。
福利厚生や待遇が充実していないから
上記のアンケート調査によると、4番目・7番目に多かった回答が「福利厚生が充実している」、「給与・賞与が高い」でした。
働く上で、収入の高さや手当や福利厚生の充実度が高いと、仕事に対するモチベーションや生活の質にもポジティブな影響を及ぼします。
また、福利厚生が充実している会社は、定着率などのアップを見据えて利益を社員にしっかりと還元する社風であることがうかがえます。
子どもが働く上で不自由しないよう、社員を大切にしてくれる会社かどうかという点で、不安になる保護者も多いようです。
親に就職先を反対された時の対処法は?
親が内定先に反対してくるのは、純粋に子どもを心配しているケースも多く見られる一方、親世代の就活の常識にとらわれたまま、その常識を押し付けてくるケースも多いようです。
また、「学生のうちはまだ半人前」という考えも根強く、子どもの決断を信じられない保護者がいるのも事実です。
しかし、こうした反対意見は古い情報をアップデートし、事実を数字データなどを交えて説明することで説得できることもあります。
そこで以下では、親から内定先を反対された時の対処法をご紹介します。
- まずは、「何故反対するか」を確認する
- 安定性のなさで反対された場合
- 成長性のなさで反対された場合
- 待遇や福利厚生で反対された場合
- 必要なら、内定先に協力を仰ぐ
- 入社したい意欲を伝える
一つずつ解説していきましょう。
まずは、「何故反対するか」を確認する
親が反対してくる理由は、人によりさまざまです。
「安定していないように思える」など、イメージだけが先行しているケースもありえますので、きちんと説明して安心できるよう、まずは不安要素を集めましょう。
また、あまりに的外れな理由でなければ、就活の軸と照らし合わせながら「本当にこの企業でいいのか」を今一度考え直してもいいでしょう。
安定性のなさで反対された場合
2024年5月末時点で、日本の上場企業は全部で3,935社というデータが出ています。
また、統計局の発表によると2021年6月の日本の企業数は368万とされているのです。
これらを計算すると、上場企業は僅か0.1%という、非常に狭き門であることが分かります。
さらに、上場の有無に関わらず、中小企業は日本の企業の99.7%を占めるため、ほとんどの人が中小企業に入社することになります。
中小企業の中にも、非常に安定した業績を誇る会社もあるのです。
入社を強く希望する会社の場合は、設立から長い会社であることや、安定した業績であることなどを伝えるのもありです。
また、設立間もないベンチャー企業に入社したい場合、「ベンチャーだからこそ、若手や新卒にも大きな仕事を任せてもらえる」など、メリットを伝えましょう。
経験を積み、将来的に転職することも視野に入れているなど、将来設計がしっかりあると分かれば、安心できる要素になるかもしれません。
成長性のなさで反対された場合
「下降傾向にある業界」、「AIなど、新たな技術に取って代わられる仕事」の場合、親から強く反対されるかもしれません。
しかし、業界イメージが下落傾向にあっても、企業単位では非常に好調であったり、他社にはない付加価値や特許を取得しているケースもあります。
「●●業界は下火のイメージがあるかもしれないけど、この会社はこういう戦略を立てて売上を上げている」など、企業単位の話ができると良いでしょう。
また、こうした具体的な説明をすることで、「そこまで調べたんだな」「いい加減な気持ちで決めたわけじゃないんだな」ということが伝わりやすくなるかもしれません。
待遇や福利厚生で反対された場合
給与面や福利厚生が整っている会社は、それだけ社員を大切にしているということでもあります。
そのため給与が安すぎたり、福利厚生が整っていない会社の場合、強く反対されることが予想されます。
給与面で考えるべきことは、「本当にその会社の給与は安いのか」を調べることです。
令和元年の厚生労働省の調査によると、大学卒の新卒の平均年収は以下の通りです。
性別 | 平均年収(大卒) |
男女計 | 210万2,000円 |
男性 | 212万8,000円 |
女性 | 206万9,000円 |
まずは、この表と比べて給与が安い・高いかを調べてみましょう。
また、業界によってもこの数字には変動があるため、「この業界では平均、または高い方だ」という根拠となるデータを探してみるのもありです。
福利厚生が整っていない場合は、今後追加される予定があるかどうかも含め、企業側に質問をするのも良いでしょう。
「まだ発表していないが、次年度からは●●手当を支給する」という予定や、「福利厚生よりも、給与に反映させる企業方針だ」など、福利厚生の制度が少ない理由が分かるかもしれません。
必要なら、内定先に協力を仰ぐ
上記のようなデータや、今後の企業戦略などは、面接の際の「逆質問」などで知ることもできますが、内定後はなかなか聞きづらいものです。
しかし、どうしても入社したい企業であれば、採用担当者に協力を仰ぐのも良いでしょう。
- ここ数年の業績データ
- 今後の企業戦略の方向性
など、内定受諾に向けて足りない情報を集めるのは、むしろ悪い事ではありません。
必要であれば、「私としてはぜひ入社したいが、親が不安に思っているため、説得材料があれば心強い」という旨を伝えてみるのもいいでしょう。
入社したい意欲を伝える
上記で紹介したような説得材料がなく、企業にも協力してもらえない場合は、自己分析や企業研究の成果をだしながら、「なぜその企業を受けたか」、「なぜその業界なのか」などを熱意を持って伝えるようにしましょう。
「自分はこういう性格だ」というのは、近くにいる保護者が一番よく分かっているものです。
綿密な分析を通して志望した企業であれば、「自分に合っている」と伝え、説得しやすくなります。
実際にはどう説明すればいい?例文をご紹介!
「親からの反対に、反論したいけどどう言えばいいか分からない」という就活生も多いかもしれません。
親が反対する理由にもよりますし、感情的な説得が成功しやすいタイプの親や、数字やデータを用いて説明した方が納得してくれるタイプの親もいるでしょう。
そこで、以下では親が反対するケース別に、説得に使える例文をご紹介します。
- 安定性のなさで反対された場合
- 成長性の不透明さで反対された場合
- 待遇や福利厚生で反対された場合
以下で詳しくご紹介します。
安定性のなさで反対された場合
「安定性のなさ」で反対された場合、1つの会社で勤めあげる「終身雇用制度」が前提となっているケースが散見されます。
「今は転職する人も珍しくなく、大手企業も中途採用を積極的に行っている」という説明をすることも大切です。
また、ベンチャー企業であれば「大手と違って、若手でも活躍できる」というメリットを説明し、その強みを活かしたいという気持ちがあることを伝えましょう。
確かにお父さん(お母さん)が反対する通り、この会社は、従業員数が●●人と少ない(設立●年と新しい)けど、少数精鋭の会社だからこそ、新卒入社で若手の自分にも、どんどん仕事を任せてもらえる環境なんだ。
今は大企業であっても終身雇用をしない会社も増えているし、一社で経験を積んでスキルアップしたら、別の会社に転職する時に交渉することで、年収を上げていく人がすごく多い。
大手企業も、昔は「新卒じゃないと入社できない」ところも多かったけど、今はスキルがあれば中途採用で入社できるケースも多い。
実際にこの業界の最大手の「株式会社●●」は、たびたび中途入社の広告も出している。
まずは若手にもチャンスの多いベンチャー企業でスキルを磨くことで、新卒で大手に入社するよりも多くの経験を積みたいと考えている。
一人前に成長してからは、会社の評価次第で上の役職に就くこともできるし、さらに待遇の高い会社を目指すこともできる。
スキルや経験は嘘をつかないと思っているから、大変であってもそちらの道に進みたいと思ってる。
「安定性のある会社」は非常に魅力的である一方、若手にチャンスが回ってきにくかったり、自分自身の裁量で仕事を進めにくいという傾向があります。
チャレンジングな社風に惹かれているのであれば、その旨を分かりやすく説明しましょう。
成長性の不透明さで反対された場合
「企業や業界の成長性がなさそう」という理由で反対された場合、実際の数字データを表すことで説得できるかもしれません。
インターネットで調べたり、必要であれば企業の担当者にデータをもらうようにしましょう。
(実際に企業が成長している場合)
「●●業界は下火なんじゃないか」というイメージがあるかもしれないけど、この会社の売上は(ここ3年でこれだけ伸びていて、などの数字データ)だから、この企業に限っては成長性がないということはないと思う。
担当者の人に色々聞いてみたけど、これだけ伸びているのは他社に比べてこういう営業戦略を取っている(または特許を取っている、他社にはない事業を展開している、大手企業との取引が多い、など)ので、業界内でも順調に成長していると思う。
『こういう仕事をやってみたい』という気持ちで志望したのもあるけど、この会社に関してはそういう強みに惹かれて入社した部分もあるんだ。
(売上が増えていない場合)
売上を見ると成長していないように見えるけど、これは実は人を積極的に採用して、その分人件費がかかっているからって採用担当の人に確認したんだ。
企業の成長性は売上だけじゃなくて、『どれだけ従業員が増えたか』も指針の一つになるんだけど、それでいうとここ数年は採用が増えて●人から●人に増えたみたいなんだよね。採用を強化した分、新しい事業戦略にも挑戦していくみたいだし、すごく勢いがあっていい会社だと思うんだ。
売上や人数の他、利益率や純資産、新規顧客の増加率なども成長性の材料と言えるので、もし企業の採用担当に情報提供をお願いする時は、さまざまな角度から聞いてみると良いかもしれません。
待遇や福利厚生で反対された場合
待遇や福利厚生は、全体平均や業界平均と比較することで納得させることができるかもしれません。
また、数年度にどれだけ給与が上がっていくのかというモデルケース(年収例)を見ることで、しっかり上がっていくから安心だという説得をするのも良いでしょう。
(給与面で反対されている場合)
大卒新卒の平均年収を調べてみたんだけど、令和元年の男女で210万2,000円で、この会社の場合は大体●●●万円くらいなんだよね。
これは少ない数字かもしれないけど、業界平均が大体●●●万円くらいで、この会社は業界基準では平均的(平均よりも高い)な会社だと言えるんだ。
また、企業担当者に確認したら、3年目で大体●●●万円、5年目の先輩だと●●●万円くらいになるらしいから、勤めた分だけしっかり上がっていくのも良いポイントだと思ってる。
(福利厚生で反対されている場合)
福利厚生は確かに他社に比べて少ないかもしれないけど、人事の人に聞いてみたら、これは『できるだけ給与で還元したい』という会社側の想いがあるらしいんだよね。
ただ、今後はこういう手当やこういう手当の導入も検討しているみたいで、社員の声を反映していこうという想いがあるって話を聞いたんだよね。
今、何もかもが揃っている会社より、一緒に制度を作っていける会社の方が、自分にとっては魅力的かなって思ったんだ。
福利厚生や待遇は、就活生目線でも気にするポイントではあります。
しかし、すでにある制度を利用するよりも、社員と一緒に制度を作っていくような会社であれば、これから入社する人にとってもメリットは大きいと言えるでしょう。
ただし、あまりにも平均よりも給与が低すぎたり、福利厚生が何もない、などの場合、「ブラック企業かもしれない」警戒心を持った方がいいかもしれません。
「オヤカク」についても知っておこう!
近年、新卒採用の担当者の間で話題になっている「オヤカク」ですが、就活生の皆さんにはまだピンとこない人もいるかもしれません。
以下では、「オヤカク」について詳しくご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
「オヤカク」とは?
「オヤカク」は、「ガクチカ」などと同じように、近年よく言われるようになった就活キーワードです。
オヤカクは、「内定を出した学生の親に対して、企業が『お子さんが入社されますが、いいですか』と確認すること」を指します。
「親」への「確認」で「オヤカク」と呼ばれるようになりました。
ほとんどのケースでは内定の連絡だけに留まりますが、中には保護者向けの資料を送付する企業や、入社式や内定式に親を招待する企業、親向けの説明会を開催する企業など、さまざまなケースが見られます。
「オヤカク」された保護者は52.4%!
前述の、2023年1月に株式会社マイナビが行ったアンケート調査では、子どもの内定先から「オヤカク」されたという保護者は52.4%にのぼり、実に半数を超えています。
この背景にあるのは、親が就職先に反対する、いわゆる「親ブロック」を防止したい企業側の思惑です。
優秀な学生を採用するため、オヤカクに力を入れている企業は年々増えているようです。
新卒人事を担当している人で「オヤカク」を知らない人はほとんどいないと思われるため、もしあなたが「親ブロック」にあった場合、まず人事担当者に正直に相談するのもおすすめします。
まとめ
本記事では、内定先を親から反対されて困っている就活生に向けて、対処法や説得のための例文をご紹介しました。
憧れの企業や業界に内定が決まっても、それが親の理解を得られるとは限りません。
しかし、実際にその会社で働くのはあなた自身のため、親の反対意見は参考にする程度で、言いなりにならないよう気を付けましょう。
まだ就職活動中の就活生の皆さんは、自己分析や業界研究・企業研究をしっかり行い、「なぜこの企業を選んだか」を明快に答えられるよう、備えておくと良いでしょう。
また、親が子どもの就職に求める価値観が、あなたの価値観とは違っている場合、はっきりとそのことを伝えてください。
それでも難しい場合、企業側に協力を仰ぎ、「オヤカク」をしてもらうことも考慮しておくと良いかもしれません。
まずは信頼できる大人や友人に相談し、一人で抱え込まないようにしてください。
自己分析や企業研究のやり方は、以下の記事でも紹介しています。
ぜひ参考にしてみてください。