ジョブ型採用とは?ジョブ型採用を行っている企業紹介
2024/6/10更新
はじめに
近年さまざまな働き方が増えており、その中の1つに「ジョブ型採用」があります。
ジョブ型採用とはどのような働き方なのか、ジョブ型採用のメリットやデメリット、ジョブ型採用の特徴について解説します。
- ジョブ型採用について知りたい方
- ジョブ型採用の強みは何か知りたい方
- ジョブ型採用のデメリットは何か知りたい方
ぜひ参考にしてみてください。
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ジョブ型採用はどんな雇用?
まずは、ジョブ型採用とはどんな雇用制度なのかみてみましょう。
ジョブ型採用の特徴や、仕組みについてはこちらです。
仕事に合わせて雇用を行う採用制度
通常の採用面接は求人募集内容に合わせて採用面接を行う方法が主流です。
正式な配属部署などは採用後に決まることが多いですが、ジョブ型採用では事前に募集する職務内容や勤務時間、勤務条件などの条件を提示した上で求人が出されます。
このジョブ型採用は欧米諸国では積極的に行われていますが、日本ではひと昔前までは使われておらず、時代の変化と共にこちらのジョブ型採用を取り入れる企業が増加しました。
ジョブ型採用とメンバーシップ採用の違い
ジョブ型採用とは反対の採用方法に、メンバーシップ採用と呼ばれる方法があります。
こちらは従来の日本で行われていた、企業と人材を結ぶ雇用制度の1つで、仕事の内容で企業を選ぶのではなく、企業と人材が雇用契約を結ぶのが特徴です。
そのためメンバーシップ採用では部署異動などが行われることも珍しくなく、自分の門外漢の部署、仕事を行うケースも少なくありません。
その分メンバーシップ採用では終身雇用制度が採用されており、安定した労働環境で仕事に携わりたいという方の性質に合った雇用制度といえるでしょう。
ジョブ型採用のメリット
ここからは、ジョブ型採用におけるメリットについて解説します。
ジョブ型採用を取り入れることで、企業や人材には下記のようなメリットがあるのが特徴です。
ミスマッチが起こりにくい
ジョブ型採用を取り入れることで、専門職に特化した人材を獲得しやすいのが特徴です。
従来のメンバーシップ採用では、部署異動などに伴い未経験からスキルを学び始める必要が多々ありました。
しかし、ジョブ型採用では人材が持っているスキルや特性に合わせて業務を割り振ります。
その結果、人材の特性に適したスムーズな人材確保が可能となり、その道のプロフェッショナルやスペシャリストを獲得しやすく、業績向上につながるのが特徴です。
スムーズな人材確保が可能
ジョブ型採用ではあくまで仕事を重視した採用が行われることもあり、経験や国籍を問わず幅広く募集を行った結果、人材確保がしやすいのもメリットの1つです。
自身の得意分野で働くことができる分、事前に労働条件が提示されているため人材離れもしづらく、労働者側も働きやすい環境で仕事ができる点は大きな魅力でしょう。
待遇が良いケースが多い
ジョブ型採用ではメンバーシップ採用とは違って、その職種に特化した人材を集めることを目的としていることから、メンバーシップ採用よりも待遇面が恵まれているケースが多いのが特徴です。
給与面・休日取得面・福利厚生をはじめとした労働環境を良くすることで、専門スキルの高い人材を集めるために努力している企業が多いことから、ジョブ型採用で入社をすると同期入社のメンバーシップ採用者に比べて明らかに待遇が良いケースが多いでしょう。
成果につながりやすい
ジョブ型採用は自分の得意とする分野で業務を行えるため、成果を上げやすいのも魅力の1つです。
自身が得意とすることを仕事にするからこそ前向きに取り組めるのはもちろん、適材適所で自分に向いている仕事に携われるため、余計なストレスを感じずに働けます。
1から新しい仕事を覚えるのも魅力ではありますが、仕事内容において余分なストレスを感じるのを避けたいという方にこそ、ジョブ型採用は人気です。
ジョブ型採用のデメリット
ジョブ型採用にはメリットだけではなく、デメリットもあります。
ジョブ型採用をしている企業への就職を考えている場合、下記のようなリスクがあることも頭に入れておきましょう。
部署解散に伴い解雇対象になる
ジョブ型採用の場合は一定の職種において働くことが前提で採用されるため、何らかの事情で勤めている部署が解散や撤退となる場合、他部署への異動が難しく解雇対象になるケースもあります。
他部署でも通用するほどのスキルを持っている場合は話が別ですが、基本的にはその部署で働くことを前提として採用されているため、部署解散に伴い解雇通告をされる場合もあるのが実情です。
同期入社でも差が出る
ジョブ型採用は完全実力主義、本人のスキルや成果の出し方次第で待遇が異なるケースが多いため、同期入社でも待遇面に差が出る場合があります。
同じジョブ型採用にもかかわらず、成果を出していればいるほど、能力が高ければ高いほど給与体制などが異なる企業もあるため、理不尽さを感じる人もいるでしょう。
たとえ能力が高かったとしても、企業側に正しくアピールできていなければ、成果を正しく判断してもらうことができません。
同期入社で同じくらいの年収かと思っていたら、数百万単位で報酬が異なったということもざらにあります。
同期入社で同じジョブ型採用をされていたとしても、メンバーシップ採用とは異なり大きな差が出やすいのもジョブ型採用のデメリットといえるでしょう。
スキルアップをしないと契約解除になるケースも
ジョブ型採用では専門的な職種の募集がかけられているケースが多いことから、定期的にスキルを磨きスキルアップを図らないと、部署のレベルに達しておらず契約解除、解雇対象となる場合もあるでしょう。
専門性の高い職種であればあるほど、技術力の高い人材を企業は求めていますので、あとから来た人材に取って変わられることがないように自分の地位を確立する必要があります。
自身のスキルアップをはかる緊張感が日頃から求められる職場が多いことも、デメリットの1つではあるでしょう。
成果報酬型の給与体系の企業もある
一般的な給与形態は指定された勤務日に勤務をすれば、たとえ成果が出なかったとしても給与は支払われます。
ジョブ型採用を行う企業の中には成果報酬型の給与体系を取り入れている企業もあるため、成果を上げなければ安定した給与を手に入れられないという場合もあり注意が必要です。
成果報酬型は○件につき○円というように、1件の成果を上げることで給与が支払われる形態です。
極端な話ではありますが、成果を上げられなければ出勤をしていてもその日の給料は0円となる場合もあります。
もちろん、成果報酬型でも最低限の給与は保証する企業もありますが、ジョブ型採用の場合は事前に給与形態がどのようになっているか、給与保証はあるかなど細かい契約内容を確認したほうが安心して働けるでしょう。
ジョブ型採用の導入率
株式会社リクルートが2020年に行ったジョブ型採用の認知率と導入率に関するアンケートによると、「ジョブ型雇用」の認知率は「知っている」が54.2%、「ジョブ型雇用」導入は全体の12.3%という結果が出ています。
ジョブ型採用の認知率は高まる一方、実際に導入している企業は比較的少ないのが実情です。
今後はメンバーシップ採用からジョブ型採用へ移り変わる傾向
現在日本では、従来から取り入れられていたメンバーシップ採用ではなくジョブ型採用へ切り替わりつつあります。
企業と人材の結びつきという考えよりも、仕事と人材の結びつきを重視する人材が増加傾向にあり、2020年には日本経済団体連合会もジョブ型採用を促進するように提言していることから、企業の多くで少しずつジョブ型採用へと切り替わっているのが特徴です。
ジョブ型採用は中途採用者が多い?
ジョブ型採用は特定の業務に特化した人材を募集する求人採用であることから、新卒採用よりも中途採用者を積極的に募集する傾向にあります。
新卒採用者向けのメンバーシップ採用とは異なり、ジョブ型採用ではポートレートの提示や職務経歴書など、過去の実績経験の提示が面接の際にも求められる場合がほとんどです。
ジョブ型採用を求める方は、それ相応の実績が必要不可欠になるといえるでしょう。
企業によっては管理職・役員クラスの人間のみをジョブ型採用しているケースも多く、一般採用枠ではジョブ型採用を取り入れていないことも少なくありません。
そのため、自身が持っているスキルと企業が募集しているスキルが噛み合わず、中途採用枠にも応募できない場合があります。
また、新卒採用枠を設けている企業でも、一定のスキルが証明できる人間のみを対象に募集しているケースや、一部の専門職のみを募集対象としている企業がほとんどです。
ジョブ型採用を取り入れている企業が、全部の部署で採用枠を設けているわけではないということを頭に入れておきましょう。
メンバーシップ採用よりもジョブ型採用が増加する可能性も
ジョブ型採用は企業側にとっても人材側にとってもさまざまなメリットがあり、日本経済団体連合会が推奨していることもあることから、今後ジョブ型採用を積極的に導入するよう検討している企業が増えています。
現在は新卒採用はジョブ型採用を行っていない企業も、新卒採用も含めたジョブ型採用を検討している企業が増えており、スキルを磨けば磨くほど有利に就職できる可能性があるでしょう。
現に2020年からジョブ型採用を管理職のみでスタートした企業の中には、翌年2021年から一般職でもジョブ型採用を導入しはじめている企業が多数あります。
メンバーシップ採用とジョブ型採用を一緒に行うハイブリッド形式で採用枠を設けている企業もありますので、1人ひとりの個性や希望、スキルに合わせた採用方法が増えているのが現在の日本企業といえるでしょう。
ジョブ型採用しか行われなくなるのか
現在、ジョブ型採用を導入している企業の多くが、ジョブ型採用だけではなくいままでどおりのメンバーシップ採用を並行して行っている企業がほとんどです。
諸外国ではジョブ型採用のみ行っている企業が一般的ではありますが、新卒の多くの方が現段階では特殊スキルを持たない場合が多いからこそ、メンバーシップ採用も並行して行われています。
いままでどおり将来性に期待し、1から人材を育てていく意志を持つ企業も多いため、「将来的にジョブ型採用しか行われなくなるなら、就職できないかも」と心配する必要はないでしょう。
ジョブ型採用を導入している企業一覧
はジョブ型採用を導入している日本国内の企業の一覧をご紹介します。
ジョブ型採用をしている企業で働きたいと考えている方は、こちらを参考にしてみてください。
- 三菱UFJ銀行
- NEC
- 日立製作所
- 富士通
- KDDI
- 資生堂
三菱UFJ銀行
三菱UFJ銀行では新卒採用とあわせて、ジョブ型採用も行っています。
新卒採用者のうち1割程度(40人前後)がジョブ型採用で、就職後から即座に専門部署への配属が決まるのが特徴です。
ジョブ型採用者の場合は成果報酬型のケースが多いことから、頑張り次第で初任給で年収1,000万円に到達するケースもあり、初任給とは思えない収入を確保できる場合もあるでしょう。
NEC
NECでは2021年度の新卒採用から、学歴別のメンバーシップ採用ではなくスキル重視のジョブ型採用を積極的に取り入れています。
新卒の採用枠は「データサイエンス」「サイバーセキュリティ」「DXビジネス」「AI創薬」などの一部部署に限られていますが、知識とスキルによっては新卒でも年収が800万円以上になるケースもあることから、非常に好待遇で業務に臨める人材募集枠として注目されています。
将来的にはメンバーシップ採用とジョブ型採用をどちらも取り入れた採用形態を目指しており、新卒・中途採用の枠に関係なく、人材にあわせた採用面接を行う予定です。
日立製作所
日立製作所は元々グローバル企業として知られており、早い段階でジョブ型採用を取り入れていました。
2020年4月からジョブ型採用を積極的に行っており、中途採用者だけではなく新卒採用者に対しても採用枠を設けています。
技術系職種、事務系職種ともに採用枠を設けているほか、ジョブ型採用インターンも行っていますので、企業とのミスマッチがなく就職活動を行いやすい環境が整えられているのが特徴です。
富士通
国内でも有数のIT系企業として知られる富士通も、高い能力を持つ技術者を積極的に求めていることからジョブ型採用を行っています。
とくにエンジニア職でジョブ型採用を導入しており、2019年6月から新卒採用枠にもジョブ型採用を導入していました。
またエンジニア職だけではなく、幹部社員に関してもジョブ型採用を行うことで、職責ベースでの雇用形態を確立しており、社内全体のさらなる業務改善化、業績向上化を図るべく体制が変動しつつあります。
KDDI
KDDIもまずは管理職からジョブ型採用がスタートしましたが、現在は新卒採用にもジョブ型採用制度が導入されている企業です。
初任給制度が撤廃され、能力に応じた給与形態が取り入れられていることから、スキルが高い人材であれば年齢や雇用年数に関係なく恵まれた待遇で働ける環境が整備されています。
働く場所にも捕らわれずリモートワークも活用することで、それぞれの環境に応じた働き方ができるように積極的に社内の改革がなされている点も、KDDIの大きな特徴といえるでしょう。
資生堂
化粧品会社として有名な資生堂では、度重なる業績悪化(生産性の低さや人材の専門スキルの低さへの課題)に伴い、2020年からジョブ型採用の導入がスタートしました。
最初は管理職の一部からジョブ型採用をスタートしましたが、翌年には一般職もジョブ型採用を導入、ジョブグレード採用という独自の制度をつくることで、一般的なジョブ型採用としてだけではなく、部署異動が行われた際にもスムーズな配置替えができる仕組みがつくられています。
ジョブ型採用を行う企業で採用されるには?
ジョブ型採用はこのように大手企業で積極的に導入が進められている採用方法ですが、新卒採用としてもジョブ型採用を取り入れている企業はまだ少なく、全ての企業でジョブ型採用が行われているわけではありません。
ジョブ型採用はメンバーシップ採用とは違い待遇良く働けるなどさまざまなメリットがありますが、その分採用枠に限りがあるからこそ、採用されるためには対策が必須です。
ここからは、ジョブ型採用を行う企業で採用されるための秘訣やポイントを解説します。
長期インターンシップに参加する
ジョブ型採用では人材の持つスキルや特性を優先して採用するかを判断していますので、自分のスキルや特性をアピールすることが必須です。
アピールするための1つの方法として、長期インターンシップに参加する方法が挙げられます。
大手企業・中小企業を問わず、人材と企業側のミスマッチを防ぐために長期インターンシップを開催する企業は増加傾向にありますので、長期インターンシップに参加することで、自身をアピールできる場面が増えるといえるでしょう。
長期インターンシップでは自分のアピールをできるだけではなく、ビジネススキルを身に付けるのにも有効です。
今後、自分が就きたいと考えている業種のスキルを磨きたいという方こそ、長期インターンシップに積極的に参加するといいでしょう。
資格取得・ポートレート作成などアピールポイントを増やす
スキルをアピールするためにも、資格を取得する、実績をまとめたポートレートを作成するのも対策として有効です。
口でどんなに「これができる」と伝えても、企業側は残念ながら人材のスキルを判断できません。
自身のスキルをアピールするための確かな証拠として、就きたい職業にあわせた資格を取得する、いままで携わってきた業務や仕事内容に関する作品をポートレートとしてまとめて提出するなどの対策をすることで、企業側も選考しやすくなります。
内定率をアップさせるためにも、具体的にアピールできる方法をいくつか用意しておきましょう。
まとめ
日本経済団体連合会が推奨しているジョブ型採用は、近年増加傾向にあります。
新卒採用枠はまだまだ少ないものの、スキルや知識をアピールできれば同期入社とは比べものにならない好待遇で業務に臨めることから、人気が高まっている採用方法です。
もちろんジョブ型採用にはまだ課題も多く、企業によっては中途採用者でも取り入れていないところも多いですが、これから先、企業と人材のミスマッチを防ぐために一役買う採用形態として注目されています。
ジョブ型採用を活用して入社を検討している方は、スキルをアピールできるポイントを増やすために資格の取得やポートレート作成、実績を積むなどの対策を行って面接に臨むべきでしょう。