国立機関で働くにはどうすればいい?一覧や就職方法・適性を解説
2024/6/21更新
はじめに
「国立機関で働きたい」
「国立機関で働くにはどうすればいいのだろう」
このように、就活を行う中で国立機関への就職を目指している就活生も多いでしょう。
「国立機関」という言葉には明確な定義がありませんが、多くの人々が国が財政的責任を持ち経営を行っている様々な機関を指すと認識しています。
国の行政機関が所管する機関として、独立行政法人や国立研究開発法人などが挙げられます。
博物館や美術館・大学入試センターや病院などさまざまな機関が存在するのです。
文部科学省が設置する国の行政機関から平成16年4月に独立した法人格を有する「国立大学法人」も、国が財政的に責任を持つ関係性は変わらず国立機関と同等の機関です。
国立機関には研究職や総務・人事、学生支援や図書管理など多岐にわたる事務職など、多様な職種が存在し、自身の専門分野や技術を活かせる仕事が多いのが特徴です。
本記事では、国立機関で働くにはどうしたらいいのか、国立機関への就職方法や国立機関への就職が向いている人の特徴などについて解説しています。
国立機関で働きたいと考えている以下の就活生を対象に、国立機関の概要や職種・一覧についても紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 国立機関で働くにはどうしたらいいのか知りたい
- そもそも国立機関とはどのような機関なのか
- 国立機関での就職に向き不向きがあれば理解したい
- 国立機関での就職方法について把握したい
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、国立機関で働くには、各機関が定める応募条件や募集要項を確認し、必要な採用試験を受け合格する必要があります。
各機関で定めている募集要項は異なり、国立大学法人であれば、「国立大学法人等職員採用試験」や大学独自の採用試験、内部登用試験のいずれかを受験する流れになるでしょう。
それぞれの機関の事業について深く理解し、自身の職種を遂行できる責任能力や社会人として必要なスキルを持っていることを、論理的かつ明確に面接で伝えることで、国立機関への就職が近道です。
国立機関には多様な職種が存在しますが、それぞれ向いている人の特徴があります。
研究職であれば、一つのことに粘り強く取り組める忍耐力や、失敗してもすぐに立ち直れる精神力がある人が向いているでしょう。
事務職であれば協調性が求められます。
各機関の事業に関心を持っていれば、長期間にわたって働くことができるでしょう。
国立機関であっても、他の企業への就職と同様に、主体的に取り組む力や周囲と適切にコミュニケーションを取れる能力などを明確にアピールすることが重要です。
次の章からは、各内容を詳しく解説していますので、最後までご覧ください。
国立機関とは?一覧とそれぞれの特徴について
そもそも国立機関とはどのような機関なのでしょうか。
ここでは国立機関の概要と職種・一覧をご紹介します。
国立機関とは国の行政機関が所管する独立行政法人
「国立機関」という言葉の明確な定義を確認することはできませんでした。
しかし、国が財政的に責任を持ち経営を行っている機関を「国立機関」として認識している人々が多い印象があります。
経済産業省や文部科学省などの国の行政機関が所管する独立行政法人や、国立研究開発法人などがその代表例です。
具体的には、財務省が所管する国立印刷局や文部科学省が所管する国立科学博物館・大学入試センター、総務省が所管する情報通信研究機構などが挙げられるでしょう。
国民生活センターや国立病院など、国が財政面で責任を持っている機関は、総じて国立の機関とみなされます。
研究職や事務職など多様な職種が存在する
さまざまな機関が存在する国立機関ですが、それぞれの機関で多様な職種が存在します。
例えば、財務省が所管する国立印刷局では、日本銀行券やパスポートなどの製造やサービス提供に関わる業務を行う「技能職」のほか、美術系大学卒業者を対象とした日本銀行券や有価証券印刷物のデザイン作成に携わる「工芸職」です。
また、文部科学省が所管する理化学研究所では、研究職・技術職に加えて、研究部門のサポートを担当する事務職や、施設部門、事務部門に分かれた事務職などが募集されています。
他の機関でも、総務・人事や研究協力、図書整理など幅広い事務職や研究職・技術職が存在するため、自身の専門分野や技術を活かしたいと考えている就活生に適した環境です。
国立機関の一覧を紹介
ここでは、現在87法人が存在する独立行政法人の中から50法人を抜粋して一覧でご紹介します。
所管 | 独立行政法人名 |
---|---|
内閣府 | 国立公文書館 |
日本医療研究開発機構 | |
北方領土問題対策協会 | |
消費者庁 | 国民生活センター |
総務省 | 情報通信研究機構 |
統計センター | |
郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構 | |
外務省 | 国際協力機構 |
国際交流基金 | |
財務省 | 酒類総合研究所 |
造幣局 | |
国立印刷局 | |
文部科学省 | 大学入試センター |
国立科学博物館 | |
国立特別支援教育総合研究所 | |
国立美術館 | |
国立文化財機構 | |
教職員支援機構 | |
宇宙航空研究開発機構 | |
防災科学技術研究所 | |
日本学術振興会 | |
国立高等専門学校機構 | |
日本学生支援機構 | |
日本スポーツ振興センター | |
日本芸術文化振興会 | |
理化学研究所 | |
厚生労働省 | 国立病院機構 |
福祉医療機構 | |
国立がん研究センター | |
国立国際医療センター | |
国立精神・神経医療研究センター | |
労働者健康安全機構 | |
勤労者退職金共済機構 | |
農林水産省 | 農林水産消費安全技術センター |
森林研究・整備機構 | |
水産研究・教育機構 | |
農業者年金基金 | |
農林漁業信用基金 | |
経済産業省 | 経済産業研究所 |
産業技術総合研究所 | |
新エネルギー・産業技術総合開発機構 | |
日本貿易振興機構 | |
情報処理推進機構 | |
中小企業基盤整備機構 | |
国土交通省 | 航空大学校 |
海上・港湾・航空技術研究所 | |
自動車技術総合機構 | |
環境省 | 国立環境研究所 |
環境再生保全機構 |
上記の87法人の中で、主に研究開発を行う法人は「国立研究開発法人」として知られており、その代表例は国立環境研究所や国立がん研究センターです。
さらに、文部科学省の所管機関である国立大学法人もあり、これらは平成16年4月に各大学が独立した法人格を持つようになりましたが、国が財政的責任を持つ関係性は変わりません。
国立機関を就職先として検討している就活生の方は、国立大学法人も考慮に入れることで選択肢が広がるでしょう。
どの機関も、それぞれが専門分野に特化した事業や研究・教育を展開しているため、志望する際には機関の事業内容や研究・教育内容を理解し、関心を持つことが重要です。
国立機関での就職が向いている人の5つの特徴を紹介
「国立機関で働きたいけれど自分に向いているか不安」
国立機関で働くにはどうしたらいいかと悩む一方で、このような不安を抱いている方もいるでしょう。
国立機関には、多岐にわたる事務職や、研究・教育に携わる職種などさまざまな職種があります。
ここでは、事務職と研究職に向いている人の特徴を4つに分けて紹介します。
研究職が向いている人の特徴
独立行政法人には、研究開発をメインに行う国立研究開発法人が28法人存在します。
研究職は各機関で幅広く募集されているため、ご自身の専門分野を活かしたい就活生におすすめです。
研究職は人と関わることが少ないと思われがちですが、協調性やコミュニケーション能力が必要とされます。
ここでは、研究職に向いている人の特徴を4つ紹介します。
①自分の専門分野を極めたい・活かしたい
国立研究開発法人をはじめとする国立機関では、各機関でそれぞれの分野に特化した研究や事業を展開しています。
医療や情報通信、環境、産業技術、宇宙航空など、多岐にわたる分野ごとに機関が存在し、日本経済のさらなる発展のための研究が行われているのです。
各機関ではさらに分野が細分化されて研究が行われており、自身の専門分野を極めたいと考えている人にとって理想的な環境と言えるでしょう。
②1つのことに粘り強く取り組める
研究は、長い期間試行錯誤を繰り返すことで成果を上げられます。
国立機関にはさまざまな分野の研究職があるため、場合によっては数年がかりの研究に携わる可能性もあるでしょう。
最後まで諦めない精神力を持ち、1つのことに粘り強く取り組める人は研究職に向いています。
根気よく研究に取り組み成果を出すことでキャリアアップにもつながりますし、研究職としての自信も得られるでしょう。
③失敗してもすぐに立ち直れる精神力がある
研究職では、自分が立てた仮説をもとに、実験や検証を幾度も繰り返す必要があります。
仮説が立証できるまで何度も根気よく取り組まなければならず、精神的に追い込まれる時もあるでしょう。
何度失敗しても落ち込みすぎず、前を向いて立ち直る精神力が必要です。
失敗を受け止め前を向き、成功するための努力を続けられる人は、研究職に向いているでしょう。
④協調性がある
研究職は人と関わることが少ないと思っている就活生も多いでしょう。
しかし、研究は1人で淡々と行うわけではなく、チームで協力して進めるものです。
他の研究者と協力し合って1つの研究を進めていくため、協調性があり、他者とコミュニケーションをとるのが好きな人は向いているでしょう。
また、研究者と連携を取り合うだけでなく、他部署や社外の人々とも適切にコミュニケーションを取る必要があります。
研究職以外の人でも理解できるように、専門用語を省いて自分たちが行っている研究について分かりやすく伝える力が必要です。
このように、最後まで責任を持って、粘り強く研究に取り組める人は研究職に向いているでしょう。
事務職が向いている人の特徴
国立機関には、総務・人事や財務・会計、医療、研究補助など多岐にわたる事務職が存在します。
事務職は、縁の下の力持ちとして機関を支える事務作業がしたい就活生におすすめの職種です。
ここでは、事務職に向いている人の特徴を3つ紹介します。
①教育や研究に関心を持っている
国立機関には、研究をメインに行う国立研究開発法人や、学生への教育を行う国立大学法人などがあります。
国立研究開発法人では、各機関が特定の分野に特化した研究を行っています。
一方、国立大学法人では、さまざまな専門知識を提供しているのです。
その機関や大学で行っている研究や教育に興味を持っている人は、国立機関での事務職が向いているでしょう。
国立機関は社会の発展に貢献する役割も担っており、公共福祉に貢献したい、与えられた使命を全うしたいという人にもおすすめです。
②事務作業が得意
国立機関の事務職では、パソコンを使用してデータの管理を行うことが多いです。
そのため、パソコン作業が得意で好きな方や、デスクワークが好きな人におすすめの職種です。
また、パソコンを使用するお仕事なので、情報リテラシーが高い人も向いているでしょう。
国にとって重要な研究や教育を行う国立機関においては、情報漏洩やサイバー攻撃などのリスクを避けることが重要です。
そのため従業員の情報リテラシーの高さが求められるでしょう。
ITパスポートや基本情報処理技術者などの資格を取得しておくと有利です。
これらの資格を取得することで、従業員の情報リテラシーの高さを証明できるでしょう。
③協調性があり積極的に人とコミュニケーションを取れる
事務職では、他部署やさまざまな役職の人々と適切にコミュニケーションを図る必要があります。
国立大学法人であれば教員や学生の他に業務に関連する業者や、他の大学の教員や研究機関の職員とコミュニケーションをとる機会が多いでしょう。
1人で行う事務作業もありますが、基本的にはさまざまな人々と連携して作業を行うことが想定されます。
そのため、協調性があってコミュニケーションを取るのが得意な人、好きな人にはおすすめの職種です。
以上のように、研究職・事務職ともに向いている人には共通する特徴があります。
これらの能力が自分にあるか確認するために、自己分析を必ず行いましょう。
また、関心のある国立機関の分析も必須です。
どのような機関か、自分の目指すキャリアプランと一致するか、事前にしっかりと理解をして面接対策を行いましょう。
国立機関で働くには?就職するための方法を解説
国立機関で働くには、それぞれの機関においての就職方法を理解する必要があります。
ここでは、国立機関で働くための就職方法について、国立研究開発法人・国立大学法人・国立病院の3つに分けて解説します。
国立研究開発法人の職員になるには
国立研究開発法人には、医療・宇宙・環境・エネルギー・情報通信・電子・科学など多岐にわたる分野でそれぞれの機関が存在します。
それぞれの機関で研究職や技術職・事務職に分かれて採用活動を行っているため、詳細はご希望の機関の公式ホームページを確認してみましょう。
多くの機関で、エントリーシートの提出後、Webテストや複数回の面接を繰り返して採用という形式を取っています。
職務経験が必須の職種も存在するので、必ず自身が募集対象に入っているのか採用ページを確認しましょう。
国立大学法人の職員になるには
国立大学法人の職員になるためには、以下の3つの試験のいずれかを受験して合格する必要があります。
- 国立大学法人等職員採用試験
- 大学独自の採用試験
- 内部登用試験
最も一般的な試験として知られている「国立大学法人等職員採用試験」は、平成16年4月に国立大学が法人化されたことに伴い、従来の国家公務員採用試験に代わって実施されるようになりました。
国立大学法人が合同で実施する一次試験を通過した後、各国立大学が独自に実施する二次試験を通過することで国立大学職員になる流れです。
また、各国立大学が独自に職員採用試験を実施する場合もあります。
受験資格や応募時期・実施時期は各国立大学ごとに異なるため、詳細は各国立大学の公式ホームページでよく確認しておきましょう。
国立大学法人等職員採用試験に比べると条件は緩やかであり、受験しやすい傾向にあります。
また、すでに非正規職員として国立大学に勤務している人を対象とした内部登用試験があります。
就活生は非正規職員と限られており、国立大学法人等職員採用試験と比べると試験の難易度は低く設定されていることが多いです。
国立病院の職員になるには
独立行政法人の1つに「独立行政法人国立病院機構」があり、全国に140の病院を展開しています。
医師や看護師の募集のほか、経営や人事労務管理、診療報酬管理などの事務系総合職も募集されています。
エントリーシートを提出後、Webで開催される会社説明会へ参加し、適性検査と複数回の面接が実施される予定です。
また、国立大学に併設されている国立大学病院でも看護師や事務職の募集をしています。
各国立大学病院ごとに募集されている職種や受験資格・応募時期は異なるため、事前に確認しましょう。
その他独立行政法人で働くには
その他の独立行政法人への就職方法は、各機関の公式ホームページを確認してみてください。
研究職や事務職など、幅広い職種で募集が行われていますので、自身が関心を寄せる機関に絞って採用に関する情報を集めましょう。
まとめ
国立機関の概要や一覧、国立機関への就職方法について紹介しました。
国が財政的に責任を持って経営する独立行政法人を「国立機関」として認識している人が多く、これには博物館や美術館、大学入試センター、病院などさまざまな機関が含まれます。各機関には研究職、技術職、事務職など多岐にわたる職種があり、自身の専門分野や技術を活かしたい人にとって理想的な環境と言えるでしょう。
国立大学法人、国立研究開発法人、その他の独立行政法人での就職方法は異なるため、事前に公式ホームページを確認して採用情報を正しく理解することが重要です。
国立機関での就職も民間企業と同様に、自己分析と企業分析を徹底的に行うことで内定への道が開けます。
この記事があなたの就活に役立つことを願っています。