就活の交通費は支給される?支給の確認方法や受け取り方を解説

就活の交通費は支給される?支給の確認方法や受け取り方を解説

2024/10/20更新

三好 勝利(キャリアアドバイザー)

この記事の監修者

三好 勝利(キャリアアドバイザー)

新卒で小学校教員となり、学級担任や学年主任などを務め、1000人以上の生徒の指導に携わる。その後、大手教育企業でのコンサルティング営業を経て、現在は株式会社ナイモノのキャリアアドバイザーとして250名以上の学生の就職支援に従事。未経験IT、総合職、人材など幅広い業界への支援実績を持つ。面接対策や自己PRの指導に定評があり、面接官の経験を生かした的確なアドバイスが強み。学生一人一人に寄り添い、ラフな雰囲気で親身に相談に乗ることを心がけている。

新卒で小学校教員となり、学級担任や学年主任などを務め、1000人以上の生徒の指導に携わる。その後、大手教育企業でのコンサルティング営業を経て、現在は株式会社ナイモノのキャリアアドバイザーとして250名以上の学生の就職支援に従事。未経験IT、総合職、人材など幅広い業界への支援実績を持つ。面接対策や自己PRの指導に定評があり、面接官の経験を生かした的確なアドバイスが強み。学生一人一人に寄り添い、ラフな雰囲気で親身に相談に乗ることを心がけている。

はじめに:交通費節約により就活費用は大幅に削減可能!

就活ではさまざまな費用がかかるものですが、その中でも交通費がかなり負担になることがあります。

特に地方就活生の場合は遠方から企業説明会や面接に行くだけでもかなりの額がかかることになります。

一部では就活の交通費を負担する企業もあるようですが、実際はどうなのか気になるところ。

そこで本記事では、就活で交通費が支給されるかどうかの実態と支給される場合の受け取り方について解説します。

以下のようなお悩みのある学生は必見ですので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

対象
  • 就活で会社から交通費が支給されるか知りたい
  • 交通費が支給されるか確認する方法が分からない
  • 交通費を申請するときの注意点をチェックしたい

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就活でかかる平均交通費

地方学生と関東在住の学生の格差は以前から問題視されていますが、特に顕著なのは「交通費」ではないでしょうか。

就活支援サービスを運営するサポーターズが2018年12月、19卒560人を対象に実施した調査によると、就活にかかった費用の総額は以下の通り。

就活にかかった費用
  • 全国平均:16万1,312円
  • 関東在住学生の平均:12万7,664円
  • 地方在住学生の平均:18万2,633円

出典:サポーターズ2019年3月1日「就活実態調査2019公開!最大の悩みは就活費用で平均16万円強~就活は早期化が進む。就活満足度は自己分析と早期行動が大きく起因~

地方学生は関東在住の学生と比べて、約6万円も多く費用がかかっていることが浮き彫りになっています。

スムーズに就活を進めるためには、交通費はできれば節約したいところ。

そこで気になるのが、就活のための交通費は企業から支給されるの?という点です。

結論からいうと、就活生に交通費を支給している企業は、全体の3割ほど。

最終面接など、選考内容によって支給する会社もあります。

就活で交通費はほとんど支給されない

結論として、就活においてすべての選考フローで交通費を支給する企業はほとんどありません。

2014年9月、新卒採用担当の人事1,304人を対象にリクルートが実施した調査によると、交通費や宿泊費支給を行う企業は、全体の僅か約36.4%にとどまっています。

出典:リクルート就活ジャーナル「面接や会社説明会などでの交通費・宿泊費を支給することはある?」

また、同調査では「最終面接のみで支給を行う企業」が全体の60.0%を占めており、全ての選考で支給をする企業はたったの4.5%です。

出典:リクルート就活ジャーナル「交通費・宿泊費を支給する選考段階は?(n=245)」

このことから、

交通費支給の状況
  • 就活における交通費は基本的には自己負担
  • 選考段階に応じて交通費を支給してくれる企業もあるが、少数派

であることが分かります。

交通費を支給してくれる企業は多くの場合、事前に通知があります。

特に通知がない場合は「交通費は自分で払うもの」と心得ておいた方がいいでしょう。

なかには、選考の早期段階から交通費を支給してくれる企業も存在しますが、ごくまれです。

高額な交通費を理由に、遠方に住んでいる優秀な人材との接点を失くさないためといえるでしょう。

ただし、いくら選考早期で交通費支給のオファーがあったとしても、内定が確約されているわけではありません。

企業が交通費を援助してくれる目的は、あくまで「選考までの参加ハードルを下げる」ためだからです。

選考が始まれば、他の学生と同基準で臨むことになりますので、その点はよく頭に入れておくようにしましょう。

就活で交通費が支給されるケース

就活で交通費が支給されるケースにはどのようなものがあるのかを知っておけば、自分がそれに該当するかどうかが事前に把握できます。

就活で交通費が支給されるケースは以下の2通りです。

交通費が支給されるケース
  • 選考フェーズが進むにつれて支給される
  • 地方就活生に向けて支給される

選考フェーズが進むにつれて支給される

マイナビの「2024年卒学生就職モニター調査」によると、交通費が支給されたタイミングは以下の通りです。

交通費や宿泊費が支給されたタイミング割合
最終面接71.7%
二次面接~最終面接34.1%
一次面接15.8%

出典:2024年卒学生就職モニター調査|マイナビ

この結果から見ても分かるように、最終面接までフェーズが進むほど交通費が支給される割合が高くなっています。

最終面接で交通費が支給される割合が多くなるのは、最終面接まで進んだ学生の選考辞退を防ぎたい狙いがあると考えられています。

地方就活生に向けて支給される

同調査の結果では、遠方から選考に来ている学生に向けて交通費を支給している企業があることが分かります。

地域割合
東海地方67.4%
関西地方67%
関東地方55.9%

特に東海・関西地方からの学生に対して、交通費を支給している割合が高くなっています。

遠隔地からの新卒就活の交通費ついてもっと知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。

就活での交通費支給額パターンは3通り

交通費の支払いに関して、企業の対応はさまざまです。

大きく分けて次の3つの支給パターンがあります。

交通費の支給パターン
  • 全額支給
  • 一部支給(上限あり)
  • 一律支給

交通費が全額支給されるパターン

特に、地方学生に適用される場合が多いようです。

冒頭に記述したように、地方学生は関東地方在住の学生と比べ、平均して約6万円近くも就活費用がかさんでしまっており、経済面ではとても不利な立場です。

そのため、宿泊費や交通費の面でも支援する企業が増えています。

地方学生向けに無料就活シェアハウスの提供や、交通費支援のサービスを行うジョーカツも、代表的な例ですね。

交通費が一部支給されるパターン

企業のなかには、定められた上限額の範囲で交通費を支給するパターンもあります。

例えば、本社近隣地域に在住の学生には往復1,000円まで、そのほか該当地域に在住の学生には往復3,000円までといった具合です。

仮に上限額が1,000円なのに対し、実費が1,300円かかった場合、残りの300円は就活生の負担ということになります。

交通費が一律支給されるパターン

居住地域に関係なく、全員一律の額が支給される場合と、大学の立地や居住地域別に、一律の額が支給される場合があります。

先ほどの例でいうと、ジョーカツは条件を満たした地方学生に、全員一律で「15,000円を支給」しています。

就活で交通費が支給されるか確認する方法

自分が選考を受ける企業から交通費が支給されるかどうか、気になるところですよね。

以下では、就活で交通費が支給されるか確認する方法を紹介します。

就活で交通費が支給されるか確認する方法
  • 企業のコーポレートサイトを確認する
  • 就活情報サイトや口コミサイトを見る
  • メールで質問する

企業のコーポレートサイトを確認する

ほとんどの企業はコーポレートサイト新卒採用ページに交通費に関する記載があります。

交通費支給が支給されるといった旨が記載されているか、まずは確認しておきましょう。

また支給額や支給対象などの詳しい条件にも目を通しておいてください。

就活情報サイトや口コミサイトを見る

就活情報サイトや口コミサイトには、先輩就活生による交通費に関する情報が豊富に掲載されています。

ただし必ずしも最新情報とは限らないので、参考程度としてとらえましょう。

メールで質問する

コーポレートサイトや口コミサイトに交通費に関する記載がない場合は、採用担当者にメールしてみましょう。

ただし、交通費の記載があるのにもかかわらず「交通費は支給されますか?」とメールで質問すると「案内をしっかり読んでいない」とマイナス評価になるので要注意です。

マナーを意識した就活メールの書き方に関しては、以下の記事を確認してみてください。

就活で交通費支給を受け取るときに必要なもの

交通費が支給されるタイミングは、面接当日に精算して支給されます。

あるいは銀行振込で支給される場合のどちらかがほとんどです。

就活で交通費を受け取るとき、用意しておくべきものとしては次の2つです。

交通費の受け取りに必要なもの
  • 領収証
  • 印鑑

領収証

領収書は交通費が実際いくらかかったのか、水増し請求していないかなどを確認するために用いられます。

正規の領収証が必要な場合もあれば、名前と利用区間、金額が最低限明記されていればメールのスクリーンショットでもOKな場合も。

電車やバス代は固定金額なので領収証は不要、という企業も存在しますが、念のためもらっておくと不足がないでしょう。

新幹線利用の場合

企業までの交通手段として新幹線を利用した場合、券売機の「領収書発行ボタン」で発行できます。

ボタンがない場合やもらい損ねてしまった場合は、購入した切符を持っていけば駅の窓口で領収書を発行してもらえます。

購入した駅の窓口でなくても、同じ会社の駅ならば発行してもらえますので、最寄りの駅でも構いません。

切符と同じ印紙であり、見た目がよく似ているので、誤って改札に通してしまわないようにしておきましょう。

飛行機の場合

就活に飛行機を利用する場合、事前にインターネットで予約購入することがほとんどかと思います。

決済直後、領収書を印刷できる画面になりますので、ページから離れずに必ず印刷、あるいは最低でもページ保存やスクリーンショットは残しておきましょう。

なお、各航空会社の会員に登録している場合は、マイページからも印刷が可能ですし、コンビニ決済の場合は「お支払い控え」で代用できます。

万が一離れてしまった場合や、予約メールの画面でも大丈夫な場合は、間違って消してしまわないように保存しておきましょう。

また、当日空港のチェックイン機や発券カウンターでも、領収書を発行することができる場合があります。

高速バスの場合

高速バスも飛行機同様、事前のインターネット予約購入がほとんどなのではないでしょうか。

やはり同じように、決済後の画面から領収書印刷、あるいはページ保存やスクリーンショット、メール画面などで残しておくようにしましょう。

PASMOやSuicaなどのICカード利用の場合

路線バスや現地での移動、電車などの場合は、もっぱらICカード利用が普通ですよね。

駅の券売機から、これまでの利用区間や金額の履歴が印刷できるようになっていますので、こちらを利用しましょう。

なお、履歴は過去1ヶ月分などが多く、それ以前になってしまうと券売機上では印刷できない場合があるため、注意が必要です。

ちなみに、アプリなど携帯端末で電子利用をしている場合は、過去半年ほどであればさかのぼって調べられるようです。

領収書の宛名について

領収証が必要な場合、基本は企業名でもらっておけば問題ありません。

宛名が空欄でももらえる場合がありますが、そうでない場合は基本的に企業名でもらうようにしましょう。

また、場合によっては宛名について指示がある場合があります。

その際は、指示に従うようにしましょう。

なお、領収書はできれば1枚にまとめた方が親切です。

片道で1枚ずつ発行するのではなく、可能であれば往復分をまとめてしまいましょう。

印鑑

交通費を受け取る際に、必要となります。

シャチハタはあまり印象が良くないので、朱肉を使い押印するタイプのものを用いるようにしましょう。

就活での交通費の受け取り方

就活で企業から交通費を受け取る方法は、以下の2通りが考えられます。

交通費の受け取り方
  • 当日に現金支給
  • 後日に口座振込

当日に領収書などの持参が求められることもあるので、交通費支給に必要な持ち物を確認しておきましょう。

また後日に振り込まれるケースでは期限が設定されていることもあるため、期限内の提出を忘れないでください。

就活で交通費支給を受け取る際の3つのポイント

就活で交通費を受け取る場合の留意点について解説します。

ポイントは大きく次の3つです。

ポイント
  • 基本は公共交通機関を利用する
  • ICカードを利用した場合、履歴を印字しておく
  • 無理に遠回りをして最安値ルートで行く必要はない

基本は公共交通機関を利用する

これは就活生に限らず、社会人にも当てはまることですが、交通費が支給される場合は「バス・電車・飛行機」などの公共交通機関を利用することが原則です。

公共交通機関に該当するもの
  • 路線バス
  • 電車(JR在来線・私鉄・地下鉄)
  • 高速(夜行)バス
  • フェリー
  • 新幹線
  • 飛行機
公共交通機関に該当しないもの
  • タクシー
  • レンタカー
  • 自家用車のガソリン代や高速代

タクシーの乗車は、利用の必要性があると認められた場合のみ適用となります。

たとえ電車が遅れた場合でも自己判断で利用せず、企業に連絡して指示を仰ぐようにしましょう。

ICカードを利用した場合、履歴を印字しておく

交通費が実費で支給される場合、どんなルートを利用したのか、いくらかかったのかなど、きちんとメモしておかないと分からなくなってしまいますよね。

そんなときは、ICカード利用であれば履歴を印字しておきましょう。

過去1ヶ月以内の利用履歴のみとなってしまいますが、チャージする際にボタン1つで、履歴を印字することができます。

携帯電話とICカードが一体化している場合は、web上で確認することも可能。

空き時間にICカードの利用履歴を確認しておくと良いでしょう。

無理に遠回りをして最安値ルートで行く必要はない

地方学生さんは就活で飛行機や新幹線を利用した場合、交通費がかさんでしまいますよね。

例えば近畿や中国地方から東京へ行く場合、片道だけで1万円近くかかってしまいます。

なかには「夜行バスを利用し、最安値で申請しないといけないのでは」と思う方もいるかもしれません。

ですが、無理に最安値のルートで行く必要はないでしょう。

企業側は基本的に、合理的な選択をすることを就活生に求めているからです。

もちろん、飛行機のビジネスクラスや、空港までの往復にタクシーを用いることはNG。

不測の事態がない限り「一般的な行き方」を意識し、常識に則ったルートを利用するようにしましょう。

就活で交通費を受け取るときのNG行動

ポイントがわかったところで、続いて交通費を受け取るときにやってはいけないことについて解説します。

どれもあたりまえの内容ですが、企業に発覚してしまうとあなたの人生を脅かすことになります。

次のような行為は慎むようにしましょう。

交通費の水増し請求

ひとつ目は、交通費の水増し請求です。

わざと交通費の高いルートを利用したり、利便性の高いルートを利用したりする方法です。

先述のように、企業は「合理的かつ経済的」なルート申請が基本となります。

不必要に高額な交通費を申請することは、就活生自身に対する企業からの評価を下げるだけですので、無難なルートを申請するようにしましょう。

申請したルートとは別のルートを利用する

「実際に利用したルートはこの方法だけど、企業ではここまでしか支給されないから、不足分は自己負担で違うルートを利用しよう」というケースです。

難しいところですが、これは正確には「虚偽の申請」にあたり、不適切な行為と見なされます。

企業に発覚してしまうと「不誠実な人物」と見なされてしまい、選考に落ちてしまうでしょう。

就活の交通費支給に関するよくある疑問

それでは最後に、交通費支給に関する疑問をクリアにしておきましょう。

交通費の水増し請求は発覚する?

結論から言うと、企業に発覚する可能性は否定できません。

そもそも、払い戻しをした時点で領収書は破棄されなければいけないため、返却せずに使用していると詐欺罪にあたります。

そもそも払い戻しをした領収書を使用して交通費を水増しで受け取るという行為自体が、横領罪にあたります。

その場はうまく切り抜けられたとしても、のちに発覚すれば即刻解雇です。

交通費ひとつで仕事と社会的な信頼を失うぐらいであれば、初めから詐欺まがいの行為をしない方が、よっぽど身のためですよね。

ですから、交通費の水増し請求などはせず、実際の金額だけきちんともらうようにしましょう。

学校や他企業の説明会から直接向かう場合の利用区間は?

就活中は効率よくスケジュールを組むことが必須ですので、午前中に1社、午後はもう1社など、予定が詰め込まれることはよくあります。

中には、大学の授業やゼミの前後、あるいは他企業の選考前後となる場合も少なくありません。

このような場合の交通費ですが、自宅最寄り駅から向かったと仮定し、自宅最寄り駅と企業との最短区間で申請するようにしましょう。

飛行機の場合、LCCを利用すべき?

企業からの指定がない限りは、格安の航空会社ではなく、どの航空会社を利用しても良いとされます。

LCCなどの格安航空会社だと搭乗時間が早朝・深夜になるため、東京に到着後は前泊しなければならない場合があります。

結局はタクシー代や宿泊代がかかるため、格安航空を利用しなかった場合とあまり変わりません。

よって、無理に格安交通機関を利用する必要はないと言えます。

交通費が高額になったとしても企業が支払ってくれるのなら、遠慮しないで受け取りましょう。

もし交通費が思ったよりも高額になり、不安を感じた際や、何かわからないことがあったときは、購入前に企業へ問い合わせるようにしましょう。

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さいごに

今回は交通費が支給されるかどうかの実態や、交通費の受け取り方、受け取る際のポイントと注意点について、解説しました。

就活にかかる費用を工面している就活生、特に地方の学生は都心の学生よりも苦労を強いられます。

だからこそ使えるサービスは可能な限り使って、効率の良い就活を実現し、すこしでも負担を減らしながら就活に専念できるようにしましょう。

交通費は就活をする上でどうしてもかかってしまう費用なので、なるべく早く就活を終わらせることでその負担から解放されます。

すぐに内定を獲得して就活を終わらせたい人は、面接やエントリーシートなどの対策を徹底しましょう。

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