個人事務所で働きたい就活生必見!選び方やメリット・デメリットを徹底解説
2024/5/28更新
はじめに
士業の個人事務所でスタッフとして働くことには、多様な案件に幅広く関われる魅力があります。
大手の弁護士法人や税理士法人以外にも、選択肢として個人事務所も検討したいという就活生も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、個人事務所での就職を検討している以下のような就活生に向けて詳しく解説しています。
- 個人事務所で働くことに興味があるけど、選び方がわからない
- 新卒で個人事務所に就職するメリットやデメリットを知りたい
個人事務所への就職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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この記事の結論
個人事務所を選ぶ際は、さまざまな観点を押さえておくことで自分に合った事務所を選べるようになります。
個人事務所の選び方を間違えてしまうと、自分が想像していたようなキャリアが積めず、早期退職につながってしまうかもしれません。
この記事を読むことで、改めて個人事務所の特徴やメリット・デメリットを理解した上で、ご紹介する選び方に沿って就職先を考えていきましょう。
次の章からは各内容や、そのほか就活に役立つ情報も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
個人事務所の特徴
この記事を読んでいる方は個人事務所で働くことに対して意欲的な方だと思いますが、個人事務所を法人と比較したときにどのような特徴があるかをこの機会に知ることで、改めて就活の方向性の軸をかためておきましょう。
ここでは個人事務所の特徴として、以下の3つをご紹介します。
- 個人事業主が運営している
- 自由度が高い
- 特定の専門分野に特化していることが多い
それぞれ詳しく解説します。
個人事業主が運営している
大前提になりますが、「個人事務所」と名の付いている主体は、法人ではなく個人事業主が開業・運営しています。
開業医が親子や夫婦で経営されていることはよくありますが、その士業版が個人事務所と考えるとイメージしやすいでしょうか。
そのため、個人事務所は家族運営になっている例も多く、家族のサポートに加えてスタッフを少人数雇う形態となる場合もあります。
つまり、新卒で個人事務所に就職する場合、「個人事業主のもとで働く」ことになるのは覚えておきましょう。
自由度が高い
個人事務所は、大規模な会社と比べて自由度が高いという特徴があり、法人だとルールが明文化されていて融通が効かないことでも、個人事務所であれば柔軟に対応可能です。
例えば、家庭の事情で時短勤務や在宅勤務を利用する場合、法人ではルールがなければそもそも利用できませんが、個人事務所ではルールがなくても柔軟な働き方ができることもあります。
個人事務所での業務の範囲についても、基本的には「1つのことを専門的にできるスペシャリスト」ではなく、「広く浅く何でもできるゼネラリスト」になることが大切です。
大きな法人になると人数が多くなるため、担当業務を割り振られてその業務のみに注力することが一般的です。
しかし、個人事務所では少数精鋭で業務にあたるので「全部やる」ということになります。
また、大きな案件をチームで抱える法人とは違い、個人事務所では1つのクライアントを1人で受け持つため、フットワークが軽く、依頼者のニーズに応えやすいところが魅力です。
自由度が高いことは柔軟であるとも言い換えられますが、その分業務が属人化しやすく、業務規程が不明瞭な場合があることには注意が必要です。
なお、大企業では組織の決定に基づき運用されているのに対して、個人事務所では所長の意思決定がその事務所の決定事項となるため、普段から所長との信頼関係や良好なコミュニケーションを築いておくことが非常に大切といえるでしょう。
特定の専門分野に特化していることが多い
個人事務所は、所長の専門分野や強みに特化していることがあります。
- 所長が個人的に得意な分野・好きな分野があり、それに特化している
- 差別化のために特化している
特に2つ目の差別化は市場で競争力を持つためにとても重要です。
特徴のない「何でも屋」だと、大手の法人に顧客が流れてしまうため、個人事務所では「あなたにしか頼めない」といわれるような強みが必要です。
就活をする際には、その個人事務所の強みや特化している分野を確認しておかなければ、希望する仕事ができない事態につながるおそれがあるため、しっかり質問して確認しましょう。
個人事務所の選び方
多くの個人会計事務所の中から自分に最適な就職先を探すのは大変な作業です。
事務所の選び方を間違えてしまうと、自分のやりたい業務ができなかったり、ミスマッチによる早期退職が起きてしまったりと、人生を悪い方向に変える要因になってしまうかもしれません。
この記事を読んでいる方が自分にぴったりの個人事務所を選べるよう、以下に選び方の基準となるものを4つ用意しました。
- 専門分野や取扱案件で選ぶ
- 福利厚生で選ぶ
- 弁護士の経歴や人柄で選ぶ
- 自分のキャリアプランにマッチするかどうかで選ぶ
自分の価値観に合う選び方で、個人事務所を選んでいただければ幸いです。
それでは、各項目について詳しく見ていきましょう。
専門分野や取扱案件で選ぶ
個人事務所を選ぶ際に、もっとも重要な基準の一つが、事務所の専門分野や取り扱っている案件の種類です。
自身が専攻していた分野や興味を持っている分野など、将来的に携わりたい業務に強い事務所を選ぶことが、キャリア形成において大切な要素となります。
例えば、税務に関心がある場合は、税理士事務所の中でも、相続税や国際税務に特化した事務所を選ぶことで、その分野の知識やスキルを効果的に身につけることができるでしょう。
個人事務所の取扱案件を確認する際は、以下の点に注目しましょう。
- 主要な業務分野は何か
- 得意とする業界や企業規模はあるか
- 特殊な案件や専門性の高い業務の実績はあるか
これらの情報は、事務所のウェブサイトや求人情報から得られます。
インターネット上に情報がない場合は、実際に事務所を訪問して話を聞くことで、より具体的な案件内容やその事務所ならではの強みを知ることができるでしょう。
福利厚生で選ぶ
マイナビの調査によると、福利厚生を重視する就活生がここ数年で増加しており、2023年度には「勤務地・仕事内容・給料よりも関心がある」もしくは「勤務地・仕事内容・給料と同程度関心がある」と答えた就活生が7割弱にのぼったという結果があります。
個人事務所の場合、大手企業と比べると福利厚生が充実していないことのほうが多数派でしょう。
- 社会保険(健康保険、厚生年金、雇用保険など)の完備
- 有給休暇の取得しやすさ
- 育児休暇、産前産後休暇の完備(復職可能か)
- 残業手当や交通費の支給
- 資格取得支援制度の整備
個人事務所の福利厚生が整っている場合、それだけ従業員の働きやすさを気にかけている職場であることが推測できます。
事務所の従業員数が4人以下の場合は、社会保険への加入が義務付けられていません。
一般的な感覚だと、雇用されている身で雇用保険に加入できないのは異常であり、社会保険を整備していない個人事務所は避けたほうが良いでしょう。
キャリアアップを見据えた資格取得等の支援制度があるなら、若手の育成に長期的に支援することに前向きであることがうかがえるため、好意的に捉えて良いです。
従業員に対する姿勢も踏まえて、慎重に事務所を選びましょう。
人柄で選ぶ
先生(事業主)の経歴や人柄も大切な判断基準となります。
特に、就職後の業務では先生から直接指導を受ける機会が多いため、自分に合った先生のもとで働くことが重要です。
先生の人柄については、実際に会って話をしてみないと分からない部分もありますが、次のような点を観察することで、ある程度把握できるでしょう。
- 就活生の質問や相談に対して真摯に対応してくれるか
- 仕事に対する情熱や哲学を持っているか
- 若手の育成に熱心か
- コミュニケーションがとりやすい雰囲気があるか
先生との相性は、就職後の業務のやりやすさや自分自身の成長速度に大きく影響します。
自分と似たタイプの先生のもとで働くことで、スムーズに業務に取り組めることもあれば、あえて異なるタイプの先生を選ぶことで、新たな視点や考え方を学べることもあります。
個人事務所では、常に少ない人数、場合によっては先生と2人で業務を行うため、人間関係は非常に重要です。
一緒に働く先生の人柄はよく確認しておきましょう。
自分のキャリアにマッチするかどうかで選ぶ
個人事務所を選ぶ際には、自分が将来何をしたいか、どうなっていたいかを見据えておくことが大切です。
事務所の業務内容や規模、成長の可能性などを自分のビジョンと照らし合わせて、長期的な視点で就職する事務所を決めましょう。
自分のやりたいことを将来やらせてもらえそうか、先生と価値観が合いそうかといったところは基本として押さえておきましょう。
また、将来自分も独立開業するビジョンがある場合は、独立経営のためのノウハウを学べそうかという点も重要な判断材料です。
個人事務所は、それぞれの事務所で業務内容や働き方が大きく異なります。
将来の目指すキャリアを明確にした上で、それぞれの事務所の特徴を比較検討することが、就職先選びの大切なポイントとなります。
個人事務所に就職するメリット
先述のとおり、個人事務所の特徴としては、自由度が高いことです。
自由度が高いということは属人性が高いということの裏返しでもありますが、大きな裁量をもって、自由に幅広く業務を行いたい方にとってはとても向いている環境といえるでしょう。
ここでは、新卒生が個人事務所で働くことのメリットについて、以下4つをご紹介します。
- 先生との距離が近く、直接指導を受けられる
- 幅広い業務に携われる
- 大きな責任を伴う仕事ができる
- 多様なキャリアにつながる可能性がある
それぞれの項目について、詳しく解説していきます。
先生との距離が近く、直接指導を受けられる
個人事務所で働く大きなメリットの一つが、先生との距離が近く、直接指導を受けられることです。
大手事務所や企業と比べると、個人事務所では先生とスタッフの関係はより深く、日常的なコミュニケーションがはかりやすい環境にあります。
経験豊富な先生から業務を直接伝授してもらえたり、仕事のやり方や顧客との接し方を近くで見られたりすることで、速いスピードで業務に入り込めるようになります。
特に、就職したての新人にとっては、先輩や上司からの指導が何よりも重要です。
ただし、先生の性格や価値観が自分とマッチしていなければ、不満が募りやすくなる環境でもあります。
前章を参照し、自分に適した環境で働けるよう、個人事務所選びは慎重に行いましょう。
幅広い業務に携われる
個人事務所で働くもう一つの大きなメリットが、幅広い業務に携われることです。
大手事務所や企業と比べると、個人事務所では業務の分業化が進んでいないケースが多く、一人の従業員がさまざまな業務を担当する機会に恵まれています。
幅広い業務に携われることで、以下のような「良いこと」があります。
- 幅広い知識やスキルが身につく
- 業務の全体像を俯瞰しながら業務を進められる
- 適性や興味のある分野が見つかる
特に、新人にとっては、さまざまな業務を経験することが、プロとしての基礎力を身につける上で重要です。
個人事務所では、早い段階から実践的な業務に携われることが多く、責任感やマネジメント能力を養うチャンスにもなります。
ただし、多様な案件を担当するということは、それだけ業務量が多くなる可能性もあります。
自分の能力と業務量のバランスをとりながら、効率的に仕事をこなすスキルも必要でしょう。
大きな責任を伴う仕事ができる
個人事務所に就職すると、早い段階から大きな責任を伴う仕事を任される可能性があります。
大手事務所や企業と比べると個人事務所の人員は限られるため、一人ひとりの従業員の役割や生産性が重要視されます。
そのため、就職後の意欲や能力次第では重要な案件を任されることがあるでしょう。
責任を伴う仕事を経験をしていくうちに、プロとしての自覚を持ち、成長していくことができます。
そのような仕事にはプレッシャーがつきもののため、ストレス耐性がある方には向いているといえます。
多様なキャリアにつながる可能性がある
個人事務所で働くことは、将来的に多様なキャリアパスにつながる可能性があります。
例えば、以下のような道が考えられます。
- 独立開業して自分の事務所を立ち上げる
- 士業の法人に転職する
- 一般企業の専門職として転職する
士業の個人事務所においては、クライアントとの信頼関係が非常に大事です。
そのため、雇われている個人事務所から独立開業する際に、懇意にしていたクライアントはそのまま引き継ぐことができる場合があります。
先生の仕事ぶりを普段から間近で見ることができるため、将来的な独立開業のイメージを持ちやすいというメリットもあります。
また、社労士として人事部で働くなど、福利厚生の充実した一般企業に専門職として転職したい際にも、個人事務所で働いていた経験はプラスに作用するでしょう。
個人事務所に就職するデメリット
自由度の高さに起因するメリットを多く持つ個人事務所ですが、デメリットもいくつかあります。
ここでは、特に就活生が気になる以下の2点を個人事務所のデメリットとしてご紹介します。
- 業務量や労働時間が長くなりがち
- 福利厚生や教育制度が充実していない場合がある
それぞれ詳しく解説していきます。
業務量や労働時間が長くなりがち
個人事務所で働くデメリットの一つが、業務量や労働時間が長くなりがちな点です。
必ずしも全ての個人事務所で毎日残業が発生するほどの業務量をこなす必要があるわけではありませんが、人員が限られているため、一人ひとりの従業員の負担が大きくなる傾向にある点は押さえておきましょう。
特に、繁忙期を迎えると、残業や休日出勤が発生する可能性があります。
例えば、税理士事務所で確定申告の時期になると、深夜まで作業をすることも多くあります。
申告書の作成や確認作業に追われ、帰宅が深夜になることもあるでしょう。
就職したばかりの新人にとっては、長時間労働が体力的にも精神的にも大きな負担となります。
プライベートの時間を削られ、心身の健康を損なうリスクもあるでしょう。
個人事務所で働く際は、業務量や労働時間、所長の考え方などを把握した上で、自分に合った働き方ができる環境かどうかを見極めましょう。
長時間労働に耐えられる体力と精神力も必要ですが、過度な負担は避けるべきです。
福利厚生や教育制度が充実していない場合がある
福利厚生や教育制度が充実していない場合があることも、個人事務所で働くデメリットの一つです。
個人事務所は経営規模が小さいため、大手事務所や企業と比べると、従業員の待遇面で見劣りすることがあります。
例えば、従業員数4人以下の場合は加入義務のない健康保険や厚生年金などの社会保険に、加入していない事務所も一定数存在しますが、従業員は国民健康保険や国民年金に個人で加入する必要があり、保険料の負担は大きくなってしまいます。
さまざまなライフイベントを控えている就活生にとって、福利厚生の充実度は重要な選択基準になります。
結婚や出産、住宅購入など、将来的な資金需要を見据えて働く環境を選ぶ必要があるでしょう。
まとめ
今回は、個人事務所の選び方や特徴、メリット・デメリットについて詳しく解説しました。
個人事務所は自由度が高くさまざまな業務に携わることができる反面、ルールが明文化されていないことにストレスを感じたり、プレッシャーに弱かったりする方には厳しい環境かもしれません。
個人事務所の上手な選び方を知っておくと、この先長い人生を見据えた職場選びができるようになりますので、ぜひこの記事を読んで実践してみてください。