まったりと働きたい?就活段階で考えるワークライフバランスと人生設計
2024/5/25更新
はじめに
あなたが無事就職できた後、バリバリと働き、偉くなって報酬をたくさんもらいたいですか?
それとも、仕事はほどほどに、自分の時間を大切にしていきたいですか?
「まったりと働きたい」と考えている方は現役の社会人の方にも多く、転職の理由としてあげる方も多いです。
ところで「まったり働く」とはどういうことなのでしょうか?
本記事では、就職活動の段階から人生設計やワークライフバランスを考えるテーマで、会社選定や働き方のアドバイスを提供します。
本記事では、以下のような方に向けています。
- 社会人になって「まったり」働きたいと考えている人
- 就職活動後の社会人になったあとの働き方のイメージを得たい人
なお、本記事では「まったり働ける業種はどこか」や「まったり働くことのできる会社」の具体例は一切挙げていませんので、ご注意ください。
本記事をとおして、みなさんにとってより良い就職活動や人生設計ができることを願っています。
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「まったり働く」にもいろいろある、あなたはどれを選ぶ?
「まったり働きたい」とは漠然とした言葉ですが、具体的にどのような働き方であれば「まったり」といえるのでしょうか?
なんにせよ、苦労せずに楽であれば良いと考えているかもしれませんが、その仕事が誰かにとって楽ではない要素があるからこそ、お金を払う商売として成り立っています。
なので、結論をいえば、楽な仕事はないのです。
だとすると、あなたにとってどの側面で負荷が軽減されていれば許容できる「まったり」になるのかをしっかり考えることは、実は、重要な自己分析の可能性があります。
「まったり働ける」としたら何を優先したいか、ぜひ考えてみましょう。
まったり働く=残業時間が少ないこと?
残業が毎日のように常態化し、場合によっては日付が変わるまでの残業を強いられるような企業は「ブラック企業」と呼ばれ、苛烈な残業時間を強いることは社会問題にもなりました。
確かに、残業時間があることで、あなたのその日の自由な時間は奪われますし、通勤時間や生活に不可欠な行動(炊事・洗濯・睡眠など)を考慮したら、あなたの自由な時間はほとんどなくなってしまうかもしれません。
残業時間に関していえば、現在は多くの企業で改革が進んでいます。
みなし残業やサービス残業の排除も厳しく進み、残業時間に対する時間計上や手当加算は原則1分単位で行い、切り捨てをしてはならないとされています。
企業によっては、求人情報や上場企業であれば、上場資料のなかで平均残業時間を公開しているケースもあるでしょう。
一方で、残業時間が少ないことが、必ずしも「まったり働ける」環境ではないことも最近では明らかになってきています。
強いられる残業は確かに苦痛ですが、残業して人より多くの仕事をこなすことで手当を増やしたいという働き方はできなくなりました(本来残業とは個人の裁量で決めるのではなく、管理監督者の指示で行うものですが…)
現在多くの企業では、労働時間をいたずらに長くすることをやめる方針をとっています。
その結果、仕事の総量や難易度は変わらず、制限時間だけきっちりと決まり、「時間内で業務を終わらせる」ことが厳しく求められるようになりました。
以前より仕事への余裕がなくなったという人も少なからずいます。
残業時間の抑制によって、計画的に段取りを進められる人が正当に評価されるようになった一方で、遅れを取り戻す手段が減り、時間をかけた頑張りや過程は評価されないという、実力主義の働き方といえます。
このように考えると「残業時間が少ないこと」は、単純に「まったり働く」という観点とは言い難く、注意が必要です。
まったり働く=精神的苦痛が少ないこと?
苛烈な環境で働くことは、それに見合った報酬があったとしても、限りある体力と精神力を消耗することになり、最悪体を壊してしまう可能性もあります。
ネット上の転職情報サイトなどで現職・退職者の口コミを見ることはできますが、どこまで信ぴょう性があるかはわかりません。
怒号が飛び交うような職場は、いまの時代に合わず、大企業や上場企業ではパワハラの対策も進んでいます。
もちろんそういった職場がなくなったわけではなく、頻繁にパワハラによるニュースが取り上げられていますが、従業員300人を超える会社では内部通報窓口の設置を義務付けており、以前に比べれば職場環境の改善は進んでいます。
近年では顧客側のハラスメント(カスハラ)への対策も始まりつつあるので、必要以上に精神を摩耗するようなことも今後は少なくなっていくでしょう。
一方、刺激が少なすぎることもメリットばかりではありません。
自分の職務に適度な刺激がないと、やりがいやモチベーションにつながらず、内部の内輪揉め・社内派閥づくりや職場いじめなど、無駄なところにエネルギーが向かうことがあります。
あなたが就職すると、結果としてその場所はあなたの生活や今後の人生の大きな割合を占める活動となります。
仕事を生きがいにしようとまではいいませんが、せっかく長い時間その場所に身を置くなら、ストレッチして自分が少しでも成長できると感じる場所であったほうが良いのではないでしょうか?
まったり働く=自分にとって難易度が低い仕事?
自分の才能や実力では解決が難しい課題やテーマ、そもそも技術や知識的にも高いものを要求される職場は、それに慣れて追いつくまでは大変な苦労となります。
失敗を繰り返して経験を積み上げるか、業務内外問わず勉強をして不足している知識を補うなどを繰り返し、できなかったことをできるようにする工夫が必要となります。
一方で、いま自分が確実にできることをこなしていくのであれば、そういった未知の知識を習得する労力は必要はなく、それによって失敗をする可能性も低いので、余裕を持った働きができるかもしれません。
誰でもできる仕事は競合が多く、競合が多いと最後には価格の引き下げ合いになり、結果として報酬は人よりも少なくなります。
また、難易度の低い仕事は、若い人のほうが飲み込みが早く、しかも費用も抑えられます。
就職活動をある程度進めた方なら、大学時代のありふれたエピソードしかないときにそれを自己PRにもっていくことはとても苦労したと実感したかもしれません。
同じように、もしあなたが転職活動をするときに、今の会社でありふれたことや、実績として誇れる仕事が無かったら、転職できる選択肢が大きく絞られていきます。
まったり働く=自分のやりたいことができること?
いま没頭している趣味や特技があって、社会人になっても継続したい、そのためには仕事は最低限の労力だけで良いし、休みたいときにしっかり休めるような職場でありたいと思っている方もいるかもしれません。
没頭できる趣味があることはとても良いことですし、社会人になると仕事関係以外の人脈を作ることはとても難しいことなので、そのつながりは大切にすべきですし、社会人になって無理に手放す必要は全くありません。
しかし、新卒入社をする限りにおいては、こういったことを企業選びで優先することはなかなか難しいです。
新卒採用は、あなたの社会人としての実績がないかわりに、採用することで会社は時間とお金をかけてあなたを成長させ、できることなら会社を引っ張っていく存在にしたいと考えています。
あなたに十分な実績があり、しっかりと成果が出せることを実証できれば、成果を出し続けている限り、あなたがそれ以外の活動に勤しむことに反対することはないでしょう。
どうしても新卒採用においては、あなたが一生懸命会社に尽くしてくれることが前提として求められてしまうのです。
だから、いまのあなたを構成する趣味や関係性を崩す必要はなく、もしその活動が意義深いものなのであれば、逆に面接などを通じて説得してみることも一つの手ではあります。
いまは、働き方についても多様性を増し、例えば副業や時短の勤務も認める企業が増えてきました。
会社があなたの人生で一番の優先事項である必要がなくなってきて、会社外の活動であなたが成長し、結果会社にも何らかの利益をもたらすのであれば、議論の余地はあると考えられます。
ワークライフバランスと働き方の多様性を実現する会社を探す
ここまでのところ、「自分はまったり働きたいのに、結局厳しいことをいわれている気がする」と感じる方が多いかもしれません。
従業員個人個人の真意はともかくとして、会社としての立場は、報酬を支払うなりの頑張りをしてほしいと願っているものです。
しかし、いまは仕事一筋がすべてではない時代にき来ていることも会社側はわかり始めており、従業員の満足度を満たすキーワードの一つとして「ワークライフバランス」を提唱している企業が増えてきています。
もしかしたらワークライフバランスについて考えている企業において、あなたの望む「まったり働きたい」を満たす要素があるかもしれません。
ここでは、ワークライフバランスとは何かについて簡単に説明します。
「ワークライフバランス」=個人・仕事・社会のバランス
ワークライフバランスの概念自体は、1980年代後半のアメリカが起源といわれています。
当時アメリカは不景気で、リストラが行われることで人手も不足し、労働時間だけが伸びた結果、効率も生産性も下がるという悪循環に陥っていました。
一方で女性、特に子供を持った母親の社会進出も進むなか、当時のアメリカでも子育ては母親に重荷がかかっていたことから、仕事と子育ての両立が必要だという訴えが出始めます。
その結果、女性や母親だけではなく、すべての労働者が仕事と家庭のバランスをとるべきだという考えに変わり、ワークライフバランスという言葉が生まれ、実際に仕事と家庭の両立を考える動きが加速しました。
日本でもワークライフバランスは2000年代後半に持ち込まれ、内閣府をはじめとする各種省庁でもこの取り組みの周知を始めました。
概念自体は10年以上も前から伝わっていたのに、この考えが明確に受け入れられ始めたのがここ数年の出来事で、SDGsの広まりも一因にありますが、やはり新型コロナの流行による働き方への大きな変化によるものと考えられます。
ワークライフバランスの源流は「仕事」と「生活(家庭)」の両立という考えですが、現在は「仕事」「個人」「社会」の3点のバランスを見ることが増えています。
「個人」は自分とその家族との関係性のほか、自身の心身管理やスキルアップといった時間の確保を示し、「社会」は地域とのつながりや自分の住む町、ひいては日本という国や地球規模の課題や持続的成長も含めた議論となります。
SDGsを意識している会社であれば、持続的成長するためには従業員は企業の「駒」などではなく、その人が豊かな生活を送ることができ成長することで企業も生産効率を高め付加価値を高められると考えています。
これから就職活動をするにあたって、念頭に置くべきキーワードの一つに「ワークライフバランス」を意識しておくとよいかもしれません。
働き方の多様性を取り込もうとしているかも確認
新型コロナの流行から数年が経過した結果、結果としてコロナ以前の姿に戻そうとする傾向があるものの、新型コロナ流行時期に行われたリモートワーク、フレックスタイムといった多様な働き方は、現在も活かされているケースがあります。
働き方の多様性はその会社の福利厚生のような、魅力や従業員満足度といった観点で優秀な人材を確保するためにも企業が重視しはじめています。
リモートワークやフレックスタイムなどは、その企業の事業内容や業務内容によって合う合わないの傾向はあるものの、選択肢が多いことであなたの望む働き方が出来る可能性も広がっていきます。
ただし、こういった柔軟な働き方が決して楽をできるわけではなく、それぞれにいまなお解決すべき課題や改善を進めている段階です。
例えば大きな課題の一つとして従来型より「管理や評価がしにくい」「極端な成果主義になる」などの面があります。
就職活動で人生設計も考えてみる
「まったりと働きたい」は、言い換えると、就職活動の結果だけではなく、その先の未来を考えることに相当します。
就職活動をしている段階は、さまざまな可能性を秘めているといえるでしょう。
あとになって後悔をしないように、自分がどのような人生を歩んでいきたいか、就職活動だけではなく、もう少し先の未来を見据えて考えてみるのも大事かもしれません。
「新卒入社カード」は人生の中でも最強クラス、大事に活用を
日本の終身雇用は、大企業や有名企業を除けばほぼ崩れているといってもよいですが、一方で終身雇用の名残を持つ新卒採用はいまも続いており、企業への入社手段としては選択肢と間口の広さから、人生のなかでも最強クラスといっていいでしょう。
俗に「新卒入社カード」と呼ばれ、人生のなかでは大学(大学院)卒業のときしか使えません。
次に職探しをするときは、第二新卒・転職などになりますが、新卒入社ほど選択の自由はありません。
新卒入社カードが最強となるのは、この入社ではこれまでのあなたの社会人としてのキャリアは一切関係なく、人柄やコミュニケーション、あとは選抜に通ることのできる頭の回転の良ささえあれば、大企業や有名企業へ入れるチャンスがあるのです。
その後転職をするときには、社会人としての実績がベースとなります。
未経験の業種にいくことは不可能ではないものの、新卒採用ほど広くは募集されていません。
この「新卒入社カード」をどのように使うかは、間違いなくあなたの人生に大きく作用します。
もう少し先を見据えれば、新卒入社で立派な会社に就職でき、社会人として申し分ない実績を残すことができれば、それをベースに転職したときに、いまより自分のやりたいことが明確になり、それに専念できる場所がある日突然見つかるかもしれません。
あるいは、あなた自身が経営者となり会社を起業するといった人もいるでしょう。
新卒入社は「社会人としての実績や経験を蓄積できる最短ルートだ」と考えると、いま、まったり働くべきか?という観点から、少し変わってくるのではないでしょうか。
何をするにも元手(金と経験)が必要、元手があるならご自由に
ある程度のお金があれば、そのお金で投資による不労所得で生計を立てることもできます。
不労所得は「お金に働いてもらう」とも表現されることがあります。
ただし、投資で生計を立てるには、かなりの額のお金はもちろんのこと、投資に関する勉強が不可欠です。
海外では学生時代から投資やお金に関する知識を学ぶ機会が多いですが、なぜか日本は投資について、専攻の学問でもない限り教育はほとんど行われず、社会人になって独学するしかありません(最近は投資を教育に組み込む例もでてきました)。
働き方の選択として、先ほども挙げたように起業するという手もあります。
よほど優秀な人は大学在学中に起業する方もいますが、一定の社会人経験を積み、人脈も得たうえで起業するというケースが一般的です。
日本では、形式だけ起業するだけなら、最低必要金額は1円でよいですが、実際に何らかの事業をこなすなら、当然初期投資が必要となります。
こうした経験や資金の調達、つまり元手さえあれば、ある程度自由な働き方を選ぶことができるのです。
そう考えたときに、新卒入社を考えているみなさんのいまの元手はどれだけあるでしょうか?
いますぐまったり働くのではなく、まずは自分がどうなりたいか、そのための元手をどれだけ用意すればいいのか、という段取りで考えてみるのも重要です。
偉くなるだけが人生じゃない、バイプレイヤーとして組織を支える
近年、若い人が管理職や上位層になる意欲が減っているといわれています。
普通に高い業績や実績を積んでいれば自然と立場や報酬は高くなるはずですが、あえて自分で責任のある立場に進まず、現場の第一線に残るという選択肢もあります。
人手がないと本人の合意なく勝手に偉くなってしまうパターンもありますが、基本的には昇格するには自ら手を挙げ行動をする必要があるので、それをあえてしないというキャリアもあるということです。
報酬は増えず、仕事のバリエーションも変わりませんが、逆に「その道のプロ」として現場を自分の手で支えるのも、組織では大事な役割といえます。
最初は辛くて難しいと思えた仕事も、経験を重ねれば危険予測や段取りが磨かれ、自然と失敗もしにくくなります。
リーダーにならなくても、バイプレイヤー(脇役)として働くことでゆとりのある人生を歩むという選択もあるということです。
ただし、現場最前線は体力と根性で乗り越えている業種もありますので、その場合は逆に早く昇進し、管理する立場になったほうが、体力的には「まったり」働けるかもしれません(精神的には厳しい局面が多くなると考えられますが)。
まとめ
「まったり働きたい」ということに対して、まったり働くとはどういうことを意味するのか、就職活動の段階で考えておきたい働き方や少し先の未来への見通しについてお話ししました。
企業側も苛烈に働かせるだけではなく、さまざまな働き方の選択を通じて従業員の満足を高める施策を進めています。
まったり働き、高収入も得られ、自分の時間も充実できることは、確かに理想ではありますが、みなさんの人生はまだまだ長いはずですので、ぜひ広い視点や考え方で企業選びをしていただければ幸いです。