面接で家族仲を聞かれた場合の対処法解説
2024/5/20更新
はじめに
就職活動で面接を受けていると、家族仲について質問されることがあります。
一見、ただの家族関係について聞いてくるだけの質問に思えますが、学生によってはプライベートかつデリケートな質問だと感じる人もいるでしょう。
また、選考面接という重要な場で家族仲について聞いてくる面接官の意図が気になる学生もいます。
ここでは面接で家族仲を聞かれた際にどのように回答すれば良いのかを解説します。
答え方だけでなく、企業が家族仲を聞いてくる意図や家族仲の質問に対する回答例も紹介するので、家族仲の質問で悩んでいる就活生の方は参考にしてください。
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企業が面接で家族仲を聞く意図
就職活動の面接で企業が学生と親との家族仲を聞くのには、いくつか意図があります。
意図は企業によって違いますが、どのような理由で聞いているのか把握することで答え方の参考になるため、まずは質問の意図を知っていきましょう。
育ってきた環境を知り、学生の性格を把握するため
面接では就活生の人柄や性格、適性などを知るために企業側も様々な質問をしてきます。
その中で学生が今まで育ってきた環境を知り、どのように育てられてきたのかを知ろうとする企業も存在します。
学生が育ってきた環境から学生の性格を読み取ろうとする企業もいるでしょう。
家族仲が良ければ安定した成長ができるケースが多く、学生の学びたいことや頑張りたいことに専念させてくれる家庭も多いです。
そのような家庭では学生時代に力を入れたことなど学びや経験も多く培っている可能性が高いため、社会でも能力を発揮できると考えます。
反対に家族仲が悪ければ学生のやりたいことや意思を尊重せず、学生時代に培われる経験があまり得られない場合があります。
そうなると社会に出た時に、企業や業務の中で役割をこなせるのか不安に思う企業もいるでしょう。
企業側はあらゆる角度から学生の性格や内面を知り、自社に合った人材なのかを確かめてきます。
その確認の一つに家族仲の質問が含まれていると考えてください。
家族内に同業種がいないか確かめるため
学生の家族に自社と同じ業種の人間がいないか確認する意図で質問する企業も存在します。
なぜかというと、同業種の企業に勤めている人が家族内にいる場合、自社の情報が競合他社に知れ渡ってしまう可能性を考慮しているためです。
自社の社員にしか知りえない貴重な情報が外部に漏れることを懸念し、同業種に勤めている人間がいる場合は選考に慎重になる企業がいるのも事実です。
家族に同業種の人間がいるだけで面接を落とされるケースは少ないですが、他の応募者との比較になった場合の選別材料にされる可能性はあります。
相談できる相手がいるか確かめるため
就職活動をはじめ、何かあった時に相談できる相手がいるのか確認する意図もあります。
何かうまくいかないことがあった際に、相談できる相手がいることで精神面が安定し、解決の手助けになる場合があるのです。
就職活動でもうまくいかないことや挫折しそうになった時に、親が相談に乗ってくれるだけで気持ちが軽くなり、立ち直りが早くなるでしょう。
仕事でも同様のことが当てはまり、仕事で上手くいかないことや落ち込んだ時に相談することによって立ち直りが早くなったり、解決の糸口に繋がったりします。
会社では相談できないことも家族になら相談できることもあるため、家族内に相談相手がいることは働くうえでも役に立つと判断する企業も多いです。
家族がいることでモチベーションに関わるため
家族仲が良いことは仕事のモチベーションに繋がる場合もあります。
例えば、親に毎月仕送りをするために仕事を頑張ろうという気持ちになったり、親に贈り物をするためにプロジェクトを成功させて給料を上げようとしたりするなど、モチベーションを向上させる一つの手段となり得ます。
家族仲が良くなければ親のために仕事を頑張るというモチベーションには繋がらないため、仕事に対するやる気があるのか家族仲を通して見定める企業もあるようです。
また、親でなくても妻や子どものために仕事を取り組む学生もいるでしょう。
就活生で結婚しているケースはほとんどないですが、既に家庭を持っている学生にも家族仲の良し悪しはモチベーションに関わると言えます。
企業で働いていけるかを家族仲を通して見ているため
中には企業で長く仕事ができるのか家族仲を通して確認する意図もあるでしょう。
家族仲が悪ければ、何か家族内でトラブルが生じた時に会社を辞められたり、業務に支障が出たりする場合があります。
企業側もあらゆるケースに備えなければいけないため、家族仲が悪いと不測の事態にも気を配る必要が出てきます。
また、家族仲に関わらず親を介護している学生は、介護が忙しくて仕事を満足にできない場合もあるでしょう。
企業としてはそういったリスクも考慮して選考を進める必要があるため、家族仲や家族の関係、状況を聞いて自社で働ける学生なのかを判断しています。
コミュニケーション能力があるか確認するため
家族仲を聞くことで、学生にコミュニケーション能力があるのかを判断する企業もいます。
家族仲が良ければ円滑に家族とコミュニケーションを取れていると判断できますし、仕事でもコミュニケーションの取れる人間だと推測できるでしょう。
反対に家族仲が悪ければ、コミュニケーションが取れていないと見られる可能性も否めません。
もちろん、複雑な家庭事情であるケースも考えられるため、家族仲が悪いだけで学生の内面やコミュニケーション能力が疑われることは少ないですが、面接で学生のコミュニケーション能力が怪しいと思われた際に家族仲の質問で深掘りしてくる可能性はあります。
学生に一定のコミュニケーション能力があるのか、確認する方法として使われることは十分考えられるでしょう。
緊張を和らげるため
家族仲を聞く意図の中には、場を和やかにして学生の緊張を和らげる目的で質問する企業も存在します。
面接だと極度に緊張してしまい、自分のアピールが上手くできないまま選考を終えてしまう学生もいるでしょう。
そういった学生を出さないように、企業側が家族仲を聞くことで少しでも場の空気を和やかにして学生をリラックスさせようとするケースもあります。
こういった場合の家族仲の質問の意図は学生の緊張をほぐすのが目的であり、質問自体に特に意図は隠されていない場合が多いです。
面接の始めに家族仲の質問をしてくる場合や、緊張が面接官に伝わった時に家族仲の質問をされた場合は、緊張を和らげる目的で質問していることが多いでしょう。
家族仲が良いと就職活動の相談がしやすい
前述したように家族仲が良いことで就職活動の相談がしやすくなります。
2023年にベネッセi-キャリアが調査した「自身の就活やキャリア観醸成に影響を与えた人や経験・体験」の就職先の企業を検討する際に意見を重視したいのは誰か、という質問では、大学2、3年生の約25%が親の意見やアドバイスを重視しているとの回答が出ています。
ちなみにこの回答率はアンケートで最も多い回答率でした。
それほど親の存在は就活生にとっても大きいものであり、就職活動でも密接に関わってくる可能性が高いと言えるでしょう。
また、同調査では就職活動が本格化した時の相談相手、今後の自身のキャリア形成の相談相手に関してもアンケートを取っており、両方でも親がトップの回答率を誇りました。
検討している企業に関して、親から賛同を得られない場合は応募や入社を再検討するというアンケートでは投票総数の半数以上の学生が回答しており、学生にとっても企業にとっても親の影響が大きいことがうかがえるでしょう。
企業側としてもせっかく選考をして内定を出した学生が、後から親の意見により内定辞退をされては大きな損失となります。
学生と親の家族仲が良ければ、企業の選考を受ける際に既に就職先について相談していることが多いため、後から親の意向で辞退される心配も少ないです。
家族仲が良好だと就職活動の相談がしやすいのは、統計を見ても明らかと言えるでしょう。
相談相手がいるだけでも不安や悩みを打ち明けられますから、就職活動の相談相手には適していると言えます。
本来面接で家族仲を聞くのは推奨されていない
就職活動中に家族仲を聞く企業も存在しますが、本来面接で就活生の家族構成や家族仲を聞くことは厚生労働省から推奨すべきものではないとして通達されています。
違法ではないのですが、就職差別に繋がる可能性も考慮して質問を非推奨としてます。
しかし、違法ではないこともあり、家族仲を質問する企業も一部存在しているのも事実です。
前述したように企業によって質問の意図は異なるため、悪意があって家族仲を聞く企業はほとんどないでしょう。
それでも本来は推奨されていない質問をしているため、選考を受けている中で不信感を覚えたり、他の企業と迷ったりした時には比較材料として用いるのもおすすめします。
家族仲を聞かれた時の答え方
面接で家族仲を聞かれた時の答え方について解説します。
適切な回答法を知っていれば、不意に家族仲の質問がきても冷静に対処可能です。
答える場合は最低限の回答で済ませる
家族仲を聞かれたからといって、家族間の詳細を細かく答える必要はありません。
詳細に話すと家庭内の個人情報まで企業に知られてしまう他、親が同業種だと競合他社だと思われ選考に支障をきたす場合もあります。
そもそも推奨されている質問ではないため、面接官から聞かれない限り必要以上のことを答える必要はないです。
無闇に話し過ぎると、「この学生は口が軽い」、「取引先やプライベートで企業の情報を話してしまうかもしれない」などマイナスな印象を持たせてしまうこともありますので、質問には聞かれたことだけ答えましょう。
断る場合は断り方を意識する
家族仲であまりに深入りした質問や、そもそも家族仲を聞かれたくない場合は断ることも決して悪いことではないでしょう。
ただし、断る場合は断り方が大事になります。
嫌だから断るのではなく、なぜ断るのかを理由も伝えて断りましょう。
「家族とはいえ本人のプライベートも尊重したいので、これ以上の質問の回答は控えたいです」、「家族仲については家庭内事情の観点から回答を控えたいため、他の形で質問をしていただくことは可能でしょうか?」というように企業側にも納得のいくような回答を心掛けて印象の低下を避けてください。
質問の意図を確認して納得がいけば回答するのも一つの方法になります。
「家族仲は私個人の就職活動と関係ないように思えるのですが、家族仲を質問する意図を教えていただくことは可能でしょうか?」というように思い切って聞いても良いでしょう。
自分以外の家族の情報などプライベートなことについて聞いてくるため、学生側が身構えることも企業は折込積みです。
回答に抵抗がある場合は先に意図を確認してみましょう。
嘘は極力つかない
他の質問でも同様のことが言えますが、家族仲や家族関係に関する嘘はついてはいけません。
特に家族構成で嘘をつくと、内定を得た後の書類提出で嘘が露呈する可能性があります。
また、親が同業種に勤めているのに勤めていないと嘘をつくのも、いつどこで露呈するか分からないので避けた方がおすすめです。
家族仲が悪い場合は、家族仲が良いということにして回答したいと思いますが、他の質問と照らし合わせて見破られるリスクも生じるでしょう。
多少事実と異なる程度にして回答するのなら問題ないことも多いですが、すべて嘘で固めると自分が不利になるケースもあります。
余程のことがない限り家族仲だけで選考に不利となることはないため、嘘の回答は控えましょう。
家族仲に関する質問の回答例
家族仲の質問をされた時の回答例を実際に紹介します。
どのように回答すれば良いのかを理解し、企業からの印象を下げないようにしましょう。
〈回答例〉
Q.あなたの家族構成を教えてください。
A.私の家は4人家族です。
父と母、私の他に1人弟がいます。
家族構成について聞かれたら、家族の人数と構成だけ回答すれば十分です。
「4人家族です」だけだと家族構成としては不十分なので、誰がいるのかまで答えた方が良いでしょう。
Q.あなたと家族の仲を教えてください。
A.私と両親の仲は良好だと思っています。
就職活動でも自分の働きたいと思った企業を受けることを承諾してくれていますし、これまでも私の意見を尊重してくれました。
両親の仲について聞かれた場合は、良好かそうでないかとそのように思う簡単な理由だけ話すと良いでしょう。
就職活動で本人の意思を尊重している、相談やアドバイスに乗っているといった回答を混ぜることで企業側も安心して採用ができる学生だと感じてもらえます。
Q.あなたの家族で同業種に勤めている方はいますか?
A1.私の家族で同業種に勤めている者はいません。
A2.私の父が同業種に勤めています。
父の働き方を見て私もこの業界・業種に興味を持ち応募させていただきました。
A3.申し訳ありませんが、家族のプライベートに関わることなので質問への回答は控えさせていただきます。
家族内に同業種に勤めている者がいるかの質問に対する回答例で、パターンに応じて三つの回答例を用意しました。
A1は、いない場合でそのまま同業種に勤めている者はいないことを伝えれば問題ないです。
A2は、同業種に勤めている者がいるケースで、正直に勤めている者がいることを伝えて父に影響を受けて志望理由に繋げています。
今回は簡単な志望理由に繋げるパターンで紹介しましたが、同業種でも扱う分野はまったく違うことなど、一言付け加えて競合にならないような回答をするのもおすすめです。
A3は回答を断るケースです。
同業種に勤めている家族がいて知られたくない場合や、そもそも家族の個人情報を言いたくない場合に断ります。
質問に断るのは企業によっては印象を下げてしまうため、極力回答を心掛けましょう。
Q.就職活動で親に相談などしていますか?
A1.はい。就職活動中に親に相談したことがあります。
就職したい企業探しで悩んだ時や、活動中に疲れてしまった時などに相談に乗ってもらうことで、就職活動を継続して取り組めています。
A2.いいえ。就職活動中に親に相談したことはありません。
就職活動では大学のキャリア支援サービスを使うことが多く、相談は就活課の方にしていただいています。
親からは自分で決めた就職先なら私の意思を尊重し、何も口を出さないと最初に言わ れているため、親への相談は基本していません。
就職活動と親に関する質問を通じて、学生と親の家族仲を確認するケースです。
こちらも相談しているケースとしていないケースで回答例を紹介しています。
相談している場合は、どのような時に相談しているか簡単に答えると良いでしょう。
細かい相談内容については深掘りされたら答えましょう。
相談したことがなければ家族仲がそこまで良くないと捉える可能性があります。
相談したことがない場合は回答例のように、相談しない理由を説明するのがおすすめです。
回答例では他に相談相手がいる、予め親からは就職活動についての方針を伝えられているなど企業を納得させられる理由を述べると印象も下がらずに済むでしょう。
家族仲が悪い場合の面接での対処法
家族仲が悪い場合、質問に答えづらいケースも出てくるでしょう。
断るのも一つの方法ですが、家族仲の悪いことを伝える場合は言い方を工夫しましょう。
ただ家族仲が悪いと答えるのではなく、自立するためにあえて距離を取っている、必要以上に干渉しないようにしているなど、和らいだ言い方に変えて答えても意味合いは伝わります。
家族仲が悪い方で回答に困っているのであれば、伝え方を意識してみると良いでしょう。
状況に応じて臨機応変な回答を心掛ける
家族仲に関する回答は面接ではそこまでされる質問ではないため、選考対策をしていないケースも多いです。
そのため急な質問に対応できず、適切な回答ができないケースも存在します。
質問に備えていても、自分の想定外の込み入った質問がされることもあり、どのように回答して良いのか分からなくなる場合もあります。
家族仲の質問に関しては、どこまで家族に関する回答をするか線引きをしておいて、答えられる範囲を決めておくと良いでしょう。
答えられる範囲を予め決めておき、それ以上深掘りしてきた質問に対しては回答を控えるなど、自分の中で境界線を作っておくと不意に来た質問にも対処しやすいです。
面接の中でどこまで家族仲の質問に答えて良いのか読み取り、状況に応じた回答ができると選考に悪影響を与えずに済みます。
まとめ
就職活動の面接で企業が家族仲に関する質問をしてくるのには、企業それぞれの意図が存在します。
しかし、学生および学生の家族のプライベートに踏み込む質問でもあるため、回答にも抵抗のある学生は多いです。
回答する場合は、ここで紹介した回答例を参考に必要以上の内容は話さないようにしましょう。
家族仲が良い悪いだけで選考が決まるわけではないため、あくまで判断材料の一環として捉え、他の質問内容に注力する方がおすすめです。
家族仲の質問に関する回答は簡単に頭に留めておき、不意の質問にも焦らず対処して内定を勝ち取ってください。