御社と貴社はどう違う?就活の面接やエントリーシートで使い分けるポイントを紹介
2024/04/22更新
はじめに
就活でよく使用する「御社」と「貴社」の違いには、なにがあるか知っていますか?
2つの呼称は意味においては同じですが、使用する場面が異なっているのです。
エントリーシートや履歴書、面接やメールなど、就活におけるさまざまな場面で、「御社」や「貴社」を使う必要があります。
この記事では、「御社」と「貴社」といった言葉を使うときの注意点や使い方、就活における面接やエントリーシートでの使い分けのポイントについて、詳しく解説しています。
これから就活をはじめる学生は、ぜひビジネスマナーとしての基本を覚えておいてください。
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御社や貴社とは
「御社」「貴社」は、どちらも同じ意味を持っており、相手の会社を指し示す言葉です。
しかし、2つの言葉は、使用する場面によって変わり、違いをよく知っておかなければ、誤った場面で使ってしまうことになり、就活では良いイメージを与えることはできません。
「貴社」とは、尊敬語として相手の企業を立てるために使います。
つまり、尊敬する相手に対して間違った使い方をすることは、失礼にあたるため、ビジネスシーンでもご法度となっています。
また、御社には「話し言葉」、貴社には「書き言葉」という特徴があり、その違いを意識したうえでエントリーシートや面接の対策をしなければなりません。
以下では、「御社」と「貴社」の違いについて詳しく解説していきますので、ぜひ就活における対策に役立ててください。
相手の企業を指す尊敬語
「御社」と「貴社」は、どちらを使っても相手の企業を指すための「尊敬語」です。
尊敬語とは、相手を立て、敬意を表すことができる表現となっています。
相手の企業を表現する場合は、「御」や「貴」を使用することで、敬意を示すことができます。
ビジネスシーンでも「自社より相手の会社のほうが格上だ」という認識で対応する場合は、御社や貴社を用いており、同等の立場であっても、ビジネスマナーとして使用されているのです。
仮に、格下の企業と接するときでも、「そちらの会社」や「おたくの会社」などの言葉を使ってしまうと、良い関係性が続くとは言えなくなってしまいます。
こうしたビジネスマナーは、いずれ社会人となる就活生も知っておく必要があり、就活におけるエントリーシートや面接では、十分気をつけておきたいポイントとなるのです。
御社と貴社の使い分け
言葉の意味は尊敬語として同じですが、「御社」は話し言葉、「貴社」は書き言葉という大きな違いがあります。
つまり、御社と貴社は、それぞれ使用される場面が違うので、注意しておかなければならないのです。
もともとは、相手の企業を指すときは、「貴社」のみが使用されていました。
しかし、「汽車」「記者」などの、同音異義語があるため、会話の中で使用すると紛らわしくなってしまうことから、話し言葉で相手の会社を指す際は、「御社」が使用されるようになったのです。
文書上では、漢字が使用されるため、他の言葉と混合する心配はないため、書き言葉としては「貴社」がそのまま使用されています。
ただし、相手の会社との関係性によっては、文書を書くときにも「御社」という言葉が使われることもあります。
話し言葉における「御社」は、言葉の由来を覚えておけば、使い分けはさほど難しいものではありません。
しかし、学生にとって馴染みのない言葉であるため、間違えて覚えてしまわないよう注意しておきましょう。
言葉で伝えるときと、文字で伝えるときの御社と貴社について、それぞれ詳しく解説します。
言葉で伝えるとき
就活で「御社」を使用する場面には、電話や面接時があります。
相手の企業に対して、言及するときには「御社」を使用するようにしてください。
就活で考えられる「御社」の使用場面には、具体的に次のような場面があげられます。
- 面接のときに志望動機を説明するとき
- 企業説明会で担当者に質問をするとき
また、相手と対面していなくても、会話をするときは「御社」を使用するので注意しておいてください。
以下のようなケースでは、直接対面をしていませんが、会話がおこなわれる場面となっています。
- オンライン面接など、テレビ電話を使用して面接をするとき
- 電話で企業に問い合わせをするとき
「御社」を使用するのは、就職してから日常茶飯事となります。
会話上で取引先や相手の企業を指す言葉となるので、就活の時点で覚えておくべきポイントです。
もし就活中の面接で「御社」と「貴社」を間違って使ってしまったり、「そちらの会社」など失礼な言い方をしてしまったりすると、選考に大きな影響を与えてしまいかねません。
特に、外部との接触が多い営業職を志望する場合は、問い合わせや面接の時点で評価ポイントとなっている場合があるので、十分注意しておきましょう。
文字で伝えるとき
就活で「貴社」を使用する場面には、以下のようなケースがあげられます。
- 履歴書やエントリーシート
- 採用担当者とのメール
一般的に、履歴書やエントリーシートでは、志望動機や自己PRを記載する必要があります。
そのような場面では、志望する企業を指す場合は「貴社」を用いて作成しましょう。
「御社を志望した理由は」でも、大きな問題はないと考えられますが、一般的なビジネスマナーであるため、就活生だからこそ、基礎ができていることをしっかりアピールし、「貴社を志望した理由は」と書くことが大切です。
もちろん、採用担当者などとメールをやり取りするうえでも、書き言葉であるため「貴社」を使うことが望ましいと言えます。
採用担当者とのメールは、面接日程を調整する際に用いられるケースが多く、送付されたメールへ返信することが多くなります。
そんなとき、きちんと敬語を使えているかという点で、採用担当者は目を光らせているケースもあるので、意識しておくと良いでしょう。
また、履歴書やエントリーシートを郵送する場合は、送付状を同封して郵送することが一般的です。
ただ必要書類を同封するだけでなく、送付状を同封し「拝啓 新緑の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」のように、「貴社」を用いた挨拶文を用意するようにしておきましょう。
御社や貴社を使い分けるときの注意点
就活中は、御社や貴社を使う場面が多くあります。
エントリーシートや面接など、書いたり会話したりするうえで、使い分けなければなりません。
しかし、単純に使い分けたうえで丁寧に伝えようとすると、二重敬語になってしまったり、本来使うべきではない企業に対して御社や貴社と言ってしまったり、大きなミスに繋がってしまいます。
そこで、敬語に敬語を重ねる「二重敬語」や、業界の違いによる「言い換え」を紹介するので、ぜひ参考にして就活に役立ててください。
二重敬語を避ける
二重敬語とは、敬語に敬語を重ねて使う言葉で、敬語としてはNGの言葉です。
履歴書やエントリーシートに、「貴社殿」と記載したり、面接時に「御社様」といった使い方は間違った敬語となります。
「殿」や「様」をつけることによって、より丁寧な印象を与えるように思いがちですが、相手を敬う「御」や「貴」がついている時点で敬語となっています。
その敬語に「殿」や「様」などをつけることは、敬語の上乗せとなり、二重敬語となってしまうのです。
就活において、より丁寧に表そうという気持ちはとても大切ですが、誤った使い方は、逆に「教養がない」「一般常識に欠ける」などといったマイナスイメージを植えつけてしまう原因となる可能性があります。
特に意識することなく二重敬語となってしまう人も多い傾向にありますが、二重敬語は丁寧ではなく、単なる間違いとなってしまうため注意しておかなくてはなりません。
一般企業以外を指す尊敬語もある
企業のなかには、「御社」や「貴社」ではなく、違った敬称を使う場合があります。
一部の業界や職種では呼称が異なっているのです。
以下に、一般企業以外の主な呼称を紹介しているので、ぜひ参考にしておいてください。
就活では、エントリーシートや履歴書、面接や問い合わせなどで、書き言葉と話し言葉があるため、セットで覚えておくと良いでしょう。
一般企業以外 | 書き言葉 | 話し言葉 |
省庁 | 貴省・貴庁 | 御省・御庁 |
銀行 | 貴行 | 御行 |
学校 | 貴校 | 御校 |
店舗 | 貴店 | 御店 |
病院 | 貴院 | 御院 |
組合 | 貴組合 | 御組合 |
郵便局 | 貴局 | 御局 |
「御社」や「貴社」のように、話し言葉では「御」、書き言葉は「貴」をつけることが多くあります。
しかし、なかには「貴店」や「御店」、「貴院」や「御院」など、単純に「貴」や「御」をつければ良いというわけではない業種もあるため、しっかり覚えておいてください。
なお、上記以外にも、さまざまな別の敬称があります。
面接時や履歴書などの応募書類で間違えてしまうと、あまり良い印象は与えられません。
志望する企業によって、どのような呼称を使えば良いのか事前に確認しておくと、エントリーシートや面接で、マイナスイメージに繋がってしまうことを避けることができるでしょう。
一緒に覚えておきたい「当社」と「弊社」
就活生の中には、志望する企業によって、グループディスカッションやインターンシップなどで、企業の一員として会話をしなければならないケースが考えられます。
そんなときに間違えられやすい言葉が、「当社」と「弊社」です。
どちらも相手企業を指すものではなく、自社を指す言葉になります。
「弊社」はへりくだる表現で、取引先などの社外の人に使うことが一般的です。
一方、「当社」は、社内で使われることが多く、同僚同士などで用いられています。
なかには、社外の人にプレゼンテーションをおこなう際にも、「当社」が使用されることもありますが、一般的に外部へは「弊社」、社内では「当社」という使い分けとなります。
肝心なところで「弊社」や「当社」の使い分けを間違うと、ビジネスマナーに欠けていると感じられるだけでなく、企業を代表しているようなイメージを与えてしまうこともあります。
たとえば、自分の連絡先を相手企業に伝えるとき、「弊社の連絡先」と表現するよりも、「私の連絡先」と伝えた方が、直接連絡してくださいという意味で伝わり、親近感を得られる会話となります。
また、営業職として商談中「当社のおすすめする」と表現するよりも、「弊社がおすすめする」と伝えた方が、より丁寧に聞こえることでしょう。
御社と貴社を使った例文を紹介
使い分ける場面を知っていても、どのように使用すればいいかわからない就活生も少なくありません。
ここからは「御社」と「貴社」を使用した例文を紹介していきます。
特に、「御社」は、電話や面接など、直接会話するときに用いられる言葉なので、就活する前に頭に入れておくと、いざその場面になったとき、慌てず落ち着いて対応することができるようになるでしょう。
例文を自身に当てはまるように、アレンジして使用してみてください。
御社を使うときの例文
「御社」は、話すときに使用します。面接時に志望動機を話すときや、電話中に使用されることが一般的です。
以下に「御社」の使い方の例文を紹介するので、面接時や相手企業の電話の際の参考にしてください。
面接のとき
- 自身の能力を活かせる環境だと感じ、御社を志望しました。
- 内定をいただいた暁には、前職の接客経験を活かしながら、御社に貢献できるように粘り強く取り組んでいく所存です。
- 御社では、社員教育に力を入れていると聞いております。どのような制度を導入しているのでしょうか。
電話をかけるとき
- 〇月〇日△時に御社にお伺いいたします。
- 先ほど御社の人事部〇〇様よりお電話をいただきました。
- 御社の会社説明会に参加する際の持ち物を教えていただきたく、お電話いたしました。
貴社を使うときの例文
「貴社」は、エントリーシートや履歴書、メールなど、文章を書くときに使用される敬称です。
「貴社」を使った例文を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
じっくり考えながら記入するエントリーシートや履歴書では、「御社」と「貴社」を間違えないよう意識して書くことができますが、メールは急いで送信してしまうこともあり、あとになってから間違いに気づくケースが多いので、注意しておきましょう。
エントリーシートや履歴書を書くとき
- 貴社の最先端の技術に強い関心を抱いております。
- 前職で身につけた接客サービスを、貴社の現場の仕事の中でも実力を大いに振るう所存です。
- 〇〇に携わりたいと思い、貴社を志望します。
メールを書くとき
- 貴社へ面接に伺える日をお知らせいたします。
- 貴社ますますご清栄のことと心からお慶び申し上げます
- 貴社のご期待に添えるよう、一層精進してまいります。
御社と貴社を使い間違えるとどうなる
使い方を間違えてしまっても、必ず不採用となってしまうことはありません。
緊張感がある面接では、多くの就活生が間違ってしまうため、それほど気にしていない担当者や面接官も中にはいます。
万が一間違ってしまっても、慌てずに落ち着いて対処すれば大丈夫です。
電話や面接時に間違えてしまった場合は、すぐに「失礼いたしました」と告げた後に、「御社」と言い直すと良いでしょう。
言い間違いよりも、全体の言葉遣い、態度などの礼儀が正しいかなどが見られる場合がほとんどです。
しかしながら、履歴書などの応募書類で、すべてが「御社」などといった間違いや、誤字脱字が多いほど、「一般常識が欠けている」などのマイナスイメージを与えてしまう原因につながってしまいます。
応募書類は、その場ですぐ提出するわけではないため、見直す時間はたくさんあるはずです。
なかでも、誤字脱字が目立ってしまうと、意欲に欠けていると判断されてしまい、不採用となってしまうことが考えられます。
そうならないためには、「御社」と「貴社」の違いだけでなく、文章全体や敬語の使い方などについて、提出する前には必ず見直しをしておきましょう。
まとめ
「御社」と「貴社」は、意味の違いはありませんが、使う場面がそれぞれ大きく異なります。
就活時には、使われることが多い言葉なので、意味や使用する場面をよく理解しておくことが大切です。
就活は、初めての体験ばかりで、戸惑ってしまうことが多いことでしょう。
そのため、緊張から言い間違えをしてしまうことも多々あることなのです。
しかし、事前に学んでプラスにするのと、まったく知らないまま選考に臨み、あとから合否で不安になってしまうよりも、事前に理解し、対策を講じておいた方が良いと思いませんか。
言い間違いによって、採用に繋がることはあまりありません。
もちろん、面接時や電話のときに最初から最後まで誤った使い方をしていると、「教養がない人」「一般常識に欠ける」など、就活においてはマイナスとなってしまうイメージがついてしまいます。
とはいえ、1度や2度間違えてしまっても、慌てず冷静に対処することができれば、大きなマイナスイメージにつながる可能性は低いと言えます。
緊張感のある場面で、冷静に対処することは、難しいかもしれませんが、極力冷静に対処できるように備えておきましょう。
また、エントリーシートや履歴書などの応募書類は見直しが大切です。
言い間違いや誤字脱字は、「就職意欲に欠けている」「だらしがない」というイメージがつきやすい傾向があります。
応募書類を提出する際は、必ず見直すようにしておいてください。
見直す時間が重要なので、期限ギリギリで書き始めることはおすすめできません。
時間が迫っているなかで、応募書類を記載するのは、誤字脱字の原因となってしまいます。
必ず、余裕を持って書き始めるようにしましょう。
「御社」と「貴社」は、就職後のビジネスシーンでも役立つことが多くあり、就活の時点で身につけておくことは、必ず将来役に立つため、しっかり覚えておいてください。