SaaS国内企業ランキング!2024年最新版!売上や年収などを徹底解説
2024年8月15日更新
この記事の監修者
奥田恵(キャリアアドバイザー)
新卒から営業職で活躍し、全国1位の成績を収めた。その後、さらなる成長と挑戦を求めて現在はナイモノのキャリアアドバイザーに転身。年間で500人以上の学生の就職支援に携わり、人材・不動産・営業など幅広い業界への支援実績を持つ。一人一人の学生に真摯に向き合い、早期の内定獲得と充実した就職活動の提供に尽力している。
新卒から営業職で活躍し、全国1位の成績を収めた。その後、さらなる成長と挑戦を求めて現在はナイモノのキャリアアドバイザーに転身。年間で500人以上の学生の就職支援に携わり、人材・不動産・営業など幅広い業界への支援実績を持つ。一人一人の学生に真摯に向き合い、早期の内定獲得と充実した就職活動の提供に尽力している。
はじめに
SaaS企業は近年、インターネット環境の整備やモバイル端末の普及により、クラウドサービスが急速に普及している業界です。
とくに、SaaS(Software as a Service)は、ソフトウェアをインターネット上で利用できるサービスとして、多くの企業に導入されています。
SaaSの導入により、企業はソフトウェアの購入やインストール、アップデートなどの手間が省け、いつでもどこでも利用できるという利便性を得られるのです。
また、初期費用を抑えることができ、ランニングコストも比較的安価であるため、中小企業にとっても導入しやすいというメリットがあります。
さらに、近年進められている働き方改革の影響もあり、場所に縛られず、時間を選ばずに仕事ができるリモートワークやテレワークのニーズが高まっています。
SaaSはこうした働き方にも柔軟に対応できるため、ますます注目を集めています。
そこで今回は、2024年版SaaS国内企業ランキングをご紹介します。
このランキングは、売上高、年収、従業員数、成長率などの指標に基づいて作成されており、SaaS企業選びの参考情報として役立つものです。
- SaaS業界で働きたい就活生
- SaaSの業界分析をしたい
- 企業を選ぶポイントを知りたい
上記のような方は、本ランキングを通して、SaaS市場の現状を理解し、自社に最適なSaaS企業を見つけてください。
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この記事の結論
売上ランキング1位は「sansan」、年収ランキング1位は「プレイド」、従業員数ランキング1位は「ラクス」、ARR成長率ランキング1位は「スマレジ」という結果でした。
それぞれのランキングからわかることは以下の通りです。
- 売上ランキング:業界のトップランナーを知る
- 従業員数ランキング:成長企業の勢いを知る
- 年収ランキング:業界の給与水準を知る
- ARR成長率ランキング:将来性を判断する
上位企業はいずれも高い売上と従業員数を誇り、業界を牽引する存在であることが分かります。
年収ランキングでは、コンサルティング企業が高い水準を維持しており、SaaS企業の中でも、専門性の高い職種が評価されていることが伺えます。
ARR成長率ランキングでは、近年創業した企業が上位にランクインしており、SaaS業界の急速な進化と新規企業の台頭が顕著です。
この記事で紹介したランキングを活用し、自分に合った企業を見つけて、ぜひSaaS業界での活躍を目指してください。
SaaS企業売上高ランキング
まずはSaaSの企業売上ランキングを紹介していきます。
2024年度の売上ランキングは以下の通りとなりました。
1位:Sansan(売上高:161億円)
Sasanは、名刺管理システムや営業支援システムなどを提供する企業です。
2021年に東証プライム市場へ移行。約60万社の顧客基盤を持っています。
主な商品は、名刺管理システム「Sansan」、営業支援システム「Sales Hub」、顧客データ分析ツール「Insight」、組織全体で使えるSaaS「Sansan Connect」などです。
2位:サイボウズ(売上高:156億円)
サイボウズは、グループウェアやコミュニケーションツールなどを提供する企業です。
SaaSの老舗企業として安定した存在感を放っています。
主な商品は、グループウェア「kintone」、コミュニケーションツール「cybozu.com」、クラウドストレージ「Cybozu Drive」、プロジェクトマネジメントツール「kintone Project」などです。
3位:ラクス(クラウド事業:122億円)
ラクスは、勤怠管理システムや経費精算システムなどを提供する企業です。
近年急成長を遂げており注目が集まっています。
主な商品は、勤怠管理システム「ラクスマーククラウド」、経費精算システム「ラクスマーク経費」、人事労務システム「ラクスマークHR」、ワークフローシステム「ラクスマークフロー」などです。
4位:マネーフォワード(売上高:113億円)
マネーフォワードは、クラウド会計ソフトや家計簿アプリなどを提供する企業です。
クラウド会計・家計簿市場における圧倒的なシェアを誇っています。
主な商品は、クラウド会計ソフト「マネーフォワード クラウド」、家計簿アプリ「マネーフォワード クラウド家計簿」、確定申告ソフト「マネーフォワード確定申告」、フリーランス向け請求書発行ツール「マネーフォワード クラウド請求書」などです。
5位:フリー(売上高:102億円)
フリーは、営業支援システムや顧客管理システムなどを提供する企業です。
SaaS市場における新興企業として注目を集めています。
主な営業支援システム「freee SFA」、顧客管理システム「freee CRM」、請求書発行ツール「freee 請求書」、見積書発行ツール「freee 見積書」などです。
今回のランキングでは、Sansan、サイボウズ、ラクス、マネーフォワード、フリーといった、SaaS市場を牽引する企業が上位を占めました。
これらの企業は、それぞれ異なる強みや特徴を持つソリューションを提供しており、企業のニーズや課題に合わせて最適なSaaSを選ぶことが重要です。
参照ページ:【2024年最新】日本のSaaS企業売上高ランキングTOP50 1位はSansan、2位はサイボウズ、転職ならどこ
SaaS企業年収ランキング
ここからは、SaaS企業の年収ランキングを紹介していきます。
2024年3月時点の年収ランキングは以下の通りとなりました。
1位:プレイド(1,040万円)
プレイドは、動画編集SaaS「PLAYLIST」を開発・販売する企業です。
近年、急成長を遂げており、SaaS企業の年収ランキングでも1位を獲得しました。
2位:スカラ(852万円)
スカラは、ECサイト構築SaaS「EC-CUBE」を開発・販売する企業です。
EC市場の拡大に伴い、業績が好調です。
3位:AI inside(838万円)
AI insideは、AI開発支援SaaS「AI inside」を開発・販売する企業です。
AI技術の普及に伴い、注目を集めています。
4位:トヨクモ(821万円)
トヨクモは、働き方改革支援SaaS「タイムトラベル」を開発・販売する企業です。
働き方改革の推進に伴い、需要が高まっています。
5位:アステリア(816万円)
アステリアは、データ連携SaaS「ASTERIA Warp」を開発・販売する企業です。
ビッグデータ活用ニーズの高まりに伴い、業績が好調です。
参照ページ:【SaaS企業ランキング】日本のSaaS業界の大手企業一覧【売上高・年収】|キャリハイ
SaaS企業の年収ランキングは、プレイド、スカラ、AI inside、トヨクモ、アステリアの順となりました。
これらの企業は、いずれも近年急成長している企業です。
年収もSaaS業界の中でもトップクラスであることがわかります。
SaaS企業への就職を検討している方は、これらの企業を参考にしてみてください。
SaaS企業従業員数ランキング
SaaS企業の従業員数ランキングを、売上高ランキングを元に作成しました。
1位:ラクス(2,561人)
ラクスは、人材管理SaaSで有名な企業です。
従業員数は単体で1,532人、連結で2,561人とSaaS業界の中でもトップクラスだとわかります。
2023年には、中途採用で500人という大規模な募集を行っていました。
2025年4月入社の募集人数は、20名程度です。
2位:サイボウズ(1,276人)
サイボウズは、グループウェアで有名な企業です。
従業員数は単体で1,003人、連結で1,276人とSaaS業界の中でも上位に位置します。
2025年4月の募集人数は、ビジネス専門職で5名程度です。
3位:マネーフォワード(2,130人)
マネーフォワードは、クラウド会計ソフトで有名な企業です。
従業員数も2,130人と、SaaS業界の中でも多くの従業員を抱えています。
2021年時点では、1,248人程度だった従業員数が大きく増えていることがわかるでしょう。
マネーフォワードでは、内定直結のインターンシップを開催しており、2023年には40人の学生が参加しました。
4位:Sansan(1,166人)
Sansanは、名刺管理SaaSで有名な企業です。
近年は、営業支援ツールやマーケティングツールなども開発・販売しています。
従業員数も1166人と、SaaS業界の中でも多くの従業員を抱えています。
5位:freee(1,299人)
freeeは、クラウド会計ソフトで有名な企業です。
従業員数も1,299人と、SaaS業界の中でも多くの従業員を抱えています。
2017年に設立されてから急激な成長を遂げている企業です。
参照ページ:
SaaS業界分析でよく耳にするARRを解説
SaaSの企業分析を行っているとよく耳にする「ARR]とは、何を指すのでしょうか。
ARRとは?
ARRは「Annual Recurring Revenue」の略で、日本語では「年間経常収益」または「年間定期収益」と呼ばれます。
これは、SaaS企業などのサブスクリプションビジネスにおいて、1年間で繰り返し得られる売上のことを指しています。
簡単に言えば、ARRはSaaS企業にとって 「どれだけ安定的に収益を上げられるか」 を示す重要な指標です。
ARRの計算方法
ARRは、月次経常収益(MRR)を12倍することで算出できます。
MRRは、毎月繰り返し得られる売上のことを指します。
具体的には、サブスクリプションサービスの月額料金や利用料金などを合計したものです。
ARRの例
例えば、月額1万円のサブスクリプションサービスを100人に提供している企業の場合、MRRは100万円です。
この場合、ARRは100万円 x 12ヶ月 = 1200万円となります。
つまり、この企業は年間1200万円の売上を安定的に得られるということです。
ARRが重要な理由
ARRがSaaS企業にとって重要な指標である理由は、以下の3つです。
- 事業の安定性を示す指標
ARRは、1年間で繰り返し得られる売上を表すため、事業の安定性を示す指標となります。
投資家にとっても、ARRは企業の成長性や収益性を判断する重要な材料となるでしょう。
- 将来の売上を予測する指標
ARRは、過去の売上データに基づいて将来の売上を予測できます。
これにより、企業は適切な経営計画を立てることができるのです。
- 従業員のモチベーション向上
ARRの目標を設定し、達成に向けて取り組むことで、従業員のモチベーション向上につながります。
SaaS企業ARR成長率ランキング
2024年SaaS企業のARR成長率をランキングにまとめました。
上位5位までの企業については、以下で詳しく解説していきます。
1位:スマレジ
スマレジは、iPadを使ったクラウドPOSレジ「スマレジ」を主力事業とする企業です。
2024年2月時点のARR成長率は52.9%となり、前年比2倍以上の驚異的な成長率を記録しました。
近年は、飲食店以外にも小売業やサービス業など幅広い業種への展開を拡大しており、事業成長を加速させています。
2位:マネーフォワード
マネーフォワードは、クラウド会計ソフト「マネーフォワード クラウド確定申告」を主力事業とする企業です。
2024年2月時点のARR成長率は42.0%となり、こちらも高い成長率を記録しています。
近年は金融事業やコーポレート事業なども展開しており、事業領域を拡大しています。
3位:freee
freeeは、クラウド会計ソフト「freee会計」を主力事業とする企業です。
2024年2月時点のARR成長率は36.6%となり、こちらも高い成長率を記録しています。
近年は、金融事業や海外事業なども展開しており、事業領域を拡大しています。
4位:メドレー
メドレーは、医療従事者向け情報共有プラットフォーム「メドレー」を主力事業とする企業です。
2024年2月時点のARR成長率は36.0%となり、こちらも高い成長率を記録しています。
近年は、医療機関向けソリューションやオンライン診療サービスなども展開しており、事業領域を拡大しています。
5位:クラウドサイン
クラウドサインは、電子署名サービス「クラウドサイン」を主力事業とする企業です。
2024年2月時点のARR成長率は32.1%となり、こちらも高い成長率を記録しています。
近年は、電子契約サービスや本人確認サービスなども展開しており、事業領域を拡大している状況です。
5位までの企業はいずれもARR成長率が30%を超え、SaaS業界の中でもトップクラスの成長率を誇ります。
また、近年は事業領域を拡大しており、今後の成長が期待されるでしょう。
SaaS企業を選ぶポイント
SaaS企業は近年急速に成長しており、求人も増えています。
しかし、多くの企業が存在するため、自分に合った企業を選ぶのは簡単ではありません。
SaaS企業の就職先を選ぶ際に、以下のポイントを参考にしてみてください。
1. 自分が興味のある分野・業界
SaaS企業は、様々な分野・業界で事業を展開しています。
そのため、自分が興味のある分野・業界で事業を展開している企業を選ぶことが重要です。
2. 企業規模・成長性
SaaS企業は、ベンチャー企業から上場企業まで様々です。
企業規模や成長性によって、仕事内容や働き方が大きく異なるため、自分が求める環境に合致している企業を選びましょう。
3. 企業理念・ビジョン
SaaS企業は、それぞれ異なる企業理念・ビジョンを持っています。
自分が共感できる理念・ビジョンを持つ企業を選びましょう。
4. 採用担当者・面接官の印象
面接では、企業理念やビジョンだけでなく、採用担当者や面接官の印象も重要です。
自分が気持ちよく働ける雰囲気かどうかを確認しましょう。
5. 従業員の満足度
従業員の満足度が高い企業は、働きやすい環境が整っていることが多いです。
転職サイトなどで口コミなどを参考に、従業員の満足度を確認しましょう。
6. 給与・福利厚生
給与や福利厚生も、就職先を選ぶ際に重要なポイントです。
自分の希望に合致しているかどうかを確認しましょう。
7. キャリアパス
SaaS企業は成長性が高い企業が多いため、キャリアパスも明確に定められていることが多いです。
自分がどのようなキャリアを築きたいのか、キャリアパスを確認しましょう。
8. 社風
SaaS企業は、社風がオープンでアットホームなことが多くあります。
自分が働きやすい社風かどうかを確認しましょう。
SaaS企業の就職先を選ぶ際には、上記のポイントをすべて考慮し、自分に合った企業を選ぶようにしてください。
SaaS企業に就職したい学生がやっておくべきこと
SaaS企業への就職は競争率が高いため、しっかりとした準備が必要です。
そこで、SaaS企業への就職を目指す学生がやっておくべきことを以下にまとめました。
SaaS業界について理解を深める
SaaS企業への就職を希望するなら、まずSaaS業界について理解を深めることが重要です。
具体的には、以下の点について理解しておきましょう。
- SaaSとは何か?
- SaaS市場の規模と成長性
- 主なSaaS企業とその事業内容
- SaaS業界のトレンド
SaaS業界に関する情報は、書籍、ウェブサイト、業界誌などで入手できます。
また、SaaS企業主催のセミナーやイベントに参加するのもおすすめです。
自分のスキルと経験を磨く
SaaS企業は、ITスキルやビジネススキルなど、さまざまなスキルを持つ人材を求めています。
自分の強みや弱みを把握し、不足しているスキルがあれば積極的に学習しましょう。
具体的には、以下のスキルを磨くと良いでしょう。
- プログラミングスキル
- データ分析スキル
- マーケティングスキル
- 営業スキル
- コミュニケーションスキル
これらのスキルは、大学での講義やサークル活動、インターンシップなどで磨くことができます。
SaaS企業の求人を積極的に探す
SaaS企業の求人は、一般的な求人情報サイトだけでなく、SaaS企業専用の求人情報サイトや転職エージェントなどを活用して探しましょう。
面接対策をする
SaaS企業の面接では、技術的な質問だけでなく、ビジネスに関する質問も出題されます。
面接対策としては、以下の点に注意しましょう。
- 企業理念や事業内容を理解しておく
- 想定される質問に対する回答を準備しておく
- 熱意と意欲を伝える
面接対策は、模擬面接やOB・OG訪問などを活用して行うのがおすすめです。
面接・ES対策は以下のページも参考にしてみてください。
積極的に行動する
SaaS企業への就職は、競争率が高いため、積極的に行動することが重要です。
求人情報に目を通すだけでなく、企業説明会や業界イベントなどに積極的に参加しましょう。
また、SaaS企業で働いている人脈を築くことも有効です。
まとめ
この記事では、SaaS企業のランキングを売上高・年収・従業員数・ARR成長率ごとにまとめて紹介しました。
国内のSaaS企業は急成長しており、将来性のある企業です。
上位企業は、いずれも高い売上と従業員数を誇り、業界を牽引する存在であることが分かります。
上記4つの指標を総合的に分析することで、企業の強みや将来性をより深く理解できるでしょう。
自分の興味のある分野やキャリアパスに合った企業を選ぶことが重要です。
企業のウェブサイトや求人情報だけでなく、口コミや評判なども参考に情報収集を行いましょう。
国内SaaS業界は、今まさに成長著しい市場です。
本記事で紹介した情報を参考に、自分に合った企業を見つけて、ぜひSaaS業界での活躍を目指してください。