百貨店はなぜ衰退したのか?今後の展望も添えて解説

百貨店はなぜ衰退したのか?今後の展望も添えて解説

2024年8月15日更新

はじめに

百貨店は、かつては街のランドマークとして栄え、多くの人々が買い物や交流を楽しむ場として親しまれてきました。

しかし、近年では多くの百貨店が閉鎖や経営難に直面し、その衰退が目立ってきています。

今回はそんな百貨店の衰退の理由と今後の展望を考察していきます。

  • 百貨店が衰退した理由を知りたい
  • 百貨店が衰退した背景が気になる
  • 百貨店に未来があるのか知りたい

ぜひ最後までご覧ください。

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百貨店が果たしてきた役割と地位の変遷

高島屋百貨店 外観

出典元:高島屋百貨店

 

百貨店は、都市化と経済の発展とともに消費者の買い物体験を変革してきました。

その歴史は社会の変化、消費者のニーズの進化、そしてテクノロジーの進歩と密接に関連しています。

初期(1920~1929年)

この時期には、百貨店が新たな小売りの形態として登場し、多岐にわたる商品を一箇所で展示・購入できる大規模な場となりました。

百貨店は都市の中心部における消費文化の発展に大きく貢献し、社会の中で一つの地位を確立してきたのです。

上品な買い物体験と顧客サービスを提供することで、高級品市場にアピールすることに成功しました。

成長期(1955年~1973年)

経済の成長と共に、百貨店は拡大を続けました。

戦後の好景気は消費者の財布の紐を緩め、百貨店の黄金時代を築いたと言えるでしょう。

多様な商品が豊富に取り揃えられ、一つの場所で全ての買い物ができる利便性が、多くの人々を惹きつけました。

また、百貨店はファッションやライフスタイルのトレンドを設定するアイコンとしての役割も担いました。

転換期(1970年~1990年)

大型ショッピングモールの登場、郊外への人口流出、そしてインターネットの普及により、百貨店は大きな壁に直面しました。

消費者の買い物習慣は変化し、オンラインショッピングや専門店が好まれるようになりました。

これにより百貨店は差別化と再定義を迫られ、体験型ショッピングやイベントの開催など、新しい戦略を取り入れ始めました。

現在

現在、百貨店は再び大きな変革期に直面しています。

電子商取引の急速な成長とパンデミックの影響で、対面販売はさらに厳しい状況に追い込まれています。

それでも一部の百貨店は、独自の商品ラインナップ、優れた顧客サービス、そしてショッピングを超えた体験を提供することで、差別化を図っています。

また、オムニチャネル戦略を取り入れ、オンラインとオフラインの統合を進めることで、新しい消費者のニーズに応えようとしています。

百貨店はその長い歴史の中で、社会経済の変化に適応し、消費者の生活に密接に関わる場所としての地位を保ってきました。

今後も技術の進化と消費者の変化するニーズを捉えることが、その生存と発展の鍵となるでしょう。

百貨店衰退の背景

百貨店の衰退は、

  • 社会経済環境の変化
  • インターネットの普及
  • 消費者ニーズの変化

という3つの主要な要因によって引き起こされました。

それぞれ詳しく解説していきます。

社会経済環境の変化による影響

経済のグローバル化と市場の開放は、商品の多様化と価格競争の激化をもたらしました。

2008年の経済危機やコロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックのような事件も、消費者の購買力と行動に大きな影響を及ぼしました。

これらの社会経済的変化は、消費者がより価値と便利さを求めるようになったことを意味し、従来型の百貨店のビジネスモデルにはマイナスの影響を与えました。

インターネット普及によるオンラインショッピングの台頭

インターネットの普及は、消費者が商品やサービスを購入する方法を根本的に変えました。

オンラインショッピングは、24時間365日いつでもアクセスでき、商

商品比較やレビュー閲覧も容易です。

自宅から一歩も出ずに世界中の商品を購入できる利便性を提供しています。

Amazonや楽天などのオンラインショッピングプラットフォームの台頭は、百貨店が提供する物理的なショッピング体験とは異なる新しい消費者体験を生み出しました。

消費者ニーズの変化とその影響

消費者の価値観とニーズは、個性化、体験重視、持続可能性への関心の高まりなど、大きく変化しています。

これに伴い、消費者は単に商品を購入するだけでなく、購入の過程自体に意味や満足を求めるようになりました。

また、若い世代を中心に、環境や社会への影響を考慮した消費が重視されるようになっています。

従来の百貨店ではこれらの新しいニーズに迅速に対応するのが難しく、競争力を失う原因となりました。

百貨店が直面する課題

樂園百貨店 店舗内

出典元:樂園百貨店

 

百貨店が直面している課題は多岐にわたりますが、特に注目すべきは、下記の3つです。

  • 競争の激化と新たな消費形態の出現
  • 実店舗の維持コストと収益性の問題
  • そして若年層を中心とした顧客層の変化

それぞれ詳しく説明していきます。

競争激化と新たな消費形態の出現

競争激化と新たな出費状態の出現に直面しています。

  • オンラインショッピングの台頭
  • 新しい小売形態の出現

この2つの側面から課題を分析することができます。

オンラインショッピングの台頭

インターネットの普及により、オンラインショッピングが爆発的に増加しました。

消費者は家にいながらあるいは移動中でも、全世界から商品を選んで購入できるようになりました。

これにより百貨店は地域や国内の競争者だけでなく、グローバルなオンライン小売業者とも競争することになります。

新しい小売形態の出現

ポップアップストアや体験型リテール、サブスクリプションサービスなど、新しい小売形態が登場し、消費者の注意を引きつけています。

これらの買い物体験は、特定のニーズや趣味に特化することで、百貨店が提供する一般的なショッピング体験とは異なる価値を消費者に提供しています。

実店舗の維持コストと収益性の問題

実店舗の維持コストと収益性の問題も残っています。

  • 高い運営コスト
  • 収益性の低下

上記2点に分けて解説します。

高い運営コスト

百貨店は大規模な物理的スペースを必要とし、人件費をはじめ、賃貸料、光熱費、などの運営コストがかかります。

これらの固定費は、売上が減少した場合に収益性に大きな影響を及ぼしています。

収益性の低下

オンライン小売との価格競争、そして消費者の買い物習慣の変化によって、百貨店の収益性は圧迫されています。

特に高価格帯の商品では、消費者がオンラインでより安価な代替品を探す傾向があり、高級志向の百貨店にとって大きな打撃と言えるでしょう。

若年層を中心とした顧客層の変化

最後に、若年層を中心とした顧客層の変化も無視できない課題です。

  • 価値観の変化
  • マーケティング戦略の変化

上記2点から分析していきます。

価値観の変化

若年層を中心に、購入する商品やサービスに対して、持続可能性や倫理的な生産方法への関心が高まっています。

体験を重視する傾向があり、単に商品を購入するだけではなく、購入過程そのものに価値を見出しています。

マーケティング戦略の変化

若年層はSNSやインフルエンサーマーケティングなど、新しいメディアによる情報収集を好みます。

従来の広告やプロモーション手法では、これらの顧客層にアピールすることが難しくなっています。

国内外の事例研究

スマホを見る女性 丸井百貨店の背景

国内外で成功している百貨店の事例と、その成功要因について分析しました。

以下に挙げる事例は、革新的な取り組みや顧客体験の向上によって、競争の激しい小売業界でもよい成績を収めています。

国内外で成功している百貨店の事例紹介

まずは国内外で成功している百貨店の事例を紹介します。

  • 国内事例:伊勢丹
  • 海外事例:セルフブリッジズ

上記2店についてご紹介します。

国内事例:伊勢丹

個性化された顧客体験

伊勢丹新宿店は、顧客一人ひとりに合わせたショッピング体験を提供しています。

例えば、パーソナルショッパーサービスを利用することで、顧客のニーズに合った商品を提案しています。

革新的な商品展開

伊勢丹は国内外の最新トレンドを取り入れた商品展開で、常に話題を提供しています。

限定商品やコラボレーション商品を積極的に取り扱い、顧客の好奇心を刺激しています。

イベントの開催

季節ごとのイベントや展示会を開催し、ショッピング以外の体験も提供しています。

これにより、店舗に足を運ぶ動機を顧客に提供しています。

海外事例:セルフリッジズ(Selfridges)

体験型リテール

セルフリッジズは単なる商品の販売にとどまらず、顧客が店舗で独自の体験を得られるようにしています。

例えば、アート展示やインタラクティブなイベント、ワークショップなどが常に開催されています。

サステナビリティへの取り組み

セルフリッジズは、サステナビリティに重点を置いた取り組みで知られており、環境に配慮した商品の取り扱いや、持続可能なファッションへの取り組みを強化しています。

デジタルとの統合

オンラインとオフラインの境界をなくすことで、顧客にシームレスなショッピング体験を提供しています。

オンラインストアと実店舗が連携し、顧客はどちらでも一貫したサービスを受けることができます。

事例から見る成功の要因分析

続いて、これらの事例から見る成功の要因を分析しました。

顧客体験の差別化

パーソナライズされたサービスや体験型リテールによって、顧客に忘れがたい体験を提供し、リピーターを増やしています。

持続可能性への取り組み

環境や社会への配慮を重視する消費者が増えている中、持続可能性への取り組みは、特に若年層の顧客を引きつける要因になっています。

オンラインとオフラインの融合

デジタル技術を活用してオンラインとオフラインのショッピング体験を統合し、顧客にとって便利でシームレスな体験を提供しています。

百貨店の再生と変革

百貨店の再生と変革には、

  • デジタル技術の活用とオムニチャネル戦略
  • 体験型コンテンツの充実と顧客エンゲージメント
  • 地域社会との連携強化とコミュニティ形成

など、複数のアプローチがあります。

これらの戦略を通じて顧客とのエンゲージメントを高め、新しい顧客層を引き付けることができます。

デジタル技術の活用とオムニチャネル戦略

デジタル技術の活用とオムニチャネル戦略によって、新しい購入体験を顧客に提供することができる見込みです。

  • オムニチャネルの実装
  • デジタルマーケティングの強化
  • データ分析の活用

この3点に分けて解説します。

オムニチャネルの実装

オムニチャネルとは、小売業を中心に広がっている販売戦略の1つです。

企業の販売活動における顧客との接点を「チャネル」と定義し、WEB・ECサイト・アプリ・リアル店舗などの様々なチャネルを連携させ、顧客に対して一貫的にアプローチする戦略です。

オムニチャネルでは、すべての販売チャネルが連携しているため、詳細な顧客データを集めることができ、それぞれの顧客に最適なアプローチができるのです。

オムニチャネル戦略により、オンラインとオフラインの境界はなくなり、顧客はどのチャネルからでも一貫したブランド体験が得られます。

例えば、オンラインで商品を見て店舗で試着、購入は再びオンラインで行うといったシームレスな体験ができるでしょう。

デジタルマーケティングの強化

SNS、メールマーケティング、SEO(検索エンジン最適化)などを駆使して、ターゲット顧客にリーチします。

特に、インスタグラムやX(旧Twitter)など若年層に人気のプラットフォームを活用することが重要です。

データ分析の活用

顧客データを分析し、購買傾向や好みを理解することで、パーソナライズされたマーケティング戦略を展開します。

これにより、顧客の関心を引き、売上を増加させることができるのです。

体験型コンテンツの充実と顧客エンゲージメント

体験型コンテンツの充実と顧客エンゲージメントによっても、顧客の購入体験を向上させられます。

  • イベントやワークショップの開催
  • 限定商品やサービスの提供

上記の2つの側面から解説します。

イベントやワークショップの開催

店舗内でのイベントやワークショップを通じて、顧客との直接的な関わりを持ち、エンゲージメントを深めます。

例えば、料理教室、アート展示、ファッションショーなど、様々な体験を提供することで、従来とは異なる価値を提供できるでしょう。

限定商品やサービスの提供

限定商品や特別なサービスを提供することで、顧客の関心を引き、店舗への訪問を促します。

これにより、単に商品を購入するだけでなく、特別な体験を求める顧客のニーズに応えることができます。

地域社会との連携強化とコミュニティ形成

地元企業やアーティストとのコラボレーション

地域社会との連携を強化するために、地元の企業やアーティストと協力し、共同で商品やイベントを企画します。

これにより、地域に根ざした百貨店としてのブランドイメージを強化できます。

地域社会への貢献活動

地域社会への貢献活動を通じて良い社会的評価を獲得し、地域住民との関係を深めます。

例えば、地域の清掃活動や文化イベントのサポートなど、地域社会と一体となった活動を行います。

百貨店の未来像

百貨店の未来像を描く上で、持続可能なビジネスモデルの構築と新たな顧客価値の創造は不可欠です。

これらは、百貨店が直面する現代の課題に対処し、将来にわたって繁栄するための鍵となるでしょう。

  • 持続可能なビジネスモデルの構築
  • 新たな顧客価値の創造
  • デジタルとリアルの融合
  • コミュニティとの連携

上記4つの観点から解説していきます。

持続可能なビジネスモデルの構築

持続可能なビジネスモデルを構築するには、環境への影響を最小限に抑えつつ、社会的責任を果たしつつ経済的にも成功を収める戦略が必要です。

具体的には、エコフレンドリーな商品の取り扱いを増やしたり、リサイクルやアップサイクル製品を積極的に販売したりすることで、環境保護に貢献します。

また、エネルギー効率の良い店舗設計や運営を心がけ、持続可能な資源を使用することも重要です。

新たな顧客価値の創造

新たな顧客価値を創造するには、顧客のニーズと期待を超える体験を提供することが必要です。

これには、テクノロジーを活用したパーソナライズされた買い物体験の提供や、顧客が参加できるイベントやワークショップの開催が含まれます。

さらに、地域社会との連携を深めることで、地域に根ざしたユニークな体験を創出し、顧客に新たな価値を提供します。

デジタルとリアルの融合

デジタル技術の活用は、持続可能なビジネスモデル構築と新たな顧客価値の創造の両方において重要な役割を果たします。

オムニチャネル戦略を通じて、オンラインとオフラインの境界をなくし、顧客にシームレスなショッピング体験を提供できるでしょう。

AIやビッグデータを活用し、顧客の行動や好みを分析し、個々の顧客に合わせたパーソナライズされたサービスを提供することも可能です。

コミュニティとの連携

地域社会との連携を強化することは、百貨店の未来像において欠かせません。

地域の文化やアーティストと協力することで、地域に密着したユニークな商品やサービスを提供し、顧客に新しい体験をもたらすことができます。

また、地域社会への貢献活動に積極的に参加することで、社会的責任を果たし、顧客の信頼を得られるでしょう。

予測される業界のトレンドと展望

百貨店業界は、デジタル化の波と消費者の価値観の変化という2つの大きな要因によって、大きな転換期を迎えています。

これらの変化を受けて、業界のトレンドと展望を以下のように予測しました。

 

  • オムニチャネル戦略の加速:
    オンラインとオフラインの境界がますます曖昧になる中、顧客にシームレスな買い物体験を提供するために、百貨店はオムニチャネル戦略を加速させるでしょう。

  • パーソナライズされたショッピング体験:
    AIやビッグデータの活用により、顧客一人ひとりの好みやニーズに合わせたパーソナライズされたサービスの提供が増えます。
  • 持続可能性への注目:
    環境への配慮が消費者の購買行動に大きな影響を与えるようになり、エコフレンドリーな商品やサービスへの需要が高まります。
  • 体験の提供:
    商品を販売するだけでなく、顧客に忘れられない体験を提供することが、顧客の満足度を高める鍵となります。
  • 地域社会との連携:
    地域社会と連携し、地域に根ざしたユニークな商品やイベントを提供することで、新たな顧客層を獲得します。

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今回は、選考を通過したエントリーシートを20社分用意しました。

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まとめ

かつては近代都市のランドマークとして栄えていた百貨店ですが、オンラインショッピングの台頭や消費行動の変化により、衰退の一途を辿っています。

今回は、百貨店が衰退した背景と直面している課題、これからの展望について解説しました。

百貨店業界に興味のある方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

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