【業界研究】貿易業界は!特徴や向き不向きは?選考に役立つ情報を徹底解説!
2024/04/18更新
はじめに
就活を成功させるためには業界研究をしなければなりません。
業界独自の業務や特徴を知っていないと入社後にギャップを感じて長く続かない可能性があります。
長く仕事を続けるためには、業界全体の将来も考えることが必要です。
そこでここでは、貿易業界について基本概要から業務内容、就活に役立つ情報をご紹介します。
この記事は、以下のようなことを知りたい就活生を対象にしています。
- 貿易業界ってどんな仕事をするの?
- 貿易業界の就活難易度は高いか気になる
- 貿易業界の選考対策
貿易業界に興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
また、貿易以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
貿易業界の就職難易度は難しいといえるでしょう。
根拠として貿易に関する専門的な知識やスキル・資格を身に着けるための下地を求められる点があります。
成果情勢により変動していくため、それに対応可能な地頭の良さを求められます。
しっかり選考対策を行い他の就活生に遅れを取らないようにしましょう。
選考対策として業界理解を深めると同時に、エントリーシートを記載する段階で自己分析をしっかりと行うことと、面接の頻出質問にしっかりと対応できるように練習することです。後ほど具体的な方法を紹介しますので是非最後までお付き合いください。
貿易業界とは?
出典元:貿易業界
貿易業界は、日本と海外の間でモノやサービスを売り買いの取引をする業界です。
ひとくくりに貿易業界といっても多様な業態があります。
例えば、自社や代理店の商品を輸出入するメーカーや商社、自社のもつ輸送手段を活用して貨物を輸送する船・航空会社、輸出入に関する通関業務を担う通関業者などがあります。
貿易業界で働くために必須となる資格は特にありません。
しかし、業種によっては優遇される資格やスキルもあるため事前に調べておくとよいでしょう。
海外企業との取引業務が発生するため、特に英語のスキルがあると有利です。
貿易業界の現状は?
トピック1:日本は3年連続貿易赤字
財務省が発表した2023年の貿易収支は、約9兆円の赤字です。
貿易赤字が最大となった2022年と比べると54.3%縮小しましたが、3年間赤字が続いています。
輸出額は100兆円を超えたものの、エネルギー価格の高騰により輸入額が減ったことが要因です。
参照ページ:
23年貿易赤字は9兆2914億円、過去最大の前年から半減…エネルギー価格の高騰一服
トピック2:産業の空洞化
戦後日本の経済を支えてきた製造業では、安い人件費と高い技術力を確保できるアジアを中心に海外に工場を建設し、現地での生産が増加しています。
特に、急速な円高により価格競争が激しくなる中、製造コストを低く抑える必要性が増しています。
このため、海外への移転により国内の産業が空洞化する現象が起きています。
製造工場の減少により国内での雇用も減少し、日本が持つ高度な技術力を継承する課題が生じています。
参照ページ
貿易業界の未来は?
トピック1:インターネットにより貿易規模は拡大
インターネットの普及により、大手企業だけでなく中小企業は個人でも海外との取引ができる時代になっています。
日本の貿易収支は赤字が続いていますが、貿易の総額としては毎年伸びており、2022年・2023年は200兆を超えています。
参照ページ:財務省貿易統計 年別輸出入総額(確定値)
トピック2:貿易DXの流れ
貿易取引は商品が輸出され、相手側に輸入されるまでに多くの企業が関わるため、紙の書類による手続きが非常に増えています。
これにより業務が煩雑になり、スピードが落ちて非効率になりやすいです。
今後は書類を含めた貿易に関わる実務のデジタル化がより進んでいき、在宅や短時間勤務でも働ける職種が増えていくと考えられるでしょう。
貿易業界の職種
貿易に関する仕事は多様で、求められるスキルや適性も異なります。
ここではそれぞれの仕事内容についてご紹介していきます。
職種内容①:貿易事務
貿易に関する書類の申請や通関の手配など、事務作業を行なう職種です。
一般的な事務と異なり、海外とのやり取りが発生することもあるため、語学力に加えてコミュニケーション能力が必要です。
専門知識も求められるため、証明となる資格を持っていると就職に有利です。
例えば、貿易実務検定・通関士・貿易アドバイザー試験などが関連する資格です。
「貿易 就職」と検索すると貿易事務についての情報が多く出てくることから、貿易業界での就職として一般的な職種と言えるでしょう。
職種内容②:通関業者(通関士)
通関士の仕事は、輸出入に必要な書類の作成や手続きを代行することです。
貿易に関する知識や語学力以外にも、年1回行なわれる通関士試験を通過する必要がありま
す。
合格率は約16%、5人に1人が合格する難易度の高い試験です。
グローバル化が進む日本では通関業者が増加しているため、需要は高まっています。
毎年10月第1日曜が試験日となるので、目指す方は試験に向けて勉強を進めていきましょう。
職種内容③:輸出者・輸入者
実際に輸出や輸入を行う職種を指します。
個人から企業まで様々な規模の事業者が該当します。
メーカーが直接行なうこともありますが、代理店や商社が間に入り間接的に輸出入を行なうケースもあります。
就職先としては、メーカーの輸出入担当や、代理店・商社の営業などが当てはまります。
職種内容④:貿易アドバイザー(コンサルタント)
解説し貿易にまつわる専門的な知識や知見に基づき、輸出入を行なう企業や個人に対してアドバイス(コンサルティング)を行なう専門家です。
商品ごとの特性や企業からの要望に併せて、最適な輸送手段や管理方法、手続きなど幅広い知識が必要です。
職種内容⑤:国際航空貨物取扱士(IATAディプロマ)
空輸での輸出入の際に必要となるスケジュールや書類の作成、運賃の計算など専門知識が必要となる職種です。
日本では航空貨物運送協会(JAFA)が行っているディプロマ試験を通過することで取得できる国際資格です。
職種内容⑥:国際物流管理士
国際物流の専門的な知識やスキルを有していることを証明できる資格が「国際物流管理士」です。
公益社団法人 日本ロジスティクスシステム協会が行なっている「国際物流管理士資格認定講座」を受講し、一定の要件を満たすことで資格を取得できます。
職種内容⑦:税関
関税などの手続きや、禁止されている品目の取り締まりを行なう公的機関が税関です。
国家公務員であるため、国家公務員一般試験を受験し、合格後に各地の税関にて採用試験を通過する必要があります。
職種内容⑧:各種検疫所
輸送や管理に関して、法令が細かく定められている品目に対して税関でチェックを受ける際に、別途検疫所でも取り締まりが行なわれます。
食品であれば厚生労働省、植物や果物であれば農林水産省の検疫所が担当となり、専門的な知見から細かい審査を実施します。
職種内容⑨:フォワーダー(船会社)
商品を輸送したい企業と運送会社の間で、最適な輸送ルートや手段をコーディネートするのがフォワーダーの仕事です。
専門的な知識を必要とし、第三者的に公正な判断をする存在です。
職種内容⑩:検量人
検量人は、輸出入される貨物の重量や数をチェックする職種となります。
不正や不備を取り締まる役割のため、非常に重要な仕事と言えるでしょう。
職種内容⑪:ドレ―会社
ドレ―会社は、輸出入の際に、商品を積んだコンテナを陸上輸送する業者です。
国内の倉庫や工場までの長い距離を輸送することも多いため、特殊な車を運転するスキルが必要です。
参照ページ:
貿易業界の市場規模・推移
2022年における日本貿易総額は約217兆円であり、2023年も速報値で約209兆円と日本の国家予算約110兆円を大きく上回る金額となっています。
2021年から2022年の間だけでも29%増となっており、市場規模は直近数年でも大きく伸びている業界です。
日本は島国であり、世界でも有数の貿易大国であります。
戦後から復活するために培ってきた工業製品をつくる高い技術力を活かしながら、製造に必要な原料や資源を海外から輸入し、逆に輸出できる高性能な製品づくりを行っています。
これからもグローバリゼーションは広がり、輸出入の需要は高まっていくため、今後も貿易総額は伸びていくでしょう。
参照ページ
貿易業界の売上高ランキング
貿易業界の中で売上高が大きい企業は総合商社が占めていることから、上記のグラフは総合商社の売上高ランキングを掲載しています。
各社の事業内容や取り扱っている商材・サービスは異なります。
そのため、選考に進む前には各会社の事業内容を調べることが必要です。
貿易業界には総合商社以外の企業も多く含まれるため、貿易業界に進みたいなら違いをよく知り、熟考した上で結論を出しましょう。
参照ページ
貿易業界の大手企業紹介
売上高ランキング上位5つの会社をご紹介します。
- 三菱商事
- 三井物産
- 伊藤忠商事
- 豊田通商
- 丸紅
企業①三菱商事
出典元:会社概要 | 三菱商事
三菱商事は、三菱グループという潤沢な資金力を基盤とした事業展開を行なう総合力の高い会社です。
貿易の対象としては、天然ガスや金属などの自然資源分野での利益が高いです。
また、昨今では未だ紙をベースとしたコミュニケーションが多く業務効率の低い実務作業をDX化することに注力しています。
企業②三井物産
出典元:三井物産
三井物産は、三井グループ傘下の総合商社で、鉄鉱石・原油の生産権益量が商社の中でトップクラスです。
国内外併せて65か国に拠点を持っており、インフラや食料・勤続などの分野で事業展開をしています。
強みである「資源分野」は価格変動リスクが高く、世界情勢をダイレクトに受けるため、反対に弱みにもなります。
そのため、安定しやすい消費財や医療・ヘルスケアへの投資も積極的に行っています。
参照ページ:【企業分析】三井物産
企業③伊藤忠商事
出典元:伊藤忠商事株式会社
伊藤忠商事は、貿易関連では食料や生活資材、情報通信、保険、金融といった「非資源分野」に強みを持っており、景気に左右されにくい安定的な収益基盤を構築しています。
また、「遷移の伊藤忠」と呼ばれるほど繊維業に強みを持っており、2021年には米国サーマルウェアブランド「STANLEY(スタンレー)」の独占輸入販売権を取得するなど、多数のブランド提携もしています。
企業④豊田通商
出典元:豊田通商株式会社
豊田通商はトヨタグループの総合商社であり、自動車関連事業を行なう商社でナンバーワンとなっています。
関連商材である金属やロジスティクスが強みです。
海外では特にアフリカへの事業展開に注力しており、インフラ整備やヘルスケアなどを行っています。
企業⑤丸紅
出典元:丸紅株式会社
丸紅は、全世界67カ国、132に拠点をもつ大規模な総合商社です。
事業としては穀物から不動産までを取り扱う生活産業グループが最も収益があり、全体の26%相当を占めています。
中でも穀物事業が大きな割合となっており、総合商社の中でも最大クラスです。
参照ページ:【丸紅 企業研究】特徴と選考対策まとめ
貿易業界で働くメリット
貿易業界で働くと、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは代表的な2つのメリットについて確認してみます。
メリット①高い年収が期待できる
貿易業界は国内だけでなく、海外も含めた世界情勢により変動していくため、常に新しい情報のキャッチアップやスキルを身につける必要があります。
常に勉強しなければいけない大変さはありますが、その分スキルアップの機会が多いでしょう。
成長意欲の高い人にとっては、高い年収を狙える魅力的な業界です。
スキルが自然と身についていくことから、転職市場においても優位になるでしょう。
特に英語に関する資格やスキルはグローバルな業界では需要が高いため、転職を叶えやすいです。
メリット②伸びている業界で働ける
上述したように、日本の貿易総額は年々増加しており、伸び率も大きいです。
島国である日本が輸出入をしなくなることは考えにくいため、将来にわたって続いていく業界と言えるでしょう。
市場規模は世界情勢により変動はありますが、業界全体で見ると安定性があります。
参照ページ:貿易業界の業界研究
貿易業界で働くデメリット
貿易業界で働くことはメリットだけではありません。
職業柄求められる専門知識やスキルが高いため、会社や職種との相性も見極める必要があります。
メリットだけで決めるのではなく、自分の適性も確認した上で進むべきか判断しましょう。
貿易業界で働くデメリットには下記のようなものがあります。
デメリット①専門知識やスキルが必要
貿易業界は、英語はもちろん専門的な知識が必須です。
また、数多くの規制や法令に則って業務を行わなければなりません。
代表的なものだけでも、関税法や外為法、輸出貿易管理令や輸出入取引法などがあります。こうした法令は、永続的なものでなく途中で改正されることも多いです。
最新の法令情報はまとまっていないことも多いため、自分で探さなければいけない場合もあります。
常に新しい情報に追いついていくのが苦手な方にとっては、大きなデメリットとなるでしょう。
デメリット②勤務時間が不定期になる
貿易業界では必ず海外企業とのやりとりが出てきます。
そのため勤務時間は不定期になりやすいでしょう。
相手企業との時差により、早朝出勤や定時後にコミュニケーションが発生することが多々あります。
例えばアメリカ企業とやりとりする場合には、時差によって昼夜が逆転することになり、早朝や深夜に対応する時も出てくるでしょう。
残業につながりやすく、定時に帰宅できない場合があります。
参考:貿易業界の業界研究
貿易業界への就活を成功させるためには
貿易業界での就職活動を成功させるためには、以下の3つを意識することが大切です。
1、資格を取得してスキルを見える化する
貿易業界では、必須となる資格や優遇されやすいスキルがあるため、自身が活躍できる理由を客観的にイメージしてもらう必要があります。
海外企業とのやりとりが多いため、英語や中国語などのビジネスレベルの高い語学力が求められます。
TOEICなどの点数が高い場合は、履歴書に記載をすると有利になるでしょう。
学生時代に貿易実務検定や通関士の資格を取得しておけば、志望度の高さや熱意を示すことができるでしょう。
2、留学などの海外経験を活かす
語学力という観点では、海外経験や留学実績は魅力的です。
滞在期間だけでなく、現地での経験を交えて志望理由をお伝えすることで、採用担当者により強い印象を残せるでしょう。
語学力に加えて、海外独特のマナーや価値観への理解度も伝えることができれば、入社後円滑なコミュニケーションがとれることをアピールできます。
3、資格の要らない職種を目指す
貿易事務など資格がなくても就ける職種もあります。
就職活動までに資格やスキルを取得できない場合は、資格不要の職種を中心に探してみましょう。
上記以外にも、就活に関する基本的なことは業界関係なく対策が重要です。
エントリーシートのブラッシュアップや面接対策は必ず事前に準備をしていきましょう。
その上で、志望動機を作る上で大切なポイントが4つあります。
それぞれの特徴と貿易業界でよくある志望動機を見ていきましょう。
なぜ貿易業界なのか
- なぜ数ある中から貿易業界なのか
- それは他の業界ではできないのか
なぜその企業なのか
- 数ある中でなぜその会社を選んだのか
- それは競合他社では達成できないことなのか
なぜその職種なのか
- なぜその職種を応募したのか
- 果たして他の職種や全く関係ない業務でそれは達成できないか
以上の3つが自分のやりたいことや方向性とどうマッチするのか
- まず以上の3つ内容に相違はないか、論理的に破綻していないか
- そのうえで、自分が将来目指したいことや達成したいことにマッチするか
エントリーシート・面接頻出質問と回答例をご紹介
- なぜこの業界を志望しているのですか?
「貿易業界を志望する理由は、大学自体の海外経験から、英語を活かした仕事に従事したいと考えているからです。
私は1年間の留学経験の中で、言葉の壁や慣習の違いに悩みました。
しかし、現地の方が間に入ってくださり、クッション材のように助けてくださることも多くありました。
日本は島国であり、貿易は必ず必要なものとなっています。
現地で助けてくださった方のように、海外と日本とのクッションとして、国際的な取引をよりスムーズかつ飛躍させていく一助になりたいと考えています。」
- なぜ弊社にご応募いただいたのですか?
「貴社のカルチャーとして、誰でもプロジェクトの責任者になるチャンスがあると伺ったからです。
学生時代、まとめ役を担うことが多く、○○部でも主将を勤めてまいりました。
積極的な行動によって周囲から頼りにされたり、感謝されたりすることも自身の存在意義として大切にしています。
入社後はこの豊富な実務経験と学んだ知識を活かし、貴社のチームにおいて即戦力として貢献します。」
このように、自分のやりたいことや将来像と現在のギャップを埋めるために貴社を志望するというロジックも一つの方法です。
また、他にも具体的な面接対策を紹介している記事などがありますので、是非合わせて読んでみてください。
まとめ
本記事では貿易業界について解説しました。
貿易業界は今後も伸びていく可能性が高く、高い年収ややりがいに繋がる業界です。
求められる資格や専門知識・スキルが高い分、転職時のキャリアアップにも有利になるため、気になっている方は実際の会社の説明会などに参加していきましょう。