【業界研究】SaaS業界の大手企業・職種・向いている人を徹底解説

はじめに

今回は、SaaS業界について基本概要から業務内容、就活に役立つ情報をご紹介します。

就活を成功させるためにも、業界研究は非常に重要です。

業界独自の業務や特徴を知っていなければ、入社後にギャップを感じて早期退職につながる可能性があります。

「SaaS業界ってどんな仕事をするの？」「SaaS業界の選考対策が知りたい」という人は、ぜひ最後までご覧ください。

また、SaaS以外の業界については、以下の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。

【業界研究ガイド】業界一覧 | 就活ハンドブック

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この記事の結論

SaaS業界の就職難易度は高いと言えます。

SaaS業界の選考対策として業界理解を深めることが重要です。

また、エントリーシートを記入する際には自己分析を行い、面接では頻出質問にしっかりと答えられるように準備してください。

SaaS業界の選考に挑む場合は、選考対策をしっかり行い、他の就活生と競争力を保ちましょう。

後ほど具体的な方法を紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

SaaS業界とは

SaaS業界とは、Software as a Service（ソフトウェア・アズ・ア・サービス）を提供する企業で構成される業界です。

SaaS（サース/サーズ）はインターネット経由で利用できるクラウド型のソフトウェアサービスであり、従来のソフトウェア販売とは異なり、サブスクリプションモデルで提供されます。

SaaSの具体的な特徴は、インターネット経由で利用できるため、インストールやアップデートの手間が不要なことです。

買い切りではなく、月額制や年額制などのサブスクリプションモデルで利用できます。

スマートフォンの普及が広まった現代では、多くの人が利用していることも特徴です。

SaaS業界とIT業界の違いが知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。

IT業界とは？分類5つと業界動向、職種、向いている人 | 就活ハンドブック

【業界研究】IT業界について徹底解説！特徴や向き不向きは？ | 就活ハンドブック

SaaS業界に将来性がある理由

SaaS業界に将来性がある理由は市場規模の拡大です。

DX化やテレワークの普及・働き方の多様化・生産性向上や業務効率化への需要の高まりにより、SaaS市場は今後も高い成長率を維持すると予想されています。

市場拡大に伴い、SaaS企業間の競争も激化していくでしょう。

生き残るためには、差別化された製品・サービスの提供や顧客満足度の向上、効率的なマーケティング・営業活動などが重要になります。

今後、さらに人工知能 (AI) や機械学習 (ML) などの技術を活用した製品開発に取り組むことで、顧客の課題をより効果的に解決できるようになるといわれています。

SaaS業界の市場規模・推移

SaaS業界は、近年最も急成長しているテクノロジー分野の一つです。

従来のソフトウェア販売モデルとは異なり、SaaS（Software as a Service）はサブスクリプションモデルで提供され、企業にとって初期投資を抑えられ、必要な機能だけを必要な期間だけ利用できるという利点があります。

SaaS業界の時価総額については、コロナバブル終焉後は安定し、2020年3月前の水準に戻っています。

上場SaaS企業の時価総額合計は3.2兆円です。

PSRも安定しており、全体平均は5.1倍、上位25%は9.0倍です。

SaaS x AIの組み合わせによる技術革新が期待されつつも、市場全体のトレンドにはまだ影響を与えていません。

売上規模も評価されるようになり、成長率＋利益率だけでなく、売上・ARR規模も市場評価の重要な要素となっています。

SaaS業界の年平均成長率（CAGR）は約18.83%で、2021年の世界のSaaS市場規模は約1,440億米ドルです。
2030年には約7,031億米ドルに達すると予想されています。

SaaS業界の売上高ランキング

SaaS業界に属する企業の売上高ランキングは、上記のグラフ通りです。

上記企業は、同じSaaS業界でもそれぞれ事業内容や戦略が異なります。

SaaS業界で活躍したいと考えている学生は、企業ごとの方向性や事業内容を把握することが重要です。

業界分析は、企業が自社の置かれている業界環境を理解し、適切な戦略を策定するために不可欠な活動です。

しかし就職活動においては、企業分析も非常に重要となります。

SaaS業界での立ち位置や将来性をしっかり分析して、就職活動に挑みましょう。

SaaS業界の大手企業一覧

ここでは、SaaS業界の大手企業を国内・国外に分けて紹介します。

次の項目では、国内売上高ランキング上位5社について解説していきます。

企業①エス・エム・エス

出典：SMS公式

エス・エム・エスの主なサービスは以下のとおりです。

エス・エム・エスは、クラウド会計ソフト「freee」のリーディングカンパニーを提供しています。

中小企業向けSaaSソリューションに強い企業です。

M&Aによる積極的な事業拡大を図っています。

企業②オービックビジネスコンサルタント

出典：オービックビジネスコンサルタント

オービックビジネスコンサルタントの主なサービスは、以下のとおりです。

オービックビジネスコンサルタントは、中堅・中小企業向けSaaSソリューションのリーディングカンパニーです。

また、業界特化型ソリューションも提供しています。

オービックビジネスコンサルタントの強みは、豊富な導入実績とコンサルティングノウハウです。

企業③ラクス

出典：ラクス

ラクスの主なサービスは以下の通りです。

ラクスは、名刺管理サービス「Sansan」を提供する会社と業務提携を結んでいます。

近年では、AIを活用した営業支援ソリューションや経営者向けコミュニティ「Eight」など、多角的な事業展開を行っています。

企業④Sansan

出典：Sansan

Sansanの主なサービスは以下の通りです。

Sansanは名刺管理サービス「Sansan」で知られる、日本のSaaS企業です。

2007年の設立以来、着実に成長を続け、現在では名刺管理市場において圧倒的なシェアを誇っています。

企業⑤サイボウズ

出典：サイボウズ

サイボウズの主なサービスは以下の通りです。

サイボウズは、グループウェア「Cybozu」で知られる日本のSaaS企業です。

1997年の設立以来、着実に成長を続け、現在ではグループウェア市場において高いシェアを誇っています。

SaaS業界の8つの職種と向いている人

ここでは、SaaS業界の8つの職種と向いている人を紹介します。

職種内容①：ソフトウェアエンジニア/開発者

SaaS企業での仕事内容1つ目は、ソフトウェアエンジニア/開発者です。

SaaS製品の開発やメンテナンスを担当します。

彼らはソフトウェアの設計・コーディング・テスト・デバッグなどの作業を行う職種です。

職種内容②：プロダクトマネジャー

SaaS企業での仕事内容の2つ目は、プロダクトマネジャーです。

SaaS製品の開発やリリースに関する戦略的な計画を策定し、プロダクトの方向性を決定します。

顧客のニーズを理解し、製品の改善や新機能の開発を指揮します。

職種内容③：セールス/ビジネスデベロッパー

SaaS企業での仕事内容の3つ目は、セールス/ビジネスデベロッパーです。

SaaS製品やサービスの販売や顧客獲得に取り組みます。

顧客との関係構築や営業戦略の立案、営業活動の調整を行います。

職種内容④：カスタマーサクセスマネジャー

SaaS企業での仕事内容の4つ目は、カスタマーサクセスマネジャーです。

顧客との関係を維持し、顧客満足度を向上させることに焦点を当てます。

顧客のニーズを理解し、トレーニングやサポートを提供し、問題解決に対応します。

職種内容⑤：マーケティングスペシャリスト

SaaS企業での仕事内容の5つ目は、マーケティングスペシャリストです。

マーケティングキャンペーンやプロモーションの計画、デジタルマーケティング戦略の実行などを担当します。

製品のブランディングや市場調査も行います。

職種内容⑥：データサイエンティスト/アナリスト

SaaS企業での仕事内容の6つ目は、データサイエンティスト/アナリストです。

データの解析や洞察を提供し、製品の改善やビジネス戦略の策定を支援します。

大量のデータを分析し、有益な情報を抽出します。

職種内容⑦：カスタマーサポート/テクニカルサポートエンジニア

SaaS企業での仕事内容の7つ目は、カスタマーサポート/テクニカルサポートエンジニアです。

顧客からの問い合わせやサポートリクエストに対応し、技術的な支援やトラブルシューティングを行います。

顧客の問題を迅速かつ効果的に解決する職業です。

職種内容⑧：セキュリティエンジニア/アナリスト

SaaS企業での仕事内容の8つ目は、セキュリティエンジニア/アナリストです。

セキュリティ対策や脆弱性の管理、セキュリティインシデントの対応などを担当します。

システムやデータの保護を確保し、セキュリティポリシーの実施を支援します。

SaaS業界への就活を成功させる5つのポイント

SaaS業界は近年急成長している分野であり、多くの魅力的な職場環境を提供しています。しかし競争が激しいという側面もあり、成功するためには明確な戦略と準備が必要です。

ここでは、SaaS業界への就活を成功させる5つのポイントを紹介します。

SaaS業界を選択する理由を明確にする

SaaS業界を選択する理由を以下のように明確化しましょう。

• 他の業界と比較したSaaS業界の魅力
• SaaS業界でなければ実現できない目標

なぜその企業なのかはっきりさせる

なぜその企業を志望するのかを以下の点に沿って導きだしてください。

• 競合他社との比較による企業選択の理由
• その企業でしか達成できない目標

なぜその職種なのか明確にする

なぜその職種を選択するのか、以下の点にあわせて明確化しましょう。

• 8つの職種におけるそれぞれの役割と特徴
• その職種でしか達成できない目標

自己実現との結びつきを考える

次は、自己実現との結びつきです。

• まず以上の3つ内容に相違はないか、論理的に破綻していないか
• SaaS業界、企業、職種の選択が、将来の目標とどのように繋がるのか

エントリーシート・面接頻出質問を把握する

SaaS業界の選考で、エントリーシートや面接にて頻出する質問を紹介します。

志望動機

• 質問: SaaS業界に興味を持ったきっかけは何ですか？

• 回答: 大学時代、SaaS企業のインターンシップで営業を経験しました。お客様の課題を解決し、業務効率化に貢献することで、大きな喜びを感じました。その経験から、SaaS業界で自分の力を活かしたいと考えるようになりました。

自己PR

• 質問: SaaS業界で活かせるあなたの強みは何ですか？

• 回答: 私の強みは、課題解決能力とコミュニケーション能力です。前職では、お客様の課題を丁寧にヒアリングし、最適なソリューションを提案することで、成約率向上に貢献しました。貴社でもこの強みを活かして、お客様の課題解決に貢献したいと考えています。

学生時代力を入れたこと（ガクチカ）

• 質問: 学生時代に力を入れたことは何ですか？

• 回答: 学生時代は、プログラミングサークルに所属していました。チームで課題解決に取り組む中で、コミュニケーション能力や問題解決能力を磨きました。これらの経験は、SaaS企業で働く上で活かせると考えています。

業界について

• 質問: SaaS業界特有の課題について、どのように考えていますか？

• 回答: SaaS業界は、競争が激しいという課題があります。そのため、常に新しい技術やサービスを提供し続けることが重要です。貴社は、〇〇という強みがあるため、競争を勝ち抜くことができると考えています。

SaaS業界の選考では、最新動向について理解しているか・業界用語を理解しているか・SaaS製品について詳しく説明できるかなども見られる可能性があります。

そのため、業界分析や企業分析を怠らずに行うようにしましょう。

また、面接対策は以下のページも参考にしてください。

【面接対策】就活で押さえたい時事問題の出題傾向と対策方法とは | 就活ハンドブック

SaaS業界の採用・内定獲得を目指すならジョーカツ・スタキャリに相談

SaaS業界からの採用・内定獲得を目指すなら、ジョーカツやスタキャリへご相談ください。

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SaaS業界で働くメリット

SaaS業界は、近年最も急成長しているテクノロジー分野の一つですが、働くうえではいくつかのデメリットも存在します。

競争が激しい

SaaS業界は、近年最も急成長しているテクノロジー分野の一つであり、多くの企業が参入しています。
その結果、市場競争は非常に激化しており、生き残るためには常に新しい技術やサービスに目を向け、自身のスキルアップを怠らないことが求められます。

また、SaaS業界で働くためには、最新情報収集が非常に重要です。
業界誌やニュースサイト・ブログなどを読み、最新の情報収集を怠らない意識が求められます。さらに、セミナーなどに積極的に参加し、業界関係者との交流を通じて最新情報をキャッチする必要があります。

裁量権が大きいため、責任も大きい

SaaS企業は、ベンチャー企業である場合が多いことから、従業員に与えられる裁量権は非常に大きいでしょう。
個々の能力や判断がダイレクトに仕事に反映されるため、大きな成長機会となる一方で、大きな責任を伴うことを意味します。

自身の判断が結果に直結するため、常にプレッシャーを感じやすいことや、意思決定の責任が重いといった点がデメリットとして挙げられます。

誤った判断は、企業に大きな損害を与える可能性があるのです。

裁量の多さから長時間労働になる場合もあるでしょう。

自身の能力や責任感と照らし合わせ、しっかりと準備をした上でSaaS業界でのキャリアを築いていくことが重要です。

SaaS業界の現状

SaaS業界の現状がどのように変化しているのか、ここで改めて確認してください。

SaaS業界はサブスクが主流になりつつある

従来のライセンスモデルに代わり、SaaS企業が採用しているサブスクリプションモデルは、顧客と企業の双方にとって大きな利点をもたらしています。

顧客にとっての利点は、必要な機能やサービスに基づいて支払えることや、契約期間やプランの変更、追加機能の利用などに応じて、支払いを柔軟に調整できることです。

長期的な契約に縛られることなく、サービスを試用したり、必要に応じて解約したりするため、需要が高まっているモデルです。

企業にとっても収益の安定化や顧客関係の強化、データ分析などに役立っています。

サブスクリプションモデルの普及によって、SaaS市場は急速に拡大しています。

多くの企業がサブスクリプションモデルを採用しているため、SaaS市場における競争は激化しているのです。

サブスクリプションモデルはSaaS業界の成長を促進し、顧客と企業の双方にとってメリットをもたらす重要なトレンドです。

今後サブスクリプションモデルはさらに進化し、SaaS業界だけでなく、さまざまな業界で広く採用されることが予想されます。

特定の業界で使えるSaaSも台頭しつつある

垂直型SaaSは、特定の業界や市場セグメントに特化したSaaS製品です。

従来の水平型SaaSとは異なり、業界特有のニーズや課題を理解し、業務プロセスを効率化し、問題を解決するために開発されています。

垂直型SaaSの台頭は、SaaS業界における重要なトレンドの一つであり、医療・不動産・小売・教育・農業などの業界は、デジタル化やテクノロジーの導入に積極的に取り組んでいます。

垂直型SaaSは、特定の業界向けに開発されているため、業界ごとのニーズに合わせた、より高度なカスタマイズ性を実現できるでしょう。

業界特化型のソリューションは一般的なSaaS製品よりも深い理解と専門知識を持つため、競合他社よりも優位性を持てるのです。

顧客満足度の向上や競争力の強化につながります。

今後、垂直型SaaSはさらに進化し、より多くの業界で採用されることが予想されるでしょう。

SaaS業界の財務データを見るならFinboard

Finboardは、多くの上場企業の財務情報や株価データを一気にチェックするためのツールです。
株式投資から事業企画まで利用できるFinboardのデータをチェックしてみてください。

SaaS業界の課題

SaaS業界の課題として、セキュリティとプライバシーが挙げられます。

セキュリティの課題

SaaS企業が取り組むべきセキュリティ対策は、強力な暗号化技術の導入・アクセス管理システムの導入・セキュリティインシデント対応の強化などです。

データの保護とセキュリティに関する懸念が高まる中、SaaS企業は顧客の信頼を獲得するために積極的な対策を講じています。

定期的なセキュリティアップデートの提供も求められるでしょう。

プライバシーの課題

プライバシーの面では、個人データの適切な取り扱い・法的規制への準拠・GDPRやCCPAなどのプライバシー法令への遵守などが重要です。

高度なセキュリティソリューションやプライバシー保護技術の開発、AIや機械学習を活用した挙動分析や侵入検知システムの強化などが求められています。

SaaS業界は、セキュリティとプライバシーを最優先事項として取り組むことで、顧客の信頼を獲得し、持続的な成長を実現するでしょう。

さいごに

本記事ではSaaS業界について解説しました。

SaaS業界は情報の信頼性を確保する非常に重要な業務を行なっています。

市場規模のあるSaaS業界は今後さらに成長していくでしょう。

業界分析を行い、志望している企業の立ち位置を理解することで、面接でより深みのある回答ができるでしょう。

気になっている方は実際の会社の説明会などに参加することをおすすめします。

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