適性検査「NMAT」とは?管理職になるための対策と出題範囲について解説
2024年8月18日更新
はじめに
適性検査を診断するNMATとは、リクルート社が提供している「管理者の適性を測定する試験」です。
4つの管理職に対し、3分野の出題によって管理職の適性を知ることができます。
新卒で働き出した後、キャリアパスを目指すときには、企業によってこのNMAT試験を採用している場合があり、受験するときは事前の対策が必須です。
この記事では、NMAT試験について、対象となる管理職の種類や出題範囲、受験における対策などについて詳しく解説します。
キャリアパスへの研修が構築されている企業の場合、新卒社員であっても、入社後にNMATの試験を実施される可能性があるので、就活生もぜひ参考にしておいてください。
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NMATとは?
管理職の適性を診断する方法の1つにNMATがあり、4つのタイプの管理職に対する適性診断が可能となっています。
組織管理、企画開発、実務推進、想像革新の管理職タイプに分かれて適性を表す試験です。
試験の結果は、社員一人ひとりに対して受験者の報告書が返却されるという大きな特徴もあります。
組織管理では、「組織のリーダー管理職への思考」と「組織のマネジメントに対する思考」から適性が判断されることになります。
企画開発では、専門的な知識や技術、新たな企画開発、提案をする思考が対象です。
特定の分野についての実務を積み、スペシャリストを目指す思考からは実務推進、臨機応変な対応や考え、新たな事業を創造する思考からは創造革新の適性が判断される仕組みとなっています。
このNMATの診断結果をもとに人事采配をおこなう企業も増えてきており、受験する場合は事前に対策をしておくことが重要となるのです。
もちろん、NMAT試験の結果だけがすべてではありませんが、管理職への適性を確認する試験でもあるため、試験内容をしっかり理解しておくようにしてください。
NMATの出題範囲
NMATの出題範囲は言語能力、非言語能力、性格思考の3分野があります。
NMAT試験の対策を考えるとき、それぞれの分野で出題される傾向を理解し、対策ておくことが大切となるのです。
ここでは、NMATで出題される3分野についてそれぞれ詳しく解説するので、ぜひ対策するうえで参考にしておいてください。
出題傾向を知れば、対策もしやすくなり、本来の適性を試験で発揮できることに繋がるため、適性判断だけだからと考えて、手を抜くことのないようにしておいてくださいね。
概念的理解編
能力検査の1つである言語能力の分野では、概念的理解を図る試験となります。
出題傾向としては、比較的長い抽象的な文章をもとに質問に答える試験形式となっています。
集中力や理解力が試される試験ですので、特に長い文章の理解力と判断力が必要です。
たとえば、文章を読んだあと他人に伝えるとき、どのような文章構造で伝えれば明確に伝わるのか、文章で知り得た内容を理解して正確に伝えられるかという点で評価されることになります。
言語能力における概念的理解における所要時間としては、ペーパーテスティングで35分、ウェブテスティングでは25分と短い時間になっており、時間配分に注意が必要だと言えるでしょう。
論理的思考編
能力検査の1つである非言語能力の分野では、論理的思考力を測る試験となります。
主に、算数や数学に関する基本的な問題となっていますが、解答スピードや処理能力をどれくらい持っているかが求められる問題となっているのです。
判断力や理解力とともに、正確さも求められる試験となるため、計算等的確に回答できるようにしておきましょう。
非言語能力に対する所要時間は、ペーパーテスティングで35分、ウェブテスティングでは25分となっています。
性格・指向検査編
性格・志向検査では、文字通りの性格診断となっています。
そのため、性格思考の試験対策には明確なものがありませんが、問題数に対してできるだけ多く回答できるよう、問題の理解と判断に対するスピード感を持って問題に回答しなければなりません。
性格・志向検査では特に問題数が多く、所要時間はペーパーテスティングが40分、ウェブテスティングでは25分となっています。
問題数に対して所要時間が短い傾向にあるため、文章の読み取りと回答速度を早められるよう意識しておかなければなりません。
NMATで高得点を目指すための対策方法
NMAT試験で高得点を目指すためには、3つの対策をしておくことが大切です。
NMAT試験の対策では、過去問題が公開されているので、過去問題をもとに反復練習をおこない、問題に慣れつつ回答スピードを上げていく練習が必要となります。
ここでは、NMATで高得点を目指すための対策方法3つを詳しく解説するので、ぜひNMAT試験の対策に役立ててください。
過去問で反復練習する
対策の1つめとしては、NMAT試験の過去問題集や対策本などを使って、事前に反復練習をおこなうことです。
特に、適性検査では出題のバリエーションが非常に多く、問題に対する回答時間が非常に短いという特徴があります。
また、言語能力や非言語能力の検査では、対策本と似た問題が多く出題される傾向があり、過去問題と合わせて対策本を利用し、出題傾向を知ることがおすすめです。
NMATの対策をするときには、過去問題や対策本を使って問題を解くことが重要だと考えられており、NMAT試験への問題集は数多く販売されています。
NMAT試験を受けるときには、できる限り複数の問題集を解いておくようにしましょう。
論理的思考編から対策する
能力検査の1つである論理的思考の非言語力に対する試験は、中学生レベルの基礎知識が中心となります。
NMAT試験の対策をするときは、まずこの分野から対策することがおすすめです。
論理的思考の分野では、他の分野に比べて難易度が高い傾向があり、制限時間も短いことから、論理的思考の分野で躓いてしまう可能性があります。
たとえば、以下のような問題形式があり、しっかり読み解ける理解力と問題への慣れが必要となるのです。
- 集合や図表の読み取り
- フローチャート
- 工程表
与えられた条件からパターンを推測したり、追加で必要となる条件を検討したりする問題が比較的多い傾向にあります。
これらの問題は、何度も繰り返して出題傾向を探っておくことが重要であると考えられるのです。
前述における過去問の反復練習と重複する点でもありますが、回答スピードを早めるうえでも、早くから対策しておくことが大切だと言えるでしょう。
無料のNM AT模擬試験を利用する
NMAT試験には、無料で練習できる模擬試験も公開されています。
無料のため問題数は少なく短時間の問題となっていますが、出題傾向を知りたいときには参考になるのでおすすめです。
無料のNMAT模擬試験では、問題数は5問、制限時間が5分となっています。
回答中に時間を戻すことはできず、制限時間になると自動的に終了するため、回答スピードを上げるという点でも、役にたつ無料の模擬試験だと言えるでしょう。
また、NMAT試験はSPI試験とも似通っている点があり、必ずしもNMATの練習問題に執着する必要はありません。
SPI試験に対する無料の模擬試験は多数公開されているので、NMAT試験とSPI試験、それぞれにおける問題を解くことで、NMAT試験における回答スピードも早めることができるでしょう。
とはいえ、NMAT試験の対策では、やはり過去問の反復練習も必須になると言えるため、有料にはなりますが、NMAT試験の青本を購入するなど、しっかり対策を行っておくこともおすすめです。
青本は、NMAT試験の対策において1番難しいと言われている問題集であるため、青本をスムーズに解くことができるようになれば、しっかりとしたNMAT試験対策ができていると考えられます。
また、NMAT試験の対策で大切なことは、挫折をしないことです。
難易度の低い問題から練習し、少しずつ難易度を上げるなど、自分で解ける問題数を増やしていき、自信を持って受験できるようにしておきましょう。
NMATの出題範囲と例題
ここでは、NMAT試験の出題範囲や例題をご紹介します。
概念的理解と論理的思考の出題範囲、さらに性格・志向検査の出題傾向について、それぞれ例題も紹介しているので、ぜひNMAT試験の対策において参考にしてください。
なお、ここで紹介する例題などは、一般的な出題範囲であり、回答できたからといってNMAT試験対策ができているわけではありません。
NMAT試験の対策では、過去問題を繰り返し解くことが重要です。
そのため、ここで紹介する例題は、これからはじめてNMAT試験の対策をする人の参考として考えておいてください。
概念的理解の出題範囲と例題
概念的理解のテストでは、文献や資料を読み、そこで得た情報を他者に伝えるには、どのような文章なら明確に伝えることができるかなど、文章の構成や趣旨を正確に理解する力を測定しています。
出題傾向としては、以下の2つのポイントが中心であると考えられます。
- 長文を読んで、論旨を汲み取る取る
- 文書の流れを理解して、適切な表現を選択する
概念的理解の例題には、以下のようなものがあるのでご紹介しておきます。
例題:( )の中に当てはまるアルファベットを入れてください。
日本では、性能だけでなく、その()も電化製品に対して求めようとする人が多い。しかし、海外では性能こそが全てである。
A:普遍性
B:信憑性
C:利便性
D:安定性
E:神秘性
上記の中から適切な回答となるのは、「Cの利便性」です。
一般的に考えると当たり前の回答ですが、文章を解読する力が不足していると、Dの安定性を選んでしまう可能性もあるので、注意しておきましょう。
論理的思考の出題範囲と例題
論理的思考のテストでは、2つの問題形式が中心である特徴があります
- 与えられた条件からパターンを推測する
- 追加で必要な条件を検討する
これらの特徴から、よくある例題をご紹介します。
例題:50人のクラスでアンケートを取った時、象が好きだと回答したのは35人。キリンが好きだと回答したのは23人。象もキリンも好きだと回答したのは14人の時、象もキリンも好きではないと回答した人は何人ですか?
正解は6人ですが、すぐに回答できたでしょうか。
図に書いてみると、わかりやすいですが、あえて計算式にすると以下のようになります。
50人 −( 35人 +23人)- 14人 = 6人 |
この問題は、パターンをしっかり覚えておき、わざわざ計算式を書かなくても図で理解することを覚えておけば、回答スピードを縮めることが可能です。
また、中には問題の意図が分かりにくい問題もあるため、あわせてご紹介します。
例題:ある製造工程はAからFの6つの作業で成り立っています。それぞれの作業には、以下の条件があります。
- 作業Aに取り掛かる前に作業は終わっている
- 作業Bに取り掛かる前に作業が終わっている
- 作業に取り掛かる前に作業。Bが終わっている
- 作業Bに取り掛かる前に作業。A Aが終わっている
それぞれの作業日程は、以下の通りです
作業A | 作業B | 作業C | 作業D | 作業E | 作業F |
5日 | 4日 | 6日 | 5日 | 6日 | 3日 |
すべての作業が終了する。最短日数は何日でしょうか?
上記問題に対する答えは「21日」です。
こちらも図にするとわかりやすくなります。
横軸に作業日数縦軸に、それぞれの作業を並べていくと、以下のような図になります。
このような問題では、問題文の条件に注意することが大切です。
性格・志向検査の出題傾向と例題
性格の検査では、どちらの傾向がどれだけ強いか、もしくは、どちらの傾向がどれだけ弱いかということを問う出題傾向があります。
志向検査では、様々な職務に対してどの程度やりたいと思っているかということを問う特徴があるのです。
つまり、性格・志向検査では、「対人関係面」と「課題、解決面」の2つの側面から測定していると言えるのです。
ここで、性格検査の例題を2つ紹介しますので、対策に役立ててください。
例題①:あなたの日常にどの程度当てはまりますか?
すぐに行動する方だ
深く計画を立てる方だ
以下に該当するものを答えてください。
Aに近い
どちらかと言えば、Aに近い
どちらかと言えば、Bに近い
Bに近い
例題②:あなたの日常にどの程度当てはまりますか?
1人で結果を出すことが得意だ
チームで結果を出すことが得意だ
以下に該当するものを答えてください。
Aに近い
どちらかと言えば、Aに近い
どちらかと言えば、Bに近い
Bに近い
これらの問題では、どのような立場で組織に貢献をしようとしているのかという、意思決定が問われています。
一方、思考検査の問題では、以下のようなものがあるので2つご紹介します。
例題①:努力することが得意だ
以下に該当するものを答えてください。
当てはまる
どちらかと言えば、当てはまる
どちらかと言えば当てはまらない
当てはまらない
例題②:たまになら嘘をついてもいいと思う
以下に該当するものを答えてください
当てはまる
どちらかと言えば、当てはまる
どちらかと言えば当てはまらない
当てはまらない
思考検査では嘘をつかず、ありのままの自分で答えることが大切です。
虚勢をはって、等身大以上の自分に偽って答えてしまうと、結果として将来自分が困ることにもつながりかねません。
特に思考検査では、本来自分が持っている考えや特性であるため、簡単に変えることができません。
そのため、嘘偽りなく回答することを心がけておきましょう。
そうすることで一環した回答ができ、良い回答をしようとする時間を削減することができます。
NMATの対策ポイント
NMATの試験では、時間が短いことが大きな特徴となっています。
そのため、時間切れに注意しながら回答していくことが求められます。
また、出題傾向やフェイク問題には注意し、しっかり対策して試験に備えることが必要だと言えるでしょう。
ここではMNA試験の対策ポイント3つをご紹介しますので、NMAT試験を受けようとしている人はぜひ実行するようにしておいてください。
回答における時間配分
NMATの試験では、制限時間に比べて問題数が非常に多いという特徴があります。
試験問題の最初のほうに時間をかけてしまうと、最後まで解ききることができなくなってしまったり、きちんと回答することができなくなったりしてしまうのです。
回答に時間がかかってしまう問題は後回しにするなど、回答における時間配分に対する対策が重要だと言えるでしょう。
出題傾向の特徴を掴む
NMATの試験では、出題傾向が似ていることがあげられます。
特に、言語や非言語の問題では、過去問題や対策本に似た回答が出る傾向があるのです。
問題を繰り返し解くことで、出題傾向を意識した対策ができ、試験でも回答に時間を取られることが少なくなると考えられるでしょう。
過去問題を解くときには、問題を網羅し、特徴的な出題に慣れておくことがおすすめです。
フェイク問題に注意しておく
NMAT試験の問題では、特に性格思考検査でフェイク問題が出されている傾向にあります。
フェイク問題とは、常識に反している問題であることが特徴です。
例えば、以下のような問題は、フェイク問題だと考えておきましょう。
- 1回も嘘をついたことがない
- 時間を守れなかったことは1度もない
- 今まで怒ったことがない
常識的に考えると、不可能な問題であることがよくわかります。
誰でも、少なからず嘘をついたことはあるでしょうし、時間を守れなかった経験がないということはないと言えるでしょう。
もちろん、怒ったことがないという人も、感情を持っている人間である限りありえないと言えますよね。
よく考えればわかることですが、慣れていなければ「イエス」と答えてしまうケースがあり、性格検査そのものに対する信頼が失われてしまいかねません。
性格検査では、特に問題に注意して回答するようにしておきましょう。
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SPIなどに自信がない。
SPIが原因で選考に進められない。
そんな学生のためにまとめたものがSPI頻出問題集です。
SPIの出題範囲である言語/非言語/英語といった問題を完全網羅しています。
丁寧な解説付きなので、今から勉強する人でも安心して取り組めます!
まとめ
NMAT試験とは、リクルート社が提供している管理職の適性を測定するための試験です。
言語能力、言語能力、性格・志向の3つの分野から出題され、問題数が多く回答時間が短いことが大きな特徴となっています。
NMAT試験でわかる4つのタイプの役職は、組織管理・企画開発・実務推進・創造改革で、それぞれの役職に対する適性を診断できるようになっているのです。
回答時間が短いNMAT試験は、早めの対策は必須となります。
特に、NMAT試験の対策では、過去問題を反復練習するなど、出題傾向を理解することや回答スピードを重視した対策が必要だと言えるでしょう。
NMAT試験では、一定の出題傾向があるため、問題を解くスピードだけでなく、どのような問題が出題されやすいのかと言う点においても解析しながら対策することが重要なのです。
性格思考の分野では、フェイク問題が多いため、嘘偽りなく回答することを意識し、等身大以上の回答をしてしまわないよう、一貫した回答を意識するなど注意しておきましょう。