【就活】宇宙関係の仕事はどんなものがあるのか徹底解説!
2024年3月22日更新
はじめに
就活をしていく中で理系学生が行くイメージである「宇宙」関係の仕事ですが、いまだ研究が進められ、未開拓の分野といえるでしょう。
「不思議がいっぱいの宇宙の成り立ちや仕組みを知りたい!」と感じる人も多いはずです。
今回は、そんな宇宙関係の仕事に興味を持っている以下の学生を対象に紹介していきます。
是非最後までご覧ください。
- 宇宙関係の仕事はどんなものがあるのか知りたい
- 宇宙関係の選考を受けてみたい
- 宇宙関係の仕事に興味がある
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この記事の結論
宇宙関係の仕事には大きく分けて三つの役割があります。
- 人類や文明の発展させること
- 宇宙空間の解明すること
- 地球と地球環境保護をすること
宇宙関係の仕事としては、宇宙飛行士、宇宙開発技術者、運用管制官、JAXA職員、航空宇宙エンジニア、天文学者などがあり、それぞれ専門性が高い職業です。
2021年から学歴の条件がなくなったため、誰でも選考を受けられるようになりましたが、圧倒的に専門知識が必要です。
そもそも宇宙関係の仕事とはどんなものか
そもそも宇宙関係の仕事はどのようなものでしょうか。
宇宙関係の仕事は、主に宇宙開発に携わる仕事です。
宇宙開発とは、宇宙空間を人類のために役立てる活動全般を指します。
宇宙開発の目的は主に3つあります。
- 人類や文明の発展させること
- 宇宙空間の解明すること
- 地球と地球環境保護をすること
かなり大規模な話ですが、人間が進歩していくために重要な仕事であることがわかるでしょう。
宇宙関係の仕事にはどのようなものがあるか
それでは、実際に宇宙関係の仕事にはどのようなものがあるでしょうか。
それぞれご紹介していきます。
宇宙飛行士
まずは「宇宙飛行士」です。
宇宙関係の仕事で一番最初に思いつく職業でしょう。
宇宙飛行士の主な仕事は下記の通りです。
- 国際宇宙ステーション(ISS)の維持管理
- 大気圏外での実験、観測
このように、宇宙開発に貢献する仕事がメインです。
日本人の宇宙飛行士の主な仕事とは、ISS内にある日本の実験棟「きぼう」の運用とメンテナンスです。
しかし宇宙での仕事だけでなく、各種訓練や研究開発など一般的な業務も多数あります。
外部への講演会やメディアを通じて、宇宙飛行士の仕事内容を幅広い方に伝えていくのも業務の一つです。
宇宙飛行士になるには、JAXAが実施する宇宙飛行士選抜試験を受けて合格しなくてはなりません。
試験の実施は不定期で、採用人数も少なく倍率は100倍以上の超難関です。
試験を突破するためには、下記の力が必要です。
- 科学に関する知識
- 専門職の実務経験
- 英語をはじめとする多くの語学力
- 運動能力
- 協調性やリーダーシップ
複数のスキルを高次元で兼ね備えている必要があるでしょう。
実際の業務は以下となります。
宇宙空間に置ける業務 | 地上での業務 |
|
|
「きぼう」完成以降は、広大なスペースでより長期的な計画に基づいた各種作業を手掛けられるようになりました。
現在の日本人宇宙飛行士は、ISSに長期滞在で滞在することにより、多様な業務に従事しています。
宇宙の任務は通常3年〜4年に1度程度です。
長ければ10年に1度の場合もあります。
そのため、宇宙飛行士は地上での活動がキャリアの大半を占めることになります。
宇宙飛行士の役割はビッグバン、生命の起源、ブラックホールの正体などを明らかにすることなので、こつこつ長い時間をかけて実験、研究を行います。
※平均年収は約800万円
宇宙開発技術者
宇宙開発技術者は宇宙の観測・地球環境の観測・新しい医療技術や素材技術の開発などの研究活動を行います。
技術者は大学の研究所や一般の研究機関に留まることなく、様々な民間企業で得意分野の仕事をします。
宇宙開発には、壮大な年月と莫大な資金の投入が必要です。
日本のみで完結することはなく、国境を越えた協力が必要です。
そのため、日本語以外の言語能力や、文化を超えたコミュニケーションが必要です。
また、最新の学術的な成果を活用し、常に進化し続ける必要があります。
このような向上心のある人材が適任でしょう。
宇宙開発技術者の仕事内容をまとめてみます。
- 人工衛星を開発し、実験や打ち上げを繰り返し実用化する。
- 人工衛星の不具合やトラブルの調査をし、解決する。
- 人工衛星をはじめとする宇宙で利用する設備や機材の開発をする。
- 惑星探査機・ロケットの開発をする。
- 人工衛星や宇宙設備のマニュアルや資料冊子を作成する。
宇宙開発技術者は現在国内に約75,000人います。
総人口から比較するとかなり稀有な存在です。
※平均年収は508万円と、全国平均からすると若干高い数値となります。
参照ページ
運用管制官
あまり聞かない職種ですが、ロケットや宇宙ステーションでの業務や活動を、地球から指示、補佐する仕事が運用管制官の仕事です。
特に宇宙飛行士の健康管理や、宇宙ステーションで行われている実験に対する助言、機器の不良や逐一飛行状況のチェックを行います。
以下がそれぞれのチームです。
きぼう運用管制チーム
J-FLIGHT(ジェイフライト) | 「きぼう」運用管制を指揮し、クルー安全、運用計画、システム運用、実験運用全てに対する責任を持ちます。 また、「きぼう」運用管制室の代表としてNASAのフライトディレクタと様々な調整を行ったり、J-COM不在時に宇宙飛行士と交信を行ったりもします。 |
CANSEI(カンセイ) | 通信・電力・管制系担当として、「きぼう」の通信機器や電力系機器、カメラ機器を地上から監視制御します。 |
FLAT(フラット) | 熱・環境・実験支援系担当として、「きぼう」の熱・環境制御機器を地上から監視制御したり、ガス供給系やガス排気系機器を監視制御し実験ユーザーに対する支援を行います。 |
ARIES(アリーズ) | 船内活動支援担当として、軌道上の宇宙飛行士の船内活動(Intra-Vehicular Activity: IVA)を地上から支援したり、船内の機器や物品などの管理を行います。 |
KIBOTT(キボット) | ロボティクス、構造・機構系担当として、「きぼう」のロボットアームやエアロックの運用を行います。 |
J-COM(ジェイコム) | ISSの宇宙飛行士と交信を行います。 音声によるコミュニケーションで宇宙飛行士の作業を支援します。 |
J-PLAN(ジェイ-プラン) | 運用計画担当として、「きぼう」運用に関する計画立案、国際調整を行います。 宇宙飛行士や地上の管制チームの作業スケジュール、不具合発生時の計画変更調整を行います。 |
Tsukuba GC(ツクバジーシー) | 地上システム担当として、「きぼう」運用に必要な運用システム、ネットワークシステムの運用・管理を行います。 |
JEM PAYLOADS(ジェムペイローズ) | 「きぼう」における実験運用取りまとめを行います。 |
JAXA EVA(ジャクサイーブイエー) | 船外活動支援担当として、「きぼう」に関わる船外活動(Extra-Vehicular Activity: EVA)の際に地上から支援します。 |
実験運用管制チーム
ExPO(エクスポ) | 船外実験装置の運用担当。 |
BIO(バイオ) | 細胞実験ラックで行う生命科学実験の運用担当。 |
FISICS(フィジィクス) | 流体実験ラックで行う流体物理実験や結晶生成実験の運用担当。 |
GOLEM(ゴーレム) | 勾配炉実験ラックで行う材料実験の運用担当。 |
MEISTER(マイスター) | 多目的実験ラック1号機、2号機で行う様々な実験の運用担当。 |
GNOME(ノーム) | 実験ラックを用いない実験運用全般を担当。 |
このように、「きぼう運用管制チーム」「実験運用管制チーム」の2種類があります。
運用管制員になるためには、訓練プログラムを経て「認定」される必要があります。
研修期間は約1.5年から2年であり、根気強く訓練をする必要があります。
※平均年収は約575万円
引用ページ
JAXA職員
JAXAは日本の公的専門機関です。
航空・宇宙の研究や開発を行っています。
JAXAの仕事は大きく二つあり、技術系と事務系に分かれています。
技術系 |
|
事務系 |
|
大きく分けると上記2つですが、公的機関であるJAXA特有の業務も紹介します。
- 調査国際部:海外の機関との間で情報収集や仕事の調整を行います。
- 新事業促進部:JAXAの技術を国内民間企業で活かすために支援を行います。
- 広報部:JAXAや研究開発で発見した内容をニュースとして伝えます。
実際の採用に当たっては、大きく技術系・事務系の採用があります。
技術系職員は、大学在籍時に宇宙や物理、天文学などの勉強をしておくことが大前提となるでしょう。
上記分野の学会経験などもあると、より評価が高まります。
海外との接触も増えるため、相応の「英語力」も不可欠でしょう。
事務系職員は事務を担当し、民間企業と同じように総務、法務、調達、財務、人事、広報・教育などを担当します。
民間の事務員と違い、求められる事のハードルはかなり高いと言えます。
そのため、事務員でも宇宙や物理、天文学などの勉強をしておくことが大前提です。
かなり特殊な職業であるため、インターンシップに参加するなどして実態をつかんでおくことをおすすめします。
※平均年収は863万円
航空宇宙エンジニア
航空宇宙技術者は空を飛ぶ機体のより良い設計のために、開発とテストを行う職業です。
特に航空機、ロケット、ヘリコプター、ドローン、衛星、ミサイルなど多岐にわたっており、メインは航空機または宇宙船が対象です。
主な仕事内容は以下です。
設計 | 顧客のニーズに沿った航空機や宇宙船のコンポーネントを開発します。 正確に理解するために度重なるミーティングを行い、設計図を作成します。 |
テスト・トラブルシューティング | 厳格なテストを行い、今の設計で安全かつ適格に動作し、目的を達成できるかどうかを判断します。 |
製造監督 | 出来上がったものが基準に準拠していることを確認する業務を行います。 |
研究開発 | 新技術の開発を行います。 商用航空、国防といった航空宇宙産業の領域での利用をするために、日々新技術が開発されています。 |
プロジェクトチーム | プロジェクトマネージャー、エンジニア、メーカーなどと協業し、期日と計画内でプロジェクトを完了させます。 |
基本的に航空宇宙技術者になるには、四年制大学卒業かそれ以上の博士、学士を取得する必要があります。
その中でもキャリアをしっかりと積みたいという向上心のある方は、修士または博士課程を修了する傾向があります。
その他、「航空科学」「航空宇宙工学」に対する知見がある方が多いのも事実です。
現在4年制大学に行かれている方は、大学院進学も視野に入れて学業に励みましょう。
※平均年収は1,286万円
天文学者
天文学者は研究機関(大学や天文台)において、宇宙や地球に関する研究を行います。
天文学には大まかに、位置天文学、天体力学、天体物理学、宇宙物理学などがあります。
大学では天文学を専攻し、大学院を卒業して修士号や博士号を取得した方のみがなれる狭き門です。
天文学者のほとんどは大学や研究機関などで働き、自らの専門分野を研究しています。
もしあなたが理系の学生なら、その中の一人が天文学の教授になる可能性もあるでしょう。
天文学者の仕事内容
天文学者の仕事内容は、主に宇宙や天文にかかわる内容の研究を行い、学会などで発表することです。
主な仕事は二つあり、「観測」「理論」に分かれています。
- 観測:実天文や宇宙の様子を観測し、データを分析することで論文を理論的に書きます。
- 理論:観測からとれたデータからさまざまな結論を導き出します。
また、観測のための装置を研究開発する人もいます。
天文学者の一人ひとりが専門性を有し、日々研究に取り組んでいます。
天文学者になるには必ず「博士号」の取得が必要です。
博士号の取得後は大学で研究を続けるか、他の研究機関に就職するかを選択し、それぞれ進路を決めていきます。
資格よりも実際の研究成果が評価されます。
今もしあなたが学生で勉学に励んでいるなら、研究を進め、論文を執筆し、学術誌に掲載されたり学会に参加したりといった精力的な活動をしましょう。
※年収は約400万円
上記のような職種があります。
それぞれの特色をよく理解し、興味のある職業があれば是非インターンシップに参加することをおすすめします。
宇宙関係の仕事は文系や高卒でもできるの?
2021年度より学歴の条件がなくなりました。
そのため、文系学部の卒業や高卒の方でも応募することは可能です。
しかし、研究や開発の分野に携わりたい場合は、理系分野での研究が必要です。
例えば、JAXAの事務職員は、一般企業の総務部門と同様に財務や経理などの業務を担当することになります。
JAXA以外に宇宙関係の仕事をしている企業はあるか
では、JAXA以外に宇宙関係の仕事をしている企業はあるのでしょうか。
実際に宇宙関係の仕事をしている企業をご紹介します。
三菱重工業
東京都千代田区丸の内および神奈川県横浜市西区みなとみらいに本社を置く、三菱グループの重工業メーカーです。
三菱重工業はものづくりのリーダーである企業であり、宇宙関係の業務にも従事しています。
2007年からH-IIAロケットによる打上げ輸送サービスを開始し、ロケットエンジン、衛星用機器、宇宙ステーション関連機器、ロケット射点設備、ロケットエンジン地上燃焼試験設備、宇宙環境利用実験装置、電子部品などを開発しています。
参照ページ
川崎重工業
東京都港区および兵庫県神戸市中央区に本社を置く重工業メーカーです。
オートバイ・航空機・鉄道車両・船舶・軍事ヘリコプターなどの輸送機器、その他機械装置を製造しています。
H-IIAロケットでは、衛星フェアリング、衛星分離部(PAF)、射点設備を、H-IIBロケットではHTV(宇宙ステーション補給機)搭載専用のフェアリングを担当しています。
また、最新のH3ロケット開発においても、衛星フェアリングの設計・製造を担当しています。
また、将来の宇宙輸送を担う再使用型宇宙輸送機の開発や、宇宙ステーション日本実験モジュール(JEM)、宇宙往還技術試験機(HOPE-X)、技術試験衛星VII(ETS-VII)ドッキング機構などの宇宙ロボティックスプロジェクトにも参画してきました。
さらに、成層圏プラットフォームの開発や宇宙飛行士の養成・訓練などの有人宇宙技術にも取り組んでいます。
参照ページ
宇宙開発機器 | 航空宇宙 | 川崎重工業株式会社 (khi.co.jp)
株式会社IHI
東京都 江東区 豊洲 に本社を置く、 重工業 を主体とする日本の大手製造会社です。
「資源・エネルギー・環境」「社会基盤」「産業システム・汎用機械」「航空・宇宙・防衛」には力を入れています。
日本を代表するロケット飛翔体の総合メーカーとして、固体燃料ロケットの技術を応用しています。
科学観測や実用衛星打ち上げ用ロケットの開発を行うことで、日本の宇宙開発の一部を担っています。
運用中のものは下記の通りです。
【ロケット】
- イプシロンロケット
- H-ⅡAロケット/H-ⅡBロケット
- H3ロケット
- Sロケット
【宇宙開発プロジェクト】
- 国際宇宙ステーション
- 小型衛星放出機構
- 船内実験ラック
- 実験装置
- 高エネルギー電子・ガンマ線観測装置 (CALET)
- はやぶさ2
【衛星推進系】
- 衛星用姿勢制御スラスタ
- 静止軌道投入用2液式 アポジエンジン等
引用ページ
宇宙開発|事業紹介|株式会社IHIエアロスペース (ihi.co.jp)
上記企業以外にも様々な企業が宇宙関係のビジネスを行っていますので、是非参考にしてみてください。
まとめ
宇宙関係の仕事には宇宙飛行士、宇宙開発技術者、運用管制官、JAXA職員、航空宇宙エンジニア、天文学者などがあり、それぞれ専門性が不可欠な職業です。
JAXAの採用は2021年度から学歴の条件がなくなりました。
このため、文系、高卒の方でも採用される可能性があります。
とはいえかなりの専門知識をようするため、技術職ではなく事務職の採用が多いでしょう。
また、JAXA以外でも、民間企業で「三菱重工業」「川崎重工業」「IHI」は宇宙開発に携わっています。
そのほかの企業でも、大学や研究機関とタッグを組み、宇宙開発に向けて取り組んでいる企業はたくさんあるので、ぜひ確認してみてください。