【業界研究】ロボットSIerは!特徴や向き不向きは?選考に役立つ情報を徹底解説!
2024年2月21日更新
はじめに
就活を成功させるには応募企業の属する業界の研究が欠かせません。
業界の特徴や仕事内容などを詳しく知らないと、後でギャップを感じてしまうでしょう。
選考対策を進める上でも業界について深く理解することは大切です。
本記事では、ロボットSIerについて基本的な点から仕事内容、就活を突破するコツまでご紹介します。
本記事が対象とするのは以下の点が気になる就活生です。
- ロボットSIerとはどんな業界なのか?
- ロボットSIerの就活難易度は高いのか?
- ロボットSIerの選考対策は何をすればいいのか?
ロボットSIerへの就職に興味を持っている方はぜひとも参考にしてください。
また、ロボットSIer以外の業界については以下の記事で扱っているため、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
ロボットSIer業界とは、ロボットの導入や活用の支援を提供している業界です。
クライアントの抱える課題を分析し、最適なロボットシステムの提案をします。
さまざまな業務の自動化を実現するために、ロボットシステムは効果的です。
ロボットSIer業界の企業は、ロボットシステムの企画設計から組み立て、設置、アフターフォローまで幅広い仕事を担当します。
ロボットSIerはあくまでもロボットシステムの構築のプロであり、ロボット本体を作るメーカーとは別物です。
ロボットメーカーはロボット単体の製造を行い、ロボットSIerがクライアント企業の現場への導入をサポートします。
ロボットを導入したいクライアント企業と、ロボットメーカーの間に入るのがロボットSIerです。
ただし、ロボットメーカーがSIer事業に取り組むケースもあります。
この場合は、自社開発したロボットをクライアントに提案し、クライアントの現場に適したシステムを開発して導入を進めていくのが主な業務です。
参照ページ
ロボットSIer業界の現状は?
ロボットSIer業界は需要は増加していますが、課題も抱えています。
ロボットSIerの現状を以下で詳しく紹介します。
トピック1:自動化・ロボット化への需要が高まり売上が増加傾向の企業が多い
幅広い業界において自動化・ロボット化への需要が高まっているのが現状です。
人手不足や業務の効率化、コスト削減などを目的として、自動化・ロボット化が検討されています。
そのため、自動化・ロボット化をサポートするロボットSIerの需要は高く、売上が増加傾向にある企業は多いです。
ロボットSIer業界では大手や中小を問わず仕事量が増えており、売上が増えている傾向にあります。
参照ページ
ロボットシステムインテグレータ(ロボットSIer)の現状に関する調査結果を取りまとめました
トピック2:ほとんどの企業でロボットシステムエンジニアが不足している
ロボットSIerの需要は高まっているものの、仕事を担当するロボットシステムエンジニアが不足しているのが現状です。
ロボットSIer業界のほとんど企業が人材確保に苦労しています。
担当する人員が不足しているため、仕事の依頼があっても受けられない状況にある企業が多いです。
また、仕事を引き受ける際にも人材不足のため、一部の業務を外注する企業が少なくありません。
ロボットSIerの企業はこれからロボットシステムエンジニアの採用を増やすだけではなく、教育環境を整えることが課題とされています。
参照ページ
ロボットSIer業界の未来は?
ロボットSIer業界で就活するならば、業界の未来や将来性が気になるものです。
以下ではロボットSIer業界の未来について重要なトピックを紹介します。
トピック1:業界認知度の低さが課題となる
ロボットSIer業界がどんな業務を行い、何ができるのか認知されていない点が課題となります。
ロボットSIerそのものの認知度が低いため、社会的な地位も低いです。
ロボットといえばAIや人型ロボットをイメージする人が多く、産業用ロボットシステムは認知されていません。
今後は産業用ロボットシステムを一般の人に知ってもらうための工夫が必要です。
また、ロボットSIerの位置づけに不明確な部分がある点も問題です。
今後はロボットSIerのブランド化を進めることで、ロボットSIer業界を目指す人を増やすことが重要でしょう。
トピック2:ユーザー教育を行うことが課題となる
ロボットSIerの課題の1つとしてユーザー教育の必要性が訴えられています。
ユーザーの知識不足により、手戻りや再構築を強いられるケースが多いからです。
ロボットは万能で、何でもできると考えているクライアントは少なくありません。
ユーザーが正しくロボットについて理解していないと、ロボットシステムを提供しても無駄になります。
ロボットシステムを上手く扱うには、ロボットができる範囲を理解した上でユーザーが適切なティーチングをするのが重要です。
ユーザーのロボットへの理解度が低いために仕様変更を要求するケースが多発しています。
今後はユーザー教育を行うための仕組み作りが重要になるでしょう。
参照ページ
https://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/iot_robot/data/robot_sier_houkokusyo.pdf
ロボットSIer業界の職種
ロボットSIer業界に属する主な職種を以下にまとめました。
- ソリューションエンジニア
- 開発エンジニア
- 品質保証
- 生産管理
- カスタマーサービスエンジニア
それぞれの職種の主な業務内容や特徴を紹介します。
職種内容①:ソリューションエンジニア
ソリューションエンジニアとは、クライアントからヒアリングを行い、悩みや課題を把握した上で解決策を提案する仕事を指します。
顧客からのヒアリングからシステム開発、保守運用までを担当するのが主な役割です。
ロボットSIerにおけるソリューションエンジニアは、ロボットシステムの提案を通じてクライアントの課題を解決します。
自社でロボットの開発を行っているメーカーでソリューションエンジニアが募集されているケースが多いです。
ソリューションエンジニアが、自社のロボットシステムを活用した課題解決を提案します。
職種内容②:開発エンジニア
開発エンジニアとは、顧客の抱える課題を解決するためのシステム開発を行う職種です。
ロボットSIer業界における開発エンジニアは、ロボットシステム開発エンジニアとしてシステム開発に取り組みます。
クライアントからヒアリングを行い、要件定義をした上でロボットを制御するためのシステムを開発します。
クライアントにとって扱いやすく、導入が簡単なシステムの開発・提供をすることが重要です。
職種内容③:品質保証
開発したロボットシステムの品質保証を行う職種です。
QAエンジニアと呼ばれることもあり、システムが仕様通りに開発され、問題なく挙動するかチェックします。
仕様通りに開発されていても、クライアントが望む成果がなければ意味がありません。
品質保証の仕事はクライアントからの満足度に直結する重要な仕事です。
システム開発プロジェクトにおける各プロセスごとに適切なテストを実施していきます。
クライアントと開発側で認識違いが発生しないようにするのも大きな役割です。
そのためにクライアントからのヒアリングや説明を行う機会は多く、関連部署とも協力しながら業務を進めます。
参照ページ
QAエンジニアとはどんな職種?仕事内容/給料/転職事情を解説【doda職種図鑑】
職種内容④:生産管理
製造ラインにおいて生産体制の構築や品質管理などを行う職種です。
ロボットメーカーがロボットSIerの事業も手掛けている場合は、生産管理の職種が募集されます。
ロボットの製造ラインにおいて、生産量や品質を安定に保つのが生産管理の目的です。
職種内容⑤:カスタマーサービスエンジニア
カスタマーサービスエンジニアとはフィールドエンジニアとも呼ばれ、システムの保守運用の業務を担当します。
システムのメンテナンスや運用のサポート、運用方法の提案、ヘルプデスクといった業務もあります。
クライアントとコミュニケーションを取る機会が多い職種です。
また、担当するシステムに関する専門的な知識や技術も要求されます。
カスタマーサービスエンジニアが保守運用に取り組むことで、納品したシステムの質が維持されます。
クライアントが満足するかどうかを決める重要な役割を果たすのがカスタマーサービスエンジニアです。
参照ページ
ロボットSIer業界の市場規模・推移
ロボットSIer業界の市場規模は、日本ロボット工業会の年間統計によると、2022年に受注額が1兆1,118億円に達しました。
過去の受注額は2021年に1兆786億円、2020年に8,587億円、2019年に8,116億円、2018年に9,623億円でした。
過去の推移をみると、2019年に年間受注額が落ち込んだものの、その後は毎年受注額が上がっていきます。
2021年には1兆円を超えて、2022年には年間受注額と生産額、出荷額のすべてで1兆円を超えました。
日本では産業用ロボットの市場規模が1兆円を超えており、今後も規模が拡大していく見込みです。
参照ページ
日本ロボット工業会、2022年ロボット統計 2022年産業用ロボット年間受注・生産・出荷額すべてで大台突破 ついに1兆円産業へ
ロボットSIer業界の売上高ランキング
ロボットSIer業界の売上高1位はパナソニックHDで8兆3,789億円でした。
2位は三菱電機で、約5兆円の売上です。
3位はヤマハ発動機で、売上は2兆4,147億円です。
上記の売上高ランキングは、産業機械業界における売上高です。
そのため、実際にはロボット以外のものも含んだ売上だということに注意しましょう。
参照ページ
ロボットSIer業界の大手企業紹介
ロボットSIer業界の売上高ランキング上位5社をご紹介します。
- パナソニックHD
- 三菱電機
- ヤマハ発動機
- 川崎重工業
- セイコーエプソン
企業① パナソニックHD
パナソニックHDはさまざまな製品・ソリューションを展開しています。
産業機械の開発に力を入れており、幅広い業界で利用されています。
2023年には、ロボットへのティーチングを効率化する技術を新たに開発しました。
ロボットの活用を効率的に進めるための技術の研究に力を入れています。
参照ページ
パナソニックHD、ロボットへの動作教示を効率化する技術を開発
企業② 三菱電機
三菱電機は産業用ロボットの「MELFA」を展開しています。
高速で高精度に仕事をこなす基本性能を有し、知能化センサも備えており、難しい自動化も可能にするロボットです。
さまざまなオプションも用意しており、それぞれの用途に適したシステム構築をサポートします。
FAのeラーニングやトレーニングスクールを開催しており、ロボットを扱うためのユーザー教育にも力を入れている会社です。
参照ページ
企業③ ヤマハ発動機
ヤマハ発動機のロボティクス事業の売上高は2022年で1,159億円です。
産業用ロボットとして表面実装機を展開しています。
電気・電子製品に内蔵するプリント基板へ電子部品を装着できるロボットです。
フルラインアップで産業用ロボットを揃えており、自動車業界や食品業界、電気・電子業界などさまざまな分野の自動化に貢献しています。
参照ページ
事業領域:サーフェスマウンター(表面実装機)・産業用ロボット・半導体後工程装置
企業④ 川崎重工業
川崎重工業は、1969年に産業用ロボットを発表してからの長い歴史があります。
ロボット技術のノウハウが豊富にあり、さまざまなソリューションが続々と生まれています。
産業用ロボットの導入から保守運用までトータルでサポートしており、アフターサービスまで大事にしている会社です。
ロボットのシステムアップやアフターサービスを専門とする、カワサキロボットサービス株式会社という会社を立ち上げています。
ロボットについて充実したバックアップ体制を整えており、クライアントをサポートしています。
参照ページ
企業⑤ セイコーエプソン
セイコーエプソンは1981年に産業用ロボットを開発し、1983年から社外販売をスタートしています。
その後、ロボティクスソリューション事業部が立ち上げられ、2021年にはMS事業部へと改称されました。
省エネで小型でなおかつ高精度な産業用ロボットの開発を目指しています。
エプソン独自の技術である分光カメラや力覚センサーを活用したロボットは、多くの現場で貢献しています。
参照ページ
ロボットSIer業界で働くメリット
ロボットSIer業界で働くメリットをご紹介します。
メリット① 多種多様なものを創れる
ロボットSIer業界のエンジニアになれば、多種多様なものを創れるのがメリットです。
クライアントのそれぞれの現場に合わせたロボットシステムを開発することが求められます。
クライアントの数だけ異なる課題があり、さまざまな創意工夫が要求される仕事です。
製造業界を中心にさまざまな業界をクライアントとするため、担当するロボットやシステムの種類は幅広いです。
そのため、いろいろなタイプのロボットやシステムの開発に携われるでしょう。
メリット② 今後も需要が伸び続ける
日本は少子高齢化で生産年齢人口が年々減少しており、労働力不足が多くの企業における課題です。
労働力不足を補うために自動化が推進されていて、ロボットSIerの需要は高まっています。
今後も労働力不足の状況は続いていくと予想できるため、ロボットSIerの需要は伸び続けるでしょう。
これからさらに市場規模が拡大し成長していく業界で働けるのがメリットです。
ロボットSIer業界で働くデメリット
ロボットSIer業界で働くことはメリットだけではなく、デメリットもあります。
就職してから後悔するケースがあるため、自身に適正があるか把握することが大切です。
ロボットSIer業界で働く際のデメリットを以下で詳しくご紹介します。
デメリット① 求められる能力・スキルが不透明
ロボットSIer業界は新しい分野であり、どのような能力やスキルの人材を求めるべきか不透明です。
これからロボットSIerの求人へ応募したいと考えても、どんな人材が必要とされているかわかりにくいです。
基本的には機械設計や電気設計に関する知識や発想力、コミュニケーション力などが求められます。
しかし、実際には多くの企業では明確なスキル基準の設定ができていません。
業界内で標準的なスキルモデルが存在しないため、今後の課題とされています。
デメリット② ロボットエンジニアの育成環境が整っていない
ロボットエンジニアの需要は高まっていますが、多くの企業で育成環境が整っていないのが現状です。
自社内にロボットエンジニア育成のノウハウがないため、勉強会や研修などを外注する会社がたくさんあります。
ロボットSIerの仕事では機械工学や電子工学、情報工学など幅広い領域の知識と技術が必要です。
それぞれの分野において高度な知識と技術が求められるため、自社で十分な育成ができる環境を整えている会社は多くありません。
自主的にさまざまな分野について勉強していく姿勢が求められます。
参照ページ
https://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/iot_robot/data/robot_sier_houkokusyo.pdf
ロボットSIer業界への就活を成功させるためには
ロボットSIer業界に限らず、どんな業界の就活においても対策が重要です。
エントリーシートは業界・企業に合わせたものにし、面接対策も求められるでしょう。
以下では、これからロボットSIer業界へ就職する際の志望動機を考えるための慫慂なポイントを4つまとめました。
就活のポイントはエントリーシート・面接での頻出質問などをご紹介します。
なぜロボットSIer業界なのか
- なぜ数ある中からロボットSIer業界なのか
- それは他の業界ではできないのか
数ある業界の中でなぜロボットSIer業界に就職したいのか、理由を考えることは大切です。
ロボットSIer業界に特有で他の業界では叶えられない点を志望動機の軸とします。
なぜその企業なのか
- 数ある中でなぜその会社を選んだのか
- それは競合他社では達成できないことなのか
ロボットSIer業界の中にたくさんの会社がある中で、なぜ応募先を選んだのか説得力のある理由を考えましょう。
その理由は競合他社では叶えられないことであるべきです。
なぜその職種なのか
- 5つのジョブがある中でなぜそのジョブを応募したのか
- 果たして他のジョブや全く関係ない業務でそれは達成できないか
たとえば、5つの職種を募集していたとして、その中の特定の職種に応募した理由を説明できるようにしましょう。
その職種でやりたいことが他の職種や全く関係のない業務で達成できないのか考えてください。
自分のやりたいことや方向性とどうマッチするのか
- 以上の3つ内容に相違はないか、論理的に破綻していないか
- 自分が将来目指したいことや達成したいことにマッチするか
以上の3つのポイントについて自分なりの回答を考えてみて、論理的に矛盾や破綻している点がないか確認しましょう。
そして、自分が就職した後でしたいことと志望先がマッチするか意識しましょう。
ES・面接頻出質問をご紹介
1.なぜこの業界を志望しているのですか?
ロボットSIer業界を志望する理由は、自身が大学で学んできたすべての知識を活かせる仕事に就きたいと考えたからです。
大学では機械工学や電気・電子回路、情報通信などを学んできました。
上記の異なる分野の知識をすべて活用できるのがロボットの設計や開発の仕事であり、自身が学んできたことを活かして貴社に貢献したいと考えています。
2.なぜ弊社にご応募いただいたのですか?
貴社は医療業界において利用される産業用ロボットを製品化し、提供していると伺ったからです。
産業用ロボットの導入や保守運用などの仕事を通して、間接的に医療へ貢献していきたいです。
実際にクライアントと話し、現場の抱える問題を理解し、最適な解決策を提案することで医療に大きく貢献できると思い、志望しました。
この返答を4つのフレームワークに当てはめて回答すると、以下のようになります
なぜロボットSIer業界なのか
- 大学で学んだ知識を活かせるから
なぜその企業なのか
- 医療現場の課題を解決する仕事に関心を持ったため
なぜそのジョブなのか
- クライアントからヒアリングを行い解決策を提案する仕事に関心を持ったから
以上の3つが自分のやりたいことや方向性とどうマッチするのか
- 自分の学んだことを活かしてロボットSIerの仕事で医療に貢献できる
以上のように、自分のやりたいことや自身の強みが志望業界・企業とどのようにマッチしているかという観点から回答を考えると効果的です。
具体的な面接対策を紹介している記事は他にありますので、是非合わせて読んでみてください。
まとめ
本記事ではロボットSIer業界について詳しく解説しました。
ロボットSIerはさまざまな業界の企業をクライアントとし、現場の課題を解決するためのロボットの提案や導入、保守運用などを行っています。
高度な知識や技術が求められる難しい仕事ですが、将来性が高く、今後も需要が伸びていく分野です。
ロボットSIer業界が気になる方は、ぜひ会社説明会などに参加してみましょう。