フルフレックスとは?導入している企業一覧とメリット・デメリットを詳しく解説
2024年2月20日更新
はじめに
近年、働き方改革により、仕事にも多様性が生まれてきました。
その中の1つが「フレックスタイム制度」です。
日本では1988年の労働基準法改正時に導入されました。
フレックスタイム制度は、総労働時間を決めた上で、自由に出退勤時間や勤務時間を決定できるシステムです。
フレックス制度のメリットは、労働者が自分の都合に合わせて勤務ができることです。
これにより、プライベートと仕事のバランスが取りやすくなるでしょう。
フレックス制度の勤務時間には、必ず勤務していなければならない時間「コアタイム」と、いつでも出社退社をして良い「フレキシブルタイム」があります。
例:5時~11時 フレキシブルタイム
11時~12時 コアタイム
12時~13時 休憩
13時~16時 コアタイム
16時~22時 フレキシブルタイム
フレキシブルタイムやコアタイムは、必ず設定しなければいけないものではありません。
コアタイムを設定しない働き方もあります。
このような働き方を「フルフレックス制度」と呼びます。
月の所定勤務時間を満たしていれば、勤務時間を自由に設定できるのです。
例えば、仕事の出勤時間を昼からにしたり、仕事が少ないから退勤時間を早めたりと自由にできます。
家庭と仕事のバランスが取りやすいことからも、特に女性からの人気が高い傾向にあります。
今回はそんな自由度の高いフルフレックス制度に着目し、導入している企業にあるメリットやデメリット、どんな企業が導入しているかなどを解説していきます。
ぜひ、最後までお読みください。
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フルフレックスタイム制の企業に入社するメリット
フルフレックスタイムタイム制の企業に入社するメリットは4つあります。
- ワークライフバランスの向上
- 生産性の向上に期待が持てる
- 通勤ラッシュを回避できる
- 柔軟な働き方が可能
それぞれについて詳しく解説していきます。
1.ワークライフバランスの向上
ワークライフバランスとは、仕事と生活の調和を図ることです。
ご自身のライフスタイルに合わせて、適した働き方が選べます。
仕事をしていると、どうしてもプライベートが疎かになりがちですよね。
しかしフルフレックス制を導入すれば、プライベートの時間も確保できるのです。
ワークライフバランスの向上に寄与するでしょう。
②生産性の向上に期待が持てる
勤務時間が決められているとダラダラとやってしまいがちです。
しかし、フルフレックスタイム制ならご自身で仕事時間を決められるので、集中しやすい時間に働けます。
仕事のペースが調整しやすく、生産性を上げられるでしょう。
③通勤ラッシュを回避できる
朝の通勤ラッシュが苦痛な方も多いはずです。
フルフレックスタイムなら出退勤の時間を調整できるため、電車が混む時間を避けられます。
フレックス制度でも通勤ラッシュは避けられますが、フルフレックス制度の方がコアタイムがないため、柔軟な働き方ができるでしょう。
④柔軟な働き方が可能
フルフレックスタイム制は1か月の所定勤務時間を満たせば良いため、自分の都合に合わせて仕事ができます。
プライベートで予定があるから今日は15時に退勤する、今日は仕事量が少ないから昼から出勤するといったように、自由に設定できます。
自由度が高く、柔軟に働けるのがメリットです。
フルフレックスタイム制の企業に入社するデメリット
フルフレックスタイム制の企業に入社するデメリットは、以下の3つです。
- 他の従業員とコミュニケーションが取りにくい
- 業務時間の管理が難しい
- 自己管理が必要
メリットばかり注目されがちですが、もちろんフルフレックス制にもデメリットがあります。
ここで詳しく解説していきます。
1.他の従業員とのコミュニケーションが取りにくい
フルフレックス制では、社員の出退勤の時間がバラバラになります。
社員同士が顔を合わせる機会が減ってしまうため、コミュニケーションがおろそかになるという懸念が出てきます。
例えばスケジュール調整が難しくなったり、顧客対応が困難になったりする可能性があります。
フレックス制を利用する場合は、自分中心ではなく、他の業務に支障が出ないかどうかなどの確認が必要です。
2.業務時間の管理が難しい
勤務時間を自由に決められるフルフレックスタイム制ですが、時間配分は自分でしなければいけません。
月の勤務時間は定められているため、期間内に総労働時間の確保が必要です。
計画を立てて行動することが大切です。
3.自己管理が必要
フルフレックス制は自由な反面、自己管理が必要です。
初旬に業務をあまりしていないと、後半にバタバタになってしまうでしょう。
こういったケースは珍しくはありません。
自己管理ができなければ、フルフレックス制は逆に勤務を疎かにする原因になってしまうのです。
フルフレックスタイム制に向いている人は?
フルフレックスタイム制に向いている人の特徴は、以下の3つです。
- 個人職を目指している人
- 自己管理ができる人
- こまめに業務連絡ができる人
1.個人職を目指している人
フルフレックス制を導入している企業は、個人業務が多い企業です。
例えばエンジニア、事務職、研究職などが挙げられます。
個人業務の多い職種を目指している方には、フルフレックス制はおすすめです。
一方で、誰かと常に連携を取りながら仕事を遂行しなければいけない営業職や製造職は、フルフレックス制には向かないでしょう。
ほかの社員と勤務時間がずれてしまうと、業務に大きな支障が出やすいからです。
連携もとりにくくなります。
チームプレーが重要な職種にはフレックス制は向きません。
このように、自分が就きたい仕事でフレックス制が利用しやすいかどうか確認しておきましょう。
2.自己管理ができる人
自由度の高いフルフレックス制ですが、自分で業務の管理や勤務時間の管理を行わなければなりません。
業務上で疑問点が発生した際にも、自分で解決しなければならないケースも出てくるでしょう。
行動力がなければ業務に支障が出てしまいます。
常に誰かに指示されなければ動けないような人なら、フルフレックス制には向きません。
行動力があり、自己管理ができるような人がフルフレックス制に向いているでしょう。
3.こまめに業務連絡ができる人
フルフレックス制では勤務時間が異なるケースが多く、直接顔を合わせる時間が極端に減ってしまいます。
このため、情報の共有が普通に就労している人に比べて遅くなってしまう可能性があります。
フルフレックス制を利用しているからといって、業務に影響を与えてはいけません。
こまめにメールで連絡するなどして業務を遂行できる人がフルフレックス制に向いているでしょう。
勤務時間が異なると、業務連絡が文面になることが増えるでしょう。
そのため、文章だけで伝える能力に優れている人も向いています。
フルフレックスタイム制の企業が多い業界
フルフレックスタイム制を取り入れることの多い職種は、WEBディレクターやシステムエンジニア、プログラマー、コンサルタント、設計士、デザイナーなどです。
個人で仕事を進められる仕事に関しては、導入率が高い傾向にあります。
ここでは、「令和3年の就労条件総合調査 」に基づいて、フレックス制の導入率が高い業種を紹介していきます。
1位が情報通信業(30.0%)、2位が学術研究・専門・技術サービス業(18.0%)、3位が複合サービス業(16.5%)、4位が金融・保険業(14.7%)、5位が電気・ガス・熱供給・水道業(14.2%)となっています。
対面でのコミュニケーションを取る必要がないような、顔合わせの少ない業務でフルフレックス制の導入は増えています。
また、金融・保険業などの女性比率が多い業界でも導入率が高い傾向にあります。
育児と家事の両立をしたい女性が多いことからも、このような結果になっているのでしょう。
フルフレックスタイム制の企業が少ない業界
フルフレックスタイム制の企業が少ない業界は、建設業(1.1%)、教育・学習支援業(1.3%)、宿泊業・飲食サービス業(2.0%)でした。
男性の多い職場やコミュニケーションを取らないといけない職場などは、フルフレックスタイムの導入が難しい傾向にあるようです。
また、建設業のようなプロジェクト単位で仕事をしているような企業も、コミュニケーションが必要不可欠になるため、フルフレックスタイム制の導入は難しいでしょう。
【就活生に人気の企業別】フルフレックスタイムを導入している大手企業
大手転職サイトdodaから、就活生に人気の企業10社のフルフレックスタイムの導入の有無を調べてみました。
- トヨタ自動車 あり
- グーグル あり
- ソニー あり
- 楽天 あり
- パナソニック あり
- アマゾンジャパン あり
- Apple Jpan あり
- キーエンス あり
- 任天堂 あり
- リクルートホールディングス あり
人気の高い大手企業では、フルフレックス制度の導入率はかなり高い傾向にあります。
就活生に人気の企業上位10社は、すべてフルフレックスタイムを導入していました。
また、働き方改革に力を入れている企業が多く、従業員を大切にしている雰囲気も見られました。
【業界別】フルフレックスタイム制を導入しているホワイト企業
フルフレックスタイム制を導入しているホワイト企業を「マイナビ転職」と「リクナビNEXT」で調査してみました。
マイナビ転職でフルフレックスタイム制を導入しているホワイト企業
条件
- フレックス制度あり
- 年間休日125日以上
- 完全週休2日制
- 賞与回数2回以上
- 月残業時間15時間以内
- 月の休日数8日以上
- 土日祝休み
- サングローブ株式会社
- ブロードバンドテクノロジー・コンサルティング株式会社
- 株式会社ロンテック
- 株式会社ワーキテクノ
- アルファテックス株式会社
- 株式会社ジェイテック
- 株式会社エージェントグロー
- 株式会社ブルー
- 株式会社バディデータ株式会社情報技術センター
- 株式会社CAPサービス
- 株式会社seed
- 株式会社メトス
- 株式会社ヤマニ
- ファビウス株式会社
- 弁理士法人 光陽国際特許事務所
- 株式会社アクセル
- 株式会社シェルパ
- 双日建材株式会社
- ブルーテック株式会社
- エイジシステム株式会社
- 株式会社プライム
リクナビNEXTでフレックスタイム制を導入しているホワイト企業
条件
- フレックス勤務OK
- 年間休日120日以上
- 完全週休2日制
- 月平均残業時間20時間以内
- 上場企業・株式公開企業
- 株式会社ニコン
- 株式会社ノーリツ
- 株式会社パソナ
- 旅行会社HIS
- 株式会社エーアイ
- メットライフ生命保険株式会社
- 福井コンピュータホールディングス株式会社
- 中央可鍛工業株式会社
- 株式会社DTS
- リコーリース株式会社
- 三菱重工業株式会社
- パスロジ株式会社
- タイムズ24株式会社
- eBASE株式会社
- 静岡ガス株式会社
- 株式会社ALiNKインターネット
- 株式会社環境管理センター
- スタンレー電気株式会社
フレックスタイムの企業の導入率、導入状況は?
フレックスタイム制を導入している企業は全体の6.8%です。
まだ導入率は低い傾向にあります。
企業別に見ると、1,000人以上の企業で導入している割合は28.7%です。
大手企業は積極的に導入を進めている傾向が見られます。
労働者別に見ると、フレックスタイムの導入率は全体の10.6%です。
10人に1人くらいの割合の勤務形態なので、まだまだ少ない労働形態と言えるでしょう。
フルフレックス企業での勤務時間例
- 今日は忙しいため、「10時~16時」
- 明日は何も予定がないため「9時~19時」
- 月曜日から木曜日までは「9時~16時30分」
- 金曜日は「8時~18時」
上記のように、総労働時間を意識しての勤務がフルフレックス制では重要です。
また、株式会社モノサスのアンケートによると、フルフレックス制度を導入しても、勤務時間や休日の取り方は変わらなかったという人は、全体の39.7%となりました。
少し変化したという人は31%、変化したという人は27.6%、全く変化しなかったという人は1.7%です。
出勤時間がゆっくりになった人が特に多く、10時頃の出勤が多く見られました。
退勤時刻は少し遅めになり、大きな案件が終わったら全体的な勤務時間を短くするなど、多種多様な働き方が見られます。
フルフレックス制は勤務時間例をチェックすることも大切です。
自己管理が大切になってくる労働形態なので、ぜひ参考にしてみてください。
フルフレックスとフルリモートの違い
フルフレックスは、月の勤務時間を満たしていれば出退勤時間が自由な労働形態です。
それに対してフルリモートは、会社に出社せずに自宅やカフェなど好きな場所で働ける労働形態です。
フルリモート勤務という記載があれば、全くオフィスに足を運ばなくても良いことになります。
このように、フルフレックスとフルリモートの大きな違いは、就業場所ということになるでしょう。
フレックスタイム制を導入している企業に関するよくある質問
フルフレックスについてよくある質問を5つ解説します。
1.どんな働き方?
フルフレックスは、労働者が自由に勤務時間を決めることのできる労働形態です。
2.フルフレックス以外に自由な働き方はある?
フルフレックス以外の人気の働き方は、出勤が不要な「フルリモート」や、オフィスで固定席を作らない「フリーアドレス」などがあります。
3.どんな仕事だとフルフレックス制度が導入されている?
フルフレックス制が導入されている仕事は、個人で業務を進められる業種が多いです。
大手企業になるほど導入率が高い傾向にあります。
4.残業時間や有休休暇はどうなる?
フルフレックス制の残業代が発生するケースは、以下となります。
- 1か月ごとに、週平均50時間を超えた労働時間
- 清算期間を通じて、法定労働時間の総枠を超えて労働した時間
有給休暇については基本的な勤務形態の人と同じく、1日働いたものとみなされます。
計算方法が少し複雑に見えるフルフレックス制ですが、残業代がもらえることはもちろん、有給休暇の取得もできるので安心です。
5. 1日の最低勤務時間と勤務時間はどのくらい?
フルフレックス制に1日の最低勤務時間は設けられていません。
極端な話、1時間の勤務で帰宅したり、10時間働いたりする日があっても何の問題もないでしょう。
勤務時間は月の総労働時間を満たしていれば問題ありません。
総労働時間は就業規則などで定められているはずなので確認しておきましょう。
まとめ
今回は、フルフレックス制の特徴や導入している企業についてご紹介していきました。
フルフレックス制は導入している企業はまだ少ないですが、出退勤時間を労働者が自由に定めることのできる魅力的な制度です。
メリットは以下の4つです。
- ワークライフバランスの向上
- 生産性の向上に期待が持てる
- 通勤ラッシュを回避できる
- 柔軟な働き方が可能
仕事とプライベートを両立できる労働形態であり、向いている人の特徴は下記の3つとなります。
- 個人職を目指している人
- 自己管理ができる人
- こまめに業務連絡ができる人
上記に当てはまるような人にはぜひおすすめです。
フルフレックス制を導入している企業の多くは、WEBディレクターやシステムエンジニア、プログラマー、コンサルタント、設計士、デザイナーなど、個人でも業務を進められる職種です。
そのような職種を目指している人は、フルフレックス制での勤務を目指してみてもいいでしょう。
大手企業やホワイト企業も導入する例が多い傾向にあります。
ぜひこの記事を参考にして就職活動に取り組んでくださいね。