
【例文あり】「企業選びの軸」を見定める方法・面接での答え方
2022年11月8日更新
はじめに
日本には、約300万以上の会社があると言われています。
自身のスキルアップであったり、
目標達成のためであったり、
はたまたその両方であったり。
就職における目的は人それぞれ異なりますが、
そのような目的達成において、人生のコンパスとなり得るのが
いわゆる「企業選びの軸」です。
この企業選びの軸(または選社軸)というものは、
面接において必ずと言って良いほどよく聞かれることになりますので、
しっかりと自分なりの答えを明示できるようにしておく必要があります。
本記事では、
そもそも企業選びの軸とは何なのか、
企業選びの軸はどう作ればよいのかについて、
具体的な回答例を交えて紹介していきます。
これから企業を見ていくという方や、
就活をしていくうちによく分からなくなってしまった、という方は
ぜひ参考にしてみてくださいね。
1.そもそも企業選びの軸とは?
簡単に言うと、「企業選びの軸」とは、企業を選ぶ上での条件です。
例えば、
- 企業の業界
- 仕事内容
- 職務環境
- 福利厚生
などが条件として挙げられます。
企業は星の数ほどあるので、
全ての会社を受けていこうとすると時間が足りず、労力の無駄です。
そのため、最初から効率的に選考を受けるために企業選びの軸を設定し、
志望する企業数を絞ることが、効率的に就職活動を行う上で重要です。
しかし、企業選びの軸は人それぞれです。
例えば、企業の働きやすい風土に注目する人もいれば、
企業の給料の高さに注目をする人もいますし、
裁量権を持って働きたいという人もいます。
自己分析をしながら、
「自分は企業選びに対してどの条件が重要なのか」について
深掘っていく必要があるといえるでしょう。
2.企業選びの軸の重要性
では、なぜ企業選びの軸が重要なのでしょうか。
企業選びの軸が重要な理由をあげていきます。
2-1.企業とのミスマッチを防ぐため
近年、約3割の新卒入社した社員が3年以内に退社するといわれていますが、
「企業選びの軸について深く考えていなかった」
ことが理由となっているケースが少なくありません。
いくら転職が当たり前の時代とはいえ、
在籍期間が例えば半年や1、2年程度では入社の意味があったとはいえず、
次の転職においても足かせとなってしまいかねません。
このミスマッチが起こってしまう原因は、
自己分析不足の場合が多くあります。
業界分析や企業分析に注力するあまり、
自分の目指す方向性が二の次になってしまい、
企業主軸の就職活動になってしまっていることが起きてしまいがちです。
リクルートが2019年5月に発表した「就職白書2019」によると、
一人あたりの採用コストは平均70万かかると言われており、
だからこそ企業側も貴重な採用費用が無駄になってしまわないよう、
面接では必ず企業選びの軸が聞かれることになります。
このように、応募者側にとっても企業側になっても
マイナスとなってしまう早期離職。
予防するためにも、
しっかりと自分が就職する理由や目的を明確にし、
これらを意識して就職活動を行うことが重要です。
2-2.就職活動を効率的に行うことができる
就職活動を行う上で、時間管理は重要です。
というのも、
授業がある中でインターンが入ったり、企業説明会が入ったりするため、
就活生は非常に忙しい毎日を送ることになります。
そのため、軸がない中多くの企業を受けていくと、
1企業にかける時間が相対的に減り、選考準備が中途半端になります。
結果、内定が貰えないケースが生じてしまいかねません。
その点、企業選びの軸をしっかりと持って就職活動を行った場合は、
企業選びの軸に合わない企業は選考を受けなくてよいので、
無駄な企業の説明会やインターンに行かなくて良くなります。
企業選びの軸が明確であればあるほど、
いきたい企業に時間を割くことができます。
効率的に就職活動を行うことは、就職活動を成功に結びつけるためにも重要です。
上記のように、企業選びの軸を設定することは、
内定への近道という意味合いでも大切であると言えるでしょう。
3.就活生必見:企業選びの軸の作り方
実際に策定するためには、具体的には何をすればよいのでしょうか。
いくつか企業選びの軸の作り方を紹介していきます。
3-1.モチベーショングラフ
多くの就活生は聞いたことがある、
もしくはやったことがあるのではないでしょうか。
モチベーショングラフとは、
自分の人生におけるモチベーションの波を書いたグラフです。
何をしている時にモチベーションが上がるのか、または下がるのか。
あるいは、どのような環境だとモチベーションを維持できるのかなど、
自分に適した成長環境を理解するためには、非常に重要な役割を担っています。
例えば、高校や大学の部活動等の経験で、
個人スポーツよりもチームスポーツの方がやる気が出たのであれば、
会社選びをするなら「チームで物事に取り組む環境」の方が良いです。
また、サークルなどの活動において組織の制度を変えようとした経験があったものの、
年上の人が古い慣習を重視して意見を聞いてもらえなかった、というような苦い経験を持っているのであれば、
会社選びの軸として言うなれば「風通しの良い環境」に適性があるといえます。
モチベーションが上がった点と下がった点を注視し、
なぜモチベーションが上下したのかを分析することで、
会社選びの軸が明確になります。
3-2.ストレングスファインダー
ストレングスファインダーとは、
米国ギャラップ社の開発したオンライン「才能診断」ツールです。
Webサイト上で177個の質問に答えることで、
無意識に行っている行動パターンや感情など個人の資質について、
診断を行ってくれます。
ストレングスファインダーは自分が気づいていない面について教えてくれるため、一度診断してみることをおすすめします。
ストレングスファインダーで導き出された自分の特性から、
どんな仕事、環境だとやりがいを感じるのかを考え、
企業選びの軸に反映させていくことができます。
やり方は人それぞれなので、一例として参考にしてくださいね。
また、ストレングスファインダーは有料となっていますので、
「無料で自分の特性を知りたい」という方は、
以下の記事で紹介している他ツールも参考にしてみてください。
4.企業選びの軸について面接での回答例!
会社選びの軸が曖昧だと面接で落ちてしまいます。
そこで、企業選びの軸について聞かれた際の良い例と悪い例を見ていきます。
4-1.悪い例(Aさん)
「私の企業選びの軸は旅行業界に携われるかどうかです。 なぜなら私は旅行が好きだからです。私は今まで10か国に旅行してきました。その際に使用した御社のサービスに感銘を受け、私も御社のサービスを提供する側に回りたいと思いました。」
悪いポイントが2つあります。
1つ目は「ある物事が好き」という理由は企業選びの軸にはなりえません。
なぜなら、ただ単に名詞の好きは浅く、
旅行業界といっても旅行をするわけではありませんし、
仕事は好きだけで続けられるほど簡単ではないのです。
そのため、
上記の回答をさらにブラッシュアップするためには、
旅行の「何」が好きなのかを深掘りする必要があるといえます。
もし、旅行が好きな理由が「海外の人と話せる」といった理由なのであれば、旅行業界で無い方が良いかもしれませんね。
そして、2つ目は「サービスに感銘を受けた」という部分です。
どういったサービスに感銘を受けたかが書かれていなく、曖昧ですし、
経験の浅い学生が「感銘を受けた」と言っても、
本当に会社のサービスの質へ対するものであるとは限らず、
採用担当者側から訝しく思われてしまいかねません。
ビジネスにおいては、よく「Why」を5回繰り返すと言いますが、
企業選びに関しても同じことが言えます。
「本当にそうなのか?」といった観点を絶えず持ちながら、
自己分析を深めていくことが重要です。
4-2.良い例(Bさん)
「私の企業選びの軸は、旅行業界で、一人一人に沿った旅行プランを提案できる企業です。なぜなら、私は自分の知識や経験で人を喜ばすことが好きだからです。その中でも旅行は人の人生観にプラスの影響を及ぼす究極のサービスだと考えています。
私は大学1年生の時にインドに旅行をしました。そこから人生観が180度変わり、旅が一人の人間に及ぼす影響の大きさを身をもって体感しました。また友達の旅行をサポートした際に、とても喜んでくれ、自分の経験が役に立つことが嬉しかったからです。」
この例文の良い点は、なぜ好きなのかが明確な点です。
また自身の経験と欲求が入っており、
あなた自身の考えをよく知ることができます。
また、「経験が役に立ち嬉しかった」という点はBさんの人想いな人間性が伝わってきます。
そして重要なポイントは、
自分の感情や結果について論理的に説明、あるいは相手に情景を思い浮かべられるように説明できているかどうかでもあります。
同じ題材でも伝え方、書き方次第で大きく評価が分かれてくることは忘れないようにしましょう。
まとめ:企業選びの軸を見つけるのは簡単ではない!
企業選びの軸の重要性と作り方、そして具体例について紹介してきました。
企業選びの軸は人それぞれです。
そのため、簡単に見つかるものではありませんし、
就活生が企業選びの軸を見つけるのには、時間がかかります。
しかし、納得感のある企業選びの軸が見つかると就職活動は順調に行き、
満足のいく内定獲得につながる可能性が高まります。
もし企業選びの軸を探していて、よく自分でわからなくなったら、
誰かに相談してみるのも良いでしょう。
誰かに相談することで、
案外今まで見えていなかったものが見えてくるものです。
なんとなく就職活動をするのではなく、
企業選びの軸から明確な意思を持って就職先を決めましょう!