【地方就職】Jターン就職のメリット・デメリットを解説!
2022年6月15日更新
はじめに
就職活動で就職したい企業や団体を選ぶ際に業務内容はもちろんですが、どこで働くかという点もとても大切な要素です。今までよりも多様な働き方が選択できるようになり、東京や大阪などの大都市圏以外での就職を選ぶ方も増えてきています。
大学入学を機に地方都市から上京し、就職を機に地元に帰って就職する「Uターン就職」や、逆に都市部から地方の大学で学ぶために、引っ越しして、そこで生活をし、そのままその都市で就職する「Iターン就職」などが代表的な地方都市で働くの就職形態です。
「Uターン」「Iターン」に加えて、最近では「Jターン就職」という新しい形態も生まれました。最近よく、聞かれるようになった「Jターン」とは一体どのようなものなのでしょうか?
今回は「Jターン」についての概要、メリット・デメリットを紹介します。「Jターン就職」について知って、就職活動の選択肢を広げましょう。
1.就活でよく聞くJターンとは?
就職活動で「Jターン」という言葉をよく聞く方もいらっしゃるでしょう。「Uターン」はなんとなく知っていたけど、「Jターン」については、しっかり理解していないという方も少なくありません。
以下、「Uターン就職」と「Jターン就職」の違いについて説明します。
「Uターン」は地元に戻っての就職を指します。例えば、大学入学を機に東京で暮らし、卒業のタイミングで地元に戻って就職をすることです。
「Jターン」は同じく都市部から地方への移住することですが、「Uターン」との違いは、完全に地元に戻るのでなく、地元の近くの都市部への就職をすることを指します。
例えば、宮城県の仙台市以外が地元の方が、大学は東京で暮らし就職先として、地元に近い都市部の仙台で就職をするといったパターンです。
Uターン就職の場合のように全くの地元ではなく、地元近くの都市での就職ということで、Jの字で表現されています。
2.就活でJターン就職に向いている人
Jターンに向いている人の特徴を下記2つの側面から考えていきます。
・Jターン就職のメリット
・Jターン就職のデメリット
良い点と悪い点、2つをあらかじめ把握することで「自分には本当に向いているのか」といったのが見えてくるのです。では、まずメリットから紹介します。
Jターン就職のメリット
メリットは下記の5つです。
・物価や家賃が安い
・子育てがしやすい
・交通の利便性が高い
・通勤ストレスが減る
・実家に直ぐ帰省できる
それぞれ具体的に見ていきます。
物価・家賃が安い
東京や大阪などの大都市圏と比べて地方都市での生活は物価や家賃が比較的安く済みます。特に家賃は、東京都内と比べて安く抑えることが可能です。家賃以外にも駐車場代も都内では高額ですが、地方だと家賃に含まれているという場合が多く、自動車生活の負担も低く抑えることができます。
物価自体も大都市部に比べて安いので、様々な生活費を抑えることが可能です。日常生活費を安く済ますことで、収入での余剰分を貯蓄や自分への投資などに回すことができるようになります。
子育てがしやすい
大都市部では保育園などに入れない待機児童が多く発生しています。地方の都市部では、待機児童問題もほぼなく、子どもを保育園などに通わせながら、仕事をすることが可能です。
また、地方は自然が豊かで、公園なども充実しています。都会の騒がしい環境ではなく、豊かな自然環境下での子育ても可能です。多くの自治体ではJターン就職者向けの子育て支援制度も充実しています。子育てのしやすさを魅力としてアピールしている自治体も多くあります。
交通の利便性が高い
Jターンで選ばれる都市は地方でも比較的交通の便が良いのが特徴です。公共交通網が整備されており、通勤に不自由することはないでしょう。地下鉄、バス、私鉄など公共交通網が発達しており日常生活も不便なく過ごせます。
地方の主要都市の代表例として仙台市・名古屋市・福岡市などは地下鉄網が整備されており、勤務先へのアクセスがとても便利です。他の地方都市(県庁所在地の市やその近隣都市)も様々な公共交通網が整備されています。
通勤ストレスが減る
特に東京では通勤が長時間になることが多く、電車も混雑が激しく通勤のストレスが多くなってしまいます。Jターンで移住する都市は大都市圏と比べ通勤時間も短くなり、電車も混雑しておらず、ストレスを感じる機会が減ることでしょう。
通勤ストレスが減ることで生活にもゆとりができ、空いた時間を趣味などの時間に費やすことが可能です。時間を有効活用でき生活の質が向上することになります。
実家に直ぐ帰省できる
Jターンでは地元の近くの都市で働くので、実家へすぐに帰省することができます。介護などで親の面倒をみる必要がある方などは、近くで親の様子を把握できる点の大きなメリットです。
Jターン就職のデメリット
これまでJターン就職のメリットについて説明しました。続いてはデメリットの紹介です。メリット・デメリットを比べて、自分にとって「Jターン就職」に向いているのかの検討材料にしてみましょう。
デメリットは以下の3つです
・娯楽施設が少ない
・仕事の数や種類が少ない場合がある
・土地の雰囲気に合わないこともある
それぞれ、具体的に見ていきましょう。
娯楽施設が少ない
Jターン就職で移住する地方都市は東京や大阪の大都市に比べると、娯楽施設は多くありません。プライベートの時間を過ごすにあたって、娯楽施設が少ないと生活に刺激が減り、退屈してしまうことでしょう。
生活に刺激やハリを求める人にとっては、デメリットになるかもしれません。
仕事の数や種類が少ない場合がある
コロナ禍の影響で、大都市以外に拠点を移す企業も増えてきましたが、まだまだ大都市と比べ、地方都市には仕事の数や種類が少ないのが現状。大都市であれば、分業も含め多くの仕事があり、自分の適性に合った企業や職種につくことが可能です。
「Jターン就職」では選択肢が少なくなり、少ない中で仕事を選ばなければならず、場合によっては希望職種につくことが難しくなることもあるでしょう。
土地の雰囲気に合わないこともある
「Jターン就職」は地元に近いとはいえ、縁のない土地で生活をするこ可能性もあるので、場合によってはその土地の雰囲気が合わないということもあり得ます。近所付き合いであったり、地域の風習、しきたりなど、暮らしてみないとわからないことも多く存在するでしょう。
自分に合わない生活環境下で仕事をするのは、ストレスも溜まってしまいます。そうならないための事前の調査が必要です。
3.Jターン就職する前に一度経験するのがおすすめ
・自治体による説明会への参加
・お試し移住・週末移住
それぞれ具体的にご紹介します。
自治体による説明会への参加
地方の自治体は現在、積極的に「Uターン就職」「Jターン就職」をすすめており、無料の説明会やセミナーなどを数多く実施しています。その土地の魅力や生活環境についてなど、詳細な情報を得ることが可能です。
説明会では引っ越しの補助や、就職支援事業など公的な援助に関しての情報なども知ることができ、自治体による各種サポートを受けることができます。
転職を検討している人向け、新卒採用説明会など様々な説明会があるので、まずは説明会に参加することがおすすめです。
お試し移住・週末移住
自治体の取り組みに「お試し移住」「週末移住」があります。これは自治体がJターンを検討している人向けに、住居を提供して「お試し」で生活をしてもらうという制度です。
暮らしてみないとわからないその土地の雰囲気などを実感することができ、移住による不安などを解消することができます。いろいろ試してみて、自分にあった街をみつけてからJターン就職できる企業を探すという手順が失敗が少なくなるでしょう。
4.就活とJターン就職に関するよくある質問
続いては、Jターン就職に関してのよくある質問について紹介します。疑問を解消し、就活の1つであるJターンをより知ることで将来の選択肢が広がることでしょう。
・Jターンが人気の理由ってなに?
・新卒でJターン就職は可能なの?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Jターンが人気な理由ってなに?
近年では働き方が多様化しており、大都市一極集中が以前より緩和されつつあります。地方で働くことが不便でなくなり、ワークライフバランスを大切にする方にとって、Jターン就職は魅力的です。
コロナ禍によってリモートワークなどの在宅勤務の機会も多くなり、場所に縛られる働き方は減少しています。私生活の充実を第一にとらえる価値観をもつ人々も増加しており、Jターン人気の背景のひとつです。
新卒でもJターン就職は可能なの?
新卒でもターン就職は可能です。新卒者向けにUターン・Jターンをテーマにした合同説明会も数多く実施されています。
各地方自治体もJターン・Uターンで多くの若者に移住してもらうための施策を数多く用意しています。地元志向も高まっており、大都市圏以外で働きたいと考える学生も年々増加傾向です。
企業の東京から地方部への移転も増えており、今後もJターン志向の学生は増えてくると予想されます。
おわりに
今回は、Jターン就職についての説明とメリット・デメリットを紹介してきました。
今までJターン就職について知らなかった人で、地方出身の方は就職活動の選択肢として検討されることをお勧めします。単純なUターン就職よりも選択できる企業の数も増えますし、自治体で実施しているJターン就職説明会などに参加すると行政による支援も受けることができます。
コロナ禍の影響もあって、今まで以上に働き方の多様化が求められています。出勤を前提とした勤務形態から、在宅勤務を中心にした形態の企業も増え、企業の地方移転も進んでいます。現在は、Jターン就職・Uターン就職が以前よりしやすい社会環境です。
みなさんも、多様な選択肢のなかから自分のライフスタイルにあった働き方をみつけることで、長く充実した社会人生活を送ることができるようになるでしょう。