無理なく前向きに、「ありのままの自分」で就活を進めよう。
清水 璽文
島根大学内定:ユナイテッド株式会社
「会社は何万とあるので、自分を取りつくろって就活する必要はない」
そう考え、ありのままの自分で就職活動をした清水さん。もともと感覚優位で、思いついたまま行動するタイプだという。
「でも、感覚で動くぶん、ロジカルに考えるのは苦手でした」
そんな苦手な部分も、シンプルで続けやすい方法を選ぶことで補った。
「就活を機に、本気で自分について考えてみよう!」という前向きな動機で始めた就活。就活で出会った就活生や社会人にうまく頼りながら、最後まで前向きに進めていった。
自己分析の材料となった思い出の一つは、文化祭で「お客さんの表情を想像してワクワクした」こと。
◆就活を“自分を知るよい機会”と捉える。
大学院に進むつもりだった。将来したいことについて考えたことがなく、考えるための時間を確保するためにも、大学院への進学を考えていた。
とはいえ、就活も少し覗いておこうと思い、大学で行われる会社説明会に参加した。そこで出会った、とある会社の人事に投げかけられた質問にハッとさせられた。
「本気で何かにチャレンジしたことはある?」
言われてみれば、そんな経験は思いつかなかった。自分は行動派の人間だと思っていたが、「面白そうだからやってみよう」と思いつきで行動することが多く、目標に向かって本気でチャレンジしようと考えたことはなかった。
ちょうど「本当に院進学でいいのか」と悩んでいた。いい機会だと思った。その問いをきっかけに就活を視野に入れるようになった。
「進路で悩んでいる自分と向き合って、自分が何をしたいのか探してみたい。就活を機に、自分探しに“本気でチャレンジ”しようと決めました」
◆シンプルで続けやすい自己分析
説明会やネットで色々な会社を見るうちに、IT業界や人材業界に興味をひかれた。
「もともと人が好きで、人と話すのも好き。そういう自分の性格から、ITはサービスを通じてお客さんとの距離が近いし、人材では相手の人生に関われるような仕事が自分に向いていると考えました」
ITや人材の会社は東京に多く、自然と東京での就活を考えるようになった。
4月の初め頃、ネットでジョーカツを知った。宿泊費が浮くことはもちろん、他の就活生がどうやって就活を進めているかを知りたいと思い、利用を開始した。
自己分析は東京に来てから集中的に進めた。
自己分析にノート3冊を費やしたという清水さんのノートの取り方は、いたってシンプル。
「その日その時に思ったことや考えたことを、バーっと書くだけ。振り返り用というより、自分の気持ちや考えを可視化する用ですね」
振り返りはあまりしなかったものの、面接の際や人に相談する際に、自然とトピックが出てきた。シンプルゆえ続けやすく、効果のある方法だ。
また、シェアハウスやイベントで会った学生たちと「ただ話すだけ」でも、自己分析になった。
「ロジカルではなく感覚派」だからこそ、よく人と話すことでロジックを補った。
◆目標を設定すると、判断しやすくなる。
キャリアアドバイザーや就活中に出会う社会人と話すことでも、ロジックを補った。
「反省点は、自己分析ばかりやっていて業界分析をしていなかったことです」
ジョーカツキャリアアドバイザーからは、会社の規模を考えることの大切さを説かれた。
選考の雰囲気や、受けている学生たちからの影響もあってベンチャー志向だったが、ベンチャーも会社によって様々だ。
「例えばメガベンチャーは埋もれてしまう可能性があるし、アーリーベンチャーは制度が整っていない可能性がある。改めてそういう視点から、自分に合っている会社像を考えることができました」
5月になると、大学院進学か就活かという悩みにも結論が出た。
就活を進める中で「自分の目標」を考えられたことが、悩みの解消に繋がった。
「自己分析を通して設定した目標は、“色々な人を近い距離から笑顔にすること”。その目標に対して、院進学よりも就活の方が理に適っていました」
目標を設定できたことで受けたい会社も自然と絞られ、会社選びがしやすくなった。
学生時代によくしていたヒッチハイクでは「色々な人によくしてもらった」。そんな体験もあり、「色々な人を色々な方向から笑顔にしたい」と話してくれた。
◆好奇心に導かれた。「ありのまま」でいられる会社。
5月末、あるIT会社の選考に目がとまった。株式会社ユナイテッドは500人ほどのミドルベンチャーで、選考内容は、泊まりがけでの登山。好奇心がくすぐられた。
山梨行きの新幹線の中で会社のパンフレットが配られた。チームでミッションをこなしながら山に登り、汗だくのままダウンを着てテントに泊まった。
「人事の方がすごく話しやすくて、この会社ならありのままの自分で働けると感じました」
実は就活を始めた頃、「ありのままの自分で就活するか、ある程度取りつくろうべきか」について考えたことがあった。
「取りつくろった自分で就活するということは、取りつくろった自分のまま働かないといけないということ。そんなの、絶対に楽しくない。だったらもう最初から素の自分で就活をしよう、と決めました」
志望度の高かった会社に落ちた時も、「選考で自分のありのままを出しきったから、これで良かったんだ」と納得することができた。
登山の2週間後、ユナイテッドの最終選考に呼ばれた。落ち着いた雰囲気で進んだ会長との面接で、ありのままの自分を話した。
結果は内定。たった2回の選考だったが、自分に合った会社だと感じられ、心はすぐ決まった。内定後、人事や新規事業に携わる社員とご飯に行く機会もあり、納得して内定を承諾した。
「まだ就職せずにもっと自由な時間を過ごしたら」と言ってくれた母には、感謝を伝え「やりたいことができたから、就職させてほしい」と話し合った。
こぼればなし
「人と話すのは好き」という清水さんだが、ロジカルにわかりやすく話すのは苦手だった。
「最初は、思いつくままバーっと話してしまって、あれ? いま何を伝えたかったんだっけ? となることもありました」
就活を始めてからはこんなことに気をつけた。
「まず、面接では基本的に“聞かれたことに答えるだけ”というスタンスでいました。その上で、 “相手が聞きたいことは何か”を考えて、自分の中で答えになりそうなものを選んで、話す。
ということを、面接や人と話す時に意識的に繰り返し訓練しました。場数を踏むことが大事だと思います」
- お名前
- 清水 璽文(しみず じもん)
- 内定
- ユナイテッド株式会社
- 大学
- 島根大学
- 出身
- 兵庫県