逆ジョーカツ。「やりたいことをできる環境」を求め、新しい場所へ。
菊地 祥生
北海道大学内定:JR北海道
「地方から東京」ではなく「東京から地方」。
「ベンチャー志向」ではなく「大手志向」。
ジョーカツ利用者の中には、そんな就職活動をした人もいる。
千葉県出身で、北海道大学に進学した菊地さん。就活では東京と地方、両方の会社を受けた。やりたいことができる環境を追い求め、業種を一つに絞り、大手の狭き門を狙う就活をした。
「地方ゆえの情報の入手しにくさや、東京の学生との場数の差を実感しました」
地方学生ならでは悩みを抱え、大手ならではの選考の進みづらさにも直面した。
後悔や迷いのトンネルを抜けながら、菊地さんの就活は“新しい場所”へと続いていた。
大学では地域交流重視のよさこいサークルで活動し、地域貢献にやりがいを見出した。
◆活用できるものはすべて活用して、色々見に行った。
12月、打ち込んでいたサークルを引退して、就活を始めた。地元が千葉県のため、自然と東京での就活を考えた。
ジョーカツのサービスを知ったのは、サークルの先輩からナイモノ代表の霜田を紹介されたことがきっかけだった。
「就活をするにあたり、色々な会社や業種を見ておきたかった。活用できるものはすべて活用しようと思って、ジョーカツも利用しました」
霜田の「就活は生き方選び」という考え方にも共感した。ちょうど就活を始めたばかりで、就活をどう捉えればよいかわからなかった菊地さんにとって、この考え方は一つの指標になった。
ジョーカツ以外でも規模や業種を絞らずに会社説明会に足を運んだ。色々な世界に触れるうち、進みたい方向が見えてきた。
「サークルでの経験もあり、地域に根ざした仕事をしたいという強い思いがありました。その気持ちに、自分が興味のある鉄道を組み合わせたら、しっくり来ました」
直感的に選んだ結論だったが、多くの選択肢を見ていたからこそ、確信を持って決められた。
◆「もっと動いておけばよかった」という後悔。
3月になると、東京でインターンに参加した。地域貢献コンサルティングをする会社の3日間のインターンで、勝手のわからなかったグループディスカッションにも慣れ、就活の雰囲気を味わうことができた。
「一番よかったのは、違う場所で就活をしている仲間と知り合えたことです。インターン後も、“今どんな感じ?”と情報交換できました」
北海道で身の周りに自分と同じ文系の就活生がいなかった菊地さんにとって、就活仲間と出会えたことは有益だった。
「実は、冬のインターンで失敗しているんです。「通るだろう」と思って数社しか応募せず、インターンの機会を逃してしまった」
競争率が高いことを知っていれば、もしくは、もっと幅広く応募していれば、と悔やんだ。積極的な情報収集や、手当たりしだいに動いておくことの大切さを痛感した。
5月になると面接ラッシュが始まり、1週間のうち複数回も上京を繰り返したこともあった。
「狭き門とわかっていながら、ほとんど鉄道会社しか受けませんでした。今となっては、危ない就活をしていたと思います」
◆小手先の技術より、「等身大の自分」に頼ろう。
就活で一番悩んだのは、面接だった。
面接の準備はしっかりと行っていた。想定される質問への答えをパソコンで作り、さらに自分の答えに対して想定される質問を考え、答えを作り込んだ。会社ごとに質問と答えをまとめ、面接に行くたびに反省点や気づいた点を更新した。
それでも、落とされることが多かった。
「相手が明らかに自分の話に興味を示さなかった時はまだ納得できましたが、好感触だったのに落とされることもあって。どうすれば受かるんだろう、と悩みました」
一緒に選考を受けている東京の学生たちは自分よりもずっと場慣れしているように見えて、焦った。
そんな悩みを、東京で働いているサークルの先輩に相談する機会があった。すると、「等身大の自分で話したほうがいい」とアドバイスされた。
「小手先の技術でどうにかしようとするのはやめて、自分の経験してきたことや大切にしたいことを一番に話したほうがいい」
焦るあまり、技術的なことにばかり気を取られていたが、その言葉で我に返った。今から技術を上げようとするより、現時点で自分が持っている思いや経験を最大限にアピールしようと決めた。
「就活でどうしても溜まるストレスは、ビールで流していました」と笑って話してくれた。
◆地元を離れ、新しいふるさとを作る。
「等身大の自分で勝負する」ことを意識して場数を踏むと、徐々に面接に受かりやすくなった。
「場数を踏むことの大切さを実感しました。あとは、面接がうまく行くかどうかは縁の問題もあると思えるようになりました」
面接に受かるにしろ落ちるにしろ、面接官との相性によることはままある。自分を出しきってもうまくいかなかった時は、「縁がなかった」と理解するようにした。
6月末、最終面接にも何回か進んでいた。その日はJR北海道の最終面接で、面接前に人事の人と話す時間があった。
志望度の高かった東京の鉄道会社に落ちてしまったことが、未だ心に引っかかっていた。北海道にはやりたいことをできる環境があるが、よその土地だ。
「慣れ親しんだ東京に戻りたい気持ちもある」と迷いを打ち明けた菊地さんに、JR北海道の人事はこんな言葉をかけた。
「ふるさとは地元以外にも、新しく作ることができる。もし縁があった時は、北海道を菊地さんの新しいふるさとにするつもりで一緒に働けたらいいですね」
その人事は菊地さんと同様、関東出身でJR北海道に就職した社員だった。実体験を踏まえたその言葉に、菊地さんは前向きな覚悟を決めた。
最終面接は無事通過し、JR北海道への入社が決まった。「やりたかったこと」への切符を手にした。
こぼればなし
「地方ゆえの情報の得づらさもありますし、なんでもとりあえずやっておくのが良いと思います。
僕は“どうせインターンだから”とインターンにあまり応募しなかったけれど、インターンは本選考じゃないからこそ、業界や職種は絞らずにできる限り応募すればよかった。他にも、OB訪問や社会人とのマッチングアプリの利用なども、勇気を出してとりあえずやってみればよかったと反省しました」
就活仲間や相談できる社会人がいることの恩恵は大きい。
「周囲の動きに遅れをとっていると気づけたり、もっとこうしたほうがいいという危機感を持たせてもらえる。危機感があるだけでもだいぶ違います」
- お名前
- 菊地 祥生()
- 内定
- JR北海道
- 大学
- 北海道大学
- 出身
- 千葉県