内定後の1ヶ月で考え直した。「内定を得るため」だけでない、「望む将来へ進むため」の自己分析。
堀居 隆生
広島大学内定:PwC Japan有限責任監査法人
「内定後の自己分析が一番大変でした」
と教えてくれたのは、2月には選考を終え、8社の内定を得ていた堀居さん。
早いうちから堅実に動いてきたことが身を結び、順調に就活を終えられる──はずだった。しかし内定承諾先を決めようとすると、足が止まってしまった。
「ここに来て、自分が本当にしたいことが何なのかわからなくなってしまった。選考で会社に合わせすぎてしまったことも不安でした」
内定後の1ヶ月間。堀居さんはもう一度、自己分析と向き合うことになる。
※大学1年生の時に撮影した広島大学1st Penguin Club『広島大学起業部』の写真
◆堅実に進めた就活
19歳に創業した法人の運営と並行して、夏のインターン選考から就活を始めた。
「なぜ起業しているのに、就職活動を大学3年時の夏からスタートしたのかについて面接官の方にも聞かれました。雇用する側ではなく、雇用されて大企業のもとでより大きなアセットを活用して事業をスケールする経験や大企業の内部統制や政治的要素に触れてみたかったので、先輩の話を基に大学3年の夏から就職活動を開始しました」
就職活動を成功させた先輩の意見を参考にして、夏時点で30社を受け、場数を踏んでいたとのこと。
「就活を進める上で大切なのは、対策の量と質だと思います。量を増やすために早い時期から就活を始め、実践の中で自分の弱点を見つけるようにしました」
最初から順調だったわけではない。10社連続で1次面接に落ちてしまったこともあったが、そうして壁に当たるたび対策を考え、地道にパフォーマンスの質を上げていった。
「例えば1次面接で躓いた時は、対策として “これまで何をしてきたか”だけでなく、“なぜそれをしたか”という理由を加えて話すようにしたら、通過しやすくなりました。色んな面接官の方に質問されることで、初めて自身の過去の選択を振り返ったり、自身の感情に向き合うことが出来たりしたので、そういった意味でも場数を踏んで良かったなと思っています。」
そうして堅実に就活を進め、2月には8社の内定が出揃った。中でも志望度の高かったコンサル系2社と事業会社1社が最終的な候補となり、残すは意思決定のみだった。
しかしそこからの1ヶ月こそ、堀居さんにとって悩みの期間となる。
◆「君とは働きたくない」という示唆
意思決定に踏み切れなかった原因は、堀居さん自身にあった。
「僕の強みは人のニーズを察知して相手に合わせて言動を調整できること。でもその一方で、相手に合わせ過ぎて本当にやりたいことではないけれども合わせてしまう傾向があります」
相手に合わせることのできる性格は、「選考に通過して内定を得る」上ではプラスに働いていたはずだった。しかし 「自分に合った会社を見極める」上では、その性格がマイナスに働いていたかもしれないとも感じていた。
「会社側から自分とのミスマッチを判断してもらう機会を失ってしまった。入社後も周囲に合わせて働かなければならないとしたら、それは本当に幸せなんだろうか、と不安になりました」
実は選考終盤にも、そんな自分の性格について考えさせられる出来事があった。
「君とは働きたくない。だって君、今本心から弊社を志望しているわけではないでしょ?」
志望度が高いと自認していた会社の会長面接で、そんな言葉を投げかけられた。
「自身の感情や志望を改めて考える良い機会だった。その会社の選考には落ちてしまいましたが、いい示唆をいただきました」
それまでも少なからず感じていた就職活動中の違和感は、無視できないものになっていた。内定承諾前に改めて、自分と向き合う必要があった。
◆内定後に自己分析をやり直した。
選考中に自分らしさを出せなかったために、内定後に残ってしまった不安。選考をやり直すことはできない代わりに、内定後の面談では素直な気持ちを話すよう努めた。
「内定承諾先を迷っていることも含め、今自身が考えている悩みや将来に対する考えもすべて正直に打ち明けました」
内定先の社員に相談したり、意識的に本音を出して人と接するうち、「相手に合わせすぎてしまう人間性も含めて自分の強みだ」と納得することができた。
それ以外にも、選考後の自己分析で見えたものがある。
「それまでは、お金や地位といった“人生で何を得たいか”をベースに将来を考えていました。でも、内定後に自己分析をやり直したら、もっと核心まで考えが深まりました。
世に残っていくのは物か技術かアンチテーゼか仕組み、私の今までの人生から「前を向こうとしていた時に発生する理不尽により、目標に向かえない事象を解決したいと思いました」
◆「望む将来へ進むため」の自己分析
3月。1ヶ月前よりも深まった自己分析と照らし合わせ、今度こそ内定承諾先を決めることができた。
選んだのは、PwC Japan有限責任監査法人。「攻め」のための土台を作る「守り」のコンサルに強みを有しているPwC Japan有限責任監査法人に入社することを決意したとのことだった。
システム監査という専門性やセキュリティコンサルタントという職種は、マーケットの拡大に対して人材がまだまだ少ないという市場価値という観点からも、セキュリティやガバナンスのリスクマネジメントの領域に携われることに魅力を感じた。
PwC Japan有限責任監査法人の選考は6月に始まり、内定が出たのは1月。半年に渡る長期の選考で、社員と話しをする機会も多かった。
内定後の面談ではそれまでの選考のフィードバックや、入社後の待遇についても丁寧に教えてもらえた。
「セキュリティコンサルタントとして、セキュリティやガバナンスに課題を感じる顧客企業様に向けてコンサルティングを行うだけでなく、僕が就職活動を考えるに至った ”大企業のもとでより大きなアセットを活用して事業をスケールする経験” も任せていただけることも決め手として非常に大きかったです」
堀居さんは、自身の考えを素直に話した結果、監査法人にて新規事業創発を行う、所謂「新規事業開発室」での活動も出来るようになったとのこと。
そんな堀居さんは、PwC Japan有限責任監査法人の内定者代表として入社することになる。
こぼればなし
大学を卒業してから5年が経過した堀居さんとお話しする機会がありました。なんと今は改めて起業し、セキュリティ領域にて会社を創業しているとのこと!!
「PwCでの経験は非常にエキサイティングでした。Securityの力で企業の心臓を守りながら、未来への鼓動を強くしたい」と活力に溢れた様子で語っていた堀居さんの姿が印象的でした。
「PwCに入社して良かったですか?」
最後に堀居さんに聞いてみました。
「勿論、良かったです。当初考えていた経験もできたと思っています。PwCで、ともに起業する仲間に出会えたことも大きかったですし、今でもPwCの先輩方や同期とも交流があり、その上PwCとは取引先としての関係として現在も仲良くさせて頂いております。悩みに悩み抜いて良かったなと今でも思います。」
- お名前
- 堀居 隆生(ほりい たかお)
- 内定
- PwC Japan有限責任監査法人
- 大学
- 広島大学
- 出身
- 長崎県