「ロジック」よりも「人との会話」が自分を助けてくれた。
M.H
鹿児島大学内定:All About
もともとは公務員を目指していたが、就活を通して目指す方向は変化していった―――。
「民間で。できれば都会で働きたい。でも、東京で就活なんて……」 そんな不安を抱えながらも、葛藤から抜け出せたのは、就活を通して出会った人たちの言葉があったからこそだった。
就活をする中で、積極的に人と会って話したというM.Hさん。人と話すことが自分の力となり、無理だと思っていた東京での就活も、気づけば身近なものになっていた。その変化をつくってくれたのは、いつも「人との会話」だった。
地元鹿児島の美術館での一枚。地元から出たことがなく、出るとも思っていなかった。
◆東京で参加したインターンで、圧倒された。
就活をはじめた頃は、当然地元で就活するだろうと思っていた。
親も公務員だったため、仕事や社会といっても、そうした「かっちりした職業」のイメージしか持っていなかった。しかし、先輩から「東京のベンチャーとか、向いてるんじゃない?」と言われ、東京で働くことを考え始めた。
しかし、興味本位で参加した東京のインターンで経験したのは、苦い思い。
参加していたのは有名大学の学生ばかり。そこでは「仲良く一緒に頑張ろう」という雰囲気ではなく、知らない言葉が飛び交い、いかにもロジカルでアピールするかのように、学生たちの意見が交わされていた。そんな雰囲気の中で、すっかり萎縮してしまった。
「インターン参加数は多い方だと思っていたんです。けれど、全然そんなことはなくて……。グループワークで話すことに苦手意識もなかったはずなのに、あまりにも優秀そうに見える人たちを見て、緊張して話せなくなってしまったんです。そんなことがあって、東京で就活なんてうまくいくわけない、って思うようになっていました」
◆正直に話すことで、大人が応援してくれた。
一度は興味をもった東京への意欲は削られ、やはり元のように県内での就活を目指すようになったが、本当の転機は2ヶ月後にやってきた。
11月頃、地元で参加した会社の説明会で、ある会社の人事と話す機会があった。
そこで彼女は、ぼんやりと感じていた思いを伝えた。
「本当は、東京で自分が入りたい会社に入って、東京で働きながら暮らしてみたい。でも、東京のインターンで圧倒されて怖くなってしまった、って正直に伝えてみたんです。」
そこで返ってきたのは、こんな言葉だった。
「もう一度、自分を試す場として、うちの会社のインターンに来てみたら?」
こうしてやってきた二度目のチャンス。少し躊躇いはあったが、再チャレンジを決めた。交通費が支給されるということも、彼女の背中を押してくれた。
◆揉まれたことで、東京就活に踏み出せた。
2度目の東京インターン。
前回の経験を乗り越え、うまくやれた……というわけでもなかった。
「きつかったです。きつすぎて、初日の段階で帰ろうかなって思ったくらい。グループでずっと課題をやり続けてほとんど寝られないし、社員さんからはがんがん詰められて怖くなっちゃって……」
さらに、同じ班には、ビジネスを立ち上げた経験のある学生がいた。その学生が次から次へと発言するうち、M.Hさんはまたすっかり萎縮してしまっていた。
「途中で、社員さんから呼び出されたんです。”いつものあなたじゃないよ。もっと自分をどんどん出していいんじゃない?”ってアドバイスをもらいました。その後は気を取り直して、少しでも自分を出そうと努力しました。
もしこのインターンに参加していなかったら、東京は諦めて県内就活していたと思います」
けっしてうまくやれたわけではなかった2度目の東京インターン。しかし、このインターンで揉まれながらも食らいついたことで、東京で就活をしようと腹を決めることができた。
東京で就活中、よく人とご飯に行った。東京に来るたび、色々な就活生や社会人との出会いがあった。
◆苦手や不安も、人と話して解決。
東京就活へと背中を押してもらった以外にも、“人に支えられた”就活だった。
「ロジカルに考えたり、筋道を立てて話したりするのが苦手なんです。だから、本当に人に支えてもらったし、人には本当に助けてもらいました。ESの自由記述欄で悩んだときも、就活で知り合った社会人に“○○さんならどう書きますか?”って、よく聞いていましたね。そうやって、勝手に色んな人に自分のアドバイザーになってもらっては、頼っていました」
就活の軸がわからなかったときも、人に頼ることで解決した。
まず、どんな軸で今の会社を選んだかを社会人に質問し、共感できる回答を集める。その後で、「なぜ自分もその軸が大事だと思うか」という理由の部分を、オリジナルで考えていった。
イベントに足を運んだり、入りたい会社のOBを探して連絡をとったり、積極的に人と会うようにしていたというM.Hさん。人と会った後は、次に繋がるよう、その日のうちにSNSなどでお礼のメッセージを送った。
「何かあるたびに、色んな人に相談しました。人が意見や考え方を教えてくれたり、話すうちに自分の考えが見えてきたりします。“これは使えるな”って思うキーワードが出てきたら、たとえご飯中でも必ず携帯にメモさせてもらっていました」
就活中に友人もでき、東京はいつのまにか親しみのある場所になっていた。
こぼればなし
「予定を埋めるのが好き」と話すM.Hさん。就活中は、朝から複数の就活の予定を詰め、空いた夜に人とご飯に行くようにしていた。選考の時期に進んでも、空いた日には社会勉強を兼ねて、1DAYのインターンを探しては参加していたという。
「元々働くことに意欲的でなく、なんとなくで就活先を決めようとしていました。でも就活で積極的に人と話しているうちに、思いついたら即行動できるようになっていて、東京での就活も一度“東京でやろう”と決めきったら気持ちが楽になりました。自分にはこれしかって決めつけていたけど、挑戦してみたら自分の幅って広がるんですね」

- お名前
- M.H(M.H)
- 内定
- All About
- 大学
- 鹿児島大学
- 出身
- 鹿児島県